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W杯予選 カンボジアvs日本

カンボジア

カンボジア 0-2 日本
得点 オウンゴール(後半6分)
本田圭佑(後半45分)
ソス・スハナ(後半34分) 警告 槙野智章(前半30分)
山口蛍(後半12分)

採点

選手 採点 寸評
GK 西川周作 6.0 ほぼプレーする機会はなかったが無失点に抑えて代表の連続無失点記録を伸ばした
DF 長友佑都 5.5 後半はスタミナの差で攻撃の見せ場を作ったが、両SBが同時にあがり、SBの裏が攻撃されるというパターンもいつもどおり。攻撃時のリスク管理には課題を残した
DF 槙野智章 5.5 ドリブルで切れ込まれる場面もあったものの、ポジション取り自体は至って手堅く、自己犠牲的な守備で重要な場面を何度も止めた。
DF 藤春廣輝 5.5 縦への速さは見せたが、長友同様守備でのポジション取りで危ない所も
DF 吉田麻也 4.5 珍プレーと好プレーの繰り返しで激しい波があった。カンボジア相手という事を考慮すると安定性に問題があった
MF 遠藤航 4.5 守備が崩れたわけではなかったが、攻撃の組み立てでは違いを作ることが出来ず見せ場はあまりなかった
MF 香川真司 5.5 技術は見せていたが、連携が何度も失敗しておりチームとの意思疎通に課題が残った
MF 山口蛍 5.0 守備では重要なシーンは押さえたが、柏木が投入されるまでは明らかに攻撃が繋がらなかった
FW 原口元気 5.5 ドリブルでの突破では明らかに違いを見せたが、ゴールには繋がらずFWとしては物足りない
FW 岡崎慎司 5.5 ゴールへの嗅覚と飛び出しは良くオウンゴールを誘ったが、自らの得点はできずPKまで失敗し結果に繋がらなかった
FW 宇佐美貴史 4.0 縦へ抜くプレーもクロスも特に見せ場はなく、運動量の少なさなど悪い点が目立った。
MF 柏木陽介 7.0 途中出場で試合の流れを変えた。セットプレーでも高い精度をみせた。
FW 本田圭佑 6.5 サイドで出場したが中に入りCFの動きをみせ、相手との身長差を生かし空中戦を制して1ゴール。サイドとしては問題もあったが本田の得点力が生きた
MF 南野拓実 出場時間が短すぎて採点不能。
監督 ハリルホジッチ 5.5 最低限の目標であった勝利とサブのメンバーを試すことが出来た。カンボジアというアジアでも強いとはいえないチーム相手を利用してスタメンの選手を大幅に交代をした所は良かったが、あまり機能せず戦術的には課題を残した。またセットプレーも相変わらずで、セットプレーからの得点も柏木のクロスの精度によるオウンゴールで狙い通りとは言いがたかった。流れからの崩しはほぼ成功しておらず、クロスやロングボールで攻撃する形が多く見られたが1得点しか入らなかった。クロスやセットプレーが決まらない明らかな理由のひとつはターゲットになる高さで勝負するFWが1人もいなかった事と無関係ではないだろう。クロスを挙げる戦術を選ぶのなら高さがありポストプレーが出来る選手を入れていないのは良くわからない。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「勝利はした。しかし、前半には全く満足していない。後半は良くなったが、2点しか取れなかった」
「試合には満足していない。何人かの選手には怒っている」

日本代表の印象

 5バックで固めた相手に攻めあぐね前半はノーゴール。後半も柏木を投入して流れが変わるまでは効果的に相手の裏を付く事ができなかった。ほぼ空中戦に勝てる事を生かし、本田投入後は低身長の相手DFにクロスを繰り返し本田が競り勝ってゴール。高さを生かした攻撃を主体とするとしては現代表にはタワータイプのFWが不足しており結果的に本田のフィジカルを生かしてCFの代用で得点を決めるという形になった。

明らかに問題があるサッカー協会のコンディション管理

 個人的な意見としてはメンバーを入れ替えて実験した事事態は良かったと思う。むしろW杯予選でも最終予選ですらないわけで全ての試合でサブや試したことがない選手を使っても3点くらいはとって勝つのが普通だと思うので。親善試合に至ってはサブどころか久保や南野といった若手やJリーグの選手で調整すればいいのではないかと思う。ザックジャパンで起きたメンバー固定によるコンディションの極端な悪化を考えれば、無茶な日程は出来る限り避けるべきだろう。

 今回も実は怪我人が出ている。無理な日程で投入されていた清武が右第5中足骨を骨折。クラブでは中心選手で降格争いの大事な時期での怪我となってしまい非常に残念。前回のシンガポール戦で活躍した金崎夢生も打撲、武藤も調子が悪い。前回のシンガポール戦の感想でも書いたが、長谷部は頭をやられ出血していたし森重も膝への危険なプレーがあり、あの試合のラフプレーは酷かったので本来はサッカー協会がシンガポールに抗議して当然のレベルだと思う。この試合も長谷部や森重を入れ替えたのはコンディション面の問題が含まれていたのではないだろうか。

試合の総評

 試合は順当に勝ったが、一言で言うとある意味異常な試合だった。W杯公式の予選にもかかわらずボールが謎のベトナム製(一応FIFA公認ではあったらしい)、ピッチは人工芝でキックするとしたからゴムチップが舞い上がり、水もまかれておらずボールがやけに止まる。そして31度という高温。一見サッカーのようではあったが、野球の試合にテニスボールを使ったような不思議さがあった。正直W杯の予選としては競技以前の条件がかなり異なっていたことは事実だろう。

スタッツを一つ二つ

Cambodia vs. Japan - 17 November 2015 - Soccerway
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W杯予選 シンガポール vs 日本

シンガポール

シンガポール 0-3 日本
得点 金崎夢生(前半20分)
本田圭佑(前半26分)
吉田麻也(後半42分)
警告 森重真人(後半20分)

