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W杯2022予選 キルギス vs 日本 0-2

キルギス 0 – 2 日本
得点 前半41分 南野 拓実
後半9分 原口 元気
警告 前半44分 遠藤 航

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 権田 修一 7.5 前半31分の決定的な場面を防ぎ、後半12分、22分にもシュートを止め、止める力でチームを救った
DF 2 植田 直通 4.5 やや危ない場面もあったが結果的に無失点に抑えた
DF 5 長友 佑都 5.0 若干地面の凸凹にも苦しめられていたが、無失点に抑え攻撃参加もみせた
DF 19 酒井 宏樹 5.5 積極的に攻撃参加して遠藤と酒井の二人からの崩しを何度も見せた
DF 22 吉田 麻也 5.5 キャプテンとして出場し、日本代表通算100試合目を無失点に抑えた
MF 6 遠藤 航 6.5 後半32分OUT 中盤をコントロールし攻撃でも足元の上手さや南野への決定的なパスなどを見せたが、さらに後半には遠藤のファールからFKとなり原口が得点。攻撃面で目立った。守備では相手のサイドの選手にスピードで振り切られる危ない場面も作ってしまったが失点には至らなかった
MF 7 柴崎 岳 5.0 やや相手のマークに苦しんだが、セットプレーやミドルシュートなどで正確なキックを見せた
MF 8 原口 元気 6.5 左サイドで何度か永井が前で作ったところから受けて形を作ったが流れの中では決定的な形にはならなかった。代わりに遠藤のファールからFKで2点目となる追加点を取りセットプレーでの強みを見せた
MF 9 南野 拓実 6.5 前半から再三決定的なチャンスでボールを受けて決定的な形を作り、GKとの間に出たボールに寄せてPKを獲得。最後の所で諦めないで決めきる力を今日も見せた。代表5試合連続得点は史上3人目
MF 14 伊東 純也 5.0 後半32分OUT スピードを生かし何度かゴール前へ切れ込む形を作ったが得点には至らなかった
FW 11 永井 謙佑 5.5 後半42分OUT ロングボールに裏のスペースで受ける動きを何度も成功させ攻撃の形を作った
交代
MF 10 中島 翔哉 4.5 交代:後半32分IN 時間が少なく攻められる展開になっており見せ場は少なかった
MF 20 山口 蛍 5.5 交代:後半32分IN しっかりと無失点に抑える役割を果たしたが、遠藤と比べるとやや見劣りした
FW 21 鈴木 武蔵 交代:後半42分IN 時間が短すぎて採点不能
監督 森保一 5.5 大迫を使わない中、両サイドにスピードの速い永井、伊東を並べてスピードと南野や遠藤の連携で崩す形を見せたが流れの中からは得点できず、PKとFKで得点し遠藤仁がいなくなってからあまり見なくっていた代表でのセットプレーの攻撃力を見せた

日本代表について

 決定力が高い南野にゴール前でボールを集めることで決定的な形を何度も作った。南野が大迫の代わりを果たし大迫以外を CF にした形を見せた。両サイドの永井、伊東と両サイドにスピードがある選手を並べて、攻撃した瞬間的な速度の速さが今までと多少違う攻撃を可能にしていた。また中盤は遠藤がやや苦戦していたものの上手いタクティカルファールも使いながらベテランのような安定感をもたらしていた。チームとしてみたときに遠藤が入ると安定感は一段上がる印象を受けた。
 流れの中では得点がなかったことやや気になる展開ではあったが、日本も危ない場面では権田がしっかりと止めて守備陣は無失点で抑えていた。特に前の選手も含めて守備の戻りが速い堅実な戦い方だったように思った。個人的な MoM は権田。

試合について

 アウェイということもあり審判がキルギス寄りの判定を繰り返し、スタジアムの雰囲気も相手の応援が多い状況ではあった。グラウンドも独特のぼこぼこがあるようで変わったバウンドを見せておりアジアの予選というのを感じさせる芝の状態に見えた。特に前半序盤はやや押し込まれたが、立ち上がりの浮ついた時間を失点せずに切り抜けたことで徐々に日本ペースに展開し、PK、FK とセットプレーで得点を重ねた日本が勝利した。

スタッツ

キルギス 日本
42% ボール支配率 58%
13 シュート 13
3 枠内シュート 4
308(69%) パス(成功率) 463(79%)
3 オフサイド 0
23 フリーキック 22
5 コーナーキック 3
0 ペナルティキック 1

W杯予選 日本vsモンゴル 6-0

試合は特に見どころもなかったので試合の寸評は省略。選手の採点も予想通り能力を示しただけだったので省略。そしてあまりに酷かったという意味で監督だけ採点することに。

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
監督 森保一 3.0 ガチガチに固めたスタメンで勝ったという以外にはほぼ得るものがなかった。今後が心配になる選手運用。如何に主力にけが人を出さずに控え選手を試すかがモンゴル戦に課されていた唯一のタスクだったと思うが、最低限の勝ち点3だけを選んだ。結果的に控え選手のテストいう問題を先送りにした。既に監督としては1度失敗しているアジア杯の時のように控え選手の選定を先送りにしたことが決定的な影響を及ぼさなければいいと祈るばかり。

▼GK
川島永嗣(ストラスブール/フランス)
権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル)
シュミット・ダニエル(シント・トロイデン/ベルギー)

▼DF
長友佑都(ガラタサライ/トルコ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)
植田直通(サークル・ブルージュ/ベルギー)
安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル)
畠中槙之輔(横浜F・マリノス)
冨安健洋(ボローニャ/イタリア)

▼MF
原口元気(ハノーファー/ドイツ)
柴崎岳(デポルティーボ/スペイン)
遠藤航(シュトゥットガルト/ドイツ)
伊東純也(ヘンク/ベルギー)
橋本拳人(FC東京)
中島翔哉(ポルト/ポルトガル)
南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)
板倉滉(フローニンゲン/オランダ)
堂安律(PSV/オランダ)
久保建英(マジョルカ/スペイン)

▼FW
永井謙佑(FC東京)
浅野拓磨(パルチザン・ベオグラード/セルビア)
鎌田大地(フランクフルト/ドイツ)

https://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20191003/985745.html

