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1- 7 「歴史を作る魔法のスコア」

ローマ 7 – 1 バイエルン
Y. ジェルヴィーニョ 66′ A. ロッベン 8′, 30′,
M. ゲッツェ 23′,
R. レヴァンドフスキ 25′,
T. ミュラー 36′,
F. リベリー 78′,
X. シャチリ 80′

CL グループE第3節、ローマ vs バイエルンの一戦。アウェーのバイエルンが7-1でローマを粉々に粉砕。相変わらずバイエルンは恐ろしい強さを誇ってはいるが、流石に 7-1 というスコアを予想した人は少なかったのではないだろうか。同時にこの結果は、ローマがセリエでかなり好調であったという点からも、イタリアの落日とドイツの台頭を象徴する一戦になったとも言えそうだ。

試合のハイライト動画


http://www.nicovideo.jp/watch/sm24744600

これで現時点でCLの勝敗は

  • リーガ  10戦5勝1分4敗
  • プレミア 10勝4勝3分3敗
  • ブンデス 10戦7勝2分1敗
  • セリエ   5戦2勝1分2敗

となっており、相変わらず強いリーガと、ブンデスの全体的な底上げが明確になっており、プレミア勢は明らかに伸び悩んでおり、セリエは勝てなくなっているのがはっきりと数字に出ている。

また、7-1 というスコアは大量得点にも拘らずCLやW杯などの歴史的な試合で定期的に現れる興味深いスコアだと思う。以下過去の7-1を適当に並べてみるが、非常に面白い気がする。

  • 2007: マンチェスターユナイテッド vs ローマ 7-1
  • 2012: バルセロナvsレバークーゼン 7-1
  • 2014: ドイツvsブラジル 7-1

それぞれの時代ごとに強さを見せていたチームが7-1というスコアの試合をしているのは、非常に象徴的だと思う。

日本 vs ベネズエラ

日本 2-2 ベネズエラ
武藤嘉紀(後半6分)
柴崎岳(後半21分)
得点 マリオ・ロンドン(後半13分)
ガブリエル・シチェロ(後半26分)
森重真人(前半29分) 警告 ルイス・マヌエル・セイハス(前半10分)

採点

GK 川島永嗣 3.5 防げるコースのロングシュートを弾いて致命的な失点
DF 水本裕貴 4.0 敵のカウンターでファールしPKを与える
DF 長友佑都 4.5 攻撃参加で上がった所を狙われ1失点目のミスにも絡む
DF 森重真人 5.0 守備に安定感をもたらした
DF 吉田麻也 5.5 決定機を防ぐ守備で貢献
DF 酒井高徳 5.0 積極的な攻撃参加で攻守に目立った
MF 細貝萌 5.0 狭い場所での細かい技術を見せた
MF 柴崎岳 6.5 攻撃の組み立ての中心となり1得点
FW 本田圭佑 5.0 精度の高いクロス、FKがあったが点には繋がらず
FW 柿谷曜一朗 4.5 良いポジショニングで決定機を得るが外す
FW 大迫勇也 5.0 日本代表では希少なボールキープやポストプレーを見せる
FW 武藤嘉紀 6.0 ウルグアイ戦に続きドリブルからのシュートを見せ1得点
FW 岡崎慎司 5.5 途中出場し良い連携で流れを変え1アシスト
アギーレ 5.5 選手交代が成功し上手く流れを変えたが、勝ちきれなかった。初戦から続き守備的な選手選考でカウンターによる速攻をするシステムだったが、バランスが取れており速攻以外の崩しも見せた。守備陣のミスには課題が残る。
試合後、アギーレ監督のコメント

「前半はベネズエラが日本を上回っていたと思います。(日本は)相手にとって危険なプレーをつくることができませんでした。後半は選手交代も上手くいって、2得点決めることができましたが、引き分けになってしまいました」

「日本の新しい血が活躍したことは嬉しいですね。われわれは、4年後に向けてプロジェクトを進めているので、満足しています」

「試合にはミスがつきものです。みなさまも見たように、ミスからの失点でした。まだ親善試合でこういうミスが起こったことは、良かったと思います」

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?146837-146837-fl

総評

ベネズエラも実は意外と日本代表は苦手としているチームで、過去の試合ではいずれも引き分けており*元々余裕で勝てる相手ではなかったとは思うが、日本の失点は単純なミスによる2失点で、ゴールは一定の崩しを見せていたので内容的には勝てた試合だった気がする。日本は試合巧者で巧みに隙を付く南米のチームは全体に苦手としており、この試合でもその傾向があったように思う。

