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東アジア杯 2018 日本 vs 中国

2 – 1
小林 悠 後半39分
昌子 源 後半43分
得点 ユー ダーバオ 後半49分
警告 前半15分 警告:リュウ イーミン
後半18分 警告:ユー ダーバオ
後半47分 警告:ヘー チャオ

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 1 東口 順昭 5.0 危機が多かったわけではないが、安定したプレーは見せた。失点はPKであり仕方がない面はあった
DF 3 昌子 源 6.5 手堅い守備でDFラインを支えた。また後半追加点が欲しい時間に浮き足立つ相手をみてロングシュートで1得点。予想外の点への嗅覚と試合の流れを読むプレーを見せた
DF 6 三浦 弦太 4.5 何度か危ないシーンがあり中国の選手のプレーの質が低く助かる形があった。強豪相手で同じプレーをしたらと考えるとCBとしてはやや不安が残った
DF 21 山本 脩斗 4.0 1vs1の守備は見るべき点があったが相手が縦に突破してくる所を抑えきることができなかった。連携した守備にも課題があった。また攻撃参加したときのプレーの質が低く、クロス精度も代表レベルにはなかった。攻撃が得意ではないのなら縦への突破を味方に任せる選択もあったがロストが目立った。これを書いていたらPKまで与えてしまったのでさらに減点
DF 22 植田 直通 6.0 やや安全志向過ぎるクリアもあったがピンチを招かないという意味では安定したプレーだった。また攻撃参加では素晴しいクロスを再三見せチームでも屈指のチャンスメーカーとなっていた。クロス精度は素晴しいものがあった
MF 10 大島 僚太 5.5 前半30分OUT 攻撃面でかなり主導権を握っておりプレーは悪くなかったが、前半にシュートしたタイミングで左足太もものの筋肉を負傷してしまった
MF 13 土居 聖真 5.0 後半37分OUT 山本の攻撃精度がやや問題があったため左サイドは課題が残ったが、土居のプレー自体はそこまで悪くはなかった。ただしスタミナ面、ハイボールの扱やクロスやシュートへの積極性などの課題はあった
MF 17 今野 泰幸 6.0 中盤でボールを回収するいいプレーを何度も見せた。後半になってもスタミナが落ちず年齢を感じさせない動きだった
FW 7 倉田 秋 5.5 攻守で安定したレベルでプレーしており、豊富な運動量と積極的なプレーで質の部分を補った。倉田の攻守の積極性はプレーの質を頭と運動量で補えるといういい実例なのではないかと思った
FW 11 小林 悠 6.5 試合終盤で重要な得点。FWとしては決定的な仕事をした。この試合ではいつもと違い何度もクロスが小林の所へ放り込まれて、チャンスが多かっただけに頭でも決めたかった
FW 14 伊東 純也 5.0 右サイドは何度も攻撃に成功しており植田との連携にはやや伊東のプレーに問題を感じた。ドリブルでの縦への突破などは見るべき点があったが、判断にやや迷いがあり持っている能力を生かしきれている感じではなかった。試合感覚が短いのでコンディション面も気になる所
交代
MF 2 井手口 陽介 6.0 前半30分IN 中盤でのプレーだけでなく得点への意識が高くMFとは思えない脅威を与えるシーンが多かった。また勝負が決まりそうな時間帯になると今野と並んで顔を出しベテラン選手のような嗅覚を見せた
FW 9 川又 堅碁 5.5 後半30分IN 時間が短い中、交代で入った後にいいポストプレーを何度か見せ日本の攻める流れを作った
FW 18 阿部 浩之 後半37分IN 時間が短すぎて採点不能
監督 ハリルホジッチ 6.0 新しい選手のテストに成功しながら2連勝は十分な結果。内容には課題もあったが、新しい選手のテストや若手の経験値を積ませることには成功した

試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「すごく美しい勝利。素晴らしいフットボールをした選手を称えたい」
「3、4分悪い時間はあったが、多くのチャンスを作った」
「もう少し点を取れた」
「このトーナメントで一番強いのは韓国だと思っている。しっかりと準備したい」