キリンチャレンジカップ 日本vsボリビア

日本 1 – 0 ボリビア
中島 翔哉 後半30分 得点
警告

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 23 シュミット ダニエル 5.5 落ち着いた試合で危険なシーンが少なかったが安定した無失点に抑えて安定したプレーを魅せた
DF 2 三浦 弦太 5.5 攻撃でのボール回しはしっかりしており、無失点に抑えた
DF 19 安西 幸輝 6.0 守備ではしっかり防ぎプレーの強度をみせた。上がりも多く攻守のバランスが取れたプレーをみせた
DF 20 畠中 槙之輔 5.5 日本がボールキープしている時間が長く見せ場が少なかったが危ないシーンはしっかり抑えた
DF 22 西 大伍 5.5 高いクロス精度、タイミングの良いあがりなどいい部分が随所にあったが。年齢を考えると、8年前に見たかった選手。今は選ぶべきだとは全く思えない
MF 10 香川 真司 4.0 足元の上手さと視野の広さの違いは見せた。ただ消極的で点にはつながらなかった。自身の足元のテクニックを活かしきれておらず持っているん能力やポテンシャル、プレーの質を無駄遣いしていた
MF 11 宇佐美 貴史 4.5 後半16分OUT 攻撃ではいまいち見せ場を作ることが出来なかった。強みを活かすには周りの文句を恐れず仕掛けてシュートを打つべきだと思った。守備ではよく走ったが代わりに攻撃力が落ちてしまった印象
MF 14 乾 貴士 5.5 後半17分OUT やや消えている時間が長かった。一瞬で抜け出るなど何度か決定的な形を作ったが決めきることは出来なかった。ただし前半はシュートへの積極性がある唯一の選手だったのでそういう意味ではチームでは重要な役割を果たしていた
MF 15 橋本 拳人 5.5 危ないシーンで上手く抑えるプレーが光った。カウンターが危ない場面で戦術的なファールなども見せた
MF 25 小林 祐希 5.5 FKの持ち味や足元の上手さ、攻撃参加出前に走り込むプレーなど持ち味はみせた
FW 18 鎌田 大地 5.5 後半38分OUT 可能性を感じさせる場面はあったが、戦術が鎌田を生かしていなかった印象。後半は中島堂安を投入すると素早いパスワークで足元の上手さが機能しだした。ただし見せた強みはCFではなく香川が空いた場所のOMFとしてパスの出してとしていいプレーを見せた
交代
MF 21 堂安 律 6.0 後半16分IN 入った直後に高い位置で素晴らしいボール奪取をみせて守備の違いを感じさせた。短い時間でボールを奪う能力と、一人で突破する能力で違いを作った
MF 8 中島 翔哉 6.5 後半17分IN サイドを抉る素晴らしいドリブル。堂安と南野の連携で、南野がアシストで中島が1ゴール。その後も攻め続け枠に当てるミドルなどもみせた
MF 7 柴崎 岳 5.5 後半24分IN ボールキープはやや不安定になったが、得点の可能性を上げるリスクのとり方をしていた
MF 9 南野 拓実 6.0 後半24分IN 入ってすぐ1アシスト結果を出した。その後もミドルにつめて惜しいシーンなどをみせた
DF 4 佐々木 翔 5.5 後半28分IN 少しリスキーになった試合展開を抑える働きをした。また持ち味のミドルシュートなどもみせ攻守一体となった安全策も頭の良さを感じさせた
FW 13 鈴木 武蔵 5.0 後半38分IN 点は入らなかったが惜しいヘッドや裏に抜けるスピードを見せるなどCFらしさも見せたが、ポストプレーはほぼ失敗しており課題も残した
監督 森保一 4.0 相変わらずサブのメンバーの戦術が機能しておらず、このままではターンオーバーした時の大幅な戦力ダウンは否めない。しかも選手の問題というより戦術的な組み合わせがハマっていない感じが非常に強くコーチ監督などの戦術的な問題を強く感じさせた。良かったのは膠着した時に早いタイミングでちゃんと交代出来たという点で採点は+1くらいしている。
試合後、森安監督のコメント

「代表を作っていく上で経験は浅いが、いい選手達がまだまだ沢山居るということを示してほしかったので、勝利という結果で示してくれたのはよかった。前回のコロンビアに負けていたので勝ててよかった」

日本の立ち位置を測る試合とのことだったが測れたか
「手応えは1-0でかてたのは良かったが、これがもう少し得点できればよかった」

日本代表の印象

 一人ひとりは確実に上手い。香川もプレーは明らかに上手い。鎌田も足元はぶっちゃけ相当うまいなと思った。乾も上手いしシュートも打った。宇佐美も正直一人で抜けそうなくらいには上手かった。だけどチーム戦術が点を取る形になっていない。バラバラに前の3人が流れ込んでゴール前がごちゃごちゃしてシュートコースなくなったところで耐えかねて乾がシュートしたのが一番攻撃的な形になっていた。それ以外には決定的に崩す形がほぼ0という感じでこのサブはテクニックや技術レベルは高いがチーム戦術が弱くて誰がシュートを打つのか誰に合わすのか、誰にボールを集めるのかよくわからないチームになってしまっていた。

 鎌田を使うのならば、もっと単純に鎌田にボールを集めれば点を取ったのではないかなという印象。全体として受けたイメージは主力に比べて大分弱い。これに尽きると思う。

やはり残るサブメンバー選考の問題

 前半を見る限り、宇佐美も香川も鎌田も似たような役割になっていた。誰か一人をセカンドトップかOMFとして使えばいい状態で誰もCFでもなくサイドの選手でもなかった印象。組み合わせとして機能していたのは得点をした時間の鎌田がOMFで南野がCFっぽい動きをした時間。鎌田と香川は役割をしっかり分担しないと似たような動きになってしまっていた。逆に武蔵をCFで出すのならば、香川がOMFでも良いのではないかと思った。また前半の構成だとDMFにボールを入れてもらわないとボールを運ぶ選手が居ないように見えた。その結果香川が下がってきてDMFみたいな動きをすることになるがそうすると前で火力を出す選手の枚数が足りず誰がフィニッシュするのか見えてこない。前の選手で誰が打つのか誰にボールを合わせるのかがはっきりしなかった。
 またボールを前に上げるまでに時間をかけすぎているため相手が引いてしまい、ゴール前がこじ開けることが出来なかった。また単純なクロスやミドルが少ないので中だけを防げばいい状態になってしまっていた。どうやって攻撃の可能性を上げてリスクを低くするのかがわかりにくい。SBを上げてまでリスクを取ってシュートにつながらないとカウンターのリスクばかりが上がっていく。幸い橋本がカウンターを潰すのが上手く危機にはならなかったが、それも橋本の個人技という印象。

