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ベルギー戦最後の失点はどうするべきだったのか

ファビオ・カペッロ

「私が日本代表監督なら、本田の首根っこに掴みかかって怒っていただろう。もうすぐ94分(で延長戦間近だった)。本田がコーナーキックを蹴ると、そのままクルトワがキャッチして数秒後にはカウンターアタックに移った。彼はボールをキープしてホイッスルを待たなければならなかった。純粋に無責任だ」

https://www.footballchannel.jp/2018/07/03/post279461/

アルベルトザッケローニの寸評

「あの場面に関しては、イタリアでも多くの議論がされている。多くは、なぜ本田はあの場面で普通にコーナーキックを蹴ったのか、という批判だ。得点を狙わずにコーナーフラッグ付近で時間稼ぎをするべきだった、というわけだ。しかし私はその意見には反対だ。あの場面はあくまでゴールを狙いにいくべきだった。CKを蹴った選択は正しかったんだ。

 しかし、問題がひとつだけあった。それがCKを蹴った後のリスク管理ができていなかったこと。相手のカウンターへのマークが明らかにおろそかになっていた。日本はあの場面では前線に7人をかけていた。それ自体は問題ないし、最後の時間帯での得点は狙うべきだ。しかしボールロスト後のリスクを考えた選手配置、これができなかった。ポジショニングが悪く、マークは緩かった。そこをベルギーは完璧な形で突いてきた。しかし繰り返すが、あの場面で時間稼ぎするべきだったという意見に私は賛同しないし、選手の個人批判はすべきではない。最後まで得点を狙いに行った日本を、私は誇らしく思っている」

 そしてお願いがある、そうザッケローニは続けた。

「日本の皆さん、ぜひ日本代表チームのことを誇りに思ってください。帰ってくるチームを空港で迎え、拍手をし、温かく迎えてあげてください。私が言わなくても空港には多くの人が駆けつけることでしょう。彼らはすべてを出して戦った。それは真っ直ぐに伝わってきた。私たちが4年前に達成できなかったベスト16進出を果たし、世界に日本のサッカーを示したのです。日本サッカーは間違いなく正しい道のりを進んでいる」

https://news.yahoo.co.jp/byline/toyofukushin/

ジョルカエフ

「日本人はみな非常に遠慮深くて控えめですが、実はこのホンダはアティピック(異形)なんです。彼は他の日本人とはまったく違っていて、バカでかいエゴを持っています。しかもものすごいエゴなんです。彼は自分がなにをしたいのかがはっきり分かっていて、いつも自信満々なんですよ。なんでもやってのけるのです」
 
 実際に本田のFKはクルトワを脅かした。そして直後にCKを蹴るのだが……これが致命傷となる。あっという間にベルギーのカウンターの餌食になったからだ。そのとき、世界王者ジョルカエフが静かに口を開いた。
 
「エクセ・ド・コンフィアンス(過信)ですね。自己過信がこれを招いたのです。3点目を入れられると過信して、ゴールを狙った。その結果ベルギーに絶好のカウンターチャンスを与えてしまったのです。自己過信はいけない。過信せず、延長戦に行くべきでした」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180703-00043385-sdigestw-socc

ディートマー・ハマン

元ドイツ代表MFディートマー・ハマン氏は、このCKで勝負を懸けた日本の戦略に疑問を呈した。「これは単純に理解できません。日本はとても規律正しく、ハードワークするチーム。若い頃から何をすべきか叩き込まれている。この状況ではレフェリーにまず残りプレー時間を聞かなければいけない。20秒から30秒というところだったと思う。ショートコーナーにするか、スローインにして自陣に戻る時間を作ることもできた。この状況でペナルティーボックスに4、5人もいるのに、2対5や3対5のカウンター攻撃を受けることは受け入れることができない」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180703-00118896-soccermzw-socc