日本代表の印象

スタメンの選手は個人的にはやや不満もあった。前回の試合でGKの中村がよかったがなぜかこの試合のGKは東口。個人的な印象では折角結果も出ていた若い中村に経験を積ませて欲しかった。SBも前回の車屋、室谷ではなく山本と植田。確かに車屋は問題があったが室谷はもっと試して経験をつませればよかったのではないかと思った。
攻撃陣は前回代表戦に出たときは酷い出来だった大島がそれなりにいいプレーも見せたが前半で怪我。FWは何度も決定的なチャンスがあったが中々決めることができなかった。この試合に関しては小林は何度もクロスが着ており、頭でも1点は取りたかったところではあったが、試合を決める時間で重要な1点を取り結果を出した。本当はもう1点2点取れるチャンスはあったが小林はこれで首の皮一枚でギリギリ代表争いに残ったのではないだろうか。全体でみると井手口に続き植田、昌子なども代表選考に入り込んだのではないだろうか。

試合の総評

膠着した試合展開ではあったが日本がミスをしても中国の最後のシュートの精度が低くミスの割には失点はせず、逆に日本の側もチャンスの割には点につながらない時間が長かった。後半の相手の集中力が切れた時間に日本が的確に攻め立てて先制点。浮き足立った中国に対して直ぐに追加点。相手の個人技とPKで1失点はしたももの戦略的には完全に中国を押さえ込んだ形になった。

スタッツを一つ二つ

日本 中国
18 シュート 7
18 直接FK 16
1 間接FK 5
4 CK 3
0 PK 1
7 GK 11
1 オフサイド 6

東アジア杯2017 日本 vs 北朝鮮

日本 1 – 0 北朝鮮
井手口 陽介 後半50分 得点
警告 キム ユソン前半46分

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 中村 航輔 8.0 まだ若いにもかかわらず落ち着いたプレーで再三にわたる枠へ飛ぶシュートを何本も抑えてみせた。この試合で見えた数少ないポジティブな選手
DF 3 昌子 源 5.0 シュートを打たれる形もあったが1対1の場面を何度も抑えた。ハイボールの競り合いは競り負けるシーンが気になった
DF 4 谷口 彰悟 4.5 攻撃面では見所もあったがライン上の攻防で何度もシュートを許し控えのCBとしては心配な要素が目立った
DF 5 車屋 紳太郎 4.0 攻撃参加は見せたが決定的な仕事はできなかった。守備はカウンターで裏を付かれており、ハイボールの競り合いでも何度かピンチを招いた
DF 20 室屋 成 5.5 堅実な守備で、完全にサイドを突破される事はなかった。堅実な攻撃参加でいいクロスも見せた。初のA代表としては妙な安定感があった
MF 2 井手口 陽介 7.0 豊富な運動量で中盤の攻撃の基点となった。最後の所で抑えたシュートで1得点。勝負強さも見せた
MF 8 高萩 洋次郎 4.5 後半11分OUT ボールの奪い合いで負けており北朝鮮に攻め込まれてカウンターにもつなげることが出来なかった
MF 17 今野 泰幸 6.0 中盤で相手にボールを奪われるシーンが目立ちボールを奪うのに苦労したが、最後にいいアシストを見せて試合を決めた
FW 7 倉田 秋 5.5 後半36分OUT ほとんど攻める気があるのか分からない日本代表の中比較的積極性がありサイドの突破からクロスを何度かみせたが、ゴールにはつながらなかった
FW 11 小林 悠 5.5 何度かいい裏への飛び出しを見せチャンスを作った。小林の持ち味のヘッドはあまり見せ場がなかった。なかなかクロスが全く小林に飛んでこないので戦術的に問題があったように思う。折角小林をFWとして選ぶのならばもっとクロスが見たかった
FW 15 金崎 夢生 4.5 後半26分OUT 以前と比べると運動量の少なさが気になった。北朝鮮相手であることを考えるとドリブルでの勝負する場面の少なさや突破がゴールにつながらなかった点は評価しにくい
MF 14 伊東 純也 6.5 後半11分IN 伊東が入ることで押さえ込まれていた中盤が一気に流れを取り戻し得点チャンスを作った
FW 9 川又 堅碁 5.5 後半26分IN 後半からの交代出場だったため時間も少なく、いいシーンも見せたが相手に対応されてしまった。試合全体に対しては大きな変化も生む事はできなかった
FW 18 阿部 浩之 後半36分IN 時間が短すぎて採点不能
監督 ハリルホジッチ 5.5 これからの選手であるGKの中村や室屋など若手を試せた点は個人的には凄く評価したい。ただ試合内容は北朝鮮相手と考えるとやや物足りない結果だった