試合の総評

日本が高いポゼッションでボールを持ち続けるも全く攻め手がなくボールを回し続けて45分。じれた乾がシュートを打つ以外まともな攻撃の形を作ることが出来なかった。
後半は速いタイミングで中島堂安南野が出場し一気に流れが変化してすぐに1得点。日本の主力とサブの明暗がはっきりと別れた。

スタッツ

日本 ボリビア
68% ボール支配率 32%
17 シュート 4
3 枠内シュート 0
680(88%) パス(成功率) 264(67%)
5 オフサイド 5
14 フリーキック 22
8 コーナーキック 3
0 ペナルティキック 0

森保一というプレイヤー

すっかり日本代表監督として知名度が上がった森保監督だが、実はプレイヤーとしても日本代表だった選手であり、少し年齢が上のサッカーファンならみんなが知ってる「ドーハの悲劇」の時にも選手としてその場にいたりした人である。そのプレイヤーとしての森保監督のインタビュー記事があってボランチについて語っているのが今見ると中々おもしろい。なるほど森保監督は時代的にもイタリアのサッカーやセリエA、ゾーンプレスなんていう時代にプレーをしていた人だと強く感じた。特に守備面はサンフレッチェ広島や今の代表でも結構手厚い守備をしているので、DMF出身ということと無関係ではないような気がする。

 ボランチ。ポルトガル語の「舵」。あるいは「ハンドル」。しかし、もはや日本語なのかもしれない。いまボランチと耳にしたなら、ほら、森保一の懐かしい風貌が思い浮かんだりする。

 ポイチこと森保一は、日本リーグのマツダ-Jリーグの広島-京都-広島-仙台、それにハンス・オフトの日本代表で「守備的ハーフ」から「ボランチ」の時代をひょいとまたいで生き抜いた。引退後は指導者の道へ。

 その新進コーチが言った。

 「まあ、ほとんどボランチですね。トレセンでもU-18でも。ポジションは?― みんなボランチだって。ボランチってなに……って感じもしますけど」

 一億総ボランチですか。で、ボランチってなんですか。

 「自分自身では守備的MF、ディフェンシブハーフと思ってました。とくに代表では守備が7で攻撃は3、あるいは8-2くらいに考えていたので」

 13年前のキリンカップ。日本代表はアルゼンチン代表に0-1で敗れた。クラウディオ・カニージャ、ガブリエル・バティストゥータら南米選手権を制した重厚な布陣を向こうに順当な結果かもしれなかった。ただし、この試合には重大な発見があった。

 森保一である。それまで姓が「森」で名が「保一(だからポイチ)」と誤って覚えられたりもした無印の好漢は、代表デビュー戦で、敵将バシーレとカニージャに称賛された。かいつまんで述べれば「日本にもよきボランチがいるではないか」。実際に「ボランチ」なる言葉は用いられなくとも、危機管理や攻守の均衡に心身を尽くす中盤の地味な働きに世界の光は当たった。ほどなく、そんな仕事は「ボ」で始まる響きとともに広く認められ、現在の隆盛にいたる。

 山口素弘、名波浩、小野伸二、明神智和、稲本潤一、福西崇史、遠藤保仁、ひょっとすれば中田英寿ですら。なるほど、みんなボランチだ。我々の多くは、ボランチの勇士諸兄の仕事ぶりを敬うにとどまらない。きっと「ボランチそのもの」が好きなのである。

 攻守・時間・地域のバランスを保つ。

 危機と好機の予知。

 滑らかな配球。

 追う、ふさぐ。削り、奪い、当たる。

 以上、ボランチに求められる主要な任務なら、それは「よきサッカーをする」ということにほかならない。おおむね世界の潮流にあってボランチは「センターハーフ」に吸収される。それでもなお日本における「ボランチ」は特別である。どこかロマンの気配すら投影されているようでもある。

 あらためて森保コーチに確かめる。ボランチとディフェンシブハーフ、攻撃的か守備的かの差なのですか。

 「僕の中ではニュアンスが違うというか。ボランチはヨーロッパのプレーメーカーのようなイメージがある」

 ビハインド・ザ・ボール。オフト監督の掲げた標語のひとつである。森保一は「ビハインド・ザ・ボールの申し子」だった。ボール保持者の影となる。まずカバーリング。ついで攻撃の行き詰った際に後方でパスの受け手を務める。

 「簡単そうですけど、これ、実際にやると難しいんですよ。ボールにつられて近づきすぎると次の局面で選択肢が狭くなる。相手が僕とボール保持者をいっぺんに見られる。あとは角度ですね。たとえば右サイドの選手がペナルティエリアの右隅あたりにいる時、真後ろにサポートに入るなと(オフトには)言われましたね。単純な話で、斜め後ろだとパスの選択肢が増えるからですよね」

 ボランチとくればバランスである。当然、誰かが前なら自分は後方という均衡に注意を払う。平面での前後左右だ。「個人的にはダブルボランチでも役割がはっきり分かれてるほうがチーム戦術として戦いやすい。僕は守備、もうひとりはプレーメーカーというように」。ピルロとガットゥーゾ。ピアニストとピアノ運搬人。彫刻家と削り屋。

 もうひとつのバランスは表と裏だ。そこには時間軸や人間の心理も関わってくる。

 「自分たちが攻めてる時、相手の逆襲のポイントをケアしておく。前がかりにブレーキをかけて危なくなりそうなところに立ったり。逆に押し込まれていれば、まずその状況をしっかり受け止めて、どこで守から攻へ転ずるかを意識する」

 ボランチは敵のボランチと戦うものなのですか。流れの引っ張り合い、とでもいうのか。

 「あ、ありますよ」

 森保一は、うれしいではないか、日本リーグの時代を例に挙げた。

 「日産のエバートン(のちに横浜M-京都)とは、いつも走り合いするんですよ」

 走り合い?