日本代表の印象

ウルグアイ戦に続き守備陣の個人的なミスで試合が決まっている為、アギーレジャパンのシステムの効果自体が分かりにくくなっているが、武藤や柴崎など新しく選ばれた若いメンバーによるゴールで、新しい戦力の発掘には一定の成果があったと思う。

スタッツを一つ二つ

と思ったけど、いつもスタッツを見てるGoal.comにまだスタッツが出ていなかったので、とりあえず後で見つけたら何か書く予定

日本 vs ウルグアイ

日本 0-2 ウルグアイ
0 (前半) 1
0 (後半) 1
得点 エディンソン・カバーニ(前半34分)
アベル・エルナンデス(後半28分)
警告 マルティン・カセレス(後半22分)

採点

川島永嗣  4.0 DFの崩れで2失点。DFが統率しきれていない
吉田麻也  5.5 いつもどおり一定の守備力を見せた
長友佑都  5.0 運動量豊富でクロスも上げたが効果が薄かった
森重真人  5.0 守備は効いていたが攻撃への繋ぎは凡庸
酒井宏樹  4.5 失点に繋がるクリアミス。攻撃も右サイドが機能不全
坂井達弥  1.5 2失点に絡む致命的なミス。代表DFとしては不十分
細貝萌   4.5 守備では潰していたが、攻撃では違いが作れない
田中順也  5.0 足元は通用したがクロスやパスの精度が低すぎ
本田圭佑  4.5 サイドの選手としては突破力や運動量が物足りない
岡崎慎司  6.0 良い崩しを見せたがその先の仕事は出来なかった
皆川佑介  5.5 高さとポストプレーで機能。日本代表では希少価値

武藤嘉紀  5.0 目立たないシーンが続いたが慣れてからは決定機も
柿谷曜一朗 4.0 交代出場するが動量が少なく試合から消えていた
酒井高徳  - 
森岡亮太  - 

アギーレ  5  新しいシステムの緒戦としては意図は分かりやすかったが、意図を実現するメンバーの意思疎通や選抜はこれからと言う印象

試合後、アギーレ監督のコメント

ウルグアイは非常に強い相手なのでミスを犯してはいけない。今日は守備のミスが2つあり、それで試合が決まってしまった。今日がデビュー戦だった選手を含めよかったと思う。選手たちが90分間戦ったのがよかったし、武藤のシュートも惜しかった。修正点はたくさんある。例えば、守備のときの集中力だ」

http://live.sportsnavi.yahoo.co.jp/live/sports/soccer_japan/2705

総評

ホームとはいえ、強豪国を良いメンバーで招いた為劣勢は予想された試合だったが、予想以上に実力差があったと言う印象。守備に関してはもう少し粘れればウルグアイのもう少し力を入れた攻撃を経験する事が出来たと思うだけにそこは非常に残念。負荷テストのはずが部分的な問題で製品全体の強度が調べる事が出来なかったのではないだろうか。特にこういう守備的な構成で臨んだ試合の場合の0-2は割りと大敗だと言っていいと思う。0-0や0-1のような緊張した展開に持ち込めなければ守備的なチームは失点した後こちらから点が取れない分、逆転の望みが薄いチームといえると思うからだ。

日本代表の印象

アギーレジャパンの方向性は見えたものの、そのシステムを研ぎ澄ましていく作業が必要だという事も同時に分かった。守備面では坂井のミスが大き過ぎた為、この試合での問題点の洗い出しは難しい気がする。攻撃面では右サイドで本田を使う効果が薄い気がした。

スタッツを一つ二つ

上の採点でも、右サイドの攻撃の問題点と、両サイドからのクロスの精度で減点しているが、その理由はスタッツを見てもらえば割と分かりやすい。まず日本代表のクロスの数だが、圧倒的に左に偏っている。

左クロス 15
右クロス 6

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%82%A4/1837187/stats?ICID=MP_MS_4

これは単純に右サイドからの攻撃より左サイドからの攻撃の方が多かったと言う点がある。長友の突破力が攻撃ではこういう数字になって現れているが、逆にいうと左サイドもこれだけの本数を上げているにも拘らず点につながらない点で、クロスの精度は問題がある事が分かる。