採点

交代選手

選手 採点 寸評
GK 西川周作 5.5 ほとんどシュートされる事もなかったが、無失点に抑えた
DF 長友佑都 5.5 何度も攻撃参加をみせたが左サイドを決定的に崩すには至らなかった。開始早々相手に削られるなど不運な面もあった。
DF 森重真人 6.0 相手に膝付近を蹴られるなど危険なプレーに苦しんだが、重要な場面では完全に押さえ込んだ
DF 酒井宏樹 5.5 何度も攻撃参加をみせたがクロスの精度には課題を残した
DF 吉田麻也 6.5 ハイボールの処理でクリアミスなどもあったが無失点に1ゴールで補って余りある
MF 柏木陽介 6.5 ワンポイントで違いを見せるパスも合ったが、不用意なパスミスも目立った。精度の高いクロスで吉田のゴールを呼び込んだ。守備では柏木も相手のダーティーなプレーにやや苦戦した。
MF 清武弘嗣 6.0 消えてしまう時間帯もあったが、高いボール精度のパスとセットプレーで違いもみせた
MF 長谷部誠 7.0 攻撃の組み立て、決定的な場面での守備と攻守に目立った。相手に削られ出血もしたが苦にせず中盤を制圧した。この試合のMoM候補
FW 本田圭佑 6.5 サイドというより相変わらずゴール前の動きで違いを作り、2点目のゴールでは相変わらず高い得点能力を見せた。スタミナが持たずに後半は足が止まり消えてしまった。
FW 武藤嘉紀 6.5 いい形は何度も作ったが自らはゴールは出来なかった。ゴール前の大事なシーンでは適切なポジションで絡みアシストは決めた
FW 金崎夢生 6.5 先制点で代表初ゴール。試合の流れを作った。相変わらずドリブルは一流だが沢山のシュートチャンスに決めきれずCFとしては物足りなさも感じた。サイドの方が生きるのではないだろうか。
MF 香川真司 6.0 相変わらずワンタッチの上手さは圧倒的だったが、得点に繋がることはなかった。
FW 原口元気 6.0 後半38分から途中交代で出場で時間は短かったが、攻守に大胆に走り回り時間帯を考えた戦略的な動きを見せた。
FW 宇佐美貴史 5.5 ドリブルでの勝負には可能性を感じたが、結果は出せなかった。
監督 ハリルホジッチ 5.5 最低限の課題であった主要メンバー以外での勝利は手に入れた。良かった点としては、まず勝利した。主要メンバー以外をスタメンに起用できた。清武と柏木を入れる事でセットプレーが一気に充実した。引き分けた前回のシンガポール戦よりは最後の決定力の部分で改善があった。

課題としては、相手が弱すぎてこのメンバーが通用するのかわからなかった事。ラフプレーを繰り返す相手に怪我人が出た事。組み立てが長谷部に重度に依存している事。相変わらずハイボールを処理できるFWを組み合わせておらず放り込みはもっぱらDFの吉田、森重の得点力に頼っている事。その為ハイボールのクロスがセットプレーでしか決定力を持っていないこと。守備でも相変わらず敵のロングボールや放り込みで冷やりとする部分が。MFやDFに清武や柏木、長友といった高さがなく攻撃的な選手を配置してSBによる攻撃をする場合に、強豪相手の試合となったら恐らくいつものように容易にDFが崩壊するのが目に見えておりW杯前から続く代表の守備の課題がむしろまた浮き彫りになっている。

試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「まずは選手におめでとうと言いたいです」
「我々はもう少し点が取れたと思います」
「ディフェンスに関してしっかりボールを奪えてよかったと思います。オフェンスに関しても美しいアクションはあったが、慌てたことと少し運も悪かった」
「こういう試合はもうちょっと(点を)取るべきだと思います」

日本代表の印象

メンバーを入れ替えた事で不安定になるかと思われたが無失点。得点も3点と、コンディション面を重視したメンバーにして交代を生かすことで、かえって前回の引き分けたシンガポール戦より安定した。ただしチームの総合力としてはこのメンバーのレベルが必ずしも高いとはいえない部分もあったが、主要メンバーが抜けた状態での始めての試合という事を考慮すれば十分な成果があった。特に清武柏木のセットプレーには可能性を感じた。

試合の総評

圧倒的なアウェイでの試合であり、シンガポールも前半には危険なプレーを繰り返し削りに来るが何故かファールにはならず日本側だけが笛を吹かれるというパターンが続き苦しむ。開始早々長友が削られ少し痛め、森重は膝に向かって足裏で踏みつけられるなど最近の代表の試合では稀に見る汚さ。柏木は競り合いで相手の手で顔をやられ、長谷部は頭から出血。清武はユニフォームをつかまれて破れてしまうという事態も発生した。特に相手の21番と6番は危険なプレーが目立った。前半で2点入れて2-0で折り返した事で若干よくなったが危険なプレーは後半も続いた。

スタッツを一つ二つ

Singapore vs. Japan - 12 November 2015 - Soccerway
http://int.soccerway.com/matches/2015/11/12/asia/wc-qualifying-asia/singapore/japan/2028672/

親善試合 イラン vs 日本

1178 1348
イラン 1-1 日本
デジャガ(前半47分) 得点 武藤嘉紀(後半3分)
アズムン(後半36分) 警告 吉田麻也(前半32分)

採点

選手名 採点 寸評
GK 西川周作 6.5 流れの中からは無失点。PKも一度はじいて止めるなど最低限の仕事はした
DF 森重真人 6.0 不安定になったMFを後ろから支えた
DF 米倉恒貴 5.5 左サイドでは宇佐美、長谷部と連携しそれなりの崩しを見せた
DF 吉田麻也 4.5 ほとんどの場面で安定していたが、不必要なファールでPKを招くなど課題を残した
DF 酒井高徳 5.0 酒井の裏を何度が狙われたが、攻撃では見せ場も作った
MF 長谷部誠 6.5 MFのボール回しの核として機能した
MF 香川真司 5.0 前半で交代し香川の所にまでほとんどボールが運ばれる事はなかった、また消えている時間が長く戻ってボールをもらいに行くシーンも見られなかった
MF 柴崎岳 4.0 守備での問題点が露見し、さらに縦へ攻め急ぐあまり攻撃のかなりの部分をロストしていた。結果長谷部を経由しないと攻めが続かない状態に。怪我明けという情報もあったのでコンディション面に問題があったのかもしれない
FW 本田圭佑 6.5 縦へのボールで求められたポストプレーは上手く行かなかったが、高い精度のクロスでアシストした。FKは相変わらず結果が出てないので、キッカーの選択は考えるべきだと思う
FW 宇佐美貴史 5.5 過去のないほど高い守備意識をみせ守備では貢献したが、後半のスタミナに課題を残した
FW 武藤嘉紀 7.0 前線にボールが来る回数が少なく、抜け出した決定機でのドリブルミスなどもあったが、1得点と結果は残した(補足:採点は得点で+1、その1点が勝敗を決めたので更に+0.5。プレー自体は5.5。原口や宇佐美との差は点を決めたか決めていないか)
MF 清武弘嗣 5.5 つなぐプレーやセットプレーでの高い精度をみせ強みはみせたが、決定的な違いとはならなかった
FW 岡崎慎司 6.0 得点にはならなかったが何度かシュートシーンを作り攻撃陣の中では明らかな違いをみせた
FW 原口元気 5.5 守備での戻りとドリブルでの体の強さなど局面では良さも光ったが、総合的に見ると得点やチャンスには繋がらず結果が出なかった
MF 柏木陽介 5.5 柴崎と交代して攻撃面での瞬間的な切り替え速度で違いを見せた反面、出し所が少ない時の不安定さもあった
DF 丹羽大輝 6.0 危険なシーンを何度も押さえるえ、DFの控えとして十分な存在感をみせた
FW 南野拓実 A代表デビューも、出場時間が短すぎて採点不能
監督 ハリル 3.5 縦に急ぐ事でボール回しがほとんど出来なくなっており、バランスをとって縦に急がない長谷部を経由しないとほとんど攻撃がくみたてることができなかった。また同様に柴崎が機能しなかった点も相当に戦術的な問題を感じた。セットプレー対策もほとんどなく、相変わらず高さに弱いまま変化は見られなかった。また交代策では清武を入れておいて何故かFKを本田がけるなど交代策との一貫性を感じられなかった。