 「どちらかが剥がれると、そこを起点として走り勝ったほうに流れがいくわけです。わざと空走りしてるな、そう思いつつもついていく。そして、こっちの攻撃局面に切り替わった瞬間、こんどは走り返す」

 勝手に走らせてはいけないんですか。

 「そう。どんどん走られると後ろがズタズタになる。バランスが崩れる。こぼれ球を拾えなくなる」

 森保さん、足、ちょっぴり遅かったですよね。そこは考えるスピードで補う?

 「サッカー、フライングのないスポーツなんでね。相手の走るコースに入っちゃえばね。ファウルをもらえたりして。まあ、いくらでも長所を消すことはできます」

 昨今のボランチ志望者の増大に思ってしまうことがあります。ボールにはさわりたい。でもプレッシャーの少ないところで……。

 「そこが間違いなんですよ。プレッシャーあるっちゅうねん。逆に考えれば、プレッシャーをかけないと。アルゼンチンみたいにどっからでもガツガツいかなくては」

https://number.bunshun.jp/articles/-/12161

アジア杯2019 どうすればよかったのか考えてみた

何が足りなかったのか

 まず感じたのは控えの選手層が薄かった。特にDMFとCFは怪我人が相次ぎ、カタール戦では遠藤が外れたことで守備的な安定性が失われていた。大迫の変わりも見当たらなかった。完全に大迫と同じプレーをする必要はなかったが代えた時に上手く行く形が必要だった。代わりの選手にも大迫と同じものを求めたが、その割には呼ばれた選手のタイプがあまりに違いすぎた。
 例えば、北川が呼ばれていたが大迫の代わりに入った彼は明らかに大迫とタイプが違い同じ動きでは機能しなかった。かといって控えの選手を活かすような組み合わせの戦術の幅もなかった。決定力を持っており逆転できるような力を発揮したのは大迫をCFとした形のみだったのだ。

メンバー選考が戦術の幅を狭めた
  • 特定のポジションの控え選手の人数
  • 物足りない戦術の組み合わせ

 DMFに関しては、遠藤が出た試合は無失点だが、遠藤が居なかった試合は全ての試合で失点した。遠藤以外の組み合わせはCBが吉田冨安、槙野三浦など色々代えていたが遠藤が出なかった3試合は全て失点した。代わりに出た塩谷はCBもプレーする選手だったがむしろ守備面よりミドルでの得点や鋭い縦パスでのアシストなど攻撃面で目立った活躍をしており、守備固めとしては遠藤より硬さを感じさせなかった。
 そして控えの選手はDMFやCFには不足していたがCBなどはむしろ必要以上にいた。吉田冨安が安定していたが、そこに三浦がいて槙野もいて、CBもできる塩谷、佐々木がいた。

戦術的な幅の狭さが交代枠をも狭めた

 CFで言うならば、武藤、北川は大迫とは違った持ち味は持っているが、北川が戦術的に上手く機能している感じはせず大迫と変えるとチームの攻撃力が落ちてしまっていた。武藤が唯一機能した得点は日本代表のものというより、室屋と武藤とういうFC東京の組み合わせの動きで、恐らくSBをあまり攻撃参加させない選択をしていた森保ジャパンとしては珍しい室屋の突破からのクロスで得点だった。
 機能する組み合わせという意味では、親善試合から見ていっても大迫、南野、堂安、中島の4人が基本的に揃っている前提の成立する幅が狭い戦術。その中で中島が欠け、大迫もコンディションが良くなかった。

 そのため交代枠も必然的に比較的機能していると思われる狭い範囲でされることになったし、戦術的な取れる選択の少なさが選手の交代も狭めていた。

交代枠の狭さが疲労を蓄積させた

 大会ではターンオーバーを一応大会中にすることが出来たが、そのサブがあまり機能しなかったことで試合結果が益々大迫への依存を生み出し、その交代枠の狭さが戦術を限定し、カタールの大迫対策を生み出し、そして選手の疲労を蓄積させた。そしてコンディションの条件が交代枠を更に狭めるというスパイラルに入っていた。

出来うることをしたのではなく、出来ることがほとんどなくなっていたといったほうがいい。

連鎖するボタンの掛け違い

 それはよく考えてみればそれは全て親善試合から続いていた。親善試合で堂安南の中島を試すことで若返った気持ちになっていたが、控えの選考を甘くしていたことでDMFが遠藤しか居なくなってしまっていたし、CFも既にW杯で実力の把握できていた大迫ばかり試していた。土壇場の場面でそれが攻撃を代えたいときの控えのカードを狭め、DMFが負傷して控えすら呼べなくなって塩谷を呼び、決勝では塩谷が出場するしか無くなっていた。塩谷は攻撃面で確実に成果を出したが、明らかに想定した戦い方とズレてしまっていた。塩谷はまるで柴崎の変わりのように攻撃の仕事をし守備はむしろ不安定になった。

 FWやDMFだけでなくCBについてもSBについても同じで、中島が居なくなったときの控えはある程度はっきりしていて年齢的にも今後の成長もほぼない原口しかなかったし。急遽呼んだ乾もあまり試す形はしていなかった。そして交代枠の2枚はいつも時間ギリギリで怪我を意識した保守的な交代。カタール戦でも追いつく為の交代はわずかに結果が出ていた武藤しか居なかった。が、結果を出した大きな要因だった室屋ははじめからスタメンに選ばれていなかった。