次に、オフサイドの数。日本は基本的に裏への飛び出しが少なかったのではないかと思う。そしてシュート精度の差。スタッツ的に見て突出してウルグアイと差があるのはやはりこの辺りだけでそこで試合が決まっているとも言えそう。DFがある程度機能して、しかも日本が相手と同じ回数だけシュートチャンスを作っても、現状では日本は決定力の差で負けてしまう事を意味していると思う。分かりやすく言うとスタッツ的にはこの精度で戦ったらシュートを3倍打たなければいけないわけで、後半に点を取り返す動きを見せれなかったことも気になる点。

オフサイドの数
日本 0
ウルグアイ 6
7 合計シュート数 8
1 枠内シュート 3
4 ブロックされたシュート 2

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%82%A4/1837187/stats?ICID=MP_MS_4

ブラジルvsドイツ 2014W杯

ドイツのショートパスを主体としたカウンターがブラジルを切り裂く

ブラジル 1 vs 7 ドイツ
0 (前半) 5
1 (後半) 2
ブラジル ドイツ
得点 オスカル (後半45分) トーマス ミュラー (前半11分)
ミロスラフ クローゼ (前半23分)
トニ クロース (前半24分)
トニ クロース (前半26分)
サミ ケディラ (前半29分)
アンドレ シュールレ (後半24分)
アンドレ シュールレ (後半34分)
警告 ダンテ (後半23分)
ブラジル ドイツ
18 シュート 14
14 直接FK 11
0 間接FK 3
7 CK 5
0 オフサイド 3
51 ボール支配率 49

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/result/?gid=2014070801

2014年ブラジルW杯で、恐らくもっとも衝撃的な試合となったブラジルvsドイツ戦。実は試合前情報でもブラジル人たちはネイマールの怪我とチアゴシウバが欠場により、始まる前から苦戦するだろうと予想をしており半ば敗戦ムードすら漂っていたという部分がある。そしてその攻守の要がかけた代償は思った以上に大きかったようだ。試合の総評は、すでに語りつくされてそうだし、特にいう事がないのでこんな所で。

スタッツを一つ

この試合で気になったスタッツを一つ二つ。あちこちのニュースやブログなどで、ドイツのメンバーはバイエルンの選手が多く、パスサッカーが炸裂して買ったのでペップの影響が大きい。というような話が良く出ているが正直、スタッツは全くそうではない。下に両チームのパス回数とポゼッションを載せる

ブラジル ドイツ
381 パス成功回数 428
86% パス成功率 84%
47% ポゼッション 53%

http://www.goal.com/jp/match/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB-vs-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84/1220138/stats?ICID=MP_MS_4

パス回数はドイツが多いが、パス成功率ではドイツが負けており、ポゼッションもそれほど差がない。これはどういう事かといえば、ドイツは攻撃時に早く攻めたという事だ。ショートパスは主体としたが、バルサやペップ流にポゼッションを高める為のボールキープは選択していない。逆にこのパス回数と試合内容としてはポゼッションが低すぎるので、ドイツはボールを取ったらすぐにショートパスを主体としたカウンターで攻めあがったといえると思う。これはバルサ流の兎に角ボール保持率を高めるやり方のサッカーとはとても呼べないし、カウンターだからといっても一発のスルーパスやロングパスでCR7が裏へ出てドリブルで切り裂くレアルのような今良く見るカウンターサッカーとも別のスタイルだといっていい。持ち上がる時に細かく繋ぐショートパス主体のカウンターチームという組み合わせは、結果的に見てみると意外と新しいサッカーだといわざるを得ない。

日本vsコロンビア

日本 1 vs 4 コロンビア
1 (前半) 1
0 (後半) 3
日本 コロンビア
得点 岡崎 慎司 (前半46分) フアン クアドラード (前半17分)
ジャクソン マルティネス (後半10分)
ジャクソン マルティネス (後半37分)
ハメス ロドリゲス (後半45分)
警告 今野 泰幸 (前半16分) フレディ グアリン (後半18分)
23 シュート 13
19 直接FK 9
2 間接FK 0
9 CK 2
2 オフサイド 0
56 ボール支配率 44