1日置いてハイライトを眺めなおして、ちょっと考えが変わったので一部修正した。

試合前のハリルホジッチ監督のコメント

──イラン戦に向けて。

 われわれにとって良いテストになる。FIFA(国際サッカー連盟)ランキングはわれわれよりも高い位置にあるからだ(日本が55位に対し、イランは39位)。私が日本代表監督になって最も難しい試合になる。われわれがあるレベルを超えるためには、野心を持たなければならない。親善試合であっても勝つトライをしなければならない。特にシリア戦の前半よりも、さらに良いプレーをする必要がある。(そのために)何人かの選手を替えることになる。私にとっては、何人かの選手の可能性を探るためにも、この試合を有効活用したい。その選手には、表現をしてもらう必要がある。まだ若い、経験を積んでいない選手が、どんなプレーをするのか見てみたい。少しリスクはあるが、親善試合なのでぜひそれを実行したい。選手は素晴らしい行動をしてくれているし、しっかりトレーニングしてくれている。こっちにきてきちんと休んでいるし、1日から2日、ジョギングもしている。気候にも慣れてきたので、イラン戦は良い試合になることを期待している。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201510130005-spnavi

試合後のハリルホジッチ監督のコメント

 良い親善試合だった。戦うシーンもあったが、前半はまったく満足していない。まったくゲームをコントロールできず、相手がフィジカルでわれわれを支配してきた。ビッグチャンスは作らせなかったが、PKを与えたのは集中が足りていなかった。後半はずいぶん良くなって同点に追いつき、さらに2点目、3点目を決めるチャンスもあった。ただしイランも空中戦に強いチームだったので、やはり2点目、3点目を決めるチャンスはあった。結果としては妥当なものだったと思う。

──前半は相手のフィジカルとサイド攻撃が迫力があった。後半に向けてどういう指示を出したのか?(田村修一/フリーランス)

 まず(相手の)アーリークロスでも防ぎにいくこと、無駄なファウルをしないこと。そして彼らのセンタリングのあとにかなりファウルを誘ってくるので、そこを考えながら相手にしっかり付いて守備をしようという話をした。それから21番(アシュカン・デジャガ)と10番(バヒド・アミリ)はクオリティーの高い選手で、個人的なアクションをしてくるだろうから気をつけるように伝えた。向こうは4人から5人くらいの選手が190センチ台だったので、CKとスローインが危険だった。非常に難しかったが、空中戦でもかなり勝ってくれていた。

──アフガニスタン戦を前に日本は「どのチームにも勝てる」と発言していたが、この試合にも勝ちに来たのか、それとも他のプランがあったのか?(イラン人記者)

 勝ちに来た。イランがアジアで最も強いという情報はあったが、私は野心を持って日本に来たし、勝つつもりでここに来ている。日本はまだ向上するし、私は自分のチームの短所も長所も理解している。われわれはワールドカップ(W杯)予選を戦っているが、そのために(今は)たくさんの選手をトライしたい。次のシーズンは代表的なチームを作り、そしてトレーニングを続けていく。今日は勝つ可能性も負ける可能性もあったが、この道を続けるしかない。このようなタイプの試合は、運や経験などちょっとしたことが勝敗を分ける。この試合は経験を積むという意味で、とても良いテストになった。われわれのチームが向上するためには、このような試合が必要だった。

 私はブラジルやアルゼンチン、フランスと対戦する場合でも、いつも勝利という言葉を口にする。それで負けてしまえば確かに負けだが、私のスピリッツとして負ける準備はしない。そのことについて私には少し経験があって、(アルジェリア代表を率いていた)W杯ブラジル大会の時も世界最強の優勝チーム(ドイツ)と対戦したが、勝つためのトライをしようという話をした。少し(言葉の意味を)理解できない選手もいたが、試合が終わってみると「われわれは勝てたんだ」という目をしていた。しかし、結果としてそれは遅過ぎた。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201510140001-spnavi

ブラジルやアルゼンチンを持ち出すというのは少しイランを過大評価しすぎなのではないか。確かにイランは弱いチームではないが、アジアにおいては日本も弱いチームではないのだから。

日本代表の印象

全体に攻撃の緩急が使い分けできておらず前に長いボールを入れてロストするという攻撃を繰り返してしまった。また短いパスでの崩しをするのか、一発で裏を狙うのか、その辺の意思統一に問題点を感じた。簡単なパスミスも多く連携の面でも連動性が見られなかった。得点は結局相手が浮き足立った所を付いた本田の個人技に頼っており、チームとしては物足りない。

香川、本田、岡崎の3人をそれぞれ交代した。親善試合で主軸を温存する形になり、問題点も目についたが、必ずしも悪い点ばかりではなかった。最終予選に向けて親善試合を生かして主軸となる3人がそろわない状態でのチームのレベルを確認できた。不安定だったり時間は短かったりしたが、南野、柴崎、清武などに出場機会を与え現状を確認できた事も大きい。これが公式の予選だった場合、予選敗退というリスクを伴う事を考えれば、このメンバーだとどうなるかを理解できたのは大きい。

