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なでしこジャパンW杯2015準優勝のピッチに浮かぶ光と影

なでしこジャパン FIFA女子ワールドカップ カナダ 2015 準優勝 http://bit.ly/1H2z6cJ #jfa #daihyo

なでしこW杯準優勝
https://twitter.com/jfa_samuraiblue/status/617865666062741504

ほぼアウェイで不利な条件

この試合のピッチの上には強烈な光と影が映し出されていた。日本だけ前半は一方的に日差しの条件が悪く、後半には日が傾きアメリカにはそれほど影響が出てないなど、素直にアメリカを褒めたくない気がする試合ではあった。もう一度やれば日本はもっと勝てるチャンスがあると思うし、実際点数以上に僅差の実力だったのではないだろうか。

ポゼッションで支配できるもの

もやもやしたものは残るが、ピッチの条件を直ぐに察知して試合のペースを落として、チャレンジを減らしたり、つなぐのに徹したりとかそういう工夫は必要だったと思う。前半のあの眩しい時間をもっと確実に通り抜けて、後半で勝負という戦略だって立てれたはず。そして日本代表は自陣に引いて守備というよりボールを回してつなぐ攻撃が得意だったので選択しとしては選べた一つだったのではないかと思う。この試合の教訓としては、アウェイにおいては、可能な限り条件が良い場所でボールを回し、太陽の光や時刻すらポゼッションで支配しなければいけないという事だと思う。

それでも準優勝

試合日程の関係上試合間隔も日本の方が短く、ピッチもショートパスでつなぐ日本に不利な人工芝、会場はアメリカ人だらけ、審判も少し会場の雰囲気に影響されアメリカより、ほぼアウェイの会場。更に太陽光が差し込みハイボールに弱い日本には問題を引き起こす条件。かなり日本に不利な条件だったにもかかわらず、相当良い勝負を見せて準優勝。戦略や政治的には随分負けたが、それは選手の問題ではない。選手のレベルにおいては十分にその不利を挽回したと思う。


https://www.youtube.com/watch?v=3sNlHyHI25A

W杯予選 日本 vs シンガポール

日本 0-0 シンガポール
得点
警告
シンガポール

正直な所今回は試合を見てないので採点不能。だけどあまりに試合結果が衝撃的だったので、後で見てなんか書こうと思う。

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣
DF 太田 宏介
DF 酒井宏樹
DF 槙野智章
DF 吉田麻也
MF 本田圭佑
MF 柴崎岳
MF 香川真司
MF 長谷部誠
FW 岡崎慎司
FW 宇佐美貴史
途中出場
FW 武藤嘉紀
FW 原口元気
FW 大迫勇也
監督 ハリルホジッチ
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

(これがW杯予選の難しさか?)私のサッカー人生でこのようなシチュエーションに陥ったことがないので、説明は難しい。選手は勝つためにすべてを出し尽くしてくれた。得点だけが足りなかっただけだと思う。もし得点が入れば違う状況になった。ちょっとつらい状況だが、下を向く必要はないし、がっかりする必要はないと思う。シンガポールで絶対に勝ちたいと思う。(今日見えた課題は)ゴール前で慌てたこと、正確性、少しの運だ。そして向こうのGKをほめなければいけない。6、7点は彼が止めたのではないか。こんなにGKが止めたのは見たことがない。

http://live.sportsnavi.yahoo.co.jp/live/sports/soccer_japan/4375

日本代表の印象

Yahooでは香川の問題という声が大きかったが、単純に香川個人の不調とだけはいい難い。なにしろ相手はシンガポールなので、本来一人が不調な程度では問題になる要素ではない。しかも一番初めに香川が61分に早々に交代となっているが、その後30分も点が入っていない。30分くらいあれば1点入ってもおかしくはない。恐らくチームとしての問題点と日本チームが相手に本気で守られた時に相変わらず攻撃手段がないといういつものパターンが露呈したのではないかと。今の所思ってる。

試合の総評

自分の試合の総評を書こうと思ったがセルジオ越後の話が面白かったのでそちらを紹介

「親善試合ではなく、しっかりと研究してきた相手には何もできない。裏のスペースを消した相手に対して、展開力もスキルもなかった。アジアカップのUAE戦と一緒で、同じ試合を見ているようだったよ。ハリルホジッチはすごいとみんな言っていたけど、過去の戦いとどこが変わったの? 相手監督には素晴らしいと言うべきじゃないかな」

「ハリルホジッチのやり方をみんなが絶賛していたけど、選手は怯えちゃっていたよね。日本人は厳しく追及された時にそれを跳ね返す文化がない。指示を受けている宇佐美の表情はこわばっていたしね。サッカーをエンジョイするという気持ちもなかった。それではサッカーに幅もできないよ」

「裏のスペースを消されて柴崎はパスが出せなくなった。本田も香川も良くなかった。酒井宏樹なんてひどかったよ? 海外組もスーパーじゃないし、スキルがこれしかないということ。長谷部は試合後『修正して次に…』といつもと同じことを言っていた。次の試合も出場できるものだと思っているのかな。危機感を感じないと」