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点

川島 4 パスは及第点だが失点が多すぎた
吉田 4.5 肝心のシーンでの位置が悪く防ぎきれない
今野 4.5 PKは仕方がないとしてもミスが多すぎた
内田 5.5 いい組み立ては見せ、守備でも素晴らしい戻りを見せた
長友 4.5 攻撃のバランスがよく、何時もよりボールを無駄にしなかった
長谷部 6 素晴らしい守備とボール回しだが不用意なロストも
青山 3.5 パスミスが多く、失点時には常に守備の軽さが目立つ
香川 5.5 ほぼ全ての攻撃の起点となって違いを見せ守備でも貢献した
本田 5.5 マークは厳しいが1アシスト、最低限の仕事はする
岡崎 6 攻守に献身的に動き1得点
大久保 4 素晴らしい動きでチャンスは作るが、何度も決定機を外す

柿谷 4.5 特に何も出来なかった
清武 4.5 完全に消えていた

ザッケローニ 4 セットプレーのチャンスが多いがキッカーが本田しかいない選抜になっており、本田は長くFKが不調で決めていないので、セットプレーがあまり期待できなくなってしまっていた。このあたりは完全にメンバー選考に依存した問題でありセットプレー対策をどうするか考えるべき余地があったと思う。また就任当初からあった左サイドの長友が上がった後の穴は、結局最後までふさぐ事が出来なかった。ただし、攻撃の組み立ては普段の日本に戻す事に成功しており、2戦目から3戦目にかけてメンタル面の管理では手腕を見せた。

総評

PKやファールから失点が多く、一方の日本側は岡崎が顔から出血してもファールにならないなど審判の判定の厳しさがあった。点差以上に僅差の試合でむしろ試合全体では日本が終始支配したが、最終的な決定力の差で日本がねじ伏せられた形になった。

日本代表の印象

日本のカウンターに弱い部分を狙われてしまったが、試合内容自体は日本に見るべき点も沢山ありポゼッションやパスでは普段の日本を取り戻した部分もあった。3失点目、4失点目は何時もの日本のカウンターされるパターンで、左サイドの長友の上がった所にパスを出されて、フリーになった選手が日本の右サイドに素晴らしいボールを供給するという、いつものパターン。全体としてはいつもの日本のように攻撃的なサッカーを見せチームは持ち直し、ギリシャ戦やコートジボワール戦に比べれば見るべき所があったが、このW杯も最後は決定力といういつもの日本の課題が残った。

スタッツを一つ二つ

パス成功率は高く、パス回数も多く、日本はいつものパスサッカーをある程度取り戻していたし、試合は終始日本が支配したといっていいと思う。これはギリシャ戦やコートジボワール戦では見られなかったので、W杯で始めて見せた日本のサッカーといってもいいだろう。

日本 コロンビア
343 パス回数 212
81% パス成功率 75%

日本とコロンビアの勝敗を分けた部分は特に決定力で、シュート回数を見るとチャンス自体は圧倒的に日本の方が回数が多い。差がでたのは決定力という点だけだったように思う。更に枠内シュート数を見るとコロンビアは4本しか枠に飛んでおらずその全てを入れた事になる。決定力だけではなく、GKの守備力という点についても色々考えさせられるものがある数値だ。

日本 コロンビア
23 合計シュート 13
7 枠内シュート 4

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2/1220086/stats?ICID=MP_MS_4

日本vsギリシャ

日本 0 vs 0 ギリシャ
0 (前半) 0
0 (後半) 0
日本 ギリシャ
得点
警告 長谷部 誠 (前半12分) コンスタンティノス カツラニス (前半27分)
コンスタンティノス カツラニス (前半38分)
ゲオルギオス サマラス (後半10分)
バシリオス トロシディス (後半44分)
14 シュート 8
17 直接FK 19
3 間接FK 2
5 CK 7
3 オフサイド 1
70 ボール支配率 30

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/text/?gid=2014061903

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点
川島 5.5 何度か素晴らしいセーブをみせ、パスも良くつないだ
内田 6  攻守にわたって見せ場を作り、素晴らしい崩しをみせた
長友 4.5 守備は安定するも攻撃は最後まで単調なクロスに終始した
今野 5.5 危険な場面を防ぎ、攻撃の組み立ての起点となった
吉田 5  守備は良かったが、後半の攻撃参加は放り込みを招いた
山口 5  ボール回収に奔走しよく繋いだが攻撃では見所がなかった
長谷部 5.5 素晴らしい危機察知能力を見せた
本田 4.5 チームの中心となったが相手を崩しきれなかった
岡崎 4.5 攻守に走ったがパスをつなげずボールをもらえなかった
大久保 4.5 素晴らしい攻撃で違いを見せたが、決定機を外しすぎた
大迫 4  チャンスは十分あったが決め切れなかった