試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

運も味方にした。相手チームはしっかり守ってカウンターを徹底していた。低い位置でコンパクトにしており、プレースピードが足りなかった。諦めなかった選手たちを称えたい

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171209-00681929-soccerk-socc

日本代表の印象

攻め込まれる形が続き北朝鮮のシュートが何度もゴールの枠内に飛んだが、若干22歳の中村が獅子奮迅の働きで素晴しい仕事をした。この試合を見た限りでは中村は次世代のA代表の正ゴールキーパーに名乗りを上げたのではないだろうか。攻撃面に関しても21歳の井手口が残り時間僅かな所でミドルを入れて試合を決めた。逆に以前はかなりドリブルで目立っていた金崎はやや影を潜め、中盤でも若い24歳の伊東純也に変えたことで一気に流れが日本側に変わったりとサブのメンバーでも世代交代を感じさせる試合となった。
日本代表にとってはA代表で足りなかった部分をこの東アジア杯で発掘できる可能性もあるように思う。

試合の総評

双方無得点の状態で試合が進み、試合の流れが決まらない精神的な強さを試すような試合だったが最後の最後でベテランの今野と、若手なのにベテランのようなメンタルを見せ付けるミドルシュートで試合を決めた。

スタッツを一つ二つ

東アジア杯2015 中国 vs 日本

中国 1-1 日本
前半10分(中国)ウー・レイ 得点 前半41分(日本)武藤

採点

選手名 採点 寸評
GK 東口順昭 5.0 長く代表で試合に出ていなかったが、酷いプレーはなくまずまずの出来。ただし良い意味で違いが見えるプレーも見当たらなかった。
DF 槙野智章 5.0 素晴らしいプレーもあるが波があり、MFなら問題ではないがDFとしては相変わらず安定性に欠けた
DF 森重真人(Cap) 6.0 安定した守備を見せた。またMFが司令塔として機能しない中、攻撃でも最終ラインから相手をかわしてのパスなどが目立ち、事実上のレジスタ的な役割もこなした。
DF 丹羽大輝 4.5 失点シーンでは寄せ切れず、上がった後の裏を突かれるシーンもあったが、試合全体では悪くはなかった。ただし、数回あった一瞬のミスの内の一つが失点へとつながった。
DF 遠藤航 5.5 ボランチの位置で十分機能し非常に安定していたが、若干守備的で攻撃面では同ポジションの柴崎などと比べると物足りなさも残った。
DF 米倉恒貴 5.0 攻撃面で良いプレーを何度か見せたが、決定的なものではなかった。
MF 山口蛍 5.5 守備に奔走したがミドルは打たせてしまっていた。攻撃では縦への良いパスもあったが、このチームではその後パスをつなぐ技術もシュートに行く積極性もなかった点を考えると、司令塔としては難しい部分もあった。
MF 武藤雄樹 6.0 FW陣が調子が出ない中、1ゴールを決め結果を出した。
FW 永井謙佑 5.0 前半の引っ込み思案で消極的なプレーと、後半の吹っ切れたチェイスと運動量で良い面悪い面両方出ていた。
FW 宇佐美貴史 5.0 いいシュートはあったが、相変わらず運動量が少ない。得意のドリブルも少なく突破力に欠けた。
FW 川又堅碁 4.0 ポストプレーのかなりの場面で失敗し、小さなミスの連続でチームの攻撃が途切れてしまった。
MF 柴崎岳 5.0 交代後のパスにアクセントはつける事が出来たが得点にはつながらなかった
FW 興梠慎三 5.0 パスをつないで、川又との違いは見せたが結果にはつながらなかった
FW 浅野拓磨 時間が短すぎて採点不能
監督 バヒド・ハリルホジッチ 4.5 大きく先発メンバーを変えたが、効果的な組み合わせとは言い切れなかった。縦への攻撃も逆に攻め急ぐ形となるシーンが多く見られ、このメンバーの場合においては突破力が足りず、戦術的な幅の狭さも露呈した。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「いい試合をしたと思う。勝てる資格はあったと思う。徐々に向上している。フィジカル的にもフレッシュな状態で2、3日前に現地に入っていれば全ての試合に勝てたと思う」