 メンバー選考が戦術を狭め、戦術の狭さが交代選手の運用を減らし、それが更に疲労や怪我した時の対応にまでつながって連動している。

その時点でやれることはやった症候群

 個人的な印象では、決勝の段階では取れる選択肢が少ない状況だったと思う。決勝の時点に置いては、出来うる事はしているかのような見えた。だが多分それは勘違いだ。西野ジャパンの時も感じたが、よく考えてみればやれる事を全然やってなかったなと思ったようなものを強く強く感じた。あの時は西野ジャパンは急遽監督交代していたため時間がなく試す時間はなかったし仕方がなかったかもしれない。でも今回は違った。コレはもしかして日本人監督のある種の壁なのではという疑惑が頭をもたげてきている。
 その時点。追い込まれた土壇場では確かにやれることはやっていたが、問題はソコじゃなくてその前のところにあったと思う。怪我人がで続けたDMF、CFの控え。そしてそれがまさにそのまま順当に決勝で出たのではないかと。予想通りに順当な結果に過ぎないのではないかと。

 予想される展開は、乾に限らないが、吉田、長友などベテラン陣の疲労。さらに試合から遠ざかっている柴崎や、控え選手のCFが物足りないため明らかに負担が大きくなりそうな大迫。さらに控えで居るはずの選手も長友の代わりはやはりベテランの佐々木。層の薄いDFMの控えもやはり怪我で爆弾を抱えている青山と。ターンオーバーをして戦うチームとしてみた場合はかなりの不安が残ると言わざるを得ない。サウジ、豪州、イラン、韓国とそれぞれ1試合だけ戦うのならばむしろ日本の方が勝率は高いと思うが。これをこの日程で連戦して勝つ確率は仮に1試合が8割位の確率で勝てたとしても優勝する確率は40%程度。条件が悪くなる後半は明らかに8割も日本が勝てるとは思わないので、日本が優勝する確率は2~3割程度ではないかなと予想。

http://football.ologies.net/2019/01/06/%e3%82%a2%e3%82%b8%e3%82%a2%e6%9d%af2019-%e9%96%8b%e5%b9%95%e5%89%8d%e3%81%ae%e4%ba%88%e6%83%b3/

 よく考えたら自分ははじめから予想していた。DMFの層は薄く。実際に青山は怪我で途中離脱。CFの大迫は負担が大きかったのかコンディションは最後まで不安を残した。大迫の控えのカードはじめからなかった。吉田や長友の終盤での疲労や崩れもはじめから想定内だった。優勝確率は開始前の段階でかなり低いと予想していた。でも決勝の段階では何故か勝てる気がしていた。ある種の不思議な感覚、大会前には想定していて書いた事が全て頭から消えていたし何か森保監督の打った手も対応がやや遅すぎた点以外は妥当にすら思えた。

 サッカーは見ていると段々入れ込んできて、妙な熱気みたいなもので行けると思ったり駄目だと思ったりする。けど、結果は本当はもっと早い段階で客観的に感じている違和感が単純に積み上がっていて、引いて見てた時の目線の方が正しかったりする。大会中は優勝できるような気になってみていたけど、実際は2~3割しか優勝確率はないだろうと確かに自分は冷めた目線で書いてたのだ。試合中は戦術的な問題に目を向けたりもしてたが、ただの選手選考の問題と考えると1+1が2になるような単純さ。

続きを読む アジア杯2019 どうすればよかったのか考えてみた

アジア杯2019予選 日本 vs カタール 1-3

日本 1 – 3 カタール
南野 拓実 後半24分 得点 アルモエズ アリ 前半12分
アブデルアジズ ハティム 前半27分
アクラム アフィフ 後半38分

柴崎 岳 前半20分
吉田 麻也 後半37分
酒井 宏樹 後半41分
警告 アクラム アフィフ 後半38分
ペドロ コレイア 後半48分

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 権田 修一 5.0 オーバーヘッドで1失点し流れを作られてしまったが、コースが良かったためある意味1失点目は仕方がなかった面もあった。2失点目も同じくミドルレンジから少し入った所のシュートで、権田のやや課題であるとも言えるミドルへの対処能力の低さが目立った。ただし3失点したがシュートはどちらも素晴らしい精度で、残りもPKとGKのプレーで止めれなかったとしても仕方がない内容だった
DF 5 長友 佑都 4.5 サイドをえぐられこそしなかったが、左サイドからのカットインで崩されてしまっていた。攻撃では追う場面でリスクを取って勝負した
DF 16 冨安 健洋 5.5 中央を突破されての2失点。攻撃でも何度も見せ場を作りCKのチャンスもあったが決めきることはできなかった
DF 18 塩谷 司 5.0 守備で期待されたが、遠藤の代わりとはなれなかった。逆に攻撃面では予想通り遠藤では出せない素晴らしいパスで1アシスト
DF 19 酒井 宏樹 5.5 サイドからの攻撃はほぼ押さえ込み、攻撃面でも崩す形を何度か見せたが崩し切ることが出来なかった
DF 22 吉田 麻也 3.0 失点はいずれも中央を突破されてからのシュートで決められており、最後の場面でのよせで吉田のマッチアップから失点。さらにハンドでPKを与えてしまい試合を決定づけ吉田の試合となってしまった。攻撃では惜しい場面でのヘッドも見せたが決めきることができなかった
MF 7 柴崎 岳 5.0 決定的な崩しの場面でやや連携が取れなかったが、引いてきた相手にいいパスも何度も見せた
MF 8 原口 元気 4.5 ハードワークしたが攻撃面ではやや消えており、決定的な形を作ることが出来なかった
MF 9 南野 拓実 7.0 失点してからメンタル面の強さを感じさせるプレーは他の選手と1段階違うレベルにあった。勝機を見出す能力が高く後半に裏に抜け出し1ゴール。後半は特に攻守で超人的な粘りを見せた
MF 21 堂安 律 5.5 右サイドからの攻撃は崩す形を見せたが結果にはつながらなかった。武藤が交代で入ってからはトップ下へポジションチェンジして再三に渡りゴール前で惜しいシーンを作ったが決め来れなかった
FW 15 大迫 勇也 5.5 前線でボールを収め何度も形をつくったが、カタールに上手く対策されていた。後半はサイドでもボールを受けるなど攻め続けた
交代
FW 13 武藤 嘉紀 6.0 後半17分IN 取り返す場面で、消ややえていた原口に代わり投入。ヘッドで惜しいシーンを何度か見せ、武藤が入ったことで裏へのボールが効果を見せ流れを作った
MF 14 伊東 純也 後半38分IN 塩谷と変わって出場したが、塩谷が居なくなったことでボールが取れなくなりかえって守備的な形になってしまい伊東の持ち味を見せることができなくなった
MF 10 乾 貴士 後半44分IN 時間が短すぎて採点不能
監督 森保一 4.5 試合前から予測されていた遠藤の所の処理が甘く、中央のところから2失点。戦術的に何らかの対応が必要だったと言わざるを得ない。攻撃面でも控えメンバーの中に反撃できる切り札が作れておらず、終盤にはDMFの塩谷を外して攻撃枚数を単純に増やしたためかえってボールが奪えなくなり試合をひっくり返すことは出来なかった