遠藤 5  良いFKと崩しを見せ守備にもよく走ったが決定打にはならず
香川 4.5 崩しを期待されるも、ボールが来ないゴール前で待ちすぎた

ザッケローニ 4.5 勝てる試合を落とした。采配というより前回の試合を引き摺るチームのメンタル面を回復させる事ができなかった点が問題だった。

試合の総評

前半のレッドカードで日本が1人多い中、チャンスも作ったが点を決めきれずに引き分けた。一人少ない中では完全にギリシャのプランどおりに試合を運ばれた。

日本代表の印象

コートジボワール戦とは違いパス回数を増やしポゼッションも高く、長く続けているサッカーのスタイルを取り戻したが、後半になると今までザッケローニが指示しても頑なに拒否していたロングパスを多用した放り込みやパワープレーを開始した。ただし、日本代表は予選などでパワープレーをしなかった為、代表メンバーからパワープレーに向いた選手は尽く落選しており、放り込みに対応できるメンバーがほとんどいない中、望みのないロングボールを入れ続けた。特に左サイトからはクロスを連発し、ギリシャの守備の強みである高さに挑み続けたが弾かれた。

スタッツを一つ
日本が見せつける謎のクロスのスタッツ

高さと守備の堅さを誇るギリシャに対し日本がパスで崩すのかと思いきや、謎のクロス攻勢。

日本 ギリシャ
25 クロス 17
15 左クロス 8
10 右クロス 9
9 ペナルディエリア外 4

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3/1220085/stats?ICID=MP_MS_4

高さを売りとするギリシャのクロス本数17を大幅に上回る25本。

日本VSコートジボワール

日本は何だか今までやってきたのと違うプレーを連発して負けてしまうという不思議な試合だった。

コートジボワール 1 vs 1 日本
0 (前半) 1
2 (後半) 0
コートジボワール 日本
得点 ウィルフリード ボニー(後半19分)
ジェルビーニョ(後半21分)
本田 圭佑(前半16分)
警告 スレイマヌ バンバ(後半9分)
ディディエ ゾコラ(後半13分)
吉田 麻也(前半23分)
森重 真人(後半19分)
18 シュート 8
11 直接FK 10
1 間接FK 2
8 CK 5
1 オフサイド 2
62 ボール支配率 38

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/text/?gid=2014061403

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点

川島  5  好セーブを見せるも相変わらずパスに問題があり危機を招く
長友  4.5 アシストするが後半は左サイドを崩されクロスで2失点
内田  5.5 フィジカルで劣勢だったが危機を何度も救う。攻撃も惜しい形を作る
吉田  4.5 攻撃参加もし危機も防いだが、肝心の失点シーンでマークがずれる
森重  5  献身的な守備をした
山口  5.5 ピンチを何度も防ぐが不用意な縦パスが目立った
遠藤  4  長谷部と交代し守備が劣化、攻撃もキープも出来なかった
長谷部 5.5 安定した守備でギリギリの所で失点を防いだ
香川  5  チャンスも作ったが厳しいマークに苦しんだ
本田  6  厳しいマークの中得点。最低限の仕事はした
岡崎  5.5 攻守に献身的に動いたがボールをもらえなかった
大迫  4.5 前線でボールを追ったが攻撃では消えていた
大久保 4.5 交代で入ったが消えていた

ザッケローニ 4.5 結果にこだわるザッケローニとしては内容も結果も伴わなかった。また交代で入った選手もいい形では働かなかった。特に長谷部交代後に左サイドの守備力が落ち左サイドから2失点を招いた。