「課題はたくさんあります。それを解決していこうと思いう」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150809-00000268-sph-socc

確かに試合の印象としては相手の技術的なレベルがあまり高くなかったので、どの試合でも選手の技量で負けていた感じはなかった。ただし、勝てなかった。

日本代表の印象

試合を通じて攻撃をみると、シュートにまで持っていけるのが、宇佐美、武藤の2人だけだった。永井は前線からのチェイスや豊富な運動量など献身性は見られたが、スピードで裏に抜けることは出来なかった。宇佐美もシュートは見せたが数は少なく、持ち味を十分生かせない形で選手のストロングポイントがあまり生きていなかった。また相手も1ゴール後は十分守備的で裏にそれほどスペースもなかったが、引いた相手の裏を狙うロングパスが多く、真ん中の縦へと出すボールがほとんど通っていなかった。またパスが通ったシーンでも永井や川又のトラップミスが気になった。縦に速く出すパスが多く最終的に囲まれた川又にボールを出すことになっていた。これでは事実上、戦術川又になっていたが、それにはもう少し川又のポストプレーか裏への飛び出しで絶対的な武器が必要だったのではないだろうか。そこまでやるならCF永井とか宇佐美で、一発の抜け出しやシュートの方が強みとしては強かったのではないかとすら思えてしまった。また偶々サイドから抜け出しても中に人が入っていないなど連携的にもあっていない部分があり、全体的に自滅するような形が多すぎたように思う。

試合の総評

中国が凄く上手かったとか凄く強かったという感じもなかったが、DFラインだけ普通に固めていた日本は点が取れなかった。MFからの崩しはあまり意識されておらず、得点シーン以外は日本の側にも決定的な攻撃が作れてはいなかった。こういう少ない攻撃チャンスで決める試合をするには、日本はもう少し守備が堅くなければ機能しないように思ったし、中国も1点取った後の守備が以外とゆるかった。お互い特に攻撃の形がもなく微妙な守備の崩れから偶に入ってしまうゴール。W杯予選でもこの水準の試合をしてしまうと苦戦するのではないだろうか。

東アジア杯の日本代表の総評

攻撃は意図した縦への攻撃という戦術では機能していなかったように思う。この大会では宇佐美、永井などスピードとドリブルのある選手を両サイドにそろえていたが、あまり効果的にサイドから突破できたシーンはなく、両サイドの本来の破壊力やスピードからすると少し物足りない。相手が引いてきた場合に裏にスペースがないと突破できないという点や、相手が十分に警戒して戻りが早いと返って孤立して囲まれて取られてしまうというシーンが多かった。また攻撃が結局CFを経由する崩しだったのでCFがボールをキープできないと成立しない。このやり方で攻撃を通すにはCFのポストプレーやキープ力がかなり大事に成るのではないかと思うが、日本のCFは岡崎くらいしか安定しておらず、その岡崎もそういうボールをさばいたりポストプレーが売りという選手でもない。むしろ日本で言えば本田などが一番得意とするプレーだが、本田は最近サイドをやっており、ハイボールに弱くポストプレーがほとんど出来ない香川がトップ下なので戦術的な相性は最悪の部類になりそうな事を試している気がする。少しちぐはぐな部分があるように思えた。

