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ブラジルvsドイツ 2014W杯

ドイツのショートパスを主体としたカウンターがブラジルを切り裂く

ブラジル 1 vs 7 ドイツ
0 (前半) 5
1 (後半) 2
ブラジル ドイツ
得点 オスカル (後半45分) トーマス ミュラー (前半11分)
ミロスラフ クローゼ (前半23分)
トニ クロース (前半24分)
トニ クロース (前半26分)
サミ ケディラ (前半29分)
アンドレ シュールレ (後半24分)
アンドレ シュールレ (後半34分)
警告 ダンテ (後半23分)
ブラジル ドイツ
18 シュート 14
14 直接FK 11
0 間接FK 3
7 CK 5
0 オフサイド 3
51 ボール支配率 49

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/result/?gid=2014070801

2014年ブラジルW杯で、恐らくもっとも衝撃的な試合となったブラジルvsドイツ戦。実は試合前情報でもブラジル人たちはネイマールの怪我とチアゴシウバが欠場により、始まる前から苦戦するだろうと予想をしており半ば敗戦ムードすら漂っていたという部分がある。そしてその攻守の要がかけた代償は思った以上に大きかったようだ。試合の総評は、すでに語りつくされてそうだし、特にいう事がないのでこんな所で。

スタッツを一つ

この試合で気になったスタッツを一つ二つ。あちこちのニュースやブログなどで、ドイツのメンバーはバイエルンの選手が多く、パスサッカーが炸裂して買ったのでペップの影響が大きい。というような話が良く出ているが正直、スタッツは全くそうではない。下に両チームのパス回数とポゼッションを載せる

ブラジル ドイツ
381 パス成功回数 428
86% パス成功率 84%
47% ポゼッション 53%

http://www.goal.com/jp/match/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB-vs-%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84/1220138/stats?ICID=MP_MS_4

パス回数はドイツが多いが、パス成功率ではドイツが負けており、ポゼッションもそれほど差がない。これはどういう事かといえば、ドイツは攻撃時に早く攻めたという事だ。ショートパスは主体としたが、バルサやペップ流にポゼッションを高める為のボールキープは選択していない。逆にこのパス回数と試合内容としてはポゼッションが低すぎるので、ドイツはボールを取ったらすぐにショートパスを主体としたカウンターで攻めあがったといえると思う。これはバルサ流の兎に角ボール保持率を高めるやり方のサッカーとはとても呼べないし、カウンターだからといっても一発のスルーパスやロングパスでCR7が裏へ出てドリブルで切り裂くレアルのような今良く見るカウンターサッカーとも別のスタイルだといっていい。持ち上がる時に細かく繋ぐショートパス主体のカウンターチームという組み合わせは、結果的に見てみると意外と新しいサッカーだといわざるを得ない。

2014年のW杯チームの平均年齢は?

Average age for all 32 World Cup squads in 2014

average-age-of-2014-wc-squads1

http://infostradalive.com/2014/06/03/analyse-this-argentina-aiming-to-become-oldest-world-champions/

アルゼンチン代表:28歳336日
ホンジュラス代表:28歳208日
ウルグアイ代表:28歳200日
ポルトガル代表:28歳193日
イラン代表:28歳179日
ギリシャ代表:28歳179日
ブラジル代表:28歳131日
スペイン代表:28歳91日

チリ代表:27歳363日
ロシア代表:27歳357日
イタリア代表:27歳329日
コロンビア代表:27歳318日
コートジボワール代表:27歳303日
アメリカ代表:27歳296日
エクアドル代表:27歳285日
コスタリカ代表:27歳221歳

メキシコ代表:27歳94日
日本代表:27歳84日
クロアチア代表:27歳66日
フランス代表:27歳32日
ボスニア・ヘルツェゴビナ代表:27歳20日
カメルーン代表:26歳226日
アルジェリア代表:26歳222日
オランダ代表:26歳170日

オーストラリア代表:26歳132日
ドイツ代表:26歳114日
韓国代表:26歳71日
スイス代表:26歳24日
ベルギー代表:26歳15日
ナイジェリア代表:25歳297日
ガーナ代表:25歳244日