ロニー・ウィーラン

アイルランド公共放送「RTE」の解説者で、元アイルランド代表MFロニー・ウィーラン氏は、驚きの逆転劇を目の当たりにして「ケイスケ・ホンダ、なんてことをしたんだ? 君は酷い、酷いコーナーキックを入れてしまった。そして今、チームはカウンターで打撃を受けてしまった」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180703-00118896-soccermzw-socc

ロベルト・ドナドニ

試合では色々なことが起こる。選手は様々なエピソードに対応する必要があるんだ。そういう意味ではベルギーのほうが経験があった。国際経験豊かで大舞台にも強い。ああいった緊張感のあるシチュエーションにも慣れている。

2−2になった時点で均衡の取れた試合に戻ったんだ。ヨーロッパ的なロジックからすると、フラットに考えなければならない。本田(圭佑)がああいったCKを蹴ってしまったが、「2点を取れたから3点目を取れる」「3−2にして試合を終わらせたかった」という思いがあのプレーの背景にあったのではないか。結果としてベルギーがそのスキを見逃さずにカウンターでチャンスを生かすことになってしまったね。

――日本には「延長戦を戦い抜く余力がなかったのではないか」「だから得点を狙ったのではないか」という見方もあります。

ヨーロッパの選手であれば延長に持ち込むのがベターというのが全員分かっている。そして私はフィジカルや持久力の観点から見れば、日本が優位に立てたと考えている。間違いなく延長に持ち込んだほうが良かった。ベルギーも疲れていたし、日本のほうがガソリンは残っていたように見えたよ。

http://www.goal.com/jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E7%8B%AC%E5%8D%A0%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%8B%E6%B0%8F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E6%96%B0%E7%9B%A3%E7%9D%A3%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E6%8C%91%E6%88%A6%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8C%E3%81%B0%E5%B9%B8%E3%81%9B%E5%BF%AB%E3%81%8F%E5%8F%97%E3%81%91%E3%81%9F%E3%81%84%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BCvol3/1mkeyz5deq0yp1thza3brprhhj

個人的には長友の意見に賛成する

「僕は映像を見てないのであれなんですけど、最終的に数的不利な状況だった? 数的不利でも守れればいいんだけど、そんなに甘い世界ではなくて」
「90分の最後に相手があれだけの走力を使って前に出てきた。僕らは戻れなかった。その走力自体も違いましたね」
「後ろにいる僕らが防ぎきれたら問題ないんだけど……」
「あそこ、みんな帰らないと。死に物狂いで帰らないと、やっぱり点を取られてしまう」

https://www.football-zone.net/archives/118962

 個人的には延長に行っても体力差で負ける可能性もあったのでCKでリスクを取った事は選択できる一つではあったと思う。問題はリスクを取るのならば、その後の守備対応を考えてチームが一致していなかった点にあると思う。CKをどのようにして、その場合どういうリスクを取るからカウンターになったらどうするべきかという事をチームとして団結して動かなければいけなかった。または、リスクを取らないという選択を一致して持つかどちらかで、それを共通理解に出来るコミュニケーション能力の問題かもしれない。

同じ問題を繰り返している

2014のあの頃から日本代表は何か進歩したのだろうか。同じような問題を繰り返しているようにすら思える。進歩しているのかもしれない。恐らく進歩しているのだろう。しかし今回の進歩はあくまで選手個人の技量の総合力やブラジルの時は悲惨だったコンディション管理という極めて当たり前の所にあったのではないかと思う。逆に言うと控え選手の起用やターンオーバーの仕方やキャンプ地の選定、怪我人をどうやって減らすかなど、そういう部分でやっと同じ強豪国と土俵に上がった段階に過ぎないという感覚が凄くする。

西野監督は「何が足りなかったのか」とW杯の試合後のインタビューで答えた。しかし結果を知った後から考えると実際は足りている部分を数える方が速かったのではないか。始まる前は想像もつかなかったが終わった試合を何度見直していると、この結果は起こるべくして起きたのだと思った。
世界の強豪と同じ基準にあったのは本当に数箇所だけだったのではないか。終わってから見ればファンにとっては、控えが物足りない、ベテランが多い、若手がいない、その結果走力がたりない。そしてポーランド戦のターンオーバーで控えの選手あと一歩足りず、その後ベルギーでは最後に走れなくなった。アレがないコレがない。その夫々が繋がって自ずと連動してくる。終わってみれば当然の結果にすら思えてくる。