試合の総評

攻守が入れ替わりイランはPKから1点、日本は本田のクロスから武藤が1点と、ほぼ互角の戦いとなった。後半には清武がイランの20歳の若手選手と小競り合いをするなど親善試合としては気持ちの入った試合となっていた。

その他特筆すべきコメント

いつもどおりスタッツを探そうと思ったが、試合後の選手のコメントが面白かったので、一部引用しておく

「考え方として、日本が急激にサッカーのレベルをここ20年で上げてきて、上げてくればくるほど、経済と一緒で伸びにくくなる。例えば、中国みたいなもの。ごくごく当たり前に起こり得ること。練習試合ではオランダ、ベルギーと良い勝負をできるところまできた。伸び率は下がりつつも、少しずつでもいいから、中期計画、中長期計画は日本のサッカー全体に確かに求められている。いろいろなことをマネしてレベルが高まってきたけど、日本が周りにマネされるような。それがどういうことなのかと、今までと考え方やアプローチを変えていかないといけないところまできている」

「一番いいのは、こういう環境に自分自身で身を置くことで慣れていく。スタンダードに、選手それぞれの感覚になっていくのがいい。もっと若い選手は海外に出て行くべきだと。ただ、誤解してもらって困るのは、Jリーグが力をつけているし、Jリーグがさらに力をつけていかないといけない。若い選手とJリーグが力をつけることの両方が必要。柴崎が苦しんでいたと質問がありましたけど、岳には岳にしかない特徴がある。それをもっと出す形を、このレベルで慣れていかないといけない。別に岳がパワーをつける必要はない。例えば(アンドレス・)イニエスタは球際に強くない。ただ、そうならない強さがある。このプレッシャーをいなせる形を普段の公式戦から身につければいい」

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151014-00010018-soccermzw-socc

W杯予選 シリア vs 日本

シリア 0-3 日本
得点 後半10分(日本)本田
後半25分(日本)岡崎
後半43分(日本)宇佐美

採点

選手名 採点 寸評

今回は試合を見てないので採点はなし。

試合後の監督のコメント

 ロジカルな勝利だったと思う。これがわれわれの目的だった。前半は満足していないが、その後修正した。後半はゲームコントロールの面、特にゴールを決めるところでよくなった。初めてPKを取ったが、それも含めてこの勝利はわれわれに良いものをもたらした。ただチームはもっと向上すると思う。この勝利のスパイラルを続けなければならない。

──後半の修正点は?(大住良之/フリーランス)

 特にボールを使ってゲームを支配することだ。われわれは簡単なパスミスをしていたが、グラウンドが柔らかく疲労もあったと思う。背後へのプレーがなかなかできず、足元で(ボールを)もらうシーンが多かった。そのため、相手は後ろに残った状態のまま前に向かって守備ができた。後半はいくつかの良いアクションがあったが、ワンタッチを伴ったプレーをすることでかなりのチャンスが作れた。左からの素晴らしいアクションで点が取れなかったのが残念だが、そうしたプレーがわれわれのプレーのアイデンティティーとなる。繰り返しになるが、このチームはまだまだ向上の余地がある。われわれのグループで一番難しい相手に勝つという目的を果たすことができた。ただし(選手は)少しプレッシャーを感じていたのかもしれないし、テクニックも習慣化されていない印象だ。後半、より多くのものをもたらしてゴールにつながった。

──ハーフタイムの修正によって勝利できたことをどう評価するか?

 何人かの選手に修正を加えた。山口(蛍)、長谷部(誠)と(香川)真司。さらに本田と原口( 元気)。彼らが広がった状態になって、足元でもらう動きが多かった。岡崎と真司、本田、原口には、お互いもう少し近くでプレーするように要求した。個人よりも組織のアクションが増えると考えたからだ。人が動いて、もっとボールが動くことを要求した。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201510090001-spnavi

ニコ生にあったロングハイライト

ハイライトを見た感想

これを見た限りこの試合で重要だったのは、PKを取った岡崎だと思う。その後岡崎自身でもゴールを決めており、FWとしては圧倒的。現在レスターではチーム状況はいいものの岡崎個人は割りと不遇な扱いになっているが、やはり選手としては衰えてはいなかった。MoMも岡崎だと思う。勿論香川、本田も重要な働きはしていたが、相変わらず香川はシュートには消極的なようで、本田もスピード不足と、右足が使えない為シュートが打てないという感じで、二人とも気になる点も相変わらず同じような感じ。

注目した選手
 原口、清武、宇佐美は注目に値する動きをした。前半の原口が運動量があり意外と良かった。それと清武が完全に復活しており、怪我の前どころか全盛期のようなプレーを連発していた。メンタルとコンディションさえ維持できれば、これからは清武の時代も来るのではないだろうか。特にMFは長期的に見ると本田、長谷部の高齢化で必ず補強が必要なのでポジション的には空きが出る。宇佐美は相手の足が止まってきている状況での破壊力があった。ただ、宇佐美は今の所波がある選手なのであとは安定してこのパフォーマンスを続けられるかも課題。

スタッツ

Syria vs. Japan - 8 October 2015 - Soccerway
http://int.soccerway.com/matches/2015/10/08/asia/wc-qualifying-asia/syria/japan/2028677/

W杯予選 アフガニスタン vs 日本

アフガニスタン 0-6 日本
得点 香川真司(前半10分)
森重真人(前半35分)
香川真司(後半5分)
岡崎慎司(後半12分)
岡崎慎司(後半15分)
本田圭佑(後半28分)

採点

選手 採点 寸評
GK 西川周作 5.5 ほとんどシュートを打たれることもなかったが0点に抑えた。パスミス、クリアミスなどが少し目に付いた
DF 長友佑都 6.5 堅い守備を見せた。攻撃面では浮かせたボールが基点となるシーンも
DF 森重真人 6.5 ロングパスの精度に課題は残したが1ゴール。守備では完璧に押さえ込んだ
DF 酒井宏樹 5.5 右サイドからはあまり決定的な形にならなかった。
DF 吉田麻也 6.0 手堅い安定した守備を見せた
MF 本田圭佑 6.5 1ゴールはしたが、コンディション面では不安の残る動き
MF 香川真司 7.5 早い時間での得点で試合の流れをつくり、3点目で決定付けた
MF 山口蛍 6.5 カウンターになりそうなシーンを何度も潰し守備で貢献した
MF 長谷部誠 6.5 カンボジア戦よりは積極的な攻撃参加を見せたが決定機に外しゴールにはつながらなかった
FW 原口元気 6.5 持ち味の中に切れ込むドリブルで何度も突破した。突破した後のクロスは精度に欠けたが、ショートパスでは香川との上手い連携を何度かみせた。後半は何故か右SBをやる事になったがSBの動きはあまり慣れているとはいえなかった。
FW 岡崎慎司 7.0 ハイボールに合せるシーンでは苦労していたが、流れの中ではしっかりと仕事をし2得点
FW 宇佐美貴史 5.5 交代で入ったが違いを作る事は出来なかった
FW 武藤嘉紀 5.0 ドリブルでは突破できなかったが体を使ったプレーでファールなどを取っていた。ただしアフガニスタン相手という事を考えるとストロングポイントのフィジカルを使ったドリブルで突破できなかったというのは逆に課題
MF 遠藤航 5.5 遅い時間で投入された為、評価するのは難しいが、短い時間では特に違いは作れなかった
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