「ハリルホジッチは縦への速さを求めて、選手も監督に言われたことを従順に繰り返した。裏に飛び出せないのに同じやり方をしたよね。打開策の交代も前線の数を増やすという今まで見てきたやり方と同じ。ピッチ上で選手たちが工夫しないと」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150616-00323196-soccerk-socc

なるほどなるほど。

適当に見たハイライト


https://www.youtube.com/watch?v=9rQdtNsSj0U

キリンチャレンジカップ 日本 vs イラク

日本 4-1 イラク
本田圭佑(前半5分)
槙野智章(前半9分)
岡崎慎司(前半33分)
原口元気(後半39分)
得点
警告 サド・アブドゥラミル(前半37分)

キリンチャレンジカップ2015 SAMURAI BLUE(日本代表) 対 イラク代表【6-11(木)@日産スタジアム】  JFA|公益財団法人日本サッカー協会

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 4.5 ミスが目立った
DF 長友佑都 6.0 後半まで運動量が落ちず、前線の攻撃陣が入れ替わり組み立て出来なくなってからは攻撃参加も目立った
DF 槙野智章 6.5 無失点に抑え、得点も決めた
DF 吉田麻也 5.5 クリアミスはあったが、それ以外は安定した守備をみせた
DF 酒井高徳 5.5 運動量も多く、右サイドの攻撃組み立てにかなり機能した
MF 柴崎岳 7.0 攻撃の基点となり効果的に機能した
MF 香川真司 5.5 マークが厳しく決定的な仕事は出来なかった
MF 長谷部誠 6.0 中盤の守備で効果的に機能した
FW 本田圭佑 6.5 1得点を決め連携した右サイドからの崩しも見せた
FW 岡崎慎司 7.0 決定機を何度も見せ1得点、いつもどおり守備にも献身的に動いた
FW 宇佐美貴史 6.5 スタミナ不足が気になったが、アシストをし何度も決定機を作り出した
途中出場
FW 大迫 5.5 ポストプレーやハイボールの競り合いなど岡崎とは違う特色を見せた
FW 武藤 5.0 意欲は見せていたが見せ場はなかった
FW 永井 5.5 スピードが速く、意外と山口や大迫との連携のよさも見せた
FW 原口 6.5 途中交代からゴールし短い時間で結果を出した
FW 山口 6.5 守備だけではなくパスも永井や大迫などと連携が取れており見るべき点があった
FW 谷口 5.0 守備的役割を期待で入ったが長谷部と比べるとややボールが取りきれない
監督 ハリルホジッチ 6.5 アジアでは強豪の部類に入るイラクを相手に4-0は十分な結果。W杯前後で落ち込んでいた日本代表を立て直し、若手をセオリー通り起用した。当たり前のことを当たり前に積み重ねただけと思う人もいるかもしれないが、組織の思惑などで選ばれない選手をしっかり選び実力で評価するというのは実際は大変な事だろう。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

われわれはかなりいい試合をした。そして効果的だった。ディフェンスも素晴らしいポジションを取っていた。いくつかのプレーはオフェンス面でもハイレベルだった。少し慌てたシーンもあったが、もう少し点は取れたと思う。この美しい勝利には満足したい。選手にはおめでとうと言いたいし、全国民の皆さんにはありがとうと言いたい。

試合前のハリルホジッチ監督のコメント

選手のトレーニングに対する姿勢には敬意を表したい。ただし川又(堅碁)が少しけがをしたのは残念だ。ももに衝撃があってトレーニングができない状態だ。清武(弘嗣)も右足に少し問題がある。大したけがではないが、リスクをとらないようにしたい。そのために永井(謙佑)を呼んでトレーニングさせた。

http://sports.yahoo.co.jp/sports/soccer/japan/2015/columndtl/201506100007-spnavi

永井のスピードには見るべきものも感じたのではないだろうか。

日本代表の印象

岡崎、香川、宇佐美、本田の4人は明らかにレベルが高く、しかも新しく加入した宇佐美や柴崎も十分連携が出来ており、イラク代表と比べると中盤から前ではかなりの差を感じた。ただ、守備面やスタミナ面では明らかに課題も残っており、運動量は後半急激に落ちたのでスタミナ不足が目に付いた。また守備力も途中交代したメンバーはボール奪取に苦労しており、組み立てで岡崎や長友などの本来違う役割だったスタメンに頼る部分が多かった。スタメンと比べ、武藤、原口、永井あたりを投入してからは若干守備の問題があり、相手のボール保持時間が増えた。これらの問題は恐らくチームとしての役割や連携を重視すれば改善しそうなだけに、代表全体がサブメンバーをどう生かすかが大事だろう。その後交代で入った山口は十分柴崎の代役を出来ており、特に大迫や永井と山口の組み立てや連携ではかなり見るべき点があったと思う。

試合の総評

もう少し強い相手でなければこのチームのポテンシャルを測るのは難しかったと思うが、イラク代表も平均年齢の若いチームで、日本代表でいえばサブで入った若いメンバーの方が中心になって作られているようなチームだったので、同年代で見れば後半の交代してからの試合内容程度の実力差だったのではないかと思った。