試合後、森安監督のコメント

「優勝を期待してもらっていたので優勝できなかったのが残念。選手たちは優勝を目標にしてチームでやってこれたことは誇りに思う」
「負けたということは相手のほうが強かったということ。この試合を分析して、この大会を分析して、次にステップアップしていければと思います」

日本代表スタメン

 前回のイラン戦で負傷した遠藤に変わり、塩谷がスタメンとしてDMFに。イラン戦でも遠藤の働きで守備が安定していたため守備ではチャレンジングなスタメンとなった。ただし、攻撃ではややコンディションの良くないとされていた大迫がスタメンで出場し、前回全得点に絡んだ南野、期待の若手の堂安、イラン戦でも1得点した原口など攻撃力は十分の構成となった。

試合の総評

 試合会場がUAEでカタールとUAEの中が悪いという話なので現地が中立の状態になるのが期待されたが、実際に開始してみると完全にアウェイで会場はカタールを応援しており、審判もややカタールよりで期待された中立の状態ではなくアウェイの雰囲気。
 試合内容も試合前から予想されたとおりカタールの火力は十分で、日本の守備をきれいに崩して1失点。特に前線の選手はUAE戦の2得点目でも見せたような素晴らしいコースへのシュート精度を見せた。遠藤が居ないことで日本はややDMFの守備力にいつもと違う部分があり、そのすきを上手く付かれた形になった。2失点目も吉田の前の所で、塩谷吉田長友の辺りからカットインしてシュートで失点。やや権田のミドルの弱さ(権田はポジショニングがよく前にでたりするプレーは上手いがミドルのセーブ率はややシュミットより劣る印象)も目立った。
後半は日本の攻撃が目立ち塩谷のアシストから南野が素晴らしい粘りで1ゴール。しかしその後吉田がハンドでPKを取られて3失点目。時間が無くなってから伊東、乾を投入したが時間切れで試合終了。

 全体としては1-3ほどの差はなく、PKでの1失点で、日本もかなりいい形での攻撃を何度も見せ1点取り返せたのは大きな進歩だった。ただ本当の強豪ベルギーのように3点取り返すほどの控えの選手層とメンタル管理は出来ていなかったように思う。その中でも南野や塩谷など点に絡んだ選手だけでなく、冨安や堂安などむしろベテランよりも若手の選手にメンタルの強さを見せた選手がいた点は評価できると思う。

スタッツ

59% ボール支配率 41%
13 シュート 9
2 枠内シュート 3
506(80%) パス(成功率) 308(77%)
1 オフサイド 0
9 フリーキック 19
13 コーナーキック 2
0 ペナルティキック 1

アジア杯2019予選 イラン vs 日本 0-3

イラン 0 – 3
得点 大迫 勇也 後半11分
大迫 勇也 後半22分
原口 元気 後半46分
オミド イブラヒミ 前半44分
バヒド アミリ 前半24分
警告 酒井 宏樹 後半1分

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 権田 修一 6.0 いいポジショニングで積極的にボールを取りに行くプレーが光った。DFラインとのパス回しで危機を招いたシーンもあったが、自らセーブして窮地を脱した
DF 5 長友 佑都 5.5 ここまで少なかったSBの上がりを見せ積極的な攻撃参加をみせた
DF 16 冨安 健洋 7.0 懸念されていたアズムンを抑え込こみ、ハイボールを尽く弾き返した。後半も完全にイランの攻撃を防ぎきり20歳とは思えない落ち着き
DF 19 酒井 宏樹 6.0 後半28分OUT 前半に激しく足首へスライディングされてしまいフィジカルで激しく争う場面が多かったが大事な場面は防ぎきった。前半の怪我が響いたのか後半に交代
DF 22 吉田 麻也 6.0 裏に何度もロングボールやロングスローを出されて対応に苦しんだが、決定的な仕事はさせず防ぎきった
MF 6 遠藤 航 6.5 後半15分OUT 守備面でセカンドボールを拾うことで相手のカウンターを防ぐ役割をした。負傷交代したため怪我が気になる所
MF 7 柴崎 岳 6.0 プレースキックの精度など、流れの中でのパスの供給以外にも良さを見せたが、後半イランが攻撃に出てスペースができた所で決定的なパスを何度も通した
MF 8 原口 元気 6.5 いつもどおりハードワークした。相手のフィジカルも強く難しい時間が長かったが、最後にダメ押しとなる1得点
MF 9 南野 拓実 7.5 前線からのいつも以上のハイプレスをみせボールの保持に貢献した。前に出た時はCFのようなポジションに入ったり、OMFのように下がってボールを受けたりと広く動いたポジショニングで相手を翻弄し攻撃の組み立てを見せた。後半には裏に抜け出た所を吹き飛ばされたが倒れた後もボールを追い続け上げたクロスボールで1アシスト。更にその後のイランの猛攻を逆に振り切る事になる相手のハンドでPKを獲得。全得点に絡む決定的な仕事をした
MF 21 堂安 律 6.0 後半44分OUT 惜しい形でのシュートなども見せたが完璧に崩し切ることができなかった
FW 15 大迫 勇也 8.0 明らかにポストプレーのボールの収まり方で違いを見せた。後半の競り合った試合展開で均衡を崩すヘッドを決めて1得点。更にPKで1得点と2得点。決定的な仕事をした
交代
DF 18 塩谷 司 6.0 後半15分IN 怪我の遠藤に交代で入り試合をコントロールし無失点で終わらせた
DF 3 室屋 成 5.5 後半28分IN 怪我で酒井に交代して入り酒井の穴を埋め若手とは思えない手堅い守備を見せた
MF 14 伊東 純也 後半44分IN 出場時間が短すぎるため採点不能。ただし良い攻撃のシーンも見せ、試合を無失点で終わらせるのに成功した。
監督 森保一 6.5 スタメンはやや保守的な選抜ではあったが、この大会では今まであまり見せなかったハイプレスやポゼッションのキープを見せるなど戦術の引き出しも一つ見せた。試合中に怪我人が何人もでるなかうまく交代をして切り抜けた