次のW杯を担う選手は大体何歳か

こういう数値を見ると日本代表が年寄りすぎるのか若すぎるのかなどもわかって、次の4年後のチーム作りをする際には非常に参考になると思う。平均年齢が26歳から27歳程度になっているチームが圧倒的に多い。ベテランを入れることを考えるとベテランを抜いた平均値が若干低めにならないと、平均値はもっと高くなるので、今の日本人で23歳から21歳くらいの選手が次のW杯メンバーには多くなる可能性が高い。

日本vsコロンビア

日本 1 vs 4 コロンビア
1 (前半) 1
0 (後半) 3
日本 コロンビア
得点 岡崎 慎司 (前半46分) フアン クアドラード (前半17分)
ジャクソン マルティネス (後半10分)
ジャクソン マルティネス (後半37分)
ハメス ロドリゲス (後半45分)
警告 今野 泰幸 (前半16分) フレディ グアリン (後半18分)
23 シュート 13
19 直接FK 9
2 間接FK 0
9 CK 2
2 オフサイド 0
56 ボール支配率 44

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点

川島 4 パスは及第点だが失点が多すぎた
吉田 4.5 肝心のシーンでの位置が悪く防ぎきれない
今野 4.5 PKは仕方がないとしてもミスが多すぎた
内田 5.5 いい組み立ては見せ、守備でも素晴らしい戻りを見せた
長友 4.5 攻撃のバランスがよく、何時もよりボールを無駄にしなかった
長谷部 6 素晴らしい守備とボール回しだが不用意なロストも
青山 3.5 パスミスが多く、失点時には常に守備の軽さが目立つ
香川 5.5 ほぼ全ての攻撃の起点となって違いを見せ守備でも貢献した
本田 5.5 マークは厳しいが1アシスト、最低限の仕事はする
岡崎 6 攻守に献身的に動き1得点
大久保 4 素晴らしい動きでチャンスは作るが、何度も決定機を外す

柿谷 4.5 特に何も出来なかった
清武 4.5 完全に消えていた

ザッケローニ 4 セットプレーのチャンスが多いがキッカーが本田しかいない選抜になっており、本田は長くFKが不調で決めていないので、セットプレーがあまり期待できなくなってしまっていた。このあたりは完全にメンバー選考に依存した問題でありセットプレー対策をどうするか考えるべき余地があったと思う。また就任当初からあった左サイドの長友が上がった後の穴は、結局最後までふさぐ事が出来なかった。ただし、攻撃の組み立ては普段の日本に戻す事に成功しており、2戦目から3戦目にかけてメンタル面の管理では手腕を見せた。

総評

PKやファールから失点が多く、一方の日本側は岡崎が顔から出血してもファールにならないなど審判の判定の厳しさがあった。点差以上に僅差の試合でむしろ試合全体では日本が終始支配したが、最終的な決定力の差で日本がねじ伏せられた形になった。

日本代表の印象

日本のカウンターに弱い部分を狙われてしまったが、試合内容自体は日本に見るべき点も沢山ありポゼッションやパスでは普段の日本を取り戻した部分もあった。3失点目、4失点目は何時もの日本のカウンターされるパターンで、左サイドの長友の上がった所にパスを出されて、フリーになった選手が日本の右サイドに素晴らしいボールを供給するという、いつものパターン。全体としてはいつもの日本のように攻撃的なサッカーを見せチームは持ち直し、ギリシャ戦やコートジボワール戦に比べれば見るべき所があったが、このW杯も最後は決定力といういつもの日本の課題が残った。

スタッツを一つ二つ

パス成功率は高く、パス回数も多く、日本はいつものパスサッカーをある程度取り戻していたし、試合は終始日本が支配したといっていいと思う。これはギリシャ戦やコートジボワール戦では見られなかったので、W杯で始めて見せた日本のサッカーといってもいいだろう。