試合のハイライト動画

個人的に気になった点とか

個人的に一番気になったのは、長谷部の交代前と長谷部の交代後の変化。正直前線が変わってもボールがつなげなくなりロスト率は上がったが、急激に攻められやすくなった分けではないと思った。しかし長谷部交代後は相手の攻撃が目立ちだした。長谷部の交代要員は今の所、谷口では荷が重いのではないかと思う。以前アギーレ時代に森重がアンカーをやったときにかなり機能していたので、守備力としてみれば森重なんかも結構有力なのではないかと。

日本 vs ウズベキスタン

日本 5-1 ウズベキスタン
青山敏弘(前半6分)
岡崎慎司(後半9分)
柴崎岳(後半35分)
宇佐美貴史(後半38分)
川又堅碁(後半45分)
得点 トゥフタフジャエフ(後半37分)
警告 L・トゥラエフ(後半5分)

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 5.0 相手のシュート数が少なく日本ペースだった試合での失点があり、スタメンのGKとしては不安が残る部分も
DF 森重真人 6.5 吉田がいないDFラインで安定した守備を見せ、相変わらず謎の攻撃力も健在でテクニカルなアシストも記録した
DF 内田篤人 6.0 素晴らしい守備で右サイドをほぼ完全に押さえ込んだ。攻撃では目立たなかった
DF 酒井高徳 6.0 怪我人が多い日本代表のSBの中で安定してプレーできており、プレー以外でもコンディションの安定感が目立った
DF 昌子 源 5.0 吉田がいない中それなりのプレーを見せたが、吉田森重を抑えてスタメンで出れる要素もなかった
MF 今野泰幸 5.5 本来は秘めている高い守備力があるものの若干プレーが以前の代表のように遅めだった。偶に見られる縦への攻撃参加では何度かいい形を作っており、速攻にも対応できるポテンシャルは感じた
MF 青山敏弘 7.0 素晴らしいシュートで1得点。先制点を日本にもたらした事で、相手の攻撃を引き出し裏のスペースを使える試合展開を期待できるようになった戦術的に価値が高いゴールだった
MF 香川真司 6.0 厳しいマークが常に付いており、決定的な仕事は出来なかったが相手を引き付ける役割としては機能した
FW 岡崎慎司 6.5 得点も記録。守備でも献身的に戻り攻守に機能した
FW 本田圭佑 5.5 チームが速攻主体で見せ場が少なくなっていたが、交代した柴崎宇佐美と比較すると守備での良さが際立った
FW 乾 貴士 5.5 運動量が多くアグレッシブでどこにでも顔を出したが、アグレッシブすぎるドリブルでのこねすぎや、チャレンジしすぎてのロストもあった
途中出場
FW 川又堅碁 10分程度の短い出場時間で得点するなど、結果を残した
FW 宇佐美貴史 7.0 Jリーグ以外でもあのボールを持った時の違いを見せれる事を証明した。守備にも良く戻ったが純粋に守備能力自体が低いという点は否めない部分があった
FW 大迫勇也 5.0 アシストは記録したが、サイドでは攻撃での連携があまり上手く言っておらずミスも気になった。
FW 柴崎 岳 6.0 岡崎からのプレゼント的なゴールになるが、攻撃でのよさを見せた。守備は相変わらず不安が残る
SB 太田宏介 6.5 課題も感じたが、相変わらずの素晴らしいクロスから1アシスト。怪我人が多いSBの控えとしては素晴らしいプレー。
MF 水本裕貴 6.0 ボランチで守備的にプレーする選手が長谷部今野と高齢化している中で、その代役としての可能性を感じさせた
監督 ハリルホジッチ 7.5 様々なテストをしながらアジアではそれなりに強いウズベキスタンを相手にしっかりと結果を残した。チームを崩壊させず若手を混ぜる事に成功し、長谷部遠藤という高齢化したボランチの代案、吉田以外のCBというテスト、長友内田という怪我人以外のSB、宇佐美柴崎という一長一短の個性のチームへの融合、ありとあらゆる事を同時に試しながら、アジアでも日本代表が苦手とする強豪相手に5-1という結果は考えられる結果の中でもほぼ最高に近いのではないか。更に、交代策はほぼ全て成功しており、交代した選手や若手の多くが得点にからんだ。メンバー的に非常に多様な選択しがある事、ポゼッションを重視した以外の戦術も機能する事を証明したといえると思う。今回は日本のホームで親善試合だったという点もあるので、重要な試合で対策されてもこれが安定して何度も再現できるのかどうかという課題は残している。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

本当にスペクタクルで良い試合だった。ウズベキスタンは諦めないで最後まで向かってくる素晴らしいチームだと思った。でも日本はきちんとオーガナイズされたチームでたくさんゴールを決めることができた。選手たちに「ブラボー! おめでとう」と言いたい。