東アジア杯2015 日本 vs 韓国

日本 1-1 韓国
前半39分 山口 得点 前半27分 張賢秀
警告

採点

選手名 採点 寸評
GK 西川周作 5.0 PK以外は失点しなかった。ハイボールの処理も、FKも上手く処理した。ただ攻撃ではパスの技術的な上手さと戦術的な難点が混在していた
DF 太田宏介 5.0 守備で貢献したが、得意のクロスは精度が低く、攻撃時のパスの連携も微妙で見せ場なく終わった
DF 槙野智章 5.5 少し危ないシーンもあったが何とか守りきった、また攻撃でも光るパスを見せた
DF 森重真人 5.0 守備の要となっていたが、PKを招いたファールもした
DF 遠藤航 6.0 前回の試合から引き続き攻守に安定しており、安定性ではこの代表では一番といって良い出来
MF 柴崎岳 5.5 何度もいいパスを見せたが、ボールをロストして危険なシーンも作った
MF 藤田直之 5.0 裏方役として中盤の運動量を支えた
MF 山口蛍 6.5 攻守の核として機能し、更に1ゴール
FW 永井謙佑 4.5 足はみせたが、パスの遅さ、判断の遅さ、パスの位置が常にマイナスに来る悪い癖が出ていた
FW 興梠慎三 4.0 空中戦にほとんど負け決定的な仕事はできず後半にはスタミナが切れて運動量まで落ちた
FW 倉田秋 6.5 攻撃面では十分に機能し1アシスト素晴らしい動きを見せた
FW 川又堅碁 4.5 途中出場で時間が短かったものの前試合同様、見せ場は作ることが出来なかった
FW 宇佐美貴史 5.0 宇佐美という選手は、最後のシュートチャンスに宇佐美へとボールが集まらないと評価するのが難しい。今回はシュートを打つ所までボールが運ばれなかった
FW 浅野拓磨 5.5 ボールチェイスなどで上手い追い込みを見せ守備の良さが出ていた
監督 バヒド・ハリルホジッチ 4.5 フィジカルの強い相手に守備面では対策することが出来たが、縦への早い攻撃はこの試合でも上手く機能していなかった。そして大会連覇を逃した。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

 試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「今日はディフェンス面に関しては、かなり前回よりも良い状態だった。我々はしっかりポジションをとってコントロールしました」と試合を振り返った。そして、「我々よりもフィジカル的に強い相手だったので、厳しい状況でしたけど、後半少し得点のチャンスがあって、慌てた状況がなければ勝つ可能性もあったと思います」と、勝利への可能性に言及するが、「同等の結果だった」とコメントしている。

http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20150805/337343.html

日本代表の印象

前回の北朝鮮戦から見ると、かなり守備の対策が戦術的に整理されてきており、前にいる相手の大型のFWを押さえるためのDFの動きや、相手にボールをあげさせないプレッシャーをかける守備などが北朝鮮戦よりは上手く機能していた。攻撃面にまではまだ手が回っておらず、攻撃の方向性やカウンターで急ぐ場面と落ち着かせてキープする場面の緩急をどうするのか、常にラインを上げプレスをかけるのか引いて守るのか、細かい所はまだ完成度が高いとはいえなかった。PKに関してはやや不運で、持っているポテンシャルとしては現在のメンバーでも調整時間さえあれば十分勝てたのではないかと思う。また更に良くなる可能性を秘めている感じさせた。ただし現時点ではチームとしては海外組みを含むの日本代表とはかなりレベル差があるといわざるをえない。今回は遠藤と倉田という控えが機能しそうだという点は、かなり成果があったと思う。

試合の総評

韓国は北朝鮮と比べると放り込みよりつなぐサッカーを意識していたが、韓国もチームとしての技術力の問題があり、つなぐサッカーにはかなり綻びが見えた。日本の方が技術的にはかなり上だったと思うが、日本もまだチームとしては戦術的な意思統一に問題があり結果的には、良い勝負になった。また審判が少し癖がありPKやオフサイド、最後の森重のファールなどもちょっと特殊な傾向があるジャッジだったと思う。結果的にそれも日本に不利に働き、この試合に引き分けたことで、東アジア杯の優勝の可能性はなくなった。

試合のハイライト動画


https://www.youtube.com/watch?v=1MuvtiY_pl8

試合のスタッツ

日本 vs 韓国 試合情報 - LEGENDSSTADIUM with EAFF東アジアカップ2015 公式動画

東アジア杯2015 日韓戦スタメン

スタメン
ポジション 選手名
GK 西川周作
DF 太田宏介
DF 槙野智章
DF 森重真人
DF 遠藤航
MF 柴崎岳
MF 藤田直之
MF 山口蛍
FW 永井謙佑
FW 興梠慎三
FW 倉田秋
控え
GK 東口順昭
GK 六反勇治
DF 水本裕貴
DF 藤春廣輝
DF 米倉恒貴
DF 丹羽大輝
MF 武藤雄樹
MF 米本拓司
MF 谷口彰悟
FW 川又堅碁
FW 宇佐美貴史
FW 浅野拓磨
監督 バヒド・ハリルホジッチ

参考

日本対韓国 – サッカー日本代表スコア詳細 : 日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/score/2015/2015080501.html