日本 コロンビア
343 パス回数 212
81% パス成功率 75%

日本とコロンビアの勝敗を分けた部分は特に決定力で、シュート回数を見るとチャンス自体は圧倒的に日本の方が回数が多い。差がでたのは決定力という点だけだったように思う。更に枠内シュート数を見るとコロンビアは4本しか枠に飛んでおらずその全てを入れた事になる。決定力だけではなく、GKの守備力という点についても色々考えさせられるものがある数値だ。

日本 コロンビア
23 合計シュート 13
7 枠内シュート 4

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2/1220086/stats?ICID=MP_MS_4

日本vsギリシャ

日本 0 vs 0 ギリシャ
0 (前半) 0
0 (後半) 0
日本 ギリシャ
得点
警告 長谷部 誠 (前半12分) コンスタンティノス カツラニス (前半27分)
コンスタンティノス カツラニス (前半38分)
ゲオルギオス サマラス (後半10分)
バシリオス トロシディス (後半44分)
14 シュート 8
17 直接FK 19
3 間接FK 2
5 CK 7
3 オフサイド 1
70 ボール支配率 30

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/text/?gid=2014061903

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点
川島 5.5 何度か素晴らしいセーブをみせ、パスも良くつないだ
内田 6  攻守にわたって見せ場を作り、素晴らしい崩しをみせた
長友 4.5 守備は安定するも攻撃は最後まで単調なクロスに終始した
今野 5.5 危険な場面を防ぎ、攻撃の組み立ての起点となった
吉田 5  守備は良かったが、後半の攻撃参加は放り込みを招いた
山口 5  ボール回収に奔走しよく繋いだが攻撃では見所がなかった
長谷部 5.5 素晴らしい危機察知能力を見せた
本田 4.5 チームの中心となったが相手を崩しきれなかった
岡崎 4.5 攻守に走ったがパスをつなげずボールをもらえなかった
大久保 4.5 素晴らしい攻撃で違いを見せたが、決定機を外しすぎた
大迫 4  チャンスは十分あったが決め切れなかった

遠藤 5  良いFKと崩しを見せ守備にもよく走ったが決定打にはならず
香川 4.5 崩しを期待されるも、ボールが来ないゴール前で待ちすぎた

ザッケローニ 4.5 勝てる試合を落とした。采配というより前回の試合を引き摺るチームのメンタル面を回復させる事ができなかった点が問題だった。

試合の総評

前半のレッドカードで日本が1人多い中、チャンスも作ったが点を決めきれずに引き分けた。一人少ない中では完全にギリシャのプランどおりに試合を運ばれた。

日本代表の印象

コートジボワール戦とは違いパス回数を増やしポゼッションも高く、長く続けているサッカーのスタイルを取り戻したが、後半になると今までザッケローニが指示しても頑なに拒否していたロングパスを多用した放り込みやパワープレーを開始した。ただし、日本代表は予選などでパワープレーをしなかった為、代表メンバーからパワープレーに向いた選手は尽く落選しており、放り込みに対応できるメンバーがほとんどいない中、望みのないロングボールを入れ続けた。特に左サイトからはクロスを連発し、ギリシャの守備の強みである高さに挑み続けたが弾かれた。

スタッツを一つ
日本が見せつける謎のクロスのスタッツ

高さと守備の堅さを誇るギリシャに対し日本がパスで崩すのかと思いきや、謎のクロス攻勢。

日本 ギリシャ
25 クロス 17
15 左クロス 8
10 右クロス 9
9 ペナルディエリア外 4

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3/1220085/stats?ICID=MP_MS_4

高さを売りとするギリシャのクロス本数17を大幅に上回る25本。

コートジボワール戦で日本は何故失点したのか

特に見てなかったのだけど、ギリシャ戦を前にニュースをみたら Yahoo のコメント欄に香川叩きが多くて驚いた。特に失点に関しての話が多い。コメント欄だけではなく、例えばサッカーファンには毎度おなじみの杉山さんとかも猛烈な香川批判。ただ、この人の場合はあえて突っ込み待ちみたいな気がする。まあ、香川はエースなんだからしっかりして欲しいという意味では言いたい意味は分かるけど。