(収穫は)まず5-1で勝ったこと。ウズベキスタンは強いチームで、そこに5-1で勝ったが、まだ修正すべき点はある。

http://live.sportsnavi.yahoo.co.jp/live/sports/soccer_japan/3803

「先に高い位置から行けといった。ただ、第1ラインと第2ラインがスペースを空けていたのでそれを修正した。ピッチ上で後半は罠を作った。(守備)ブロックを作ってスペースを空け、相手に攻めさせた。そしてカウンターから4点を奪った」

http://news.livedoor.com/article/detail/9955583/

後半の相手にボールを持たせたあとのカウンターは作戦だったという事が分かる。

日本代表の印象

以前のポゼッションを主体としたスペインやバルセロナのようなパスサッカーではなく、かなり速いペースで攻撃する速攻カウンター型の戦術を採用しており、ザックジャパン時代と比べ明らかな戦術の変更がされていた。またこの速攻が必ずしも機能したとはいえない部分もあったが、早めのミドルも一定数打つ事で相手のDFラインが下がってしまう問題への対処をしているなど、細やかな部分もあった。これにより、以前の日本がポゼッションした時に、相手にドン引きされてバイタルだけ密度をあげてショートパス対策されてしまうと攻め手がなくなってしまう問題にある程度対応したといえるのではないだろうか。以前の日本は高さ勝負しないためクロスが効かず、つなぐためにミドルもあまり打たないし、つなぐために攻めが遅くなり相手に引かれてしまう問題があった。これは、それに対するハリルジャパンの回答といえるのではないだろうか。ただし、これもまだ戦術を見せたばかりなので相手の国も対応してきていないだけという可能性は残しているし、あまり日本代表に苦しくなるシーンがなかったので、押し込まれた時にどう対処するかなど、強豪相手にこれが通用するのかどうかもよく分からない部分は残しているとは思う。

試合の総評

ウズベキスタンのコンディション面にも課題があったのか日本代表が優れていたのか、終始日本のペースで試合が進み結果的には日本の圧勝といっていい内容。ただし、得点は後半に集中しており、試合終了10分前の本田香川が抜けた後に4得点という点は注目に値するだろう。実際には1-0の状態で試合は進んでいたのだから。


https://www.youtube.com/watch?v=-sH23EQF6fE

今見ると違って見えるアジア杯のインタビュー

この試合を見た後、以前に読んだ豊田のインタビューを思い出さざるを得なかった。

「今の日本代表は、みんなが圭佑(本田)にボールを集めるというチームです。圭佑もそれを要求するし、たしかにあいつは本当に上手いんですよ。圭佑としては、”つないで攻めたい”という気持ちはあったんでしょう。(1-1で迎えたUAE戦の終盤も)わざわざショートコーナーにするくらいでしたからね。アジアレベルならそのやり方で勝たないといけないし、勝てるはず、負けるはずはない、という彼なりの自信があったんだと思います」

 豊田は一度言葉を切ってから、こう継いだ。

「でも、そうだとすると僕は”どうやったらこのチームで生きるのか”というのを悩んでしまった。自分が中心選手ではない中、それは我慢するしかないんですけどね。例えば東アジア選手権のときは、”選手全員が優勝に向かい、一丸となって戦った”という手応えが残りました。それが今回は感じられなかった。UAEを相手に、最後まで意地を張ったようなプレイを続けて負けてしまったわけで……。その点は、ブラジルW杯の代表と同じでしたね」

http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2015/03/18/post_882/index2.php

今でも豊田やハーフナーなども、ちゃんとタワーを考慮した戦術でならそれなりに機能したのではないかという気はするし、パワープレイなど負けているときにどういう方法で対応するかは今でも試行錯誤する余地があると思っている。今日は確かに本田は王様ではなかったし、本田をトップ下にしてボールを集めれば本田のよさや能力はもっと発揮できただろう。ただ、チームとしての総合力でどのスタイルが強いのかを考えた時に、今のコンディション不良の本田を王様にするスタイルが一番強いとは思えないし、それが今日の結果には如実に出ているのではないだろうか。実際ミランで求められるようなサイドでの動きで勝負してもチュニジア戦のように必ずしも本田が消えてしまうわけではない。ミランで苦しむ今の本田はそれも恐らく自分で理解しているのではないだろうか。

アジア杯 日本 vs UAE

日本 1-1 UAE
柴崎岳(後半36分) 得点 マブフート(前半7分)
警告 アル・ハマディ(前半26分)
イスマイール(前半45+3分)
アハメド(延長後半11分)
アブドゥラフマン(延長後半14分)