 -6-0の快勝

 ハリルホジッチ監督 この大差で勝ってすばらしいと思います。それを要求していたのでこのような日にこのような大差をつけて勝つのは難しかったので、よくやってくれた。

 -次のシリア戦に向けて

 ハリルホジッチ監督 しっかり休んで、そこからだと思う。しっかり休んだ後に次の準備をしたいと。おそらくこのグループで一番強いのはシリアだと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150908-00000142-nksports-socc

日本代表の印象

基本的には圧倒的に攻め失点もなくシンガポール戦の二の舞は避ける事ができた。しかし、本田と岡崎は若干疲労も見えた。移動距離が長い海外組みは構造的に常にコンディション面での問題があると思う。何らかの対応はしなければいけないだろう。アフガニスタンやカンボジアのような相手には本来ターンオーバーでスタメンから温存しても良かったのではないかと思う。それにその場合、宇佐美や武藤、原口などの実力を試すにはアフガニスタンでも程よい実力になるのではないだろうか。

試合の総評

アフガニスタンは、前回のカンボジアやシンガポールに比べれば攻撃をする動きが見られたが、全体としては終始日本が攻撃し続けほとんどハーフラインを超える事なく0-6で試合を終えた。日本側の攻撃に関しては、いつもの香川、岡崎、本田の3人だった。守備は大体、森重、吉田。それ以外の交代で出た若手などには決定的な部分での仕事に少し不満が残る試合だったかもしれない。

スタッツを一つ二つ

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W杯予選 日本 vs カンボジア

日本 3-0 カンボジア

チームの得点を書くほどの試合ではなく、一方的な展開だったので、特に注目した日本の選手と戦術についてだけ。特にマスコミの評価とかが毎回代表戦はおかしい気がするので、これが普通じゃないのと思った事を重視して書いて見る。

点が取れない問題

点が取れない問題で、何がダメなのか。まず、シュートを打たない。30本打ったというけどチャンスに打った本数は少ない。チャンスにパスで、見かねた選手が中に切れ込む。中に入りすぎて結局ゴール前にDFを並べてからシュートをしている。そりゃはいらないよね。でも、その前には打つチャンスがなかったわけではない。その上、あそこまで下がらせてゴール前しか人がいない。その割りに開いた後のクロスの精度が低いし、中であわせる武藤や岡崎は前に行き過ぎててボールにあってない。なんか今の日本代表というのは非常に基本的なことのレベルが低いまま、変わったプレーに特化して質が上がっているというのがよく分った。

 1.シュートを打たない
 2.中に切れ込みすぎ
 3.中にDF並べてるのにフリーのクロスが精度低すぎ
 4.中にDF並べてるのにフリーのミドルが少なすぎ
 5.セットプレーが酷すぎ
 6.責任問題

左サイドが機能しなさすぎ

露呈したのは武藤の連携の出来なさ。左サイド武藤だった時には長友とも中とも全くあわないまま試合をしていた。武藤が中に切れ込みすぎていたのは間違いなく、武藤と長友との連携もなかった。日本代表の攻撃は終始右サイドの本田酒井に頼っていた。ボール自体はは左サイドにも展開したが、武藤サイドから崩す事は結局最後まで出来なかった。また中にDFを並べているカンボジアに対して、武藤が中にドリブルを仕掛ける意味もよく分らなかった。むしろサイドに開いて縦に突破からクロスかマイナスに折り返すとか、中央に戻してバイタルから相手を引き出すミドルとか、サイドチェンジとかそういう右サイドで普通に行われていた組み合わせが何故か左サイドでは機能しなかった。

日本代表のクロスは下手

「俺たちのサッカー」とかいうパスサッカーっぽいものをやりすぎた弊害か、恐ろしくクロスが下手になっているのではないかと。相手がカンボジアならクロスを放り込んでも勝てない相手ではない。戦術の問題はいいわけにはならない。相手DFと比べて高さでも勝ってる。クロスはフリーで上げ放題、何故一度もあわないのか。アレだけ上がったクロスがあるにもかかわらず、中でボールをあわせる岡崎、武藤のあわなさ。現代表はクロスを上げる方もあわせる方も下手だといって良いだろう。Jのチームでもカンボジア相手ならばクロスで点を取ることができるのではないか。

ミドルシュートを何故か打たない

次に、ミドル。普通はあそこまで相手が引いたら引き出す為にミドルを打つのは常套手段だけど、ミドルを打たない。唯一打って決めたのは本田。山口はミドルの精度が低すぎ。凄く寄せられているわけでもない場面でアレだけ枠外というのはまずい。まあそれでも打たなかった長谷部の100倍くらい山口の方が個人的な評価は高い。あれだけ下がられた状況というのは明らかにミドルを打つべき状況だし、バイタルエリアでフリーでボールを持ってミドルも十分打てる長谷部と山口が打たないという選択肢はないでしょ。事実日本の得点は本田と吉田のミドルシュートだったのだから、ミドルが決定的に有効だった事は試合中の得点で証明しているようなもの。

プレースキッカーもいなければ、セットプレーの作戦もない

セットプレーのCKの時の頭のあわなさも相当に酷い。CKの精度も遠藤と比べると相当に問題を感じる。以前の遠藤がいた時はCKはチャンスだったしFKは中村がいればかなりの確率で入るイメージがあった。今は一体どうなっているのか知らないが、あのCKでは10回やっても20回やっても入らないのではないかと。実際この試合での9回のCKは全くいい感じではなかった。そもそもキッカーだけではなく、合せるべきタワーがFWにはいないし、交代カードにも高さ対策は用意されていないように思う。