どう分析されているか

前置きはこのくらいで肝心の失点がどのように分析されているか

香川真司 3.5

選手の中では最大の戦犯。本田が満足な状態になければ、次にチームをリードするのは香川であるはず。2人は日本の両エースであるはずだが、香川にはその自覚がないようだ。何よりプレイにひたむきさがない。で、肝心なところで大きなミスを犯す。同点ゴールを奪われたのは香川のミスの直後。彼の軽率なプレイが、相手を勢いづかせる結果になった。奪われたら即、追いかける。この基本ができていない選手がピッチに立っていると、見る側の応援精神は失せるのだ。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/sugiyamashigeki/20140618-00036512/

まずは、一番の突込み所としては、”同点ゴールを奪われたのは香川のミスの直後”というコメント。では実際の1点目の失点シーンを見てみよう。

まず出てくるのは何故か本田なんだけど、基本的な流れは

  • 香川→本田→ロスト

おや?と思うのが、まずこれは香川のミスなのか?という所。そう、どちらかといえば本田のミスに見える。ちなみに明確な香川のミスのシーンもあるのだけど、それは失点のシーンではなく、その少し前の時間におきている。それも似たような形でロストしたあとクロスが上がりゴール前まで行くが失点にはなってない。試合動画をスキップしながらみてて、このシーンと失点シーンを間違えでもしたのではないか。

1失点目の問題は何だったのか

では本当の失点シーンは何が問題だったのか。この1失点目は本田が奪われた後も本田がチェイスし香川も寄せてカウンターを遅らせている。そこで右にだされているので裏に居る選手には遠藤か長友がよるしかないが、長友はもう1人上がっている選手についているので、遠藤かFWであまっていた大迫がカバーに回るしかない。遠藤は後半出場でまだ走れる時間だったし、中央は山口が抑えていた事を考えると回されたらダッシュで寄せなければいけないシーンだったが、遠藤の守備はいつもスピードが出ない感じで何度も裏の長友の所までいってしまう事を考えれば今更という話かもしれないが。

大迫の交代のタイミング

そして次に問題なのがFWの大迫。前からのプレスが必須の日本ではFWのプレスが大事だが、取りに行くタイミングが合わずにスタミナがなくなってしまっていた。この3分後に大迫は交代するが、ザックは既に大久保の準備をしていたので、このタイミングがもう少し速ければフレッシュな大久保が守備に回れた可能性もあり、こういう細かい所は明確にザックの采配ミスといっていいんじゃないかと思う。ただ、大きい流れはザッケローニは読めていたからこそ大久保を準備していたわけで、本当に一瞬のタイミングの差ではある。

2失点目の問題は何だったのか

2失点目は、ロングボールのボールを拾い、そこから中に楔でいれてから外にはたくという、かなり綺麗なボールを回しをコートジボワールが見せる。一度くさびで中に入れてから外にはたいた為マークが遅れた。ここは確かに香川の守備だ。さらに中にコートジボワールが4人も走りこんでおり守備の数でも有利ではなかった。問題はやはりロングボールを日本が競り勝ったにもかかわらず、遠藤長友はセカンドボールが拾えず、その後寄せた遠藤が軽く交わされ、釣られていた香川もクロスに寄せきれずにあげられる。そして中に低目のボールで入ってきた所で長友がニアの選手をフリーにしており失点。致命的なミスが3つも続いた形での失点といえると思う。

失点シーンを上から見れる動画

2失点目で一番直接的な問題は時間的猶予があったのに中で相手をフリーにしていた長友かCBだと思う。次がボランチで守備ができない遠藤と、振り切られている香川。香川の守備を問題視するなら1失点目ではなく、むしろこの2失点目ではないだろうか。ただ、アベレージで見た時に香川の守備は突出して良い数字を残しているので本質的な能力不足だとは思わない。一瞬の油断だろう。遠藤の方は選手として守備がそれほど上手くないので遠藤を入れる以上、この問題は常に付きまとうと考えなければいけない。