さり気なくミスリードするメディアと、柔軟性の足りないハリル

──前半、内容は良かったが得点が取れなかった。それを受けて後半、どのような修正を考えたか?(大住良之/フリーランス)

 ハーフタイムでは2点目を狙いに行こうと言った。それによって、おそらくわれわれが完全に試合を握ることができた。われわれはボールを奪ったときに、前に行くべきか、少しキープすべきかというところで迷いがあり、ボールを簡単に失ってしまった。また、先ほども言ったように、フィジカル的にきつい選手が何人かいた。暑さもあったが、試合が進むにつれて、何人かの選手が走れなくなっていた。

 この失敗した試合に関しては多くのディスカッションをしないといけない。選手とはたくさんの話し合いをしてきたし、準備もしてきた。だが、われわれよりもフィジカルが強い相手に対して、対抗することができなかった。今日も10以上の決定的なチャンスがあったが、このように失敗し続けてはいけない。がっかりしているが、こうなってしまったと言うしかない。なでしこが負けていたので、われわれは勝たなければならないと思っていただけに、本当にがっかりしている。

──今後も日程的にきつい状況が続く中、フィジカルに関して今後どのような対応を考えているのか?(田村修一/フリーランス)

 次の準備としては、何人かの選手を交代して使うと思う。何人かの選手はかなり疲労しているし、けがもあるのでおそらくプレーできない。今日は空中戦でかなり支配されていた。大したことはできないが、他の選手にチャンスを与えるということだ。日本のフットボール界の責任ある方々は、今日何が起こったのかをしっかり見てほしいと思う。われわれに対して、きちんと疑問を抱かなければならない試合だった。この大会に入る前にも疑問を投げかけたが、今日もそれを繰り返そう。残念ながら私の方に理があると思う。真実を見ないといけない。これが日本のフットボールの現状だと思っている。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201508020006-spnavi

この質問と回答の記事で前後を読み飛ばしているマスコミがあったので、あまりに酷いと思ったから、良心的に全部書いてるスポーツナビのを引用してみた。この省略されてない奴を見て欲しい。

「他の選手にチャンスを与える」の真意

  「他の選手にチャンスを与える」⇒懲罰

のような印象を与えるが、実際には

  日程的にきつい⇒選手をローテーションする

という意味であるのが上の質問と回答を見ると直ぐ分る。

「フィジカル的にきつい選手が何人かいた」の意味

  「フィジカル的にきつい選手が何人かいた」⇒選手のスタミナやフィジカルの問題

のような印象を与えるが、上の質疑応答を見る限り実際には

  「フィジカル的にきつい」⇒日程に問題がある

という意味だと思われる

それでも疑問符も付くハリルの戦術

日程的に厳しいのは随分前から分っていたのではないだろうか。そもそも日程が厳しいからといって負けるほど強い相手だったとも思えない。それでも勝てたでしょと思わざるをえない部分が。コンディションが非常に悪かったとしても、今度は何故そういうコンディション面に配慮した戦術にしなかったのか疑問が出てくる。北朝鮮戦でも、縦に速い永井や突破力のある宇佐美など、前と同じく縦に速い戦術を前提とした布陣だったのは明らか。そしてボールキープせずに素早く攻撃するので当然スタミナが減る。これについてはDFの槙野も苦言を呈している。といっても、槙野も北朝鮮戦では2失点に絡む活躍だったので言い訳なのかもしれないけど。

 今後の修正点としては「90分タテに速いサッカーっていうのはあまりにも不可能」と認めた上で、「ゆっくりする時間帯とタメを作る時間っていうのは必要かなと思います」と語った。

「監督はタテタテと言うけど、もう少し幅を利かせたプレーだったりとか、ボールを動かすこと、時間を作ることを、僕たちが後ろから指示を出すことも必要なのかなと思いますね」