試合後、森安監督のコメント

「3-0という試合になりましたけど、本当に厳しい試合で」とコメント。「選手たちが覚悟を持って、最初から戦う姿勢を示してくれたこと、そして勇気を持ってプレーしてくれたので勝利に繋がったと思います」と勝因を挙げた。

「今日は本当に完全アウェイのような雰囲気の中、たくさんの日本人の方が応援に来てくれましたし、たくさんの応援をしてくれた日本人の皆さんに勝利を届けられて良かったです」と決勝進出を喜んだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190129-00307122-footballc-socc

日本代表スタメン

 ベトナム戦から殆ど変わらず、大迫がCFに入ったことで招集されたメンバーの中ではほぼベストメンバーに近い主力を投入した試合になった。GKは怪我明けの東口ではなく、ここまで使ってきた権田とかなり保守的なメンバー選考。ただし今までと違いSBも攻撃参加を見せたり、中盤でのボールキープをみせるなどこの大会ではココまで見せてこなかった戦術の多様性を見せた。
激しい試合になったため、中盤を支えていた遠藤やSBの酒井など、けが人が増えた点が非常に気になる。そして大迫も削られるシーンが目立ち次の試合に不安が残った。あと大迫はんぱない。

試合の総評

 日本が前半の序盤から攻撃的に仕掛け、この大会ではあまり見なかった前線の高い位置からプレッシャーをかけショートカウンターでボールを奪う動きやSBの上がりを加えた厚みのある攻撃を見せた。イランはフィジカルを活かしロングスローを多用。そこに競り合ってラフプレーとやりたい放題のストロングポイントを組み合わせてきた。徐々に荒いイランのプレーが増えたことで選手が削られてしまい故障が心配される展開に。日本側が相手に対して強くあたっていないようなシーンでも簡単に笛を吹かれてしまいセットプレーが増え、権田やCBの冨安吉田が目立つ展開に。前半はやや笛の難しさを感じた。
 後半もお互いに得点できない試合展開が続くが、ファールが多くなり日本の自陣で何度もセットプレー。さらに遠藤が削られて負傷交代するなど、荒い試合展開。その苦しい展開で南野が抜け出しクロスボールに大迫がヘッド出会わせて得点。試合の流れが大きく変わった。更に南野攻撃でPKを獲得し大迫が更に追加点。前半から削られていた酒井も途中で負傷交代。激しい試合になったが日本が力の差を見せつけた。

スタッツ

41% ボール支配率 59%
9 シュート 5
3 枠内シュート 2
211(63%) パス(成功率) 281(77%)
2 オフサイド 0
14 フリーキック 14
5 コーナーキック 1
0 ペナルティキック 1

アジア杯2019イランvs日本戦を前に予想


直前の中国とイランの試合を見た印象では、イランの火力がかなり限られた少数のFWに依存しているという点。そしてベトナムのように攻撃的に攻めてくるのならば相手の守備のほころびをついて的確に攻撃をできるが、中国戦のように相手が引いてきた場合あいてのDFラインがミスをするまで得点ができなかった。

このことからイランの攻撃は組織的な守備をして少数で攻める限り決定的に相手を崩すすべを持っていないように見える。日本が最近見せているような守備的な試合を展開した場合、おそらく得点はお互いに入りにくくなりかなり膠着したミスを待つ試合になる可能性がある。

戦略を変えなかった場合

お互いが今まで見せてきた通りの戦略を維持した場合、得点が入らず後半まで試合が決定的にならないまま続き、スタミナや選手のコンディション管理などが試合を分けると思う。
その点でいうと、ベテランを読んでいないうえに怪我人だらけでベストメンバーからはかなり遠い日本も、若さという武器はかなりスタミナにいい影響を及ぼすと思える。ただし何度かここでも書いたが、メンバー選考の問題で起きている交代カードの少なさと、ベトナム戦でターンオーバーできなかったことでかなり疲労が蓄積していること。イランの方が気候的にも時差的にも日本よりいい条件っで戦える事などスタミナ面で行くとお互い一長一短があるので決定的な差はなく。

延長戦を見据え戦いになると思う。

戦略を変えた場合

イランが攻撃的に来た場合や、日本も攻撃的に言った場合は上の条件とは違う試合になる。森安監督はおそらく保守的に同じ戦略を通ると思われるが、ケイロス監督ならば何か違う戦略をとってくる可能性が十分にある。

その場合は予想される展開は多少変わってくるが、日本が攻撃的に言った場合はお互い守備が構築できずかなり撃ち合いになる可能性がある。とくにSBを上げて攻撃参加させた場合はかなり攻撃力に違いが出るので大きな変化が出るだろう。ただし日本の場合はCFの大迫の怪我やコンディションにもよるところが大きくかなり博打性が高い。
イランが攻撃的に言った場合は勝率はややイランに傾くと思う。イランの方が個人の得点能力が高いので、打ち合った場合に攻撃力の差で打ち勝てるからだ。

イランが攻撃的ならイランの勝率が6割程度
イランが守備的なら日本の勝率が6割程度

じゃないかなと予想。守備的に言った場合になぜ日本が有利かというと気質。日本人の方が粘りがある。イラン人はこれだけアジアでかっている割にアジア杯がとれていなかったりW杯でもなかなかグループが突破できなかったりする。勝負事の決定的な瞬間に弱いからだ。これだけ目に見えてスタッツに残ってしまっているともはやそれは気持ちの問題というよりはっきりとしたチームカラー、そういう特徴があるといわざるを得ない。イランはプレッシャーがかかる大事な試合になるほど能力を発揮しないと思う。もしくは重要な試合では実力が露呈してしまっているのかのどちらか。