全体のハイライト


http://www.nicovideo.jp/watch/sm23798175

ザッケローニ監督によるコートジボワール戦の分析

試合後のザッケローニのインタビュー

勝手なまとめ

――後半の分析
・ピッチでの距離を埋められなかった。
・コートジボワールはスペースがあった
・日本は通常なら素早くプレーできるが、今夜はスペースを与えすぎた
――失点の理由
・阻止すべきクロスを上げさせた
――遠藤投入の意図
・交代は試合前から決めていた
・長谷部に最大限にプレーさせ、遠藤の集中的なプレーに期待した

――どのように逆転を考えたか
・もっとボールをキープすべきだった

――コンディションはピークにして臨んだ。どこに問題があったか
・日本が通常のプレーができなかった

――相手の両サイドバックが高い位置を取ると、日本が押し込まれる展開がザンビア戦でも見られた。ザンビア戦の教訓をどう生かしたのか?

 まずは相手が良かったということだ。ボールを上手く回して、サイドでうまく空間を利用していた。そのためにわれわれの弱みを突かれてしまった

――守備の課題をどう修正するか?
・守備的にもアグレッシブではなかった
・チームの状態の確認
・士気を上げたい

http://brazil2014.yahoo.co.jp/column/detail/201406150004-spnavi?p=1

特にこの質問は興味深いと思った。

――相手の両サイドバックが高い位置を取ると、日本が押し込まれる展開がザンビア戦でも見られた。ザンビア戦の教訓をどう生かしたのか?

 まずは相手が良かったということだ。ボールを上手く回して、サイドでうまく空間を利用していた。そのためにわれわれの弱みを突かれてしまった

ザッケローニが「サイドを利用され→日本の弱点をつかれてた」といっているのは注目すべき発言だと思う。サイドを利用されて日本の弱みをつかれたという話。ネット上ではザンビア戦もコスタリカ戦も長友絶賛の嵐であまり言われる事はなかったが、個人的には左サイドには問題があると思う。ここ数戦に限らずかなりの期間、左サイドの裏は日本としては失点を招く注意する必要があるエリアだった。危険な理由は日本がSBが攻撃参加する攻撃的なサッカーをやるからで、相手にカウンターをされるとSBの裏ががら空きになるケースが多いという戦術的な問題点がある。特に左サイドは、ボランチの中では守備が弱い遠藤が入るのも大きな要因の一つで、そこに内田より過激に攻撃参加する長友という組み合わせ。これで非常に裏が狙われやすい場所になっている。

以下気になったスタッツとかの話
続きを読む ザッケローニ監督によるコートジボワール戦の分析

日本VSコートジボワール

日本は何だか今までやってきたのと違うプレーを連発して負けてしまうという不思議な試合だった。

コートジボワール 1 vs 1 日本
0 (前半) 1
2 (後半) 0
コートジボワール 日本
得点 ウィルフリード ボニー(後半19分)
ジェルビーニョ(後半21分)
本田 圭佑(前半16分)
警告 スレイマヌ バンバ(後半9分)
ディディエ ゾコラ(後半13分)
吉田 麻也(前半23分)
森重 真人(後半19分)
18 シュート 8
11 直接FK 10
1 間接FK 2
8 CK 5
1 オフサイド 2
62 ボール支配率 38

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/text/?gid=2014061403

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点

川島  5  好セーブを見せるも相変わらずパスに問題があり危機を招く
長友  4.5 アシストするが後半は左サイドを崩されクロスで2失点
内田  5.5 フィジカルで劣勢だったが危機を何度も救う。攻撃も惜しい形を作る
吉田  4.5 攻撃参加もし危機も防いだが、肝心の失点シーンでマークがずれる
森重  5  献身的な守備をした
山口  5.5 ピンチを何度も防ぐが不用意な縦パスが目立った
遠藤  4  長谷部と交代し守備が劣化、攻撃もキープも出来なかった
長谷部 5.5 安定した守備でギリギリの所で失点を防いだ
香川  5  チャンスも作ったが厳しいマークに苦しんだ
本田  6  厳しいマークの中得点。最低限の仕事はした
岡崎  5.5 攻守に献身的に動いたがボールをもらえなかった
大迫  4.5 前線でボールを追ったが攻撃では消えていた
大久保 4.5 交代で入ったが消えていた