FWが不調すぎ

アレだけ攻めているのに点が入らないのは正直DFのせいではない。どう考えても攻撃陣が点を取れていない。責任問題で考えるならこの試合でDFを攻める事は出来ない。SBですら酒井や長友が致命的なミスをしたわけでもなく、クロスも沢山あげていたし、右は本田と連携して酒井はむしろ攻撃の核になっていた。長友も香川が左に流れてからは非常に上手く機能した。この試合のメンバーで言うと一番ゴールに近くてチャンスもあるFWの責任は相当にでかい。

次になんといっても香川。いつもは戦術的な問題点で香川擁護をしているが、この試合のシュートに関しては擁護できない。どうみてもメンタル的な問題を抱えている。ドルトムントでは好調で、代表ではこれというのは明らかに精神的なものとしか思えない。しかも問題が代表にのみあると考えると、その理由はかなり絞られるのではないか。これだけメンタル的に影響を受ける選手だというのが分っていれば、よく分らない謂れのない中傷の影響も気になる。代表での香川といえばよく分らないメディアスクラムによって叩きまくられており、よく分らないプロレス的な本田と香川の対立軸で戦わせられているという。本来はサッカー協会がもう少し選手を守るべきだろう。芸能人じゃないんだからね。

 1.武藤連携できなさすぎ
 2.マスゴミの口を閉ざさせるべき

監督の采配について

先発メンバーについて

先発メンバー自体は、非常に無難なので特にいう事もない。ザックの戦術をそのままやるなら、メンバーに遠藤がいない事が問題かなと思う程度。今のメンバーから考えても、せめて柴崎か太田を出さないとセットプレーやクロスが物足りない。

試合中の交代について

ハリルが直ぐに武藤と香川の位置を入れ替えたのは非常に理解できる采配だった。変えた途端、左サイドは機能し始め長友のよさも香川の良さも目立ち始めた。連携で崩すというザックジャパン風の攻撃においては武藤が相当なネックなのはこの試合の展開からは明らかで、そういう意味ではそれを見抜いて位置を交代させたハリルの現場での観察眼は興味深い点だった。またその後中央でも機能しないと見ると宇佐美と武藤を交代し、宇佐美で左サイドにした場合に機能するかの確認もできて、宇佐美だと長友との連携も香川との連携も右サイドに比べて劣るわけではない事が分った気がする。
そして疲労問題を考えて海外組みで日程が厳しい岡崎やコンディション調整が難しくなっている本田を温存して交代したのも非常に分りやすい交代だったと思う。

戦術について

特に目新しい戦術はなく、結局古いポゼッションサッカーのスタイルに戻っていたし、相手が引いてくる場合にはむしろザックジャパン風のやり方の方が遥かに機能しそうだという事しか分らなかった。以前だとこの状態に加えて遠藤や中村のセットプレーが武器となっていたので、今のメンバーの場合はザックジャパン風にしてもピースが欠けており相手が引いてこられるとイマイチ攻撃力に欠ける事も分った。

Japan vs. Cambodia - 3 September 2015 - Soccerway
http://int.soccerway.com/matches/2015/09/03/asia/wc-qualifying-asia/japan/cambodia/2028673/

東アジア杯2015 中国 vs 日本

中国 1-1 日本
前半10分(中国)ウー・レイ 得点 前半41分(日本)武藤

採点

選手名 採点 寸評
GK 東口順昭 5.0 長く代表で試合に出ていなかったが、酷いプレーはなくまずまずの出来。ただし良い意味で違いが見えるプレーも見当たらなかった。
DF 槙野智章 5.0 素晴らしいプレーもあるが波があり、MFなら問題ではないがDFとしては相変わらず安定性に欠けた
DF 森重真人(Cap) 6.0 安定した守備を見せた。またMFが司令塔として機能しない中、攻撃でも最終ラインから相手をかわしてのパスなどが目立ち、事実上のレジスタ的な役割もこなした。
DF 丹羽大輝 4.5 失点シーンでは寄せ切れず、上がった後の裏を突かれるシーンもあったが、試合全体では悪くはなかった。ただし、数回あった一瞬のミスの内の一つが失点へとつながった。
DF 遠藤航 5.5 ボランチの位置で十分機能し非常に安定していたが、若干守備的で攻撃面では同ポジションの柴崎などと比べると物足りなさも残った。
DF 米倉恒貴 5.0 攻撃面で良いプレーを何度か見せたが、決定的なものではなかった。
MF 山口蛍 5.5 守備に奔走したがミドルは打たせてしまっていた。攻撃では縦への良いパスもあったが、このチームではその後パスをつなぐ技術もシュートに行く積極性もなかった点を考えると、司令塔としては難しい部分もあった。
MF 武藤雄樹 6.0 FW陣が調子が出ない中、1ゴールを決め結果を出した。
FW 永井謙佑 5.0 前半の引っ込み思案で消極的なプレーと、後半の吹っ切れたチェイスと運動量で良い面悪い面両方出ていた。
FW 宇佐美貴史 5.0 いいシュートはあったが、相変わらず運動量が少ない。得意のドリブルも少なく突破力に欠けた。
FW 川又堅碁 4.0 ポストプレーのかなりの場面で失敗し、小さなミスの連続でチームの攻撃が途切れてしまった。
MF 柴崎岳 5.0 交代後のパスにアクセントはつける事が出来たが得点にはつながらなかった
FW 興梠慎三 5.0 パスをつないで、川又との違いは見せたが結果にはつながらなかった
FW 浅野拓磨 時間が短すぎて採点不能
監督 バヒド・ハリルホジッチ 4.5 大きく先発メンバーを変えたが、効果的な組み合わせとは言い切れなかった。縦への攻撃も逆に攻め急ぐ形となるシーンが多く見られ、このメンバーの場合においては突破力が足りず、戦術的な幅の狭さも露呈した。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「いい試合をしたと思う。勝てる資格はあったと思う。徐々に向上している。フィジカル的にもフレッシュな状態で2、3日前に現地に入っていれば全ての試合に勝てたと思う」

「課題はたくさんあります。それを解決していこうと思いう」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150809-00000268-sph-socc