試合の総評

日本が先制したが、試合は終始コートジボワールが試合し、日本は持ち味を出すことなく終わった。

日本代表の印象

全体としてはザンビア戦の最後の大久保の飛び道具的なゴールの影響をチームに強く感じた。ただし、本来のパスサッカーが見られず、偶に使う飛び道具だったはずの縦に速いプレーに終始してしまいカウンターを招き主導権を奪われた。後半は完全に制圧されポゼッションも維持できずカウンターも成功しなかった。何故かW杯本番で以前と少し違うスタイルのサッカーをするという不完全燃焼のような試合だったと思う。
守備に関しては、以前からの問題を分析されて狙われた印象。例えばW杯直前のザンビア戦も左サイドからのクロスで失点している。その時は長友のよせが機能しておらずクロスを簡単に挙げられてしまった点に問題があったが、そういうちょっとした問題以外にも、日本代表は長友が攻撃的にいく戦術を採用しているので長友の裏が常に危険なゾーンになりやすいという戦術的な問題と、左サイドのボランチに遠藤が配置されると右サイドより守備力が落ちる点。更に長友が中の守備に入ると高さが足りないという点から左からのクロスに弱くなりがちな傾向が元からあった。更に攻撃の起点は香川と本田に大きく依存しているので二人が持った時に寄せることでカウンターを成立しやすくなって居たように思う。

適当に見つけたyoutubeの動画

日本vsザンビア 国際親善試合

日本 4 vs 3 ザンビア
1 (前半) 2
3 (後半) 1
日本 コスタリカ
得点 本田 圭佑(前半40分)
香川 真司(後半28分)
本田 圭佑(後半30分)
大久保 嘉人(後半46分)
クリストファー カトンゴ(前半9分)
ネイサン シンカラ(前半28分)
ルバンボ ムソンダ(後半44分)
警告 大久保 嘉人(後半27分)
吉田 麻也(後半37分)
酒井 宏樹(後半41分)
クリストファー カトンゴ(後半34分)
8 シュート 8
12 直接FK 14
3 間接FK 2
3 CK 3
3 オフサイド 2
52 ボール支配率 48

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/text/?gid=2014060601

Japan vs. Zambia - 7 June 2014 - Soccerway
http://int.soccerway.com/matches/2014/06/07/world/friendlies/japan/zambia/1665094/

試合の総評

全体の印象としてはザンビアが予想以上に強いチームで、一方の日本はコンディションの問題だけではなく連携や戦術面に偏りが見えてチームとしての課題が多々あった。

ザンビアの印象

ザンビアは中盤の守備のプレスが強く、本田や香川などキープレイヤーを中盤で抑えてきた。攻撃の戦術としてはフィジカルだけではなく、ロングボールだけでもなく、狭い所でのショートパスもかなり上手い。そこにサイドチェンジでフィールドを大きく使っていた。日本のコンパクトなプレスをサイドチェンジで揺さぶりボールを運ぶ。ある所まで持ち上がると今度は、一転中への速いクロスや強烈なミドルなどの飛び道具。日本の場合は運んだ後も人数をかけて細かく崩すが、ザンビアはパワフルなミドルがあり、これにより少人数がバイタル付近に近づくだけでペナルティエリアの中まで突破しなくても得点できる可能性がある。パスワークだけではなく最後はフィジカルも十分に生かした面白いスタイルだったように思う。何故か昔のベンゲルを思い出すような戦術だった。

あえて特筆すべき点はこのザンビア代表は主力が「CAFコンフェデレーションズカップ」の試合の関係で離脱*しており主要メンバーが少なかったという点だ。アフリカでW杯に出場できなかった国の主力抜きのメンバー相手としてこの結果を見るとコートジボワール戦には不安を残す形となった。

* : http://qoly.jp/2014/06/07/zambia-wants-to-see-how-far-we-are-from-worldcup

日本代表の印象

いつもに比べ中へ切れ込む攻撃パターンが多く、サイドからの攻撃がこの試合では少なかったように思う。また長友や内田、酒井がサイドの裏に抜けるプレーも少なく、サイドの裏の岡崎へ出すプレーも少なかった。これによりサイドからマイナスの低いボールで降り返すプレーはあまり見られなかった。代わりにサイドから中に切れ込むプレーは多く中央のバイタル付近からのシュートや、ゴール前のFWの裏へ出すボールを多用しており、柿谷や岡崎が裏へ抜け出す動きに合わせるプレーを主体としていたように思う。得点は1点目が相手のハンドによるPK、2点目がクロスボールがそのままゴールになるラッキーなゴール、3点目はその直後の隙を突くゴールと、ほとんどが正攻法の崩ではないのも気になる。

スタッツを一つ

スタッツで気になった所は、まずインターセプトの回数。

日本 ザンビア
15 インターセプト 30

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2/1665094/stats?ICID=MP_MS_4