http://news.livedoor.com/article/detail/10425012/

東アジア杯 日本 vs 北朝鮮

日本 北朝鮮
1 得点 2

採点

選手名 採点 寸評
GK 西川周作 5.0 ハイボールに飛び出してキャッチできない点は気になった。守備範囲の広い長身GKならば放り込みの多くをGKで処理できたのではないかと思う。
DF 槙野智章 4.5 槙野の裏から2失点と守備に苦しんだ
DF 森重真人(Cap) 5.5 何度も空中戦を繰り返したがかなり勝利し手堅い守備を見せた
DF 藤春廣輝 4.5 良い点もあったが小さなミスの積み重ねが気になった。
DF 遠藤航 6.5 上がりは見せ場が少なかったが1アシスト、守備ではサイドからの突破を何度も止めた
MF 武藤雄樹 6.5 色々気になる点もあったが1ゴールと仕事はした
MF 山口蛍 5.0 ボールを取りに行く時の良さはあったが、放り込みには対処できなかった
MF 谷口彰悟 4.0 守備は見るべき点もあったが、あまりに簡単にロストし中盤の支配権を北朝鮮にもたらした
FW 永井謙佑 5.5 スピードでの突破とシュートの良さはあったが、結果にはつながらなかった
FW 川又堅碁 4.5 かなりの数のポストプレーに失敗しポゼッションを下げた
FW 宇佐美貴史 5.5 良いシュートは何度か見せたが決め切れなかった。スタミナ不足と運動量不足は相変わらず
監督 ハリルホジッチ 3.5 相手がハイボールとフィジカルで攻めてくる可能性はかなり高かったにもかかわらず、実際相手の放り込みが機能してしまい戦術的な対策が取れていなかった。また交代策も終盤に追いつかれてから勝ちに行く攻撃の選手を投入したが得点にはつながらず更に失点を招いた。運動量の減っていたMFや明らかに高さを狙われていたところに何か手を打つべきだったと思う。

北朝鮮 vs 日本 試合情報 - LEGENDSSTADIUM with EAFF東アジアカップ2015 公式動画
https://www.legendsstadium.com/eaffeastasiancup-mens/match/821664/member/

試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

試合後、ハリルホジッチ監督は「フィジカル的に準備ができていなかった。決定的なチャンスはたくさんあったが、仕事をしきれなかった。それに対して、相手は長身の選手が2つの決定的なプレーで試合を決定づけた」と振り返った。

 今大会に臨むにあたり「野心を見せてほしい」と繰り返していた指揮官だが、「選手たちはしっかり野心を見せたと思うが、フィジカル的な問題で制限された。選手は疲れていたし、忍耐が足りなかったと思う」とコンディション不良を強調。険しい表情で、足早にピッチを後にした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150802-00336191-soccerk-socc

日本代表の印象

暑さの影響もあってかなりスタミナ不足が目立ちコンディション面での調整が上手く言ってない印象。MFがあまりに相手を自由にしてしまった為、ポゼッションが落ちクロスが上げ放題となっていた。これに関してはかなりの戦術的なミスだと思う。またMFがボールをキープできないだけではなく、落下点にフリーで入ったのにトラップせずヘッドで弾き返し、セカンドボールで敵に渡ってカウンターされるシーンも目立った。基本的に空中戦に弱いのに空中戦で勝負する戦術的選択をしすぎていた印象。
攻撃では、長井と宇佐美を配置したことで、本来は縦へのスピードや突破能力は相当上がっていたはずだが、長井へ上手くボールが渡ることは少なく、川俣に出たボールが孤立して取られるというパターンを繰り返していた。

試合の総評

以前から問題視されている日本の高さ不足をつかれ、事前にわかっている日本の弱点をついた放り込みだけで負けてしまった。全体としては日本の選手の方がレベルが低かったとも思えず、勝てる試合を落としたという印象。

試合の得点シーンの動画

スタッツを一つ二つ

この試合、印象どおり中盤で既に北朝鮮に支配されており、全体に試合をコントロールされていた。ただ、ポゼッションが低いだけならば致命的な問題とはいえなかったかもしれないが、相手が組み立ててきた所にカウンターを決めることも出来ていなかった点と、相手がゆっくりと押し上げるのではなく、適当に中盤で回してフリーになったら放り込むという作戦を繰り返していただけで高さとフィジカルだけで押し切られてしまった。ここは何らかの対策が必要だろう。これはオーストラリアでも韓国でも中国でも、日本よりフィジカルが強く高さがあるチームならば必ず日本対策として考えてくる戦術の一つだし、過去だけではなくこれからもしばらくはこれが日本には有効だと教えてしまっている。

北朝鮮 日本
55% ボール支配率 45%
67% パス成功率 64%

https://www.legendsstadium.com/eaffeastasiancup-mens/match/821664/stats/