ザッケローニ 4.5 結果にこだわるザッケローニとしては内容も結果も伴わなかった。また交代で入った選手もいい形では働かなかった。特に長谷部交代後に左サイドの守備力が落ち左サイドから2失点を招いた。

試合の総評

日本が先制したが、試合は終始コートジボワールが試合し、日本は持ち味を出すことなく終わった。

日本代表の印象

全体としてはザンビア戦の最後の大久保の飛び道具的なゴールの影響をチームに強く感じた。ただし、本来のパスサッカーが見られず、偶に使う飛び道具だったはずの縦に速いプレーに終始してしまいカウンターを招き主導権を奪われた。後半は完全に制圧されポゼッションも維持できずカウンターも成功しなかった。何故かW杯本番で以前と少し違うスタイルのサッカーをするという不完全燃焼のような試合だったと思う。
守備に関しては、以前からの問題を分析されて狙われた印象。例えばW杯直前のザンビア戦も左サイドからのクロスで失点している。その時は長友のよせが機能しておらずクロスを簡単に挙げられてしまった点に問題があったが、そういうちょっとした問題以外にも、日本代表は長友が攻撃的にいく戦術を採用しているので長友の裏が常に危険なゾーンになりやすいという戦術的な問題と、左サイドのボランチに遠藤が配置されると右サイドより守備力が落ちる点。更に長友が中の守備に入ると高さが足りないという点から左からのクロスに弱くなりがちな傾向が元からあった。更に攻撃の起点は香川と本田に大きく依存しているので二人が持った時に寄せることでカウンターを成立しやすくなって居たように思う。

適当に見つけたyoutubeの動画

ブラジルvsクロアチアのPKについて

W杯開幕戦のブラジルVSクロアチア戦ではPKとファールで2点も点が動き審判が試合の結果を作ったが、なんとその審判が日本人という複雑な気分になる話。

試合の概要

ブラジル クロアチア
3 1
ブラジル クロアチア
得点 ネイマール(前半29分)
ネイマール(後半26分)
オスカル(後半46分)
O・G(前半11分)
警告 ネイマール(前半27分)
ルイス グスタボ(後半43分)
ベドラン チョルルカ(後半21分)
デヤン ロブレン(後半24分)

前半にクロアチアが先制し、ブラジルがネイマールのゴールで追いついた所までは試合は順当に進んだのだが、その次がPKによる得点になってしまった。このプレーの動画

日本人が審判だったという点を加味して甘く見ても、かなり微妙なファールなのは間違いない。しかもイエローカード。

このファールについて

約20年の現役生活でレッドカードはおろか、イエローカードを一枚も受けたことがなく、90年にはFIFAから個人としては初めて「FIFAフェアプレー賞」が贈られた。そのミスタークリーンで知られるリネカー氏は「開幕戦のマンオブマッチは、ネイマールか、主審か選ぶのは難題だ」と、痛烈なつぶやきを世界に発信した

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140613-00010006-soccermzw-socc
とか。

実は、この日の日本人審判はサッカー好きの間では割と有名な審判で、以前もブラジル戦で問題のレッドカードを出した事がある。その時の動画。

ただ、この時は確かにファールではあったと思う。問題はジャッジが強すぎるという点だと思う。つまりレッドじゃなくてイエローだったならば、今回も同様だがPKではなかったならば話は全然違う。審判が試合結果に強く影響してしまうとジャッジが問題視されるのは当然。審判で勝敗が付くのは望ましくないので、個人的には審判はファールやイエローを使い上手くコントロールしてPKやレッドカードになるようなプレーを抑制する必要があったのではないかなと思う。

ちなみにこの西村審判は昔から色々と噂の審判で、「うるさい! お前は黙ってプレーしておけ。死ね!」と言ったとか英語力に問題があるとか、イランVSウズベキスタン戦での疑惑の判定とか、ファールした中国人を間違えて、別の選手を退場させるとか、人を間違えて退場にしてしまう事件をJリーグでも起こしているなど以前も数々の問題を起こしてきた審判で、今後の展開もちょっと心配になる所がある。