確かに試合の印象としては相手の技術的なレベルがあまり高くなかったので、どの試合でも選手の技量で負けていた感じはなかった。ただし、勝てなかった。

日本代表の印象

試合を通じて攻撃をみると、シュートにまで持っていけるのが、宇佐美、武藤の2人だけだった。永井は前線からのチェイスや豊富な運動量など献身性は見られたが、スピードで裏に抜けることは出来なかった。宇佐美もシュートは見せたが数は少なく、持ち味を十分生かせない形で選手のストロングポイントがあまり生きていなかった。また相手も1ゴール後は十分守備的で裏にそれほどスペースもなかったが、引いた相手の裏を狙うロングパスが多く、真ん中の縦へと出すボールがほとんど通っていなかった。またパスが通ったシーンでも永井や川又のトラップミスが気になった。縦に速く出すパスが多く最終的に囲まれた川又にボールを出すことになっていた。これでは事実上、戦術川又になっていたが、それにはもう少し川又のポストプレーか裏への飛び出しで絶対的な武器が必要だったのではないだろうか。そこまでやるならCF永井とか宇佐美で、一発の抜け出しやシュートの方が強みとしては強かったのではないかとすら思えてしまった。また偶々サイドから抜け出しても中に人が入っていないなど連携的にもあっていない部分があり、全体的に自滅するような形が多すぎたように思う。

試合の総評

中国が凄く上手かったとか凄く強かったという感じもなかったが、DFラインだけ普通に固めていた日本は点が取れなかった。MFからの崩しはあまり意識されておらず、得点シーン以外は日本の側にも決定的な攻撃が作れてはいなかった。こういう少ない攻撃チャンスで決める試合をするには、日本はもう少し守備が堅くなければ機能しないように思ったし、中国も1点取った後の守備が以外とゆるかった。お互い特に攻撃の形がもなく微妙な守備の崩れから偶に入ってしまうゴール。W杯予選でもこの水準の試合をしてしまうと苦戦するのではないだろうか。

東アジア杯の日本代表の総評

攻撃は意図した縦への攻撃という戦術では機能していなかったように思う。この大会では宇佐美、永井などスピードとドリブルのある選手を両サイドにそろえていたが、あまり効果的にサイドから突破できたシーンはなく、両サイドの本来の破壊力やスピードからすると少し物足りない。相手が引いてきた場合に裏にスペースがないと突破できないという点や、相手が十分に警戒して戻りが早いと返って孤立して囲まれて取られてしまうというシーンが多かった。また攻撃が結局CFを経由する崩しだったのでCFがボールをキープできないと成立しない。このやり方で攻撃を通すにはCFのポストプレーやキープ力がかなり大事に成るのではないかと思うが、日本のCFは岡崎くらいしか安定しておらず、その岡崎もそういうボールをさばいたりポストプレーが売りという選手でもない。むしろ日本で言えば本田などが一番得意とするプレーだが、本田は最近サイドをやっており、ハイボールに弱くポストプレーがほとんど出来ない香川がトップ下なので戦術的な相性は最悪の部類になりそうな事を試している気がする。少しちぐはぐな部分があるように思えた。

東アジア杯2015 日本 vs 韓国

日本 1-1 韓国
前半39分 山口 得点 前半27分 張賢秀
警告

採点

選手名 採点 寸評
GK 西川周作 5.0 PK以外は失点しなかった。ハイボールの処理も、FKも上手く処理した。ただ攻撃ではパスの技術的な上手さと戦術的な難点が混在していた
DF 太田宏介 5.0 守備で貢献したが、得意のクロスは精度が低く、攻撃時のパスの連携も微妙で見せ場なく終わった
DF 槙野智章 5.5 少し危ないシーンもあったが何とか守りきった、また攻撃でも光るパスを見せた
DF 森重真人 5.0 守備の要となっていたが、PKを招いたファールもした
DF 遠藤航 6.0 前回の試合から引き続き攻守に安定しており、安定性ではこの代表では一番といって良い出来
MF 柴崎岳 5.5 何度もいいパスを見せたが、ボールをロストして危険なシーンも作った
MF 藤田直之 5.0 裏方役として中盤の運動量を支えた
MF 山口蛍 6.5 攻守の核として機能し、更に1ゴール
FW 永井謙佑 4.5 足はみせたが、パスの遅さ、判断の遅さ、パスの位置が常にマイナスに来る悪い癖が出ていた
FW 興梠慎三 4.0 空中戦にほとんど負け決定的な仕事はできず後半にはスタミナが切れて運動量まで落ちた
FW 倉田秋 6.5 攻撃面では十分に機能し1アシスト素晴らしい動きを見せた
FW 川又堅碁 4.5 途中出場で時間が短かったものの前試合同様、見せ場は作ることが出来なかった
FW 宇佐美貴史 5.0 宇佐美という選手は、最後のシュートチャンスに宇佐美へとボールが集まらないと評価するのが難しい。今回はシュートを打つ所までボールが運ばれなかった
FW 浅野拓磨 5.5 ボールチェイスなどで上手い追い込みを見せ守備の良さが出ていた
監督 バヒド・ハリルホジッチ 4.5 フィジカルの強い相手に守備面では対策することが出来たが、縦への早い攻撃はこの試合でも上手く機能していなかった。そして大会連覇を逃した。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

 試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「今日はディフェンス面に関しては、かなり前回よりも良い状態だった。我々はしっかりポジションをとってコントロールしました」と試合を振り返った。そして、「我々よりもフィジカル的に強い相手だったので、厳しい状況でしたけど、後半少し得点のチャンスがあって、慌てた状況がなければ勝つ可能性もあったと思います」と、勝利への可能性に言及するが、「同等の結果だった」とコメントしている。

http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20150805/337343.html

日本代表の印象

前回の北朝鮮戦から見ると、かなり守備の対策が戦術的に整理されてきており、前にいる相手の大型のFWを押さえるためのDFの動きや、相手にボールをあげさせないプレッシャーをかける守備などが北朝鮮戦よりは上手く機能していた。攻撃面にまではまだ手が回っておらず、攻撃の方向性やカウンターで急ぐ場面と落ち着かせてキープする場面の緩急をどうするのか、常にラインを上げプレスをかけるのか引いて守るのか、細かい所はまだ完成度が高いとはいえなかった。PKに関してはやや不運で、持っているポテンシャルとしては現在のメンバーでも調整時間さえあれば十分勝てたのではないかと思う。また更に良くなる可能性を秘めている感じさせた。ただし現時点ではチームとしては海外組みを含むの日本代表とはかなりレベル差があるといわざるをえない。今回は遠藤と倉田という控えが機能しそうだという点は、かなり成果があったと思う。