PK 日本×○○○○× UAE○○×○○○

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 5.0 大事な試合で1失点。PK戦でも止める事は出来ず勝負弱さを見せた。
DF 長友佑都 5.0 スタミナが売りだったが長友が、延長になるとまさかの故障。既に交代枠を使い切っておりかなり試合に影響してしまった。それ以外では守備でも素晴らしい活躍を見せ攻撃参加もしたがDFラインとしては失点を許した。
DF 森重真人 4.5 失点シーンでは裏を取られてしまった。
DF 吉田麻也 5.0 森重と共に、失点シーンでは裏を取られてしまったが、守備ラインからの組み立てでは見るべきプレーもあった。
DF 酒井高徳 5.5 素晴らしい攻撃の組み立てを見せ、守備でも序盤にあったミス以外はほぼ封じ込めた。
MF 遠藤保仁 4.5 この試合では存在感を出す事ができず、パスで違いを生み出す事が出来なかった。スピード不足も悪い意味で目立ってしまった
MF 香川真司 5.5 中二日と思えない運動量と技術で局地的には圧倒したが得点には繋がらなかった。PK戦では最後の一発を外し敗北を決定付けた
MF 長谷部誠 5.0 守備で奮闘したが、開始直後の浮き足立つ場面で押さえこむ事が出来ず失点してしまった。少し動きが重たかったように見えた
FW 本田圭佑 6.0 右サイドはほぼ崩す事ができた、突破してからの形が見えなかった。長友の故障時にカバーにはいるなどリーダーシップも見せた。ただFKも生かすことはできず、PK戦では1発目で外してしまうなどプレースキックの精度の劣化も見えた。
FW 岡崎慎司 5.0 守備では献身的に走ったが肝心の攻撃では消えていた。
FW 乾 貴士 5.0 惜しいシュートを放つなど攻撃では目だったが、点には繋がらなかった
途中出場
FW 武藤嘉紀 5.5 途中出場で入る事で積極的なシュートで流れを変えた
FW 豊田 陽平 4.5 チャンスはあったが生かす事は出来ず途中からは消えていた
FW 柴崎岳 6.5 途中出場で1ゴールし、パスでも違いを作った。更に延長戦ではSBもこなす等圧倒的な存在感を見せた
監督 アギーレ 4.0 中二日と苦しい日程で、先発メンバーを固定してしまい遠藤、長谷部、森重などが明らかに動きが悪く長友などは故障してしまった。こう対策はそれなりに結果を見せたが、試合には敗れ、これにより日本代表はアジア杯をベスト8で終わることになった。これは最近の過去のアジア杯の成績と比較して著しく悪い成績となった。
試合後、アギーレ監督のコメント

相手を全ての面で上回っていた。選手たちは最後まで戦ったし、最後までトライをした。だから今日のチームに対しては誇りを感じる。チャンスは作っていたので後は決めるだけだ。このサッカーを続けていきたい。

https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/558610696791785473

PK戦にもつれ込んでしまったのは選手の選考や、高齢化したメンバーの固定化など選手の責任よりは監督やサッカー協会のリスクを取らない戦わない姿勢が影響したのではないかと思わざるを得ない。もしサブにいたのが宇佐美だったら。もし柴崎をヨルダン戦で使えていたら、もし細貝や山口をヨルダン戦で長谷部の変わりに使えていたら。もし大田を1試合スタメンで起用し長友に休養が与えられていたら、長友はあそこで足を痛めることはなかっただろう。いくつもの可能性の中からアギーレは最も保守的な選択をしたと思う。どんな偉大な選手も、どこかでいつかは若手と交代するのは避けれない。

日本代表の印象

日本の攻撃のチャンスは大量にあったものの決めきる事が出来なかった。豊田を投入するも相変わらずゴール前まで押し込んで敵をゴール前に溜めてしまってからのテレフォンパンチのような攻撃を繰り返す事に。相変わらずカウンターの時にも速度を上げる事が出来ず、常にゆったりとした攻めで緩急の使い分けが出来ない状態に。これは中村俊輔の高齢化で停滞しつつあった南アフリカのW杯前の日本代表によく似たような状況なのではないかと言う印象を受けた。ただし、柴崎や武藤の活躍など連戦していなかった選手はほぼ安定して活躍し、若手の台頭という意味では望ましい面も見られた。日本代表の主力メンバーの年齢的な衰えが厳しい日程と暑さの中での延長戦で露骨に目立ってしまう形となった。

試合の総評

スタッツを一つ二つ

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/558598821727334402/photo/1

この試合1試合では判断する事は出来ないが、日本代表の決定率が低いのは何故なのかもう一度考えてみる必要があると思う。

アジア杯 日本vsヨルダン

日本 ヨルダン
本田圭佑(前半24分)
香川真司(後半37分)
得点
岡崎慎司(後半1分)
乾 貴士(後半4分)
警告 ムスタファ(前半11分)
ユーセフ・モハメド(前半38分)