日本が15に対して、ザンビアが30と倍も違う。これはフィジカルチームと対戦した時のいつもの日本の言い訳がしにくい数字だ。フィジカルを強みとするチームに単純に高さやスピードで負けるのとは違う。インターセプトはむしろパスワークの問題による所が大きいからだ。日本は前半にボールを回せてないイメージはあったものの後半は攻めれていた部分もあったので予想以上の開きという印象。しかし、よくプレーを見ると実は後半も日本の攻撃は青山の縦パス1本だったり、DFの森重が攻めあがるという特殊な形で得点しており、攻撃陣のパスワークで崩したわけではない。W杯のように日本対策をしたチームとの対戦を想定すると日本のパスワークに対策を立ててくるケースは常に想定されるパターンで、非常に意味のある試合だったように思う。

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点
西川 4.5 失点数とミドル対応に課題。パスは違いを見せた
吉田 5  
長友 4.5 突破が少なく、自身の裏は防いだがクロスを上げられた
今野 5  
内田 4.5 決定機に加速で裏に抜けられ失点。体調に不安
遠藤 5  敵の中盤対策に決定的な仕事はできず守備には不安
山口 5.5 中盤をスタミナでカバーしたがミドルが失点に
香川 6  得点したが、連携は単調で多くが防がれた
本田 6  マークに苦しんだが、相手が浮き足立つ瞬間を仕留めた
岡崎 5  献身的に動いて貢献したがゴールにはつながらなかった
柿谷 4.5 裏への抜け出しは決まらず、それ以外は消えていた

大久保 6.5 連携対策を吹き飛ばす個人技と勝ちへの拘りを見せた
大迫  5  無難にプレーしたがFWとしては、もっとゴールに期待
森重  6.5 安定した守備と素晴らしいアシストで攻守に貢献
酒井宏 5  スピードとフィジカルは十分。コンディションは良好
齋藤  4.5 ボールタッチが少なすぎた。味方との意思疎通に期待
青山  6  コスタリカ戦でも見せた深い位置からの縦パスが決まった

ザック 5.5 勝利へのこだわりと結果を出すスタイルは流石。ただし相変わらず選手には無理をさせる傾向があり、明らかに調子の悪い内田や、試合中に右手を痛めた大久保、頭から出血した岡崎についても、怪我の後も試合に出場し続けてたので本番への影響が気になる。怪我の長谷部と酒井のコンディションも気になる。また本田も常に出場し続けているので、本田が怪我をした時のトップ下の交代などの形が想像できない。本田潰しで日本が対応できるのか不安が残る。

続きを読む 日本vsザンビア 国際親善試合

日本vsコスタリカ 国際親善試合

国際親善試合 日本 vs. コスタリカ

日本 3 vs 1 コスタリカ
0 (前半) 1
3 (後半) 0
日本 コスタリカ
得点 遠藤 保仁(後半15分)
香川 真司(後半35分)
柿谷 曜一朗(後半47分)
ブライアン ルイス(前半31分)
警告 大迫 勇也(前半7分)
今野 泰幸(前半39分)
ジャンカルロ ゴンサレス(後半18分)
16 シュート 8
8 直接FK 17
3 間接FK 8
7 CK 3
3 オフサイド 8
55 ボール支配率 45

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/text/?gid=2014060201

Costa Rica vs. Japan - 3 June 2014
http://int.soccerway.com/matches/2014/06/03/world/friendlies/costa-rica/japan/1660446/


https://www.youtube.com/watch?v=0OyDStgvC1Y

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

ザッケローニ:相変わらず戦術的には安定した組み合わせを提示してくるのだけど、コンディション管理という面においてはむしろ過去の監督と比べてもリスキーな采配を好む傾向があると思う。この試合でもそれが一部見えたので本番が心配になる。本番で怪我ならまだしも、本番前に怪我で使い物にならなくなったら今までの4年が水の泡になるだけに心配