試合の総評

韓国は北朝鮮と比べると放り込みよりつなぐサッカーを意識していたが、韓国もチームとしての技術力の問題があり、つなぐサッカーにはかなり綻びが見えた。日本の方が技術的にはかなり上だったと思うが、日本もまだチームとしては戦術的な意思統一に問題があり結果的には、良い勝負になった。また審判が少し癖がありPKやオフサイド、最後の森重のファールなどもちょっと特殊な傾向があるジャッジだったと思う。結果的にそれも日本に不利に働き、この試合に引き分けたことで、東アジア杯の優勝の可能性はなくなった。

試合のハイライト動画

https://www.youtube.com/watch?v=1MuvtiY_pl8
https://www.youtube.com/watch?v=1MuvtiY_pl8

試合のスタッツ

日本 vs 韓国 試合情報 - LEGENDSSTADIUM with EAFF東アジアカップ2015 公式動画

東アジア杯2015 日韓戦スタメン

スタメン
ポジション 選手名
GK 西川周作
DF 太田宏介
DF 槙野智章
DF 森重真人
DF 遠藤航
MF 柴崎岳
MF 藤田直之
MF 山口蛍
FW 永井謙佑
FW 興梠慎三
FW 倉田秋
控え
GK 東口順昭
GK 六反勇治
DF 水本裕貴
DF 藤春廣輝
DF 米倉恒貴
DF 丹羽大輝
MF 武藤雄樹
MF 米本拓司
MF 谷口彰悟
FW 川又堅碁
FW 宇佐美貴史
FW 浅野拓磨
監督 バヒド・ハリルホジッチ

参考

日本対韓国 – サッカー日本代表スコア詳細 : 日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/score/2015/2015080501.html

東アジア杯 日本 vs 北朝鮮

日本 北朝鮮
1 得点 2

採点

選手名 採点 寸評
GK 西川周作 5.0 ハイボールに飛び出してキャッチできない点は気になった。守備範囲の広い長身GKならば放り込みの多くをGKで処理できたのではないかと思う。
DF 槙野智章 4.5 槙野の裏から2失点と守備に苦しんだ
DF 森重真人(Cap) 5.5 何度も空中戦を繰り返したがかなり勝利し手堅い守備を見せた
DF 藤春廣輝 4.5 良い点もあったが小さなミスの積み重ねが気になった。
DF 遠藤航 6.5 上がりは見せ場が少なかったが1アシスト、守備ではサイドからの突破を何度も止めた
MF 武藤雄樹 6.5 色々気になる点もあったが1ゴールと仕事はした
MF 山口蛍 5.0 ボールを取りに行く時の良さはあったが、放り込みには対処できなかった
MF 谷口彰悟 4.0 守備は見るべき点もあったが、あまりに簡単にロストし中盤の支配権を北朝鮮にもたらした
FW 永井謙佑 5.5 スピードでの突破とシュートの良さはあったが、結果にはつながらなかった
FW 川又堅碁 4.5 かなりの数のポストプレーに失敗しポゼッションを下げた
FW 宇佐美貴史 5.5 良いシュートは何度か見せたが決め切れなかった。スタミナ不足と運動量不足は相変わらず
監督 ハリルホジッチ 3.5 相手がハイボールとフィジカルで攻めてくる可能性はかなり高かったにもかかわらず、実際相手の放り込みが機能してしまい戦術的な対策が取れていなかった。また交代策も終盤に追いつかれてから勝ちに行く攻撃の選手を投入したが得点にはつながらず更に失点を招いた。運動量の減っていたMFや明らかに高さを狙われていたところに何か手を打つべきだったと思う。

北朝鮮 vs 日本 試合情報 - LEGENDSSTADIUM with EAFF東アジアカップ2015 公式動画
https://www.legendsstadium.com/eaffeastasiancup-mens/match/821664/member/

試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

試合後、ハリルホジッチ監督は「フィジカル的に準備ができていなかった。決定的なチャンスはたくさんあったが、仕事をしきれなかった。それに対して、相手は長身の選手が2つの決定的なプレーで試合を決定づけた」と振り返った。

 今大会に臨むにあたり「野心を見せてほしい」と繰り返していた指揮官だが、「選手たちはしっかり野心を見せたと思うが、フィジカル的な問題で制限された。選手は疲れていたし、忍耐が足りなかったと思う」とコンディション不良を強調。険しい表情で、足早にピッチを後にした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150802-00336191-soccerk-socc

日本代表の印象

暑さの影響もあってかなりスタミナ不足が目立ちコンディション面での調整が上手く言ってない印象。MFがあまりに相手を自由にしてしまった為、ポゼッションが落ちクロスが上げ放題となっていた。これに関してはかなりの戦術的なミスだと思う。またMFがボールをキープできないだけではなく、落下点にフリーで入ったのにトラップせずヘッドで弾き返し、セカンドボールで敵に渡ってカウンターされるシーンも目立った。基本的に空中戦に弱いのに空中戦で勝負する戦術的選択をしすぎていた印象。
攻撃では、長井と宇佐美を配置したことで、本来は縦へのスピードや突破能力は相当上がっていたはずだが、長井へ上手くボールが渡ることは少なく、川俣に出たボールが孤立して取られるというパターンを繰り返していた。

試合の総評

以前から問題視されている日本の高さ不足をつかれ、事前にわかっている日本の弱点をついた放り込みだけで負けてしまった。全体としては日本の選手の方がレベルが低かったとも思えず、勝てる試合を落としたという印象。

試合の得点シーンの動画

https://www.youtube.com/watch?v=eHqDze0j5hk

スタッツを一つ二つ

この試合、印象どおり中盤で既に北朝鮮に支配されており、全体に試合をコントロールされていた。ただ、ポゼッションが低いだけならば致命的な問題とはいえなかったかもしれないが、相手が組み立ててきた所にカウンターを決めることも出来ていなかった点と、相手がゆっくりと押し上げるのではなく、適当に中盤で回してフリーになったら放り込むという作戦を繰り返していただけで高さとフィジカルだけで押し切られてしまった。ここは何らかの対策が必要だろう。これはオーストラリアでも韓国でも中国でも、日本よりフィジカルが強く高さがあるチームならば必ず日本対策として考えてくる戦術の一つだし、過去だけではなくこれからもしばらくはこれが日本には有効だと教えてしまっている。

北朝鮮 日本
55% ボール支配率 45%
67% パス成功率 64%

https://www.legendsstadium.com/eaffeastasiancup-mens/match/821664/stats/