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 6.0 あまり出番はなかったが無失点に抑えた
DF 長友佑都 5.5 これまでよりも積極的にボールを触り左サイドからの攻撃でも存在感を見せた
DF 森重真人 5.0 守備は良かったが、攻撃の組み立てはミスしてはいけない形でのミスが気になった
DF 吉田麻也 6.0 安定した守備と組み立てで攻守に渡り安定をもたらした
DF 酒井高徳 6.5 ここ数試合の流れと同じく、この試合でも素晴らしい組み立てを見せチーム最高のパス成功率を記録し、ほぼ全てのパスを通した
MF 遠藤保仁 6.0 タッチ数こそ多くなかったが周りを生かすオフザボールの動きが光った
MF 香川真司 7.0 ダメ押しとなる2ゴール目を決め、チーム最多のタッチ数で長谷部と共に中盤のボール回しで貢献
MF 長谷部誠 7.0 ヨルダンの攻撃の目を尽く潰し、組み立て MF の能力の違いで圧倒した
FW 本田圭佑 7.0 先制点を決め試合を安定させた
FW 岡崎慎司 6.5 素晴らしい運動量で攻守に目立ち、本田のゴールにつながるシュートを放った
FW 乾 貴士 6.5 素晴らしい崩しとシュートを見せた
途中出場
FW 武藤 6.0 2点目のアシストを決め少ない時間で結果を残した
MF 5.0 清武 途中出場としては運動量が少なく見せ場を作る事が出来なかった
MF 柴崎 5.0 パスは悪くなかったが、清武同様に強みを見せることは出来なかった
監督 アギーレ 6.5 この試合でグループ突破を決め、新しいフォーメーションでも今の所チームの状態は一定のレベル以上で安定しさせる事に成功している。交代策も当たり交替選手が直後にアシストを記録するなど選手交代の上手さもみせた
試合後、アギーレ監督のコメント

両チームともに勝ちたいと思って戦った試合だった。あとはレフェリーの判断に任せたというところだ。より落ち着いたゲーム展開にするために2点目を取ろうとハーフタイムで話したが、楽な試合ではなかった

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150120-00000532-sanspo-socc

日本代表の印象

この試合で3連勝し、アジア杯のグループリーグを1位で突破する事に成功した。日本代表としては日程を考えると本来サブで勝てないと苦しい試合だったかもしれない。

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/557496196013363201/photo/1

試合の総評

アギーレ監督の試合後の話もで少し触れているように感じたが、この試合の審判も不思議な判定を続け厳しいのか緩いのかすらよく分からない展開だった。ヨルダンはアレだけ怪我になりそうな危険なラフなプレーを繰り返したにもかかわらず何故かカードは日本と同じイエローが2枚。更にゴールラインを割っていないように見える乾のゴールや、オフサイドには見えない本田のゴールも取り消しており、全体的に見て日本が 4-0 か 3-0 くらいでもっと楽に勝負できたはずの試合だったと思うた。これにより次の試合は中二日で迎える事になるが、サッカーの試合としてはこれも厳しい日程だ。

スタッツを一つ二つ

今回も酒井の組み立てが思った以上に機能しており、この試合では酒井、長谷部、香川のラインが恐ろしいタッチ数とパス成功率を記録しておりヨルダンを完全に支配した事がよく分かる。得に酒井はレギュラー争いに常に敗れてサブ出ていたが、この試合での出来が安定しているのならば酒井は SB の代表レギュラー争いで一歩リードしたのではないだろうか

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/557494359751274496/photo/1

マンオブザマッチは香川

AFC asia cup 2015 ヨルダン戦 MoM
https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/557494111872102401

アジア杯 日本VSイラク

日本 イラク
本田圭佑(前半23分) 得点
清武弘嗣(後半28分)
今野泰幸(後半47分)
警告 アラー・アブドゥル(後半6分)
サラム・シャキル(後半16分)

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 6.0 イラクのシュートは多くはなかったが、2回のセーブで0点でに抑えた。
DF 長友佑都 5.5 体の小ささからくる弱点も感じたが、素晴らしいスタミナで試合終了直前まで攻撃参加ししっかり戻る守備でスプリントをみせるなどカバーした。
DF 森重真人 5.0 守備は安定していたがDFラインのカで見るとボールへの関与が少なく存在感が薄くなっていた。得に左サイドからのパスによる組み立てはあまり成功しているとは言い難い状態だった
DF 吉田麻也 6.0 安定した守備で、攻撃でも惜しいヘディングによるシュート、高いパス精度で組み立てに貢献した
DF 酒井高徳 6.0 前の試合に続き今回もタッチ数が多く日本代表の組み立てのかなりの部分を担った。ここ数試合のDFのパスの起点となっている。
MF 遠藤保仁 7.0 決定的なパスを前半で連発しPKに繋がる形を作り上げた。この試合ではタッチ数も多く試合の流れを作った
MF 香川真司 6.5 遠藤と共に決定的な形をつくり、ボールをもらう側の動きも見せた。
MF 長谷部誠 5.5 守備では機能したがパスミスも目立った。前回に比べるとボールへの関与が少なく、前にボールを運べない状況が多かった
FW 本田圭佑 7.0 PKをもらい自らPKを決めた。ポストやバーに何度も当てるなど決定機を得たがゴールは出来なかった。また、右サイドからの崩しはあまり機能していなかった
FW 岡崎慎司 6.0 献身的な動きで前線を安定させた。香川からのボールに惜しい形もあったが外す。マークがキツイ
FW 乾 貴士 6.5 フィジカルで押される部分はあったがパス成功率は100%を記録
途中出場
MF 今野泰幸 6.5 遠藤の交代として守備的なよさで安定をもたらし遠藤とは違う守備的な良さをみせた。
MF 清武弘嗣 6.0 前戦に入った事で前回に比べ清武のクロスが生きたが、攻撃が右サイドに偏重したためパスがあまりもらえずチームとしては機能しにくかった
監督 アギーレ 5.5 手堅く勝利はした点や、遠藤と今野の交代は以前の交代の仕方に比べてチームが安定するなど後半の時間帯の戦術で改善が見られた。ただ、全体としての完成度は高いとはいえなかった。
試合後、アギーレ監督のコメント