いずれにしてもアジア杯では唯一といってもいい強豪との試合。強豪と親善試合以外で戦う機会というのは意外と少なく強い相手と本気の試合をできる数少ないチャンス。これで今の日本代表がどの程度のレベルにあるのかがはっきりすると思う。そういう意味で森保ジャパンになってから初めての試練、試金石がイラン戦だ。

アジア杯2019予選 ベトナム vs 日本 0-1

0 – 1
得点 堂安 律 後半12分
ブイ ティエン ズン 後半11分
ドゥアン バン ハウ 後半15分
警告

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 権田 修一 6.0 危ないシーンもあったが無失点に抑えきった
DF 5 長友 佑都 5.5 攻撃参加よりも安定した守備が光った。長友の裏を身長の低さを狙われてつかれる危険性が付きまとっていたが運動量でカバーした
DF 16 冨安 健洋 6.0 若手とは思えない安定感で、吉田と共にCBコンビを形成しており、CKなどでの攻撃参加も十分期待できるプレーをした
DF 19 酒井 宏樹 5.5 フィジカルでの持ち味は見せたが相手の足元がうまく苦戦した面もあった
DF 22 吉田 麻也 6.5 攻撃参加でもVARで取り消しになったヘッドのゴールなどもあり、攻守にわたっていいプレーをみせた。特にシュートのコースをブロックするプレーで何度もピンチを救った
MF 6 遠藤 航 6.5 中盤の守備的な役割を果たし決定的な仕事をした
MF 7 柴崎 岳 5.5 相手のパスを何度もカットし、パスワークで攻めてくる相手にインターセプトのうまさを見せた。寄せる守備はやや物足りなかったが別の持ち味は十分見せた。また攻撃面でも精度の高いクロスやセットプレーで流れの中での崩しとは違う持ち味を見せた
MF 8 原口 元気 5.0 交代:後半33分OUT 守備面と運動量で中盤を支えたが、いつも通り決定的な仕事もできなかった
MF 9 南野 拓実 5.5 交代:後半44分OUT 裏に抜ける決定的な場面が何度かあったが決めきることはできなかった
MF 21 堂安 律 6.0 PA内で相手のファールを誘いPKで一得点。決定的な仕事をした
FW 11 北川 航也 4.5 交代:後半27分OUT 怪我で先発できなかった大迫と累積カードで出場できなかった武藤に代わって出場。消えている時間が長く、ここ数試合の出来を見ると年齢を差し引いても次の代表選出には希が薄いプレーを「また」みせた。急遽招集されたアジア杯のチャンスだったが。今後も代表に選出されたいのならば何か違いを見せなければ次は下の成果の出ているオリンピック世代を試す時期に入るため苦しい試合結果となった
交代
監督 森保一 5.0 負けれないトーナメントで求められていた勝利で、最悪の展開は免れた。ただしターンオーバーはせず、CFだけを変える形で、交代枠も大迫を使ったため次の試合にツケを回した。そして当初選んだメンバーのもともと持っていたコンディションの問題が噴出しており、スタメン選考の時点で総力戦がうまく機能しにくい状態になってしまっている
試合後、森安監督のコメント

「ベトナムが辛抱強く戦えるチームだということは分かっていたので、本当に難しい戦いになりました」と振り返った。

「選手たちが焦れずに、試合を通して集中を切らさず戦ってくれた。カウンターで危ないシーンがありましたけど、みんなで止めて失点ゼロに抑えられたことは良かったと思います」と指揮官は選手の奮闘を称えている。

 中3日で行われる準決勝では、中国対イランの勝者と対戦する。「これまでも一戦一戦目の前の試合に向けて最善の準備をしてくるということをやってきましたし、一戦一戦成長しながら戦っていこうということを次の試合に向けてもやっていければと思います」と森保監督は意気込みを述べた。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190125-00306516-footballc-socc

日本代表スタメン

武藤がカードの累積で出場停止。大迫が怪我で別メニューの調整を続けていたため先発をはずれ、鈴木の怪我で急きょ招集された北川が出場。しかし北川がここまでの所あまり期待に応えれおらず、今後の代表にはかなり不安が残るCFの組み合わせとなった。DMFは遠藤、柴崎の主力で控えに調子のいい塩谷が入ったことで逆に安定している。SBもベテランの長友と酒井で非常に安定しており、CBも若手とは思えない富安とベテラン吉田のコンビで近年の日本代表ではまれにみるほど固い守備になった。攻撃がSBを除いた左右のサイドのプレーに依存しているためやや火力不足は否定したガタイが1-0で勝つ昔のイタリアっぽいプレー(おそらく森安監督が全盛期に熱心にチェックしたであろう)としては十分なスタメンとなった。

試合の総評

試合は膠着した状況から吉田がヘッドで1ゴールしたがVARで取り消しになり、その後堂安がPA内でファールされてPKも自分で決めて0-1。その後は基本的に無理をしない展開で安定した勝利を収めた。ただしベトナムの技術力が向上していたためもし相手が中東のように中東の笛があったり、韓国のようなら酷いラフプレーをしてきた場合は今後はベトナムは日本イランに次いだ2番手の位置につけるチームになる可能性が高い。

スタッツ

36% ボール支配率 64%
12 シュート 11
4 枠内シュート 6
325(69%) パス(成功率) 707(85%)
2 オフサイド 2
7 フリーキック 12
4 コーナーキック 6
0 ペナルティキック 1

森保監督に関する興味深いスタッツ

守備的に戦うことになったサウジアラビア戦の後見るとこのスタッツは結構興味深い数字に見える。

(1/2) サウジアラビア戦は後半になっても落ち着いて試合を観ることが出来た理由としては森保監督時代のサンフレッチェ広島(2012年-2017年)は、表のとおり、「先制ゴールを奪ったとき」と「前半終了時リードの場合」の勝率が異常に優れている点が挙げられる。前者は79勝3敗10分け、後者は57勝1敗3分け

https://twitter.com/J3Plus/status/1087344757221646336

 先制点を決めた時:79勝3敗10分
 前半終了時リード:57勝1敗3分

これは森保監督は先制点を取った時はほぼ負けないといってもいいくらいの確率。とんでもないスタッツだと思う。