この問題は日本のスポーツメディアだけではなく、色々な所で出ており、例えばウォール・ストリート・ジャーナルのようなスポーツとは少し距離があるメディアでも「ブラジルのMVP」は西村主審-W杯開幕戦の判定に批判などとして報道している。

ブラジルW杯前の日本代表選手のコンディション

心配すぎる日本代表のコンディションの不安要素を見つけた限り一覧

長友 「ふくらはぎの張り」練習別メニュー
内田 「右太腿肉離れ、腱断裂、手術回避による悪影響」 練習別メニュー
長谷部 「右膝2度手術、体の広範囲に張り」練習別メニュー
岡崎 「微熱」で別メニュー「親善試合最終戦での頭部からの出血」
酒井高 「右膝負傷」松葉杖で練習別メニュー
吉田 「右膝負傷」最近まで長期離脱(以前は股関節の問題も)
本田 「右膝半月板」「視力回復」「頸部手術」

ニュースソースとか

  • http://web.gekisaka.jp/news/detail/?140346-140346-fl
  • http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/06/06/kiji/K20140606008308280.html
  • http://www.sanspo.com/soccer/news/20140606/jpn14060605050013-n1.html
  • http://web.gekisaka.jp/news/detail/?140289-140289-fl
  • http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/06/05/kiji/K20140605008303560.html
  • http://www.sanspo.com/soccer/news/20140604/jpn14060405010003-n1.html
  • http://www.nikkansports.com/brazil2014/news/p-sc-tp0-20140602-1310961.html

クエスチョン・オブ・オナー

ブラジルのワールドカップも近づいてきて盛り上っているので、サッカーの日本代表で良く耳にする「クエスチョン・オブ・オナー」と、そのサビについての話を。まず歌を知らない人向けに youtube で見つけた動画を下に。聞けばTVでよく流れているので思い出す人も多いかもしれない。

Sarah Brightman – A Question Of Honour from Roland Baldwin on Vimeo.

この Wikipedia の項目をみると面白い事が書かれている。

a question of honor(名誉の問題)とは

“It’s not a question of life or death, it’s a question of honour.(生きるか死ぬかの問題ではない。名誉の問題である)”という言葉は騎士道の精神を現す表現であり、現在でも“It’s not a question of life or death”の部分をいろいろ変えて使用されている。たとえばヤルタ会談においてウィンストン・チャーチルは「ポーランド問題」に関して「ポーランドをどうするかは、英国にとっては物理的な問題ではなく名誉の問題」と言い放っている[1]。また尊厳死推進団体が「どのように死ぬかは名誉の問題」などと使用している。

本楽曲では「あなたが勝とうが負けようが、それは名誉の問題」と歌われており、勝敗より名誉を重んじる伝統的な「騎士道精神」を踏襲した歌詞になっている。

なるほどねという話で、勝敗を超えた名誉の問題について取り扱ってるといえると思う。まああえてこれを取り上げたのは、この曲の和訳として、例えば youtube で検索するとすぐ出てくるこの動画の訳ではa question of honor(名誉の問題)を「それは栄光への試練だ」と訳していたり、和訳として検索するとトップにでるこのページでも「それは栄光への試練だ」となっている。恐らくこれはCDとかについてる日本発売のCDの公式の訳なのかなとは思ったものの、これではあまりに元の意味とかけ離れた意訳なんじゃないかと思って、実は前々から疑問に思っていたので、Wikipedia で紹介されていた“It’s not a question of life or death, it’s a question of honour.(生きるか死ぬかの問題ではない。名誉の問題である)”という常套句について紹介してみた。直訳かもしれないけど、この曲は「名誉の問題」と訳す方がまだ意味が分かるんじゃないかと思う。

ということで、W杯も勝つか負けるの問題ではなく、それは “a question of honor”。名誉の問題なのだと。