相手がしっかり守ってきて、攻撃に危険な選手を置いていたので、あまり大きな展開のない試合になった。より早い時間に2点目を取っていれば良かったが、それは簡単ではない。

(後半途中から選手を代え、システムを変えた狙いは?)システムは変えていない。中盤の選手たちは頑張っていたが、疲れていたのでリフレッシュしようとした。(練習していたクロスからPKのシーンを迎えたが)今日はクロスを何度かトライして、良い形になって良かった。
(ヨルダン戦は)今日もそうだが、勝ちを狙う。勝ち点を9に伸ばしたい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150116-00301146-gekisaka-socc

日本代表の印象

この試合では決定機があった割にはゴールにつながらなかった。チャンスは十分作れているので組み立てに問題があるとは思えないが、最後の所の微妙な差でゴールを逃すシーンが多く。まだチームとしての調整が完璧ではないが、調整で克服できる可能性は十分に感じさせる内容だった。

試合の総評

安定して勝利したが、良くいっても審判が少し笛を吹きやすいタイプだった点で、全体の試合運びには課題を残した印象。特に不用意なロストした時にどうしても時間を作るため、素早くプレスする必要がある。そこでDFが無理をしてしまうとファールになりFKを誘発しやすい。この試合ではFKがイラクの攻撃の一番の脅威になっていた。かといってプレスしないのがいいとは言えない。従って不用意な攻撃のロストでカウンターをされないようにするか、それともリスクをとってでも攻撃に行くのかを相手や審判に応じてもう少し戦略的に選択できれば

スタッツを一つ二つ

前回に続き酒井からの組み立てが多い。今回は長谷部を前回ほど極端には経由せずに直接香川と本田につなげる形を多用した。その為左サイドが少し物足りないものとなったがそこに遠藤が時折見せる鋭いパスで左サイドの切れ味も残す形になった。

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/556041650338660352/photo/1

シュート数の割りに攻撃が成功していない点も注目に値するスタッツだろう。

Match Centre  Asian Cup

マンオブザマッチは本田

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https://twitter.com/afcasiancup/status/556042581943922689

アジア杯 日本 vs パレスチナ

日本 4 – 0 パレスチナ
遠藤保仁(前半8分)
岡崎慎司(前半25分)
本田圭佑(前半44分)
吉田麻也(後半4分)
得点
警告 マハジナー(前半46分、後半28分)
アラモール(後半15分)
アル・バハダリ(後半24分)

採点

GK 川島永嗣 6.0 日本の攻撃が多く見せ場は少なかったが、素晴らしい飛び出しでカウンターを防ぐなど無失点に抑えた
DF 長友佑都 6.0 攻撃は物足りなかったが、しっかりと戻り最近の代表の試合ではベストに近い守備を見せた
DF 森重真人 5.5 安定した守備を見せた
DF 酒井高徳 6.0 DFラインで一番のタッチ数。DFからの攻撃の組み立てに貢献したが、一部不用意なミスもあった
DF 吉田麻也 7.0 素晴らしいヘッドで1ゴール。更に守備ではクリーンシートに貢献した
MF 遠藤保仁 7.5 試合の流れを作る先制点を含め完全に試合をコントロールした
MF 香川真司 8.0 2アシストとPKになるファールを取るなど3得点に絡み、決定機をほぼ全て演出した
MF 長谷部誠 7.0 マークの厳しい主要メンバーの間を縫うようにボールをもらいチームNo1のタッチ数を記録、酒井とともにボールを運ぶ裏方を見事にこなした。守備でもカウンターを防ぐ素晴らしい守備と安定したプレーを見せた
FW 本田圭佑 6.5 PKで1ゴール。それ以外も安定したプレーをしたが、本来の本田からすればコンディションは完璧とは言い難い状態だった
FW 岡崎慎司 7.0 素晴らしい反応で1ゴール。前線でボールをロストしにくく攻守にわたってチームを安定させた
FW 乾 貴士 6.5 1点目の遠藤への素晴らしいパスで先制点を演出した
途中出場
FW 武藤嘉紀 5.5 持ち味のドリブルや強引なシュートなどが影を潜めていた
FW 豊田陽平 5.0 交代して入った頃には相手ボールの時間も増えており不運な面もあったがチャンスを生かせなかった
FW 清武弘嗣 5.0 遠藤の代わりとなる事はできなかった。
監督 アギーレ 6.5 大事な初戦で安定したゲームを展開し勝利をもたらした。後半にメンバーを交代させた所まではほぼ完璧な試合展開を見せたが、相手に退場者が出て数的有利を作った後の日本代表はあまり機能しておらず交代メンバーで構成するチームに不安要素を残した。
試合後、アギーレ監督のコメントから気になった所だけ

――満足できるのは勝てたことと勝ち点3を取れたことということだが、攻撃面での連携についてはどうか?(田村修一/フリーランス)