採点
川島4.5:セーブもするがパスの成功率が気になる
今野4:肝心の所でミスし失点
吉田5.5:素晴らしいボール奪取。体調は戻してきているが、昔からやらかすフリーにする癖が抜けきらない
森重6:DFラインからの素晴らしい組み立て
内田5:体調を戻してない。前半に痛め怪我が悪化
本田5:前回よりは体調も回復傾向ゴールには絡んだ
山口7:素晴らしいボール回収率
遠藤6:青山の縦パスに対して遠藤の散しが試合を変えた
香川7.5:安定のボール奪取率、素晴らしいクロスとゴール
岡崎5:攻撃は失敗していたが守備でカバー
大迫4.5:チャンスは十分にあったが得点なし
大久保5:自ら決定機を作るもシュートを外す
柿谷6:短時間で点を取った
青山6:素晴らしい縦パスでチャンスを作る

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日本vsキプロス 国際親善試合

日本 1 vs 0 キプロス
1 (前半) 0
0 (後半) 0
日本 キプロス
得点 : 内田篤人(前半43分)
警告 : 岡崎慎司(前半28分)

youtube で適当に見つけた ハイライト


https://www.youtube.com/watch?v=sFTM7K_tbSs

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

柿谷:裏への抜け出し一度以外はほぼ消えてたイメージ。ただ、代わりに入った大久保でちょうど比較できて鮮明になったのは裏に飛び出す加速力はやはり大久保よりもかなり速いということ。相手の裏にスペースがある試合なら柿谷が輝く可能性は高そう。逆に相手に引かれたときに柿谷の引き出しが少なすぎるのが気になる。
大久保:積極的なシュートとボールキープ、そしてフィジカルコンディションもよさそうで大型DF相手にもポストプレーっぽい事が出来たシーンもあった。あとは連携次第。
香川:決定機の演出という意味では物凄く目立ったわけではないが、FWがいまひとつ物足りない日本代表においてはフィニッシャーとしても外せない状態になってる。ミドルシュートだけでなく、得点につながったシーンでも香川の最後に抜け出た所で相手が崩れて転がったボールを内田が入れれたわけで、攻撃面でも役立っていた。そして守備が素晴らしく高い位置で奪うシーンが何度もあり、このボール奪取能力は前線の選手としては極めて貴重で、パスカットや相手の来る場所を読む守備が非常に上手い。本田もフィジカルで寄せるのが上手いので、結果的にセカンドボールの回収率が劇的に向上している気がする。
清武:相変わらず守備は不安が残るが攻撃の連携は素晴らしく、リーグでの現状を考えれば上出来だったように思う。
本田:はやり体が重そう。走行距離は十分だったので動けないというより、出足の加速が悪い印象。チャンスには頻繁に絡みシュートも打てたが入らなかったので
山口:代役としては十分にプレーしたし、対面した時の守備も悪くなかったが、守備の連携の面で偶にずれるのか相手がフリーになっていたのが気になる所ではあった。
長谷部:怪我で難しいとの話もあったけど、この試合を見る限りなら十分プレーは出来そう。今後のコンディション改善を考慮すれば上出来
森重:吉田の代わりを安定して勤めた。怪我を考えると森繁スタメンもありえそう
吉田:コンディション以外は特に不安はない感じ
内田:怪我の問題は少し感じさせたが、ゴールも決めただけでなく素晴らしい戦術眼で非常に光るものがあった。内田は対面の強さというよりも、守るべきタイミングでちゃんとDFとして守備の場所に居る能力が異常に高いと思う。あれだけSBとして攻撃参加している割に守備の時にはほぼ戻っている。これは長友や酒井にはない素晴らしい特性で流れを読むのが異常に上手い。
長友:相変わらずこのレベルの相手には突破力十分でドリブルやボールの運び役としては負ける感じがしない。1vs1で対面した時の強さを重視する人なら絶賛するだろう。ただ、ボールを運んだ後の選択しが少なく、一応シュートも打てるけどインテルでもシュートが必殺の武器というわけではなく、結局最後の所でクロスを上げるしかないのだけど、クロスの質の問題と中であわせるFWが今の代表には居ないので正直長友の武器は現代表では猫に小判というか、どういう風に長友を生かすと点になるのかが少し見え難い。そして守備に関しては相変わらず対面した時のフィジカルは強いのだけど、上がり回数が多いので反面裏を取られる危険性が常に高いというリスクが目立つ。
伊野波:ちょっと守備で約束事でずれる事があったので心配。交代ではいったイノハが不安すぎる出来だった部分もあるがDFとして常に低い位置に居るという点ではイノハに変えると守備できなバランスで選手を配置できるという意味で長友の持つリスクは軽減する効果はありそう。

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