アギーレ 今日のパレスチナはしっかりと守備ができていたと思う。時間帯によって、形がまったく崩れずにプレッシャーをかけながら守ることができていた。インテンシティー(プレー強度)のある、戦えるチームだった。われわれに欠けていたのは、前半はスピードだったかもしれない。後半はミドルシュートだった。1本、2本、アンラッキーなミドルがあったが、そういったところももう少しトレーニングしないといけない。

これは個人的にも思ったけど、パレスチナの守備はけして悪くはなかった。1点目は立ち上がりの隙を突く狡猾なゴールで、2点目は運もあったし、3点目はPKとならなくてもおかしくはなかった。4点目は綺麗なゴールだったが、既に3失点しているパレスチナにどこまで意欲が残っていたかというと怪しい。それにもかかわらず10人になってからも守備をし続けた気持ちの強いチームだという印象。

アギーレ 日本とパレスチナの間に差があったように思われるかもしれないが、難しいゲームだった。彼らは中国やウズベキスタンと親善試合をしているが、中国には引き分け(2014年12月21日、0−0)、ウズベキスタンには1失点しか与えなかった(14年12月13日、0−1)。決して弱いチームではない相手に、これだけのスコアを挙げるのは簡単ではない。

これも日本では勘違いされてそうな点を言及している。備考として最近のパレスチナの試合の結果を調べてみた。FIFAのページの情報では下のように、サウジに0-2、中国に0-0、ウズベキスタンに0-1と最近はそれなりの試合をしている。実はそこまでの弱小国ではない。

パレスチナの最近の試合
パレスチナ 0-2 サウジ
パレスチナ 0-1 ウズベキスタン
パレスチナ 0-0 中国

Palestine- Fixtures and Results - FIFA.com
http://www.fifa.com/associations/association=ple/fixturesresults/gender=m/index.html

日本代表の印象

主に遠藤の経験値に頼った試合展開だったと言う点で遠藤を交代した後半のチーム構成に問題点を感じた。厳しいマークが予想された香川は意外と普通にプレーできており、特に香川はタッチ数も多く攻守に渡り決定的な仕事をし3ゴールに絡むなど違いを見せたが、後半に相手チームが一人退場し数的に有利な場面でも遠藤が交代してしまうとチームが機能しなくなったのは注目に値する。遠藤が抜けると、香川、本田、長谷部、清武などのゲームを作れる選手がいる状態でも試合の流れをどうするかという全体像が失われてしまい無駄に攻め急いだり、攻撃できそうな場面でも溜めてしまうなど、試合の流れとしては悪くなってしまっていた。ここは遠藤の年齢を考えると大きな課題といわざるを得ない。

試合の総評

開始直後の相手チームの運動量を安定したプレーでいなし、ベテランの遠藤が上手く機能し先制点を上げるなどチームの経験値での違いを見せた。メンバーを上手く温存する形で交代している点も今後の体調面では有利に働きそうな試合の流れにする事ができた。ほぼ日本のプランどおりの展開だったのではないだろうか。

スタッツを一つ二つ

今回はAFCアジア杯の公式ページがあるので詳しくスタッツを見る事ができる。まずは試合全体のスタッツを適当に

Sports Centre  OptaSports Centre  Opta(1)Sports Centre  Opta(2)Sports Centre  Opta(3)

特に個人的に興味を引かれたスタッツ

いつもの遠藤ではなく酒井と長谷部のタッチ数が多く、右サイドによる組み立てで試合を作っており、更に前の選手では香川が多く、遠藤が意外と触っていないと言う点はかなり試合を見た直感とは違う数値なのではないだろうか。確かにいつもは遠藤のタッチ数が多いのだがこの試合では少ない。にも拘らず後半遠藤が抜けるとゲーム展開が変わったと言うのは興味深い点だと思う。遠藤の試合コントロールというのは必ずしもボールに触る事だけではなく、オフザボールの動きコミュニケーション、メンタル的なものが相当にあるようだ。

アジア杯:日本 – パレスチナ 戦 の日本代表タッチ数
選手 タッチ数
酒井 101
長谷部 101
香川 86
本田 71
長友 63
遠藤 46
清武 46
29

http://www.afcasiancup.com/match-centre/en/

レアル・マドリーvsクスル・アスル「最高のベンゼマ」がゴールで2-0

クラブワールドカップ準決勝、レアル・マドリーvsクスル・アスル。前半終わった段階で2-0とレアルがリード。フランスの至宝ベンゼマがキレまくりで素晴らしい動き。以前から思ってるのだけどレアルはCR7やベイル、ハメスという強力な選手も居るが、実はベンゼマが一番効果的に機能しているのではないかと。個人的には最近は特にベンゼマのチームという印象になっている。ボール回収のためのMFやDFも勿論優秀なのだけど、その辺のコントロールはクロースがいるし、元々カウンターの切れ味で勝負できるチームなのでポゼッションのためのボールキープがそこまで必要ではないという点も大きいように思う。

アレックス・ファーガソン「ジネディーヌ・ジダンを思わせる」
アーセン・ベンゲル「知性を感じる動きをし、連動して違いがつくれる選手」