水沼貴史の記事から見える水沼貴史という人物

水沼貴史の記事は水沼貴史を語る

昔は解説者として個人的にそれほど水沼貴史の評価をしていたわけではないが、数年程前に見た水沼貴史が語る日本代表の記事を見て個人的な評価が全く変わった。現在の日本人解説者というと、選手時代の目線を引きずりすぎて自分のやっていたポジションばかりへの偏った解説をする人や、理解していても上手く言語にできない感覚的な解説をする人。スポンサーやサッカー協会やクラブとの大人の関係によって無難な発言しかしない人。そんな人が多すぎる。割と批判的な事が言える重鎮すら現代の戦術的な問題には言及できず精神論を繰り返す有様。

そんな中ブラジルのW杯前に水沼貴史の書いた記事を見た。現状把握から改善点に至るまでセットになっており、素晴らしい見識だった。まあ私が何か言うより見てもらう方が実際読んでもらった方が理解してもらえると思うので、適当に抜き出してみる。

 日本代表が0対1で敗れたベラルーシ代表戦を見ていて、非常に気になるシーンがあった。FWハーフナー・マイク(フィテッセ)が投入された後半40分以降、アルベルト・ザッケローニ監督がタッチライン際で何度も大きなゼスチャーを見せていた点だ。派手なボディーランゲージから伝わってくる選手たちへの指示は明確だった。

「ハーフナーへクロスを上げろ」

 しかし、身長194cmのハーフナーの高さは、最後まで生きることはなかった。というよりも、あえて生かそうとしない周囲の選手たちがいたと表現したほうがいいかもしれない。
 ピッチ上の選手たちのプレーを見ていれば、彼らが何を狙っているのかはテレビ越しでもよく分かった。前線で孤立してしまったハーフナーが気の毒でならない。

 日本代表の選手たちが狙っていたこととは、試合後にMF本田圭佑(CSKAモスクワ)が言及した「新しいこと」に集約されるだろう。ベラルーシ戦では、FW香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)が最終ラインの前あたりの低い位置にまで何度も下がってきていた。
 ときには本田が下がることもあったように、ポジションを流動的にしながら相手の隙を突いて、ボールを受けて、さばいて、あえて相手選手が密集している中央を崩そうという意図だったと思う。

ザッケローニ監督は「飾り物」

 いままでのようにDF長友佑都(インテル)を中心とする左サイドに偏ってばかりいたら、来年のW杯で世界を驚かすことはできない。ならば、いまのうちに新しいことを試そうと選手たちが考えるのは、進歩を促す意味でも決して悪いことではない。

 しかし、現状において危惧されるのは、ザッケローニ監督と選手たちとの間でしっかりとコミュニケーションが取れているのかどうかという点だ。

 監督が新たな方向性を掲げ、その上で選手たちが話し合ってトライしているのならばまだいい。あくまでも私の憶測になるが、試合内容や試合後の選手たちコメントから外に伝わってくるのは、ザッケローニ監督という存在がどうしても「飾り物」に見えてしまう点だ。

ザックと選手の意図が大きくずれている

 ハーフナーの高さを生かそうとしない点だけではない。FW柿谷曜一朗(セレッソ大阪)の相手の裏に抜ける能力が生かされない点も、ザッケローニ監督と選手たちの意図が大きくずれていることを物語っているように思えてならない。

 ベラルーシ戦後には、セレッソのチームメイトであるMF山口螢がこんなコメントを残している。
 

「ボランチの選手がボールを持ったときに、曜一朗君は背後を取るような動き出しを何度もしている」

 一方でMF遠藤保仁(ガンバ大阪)は「裏を取れない」と言っている。原因は何なのか。ただ単に前を見ていないのか。見ているけどタイミングが合わなくて縦パスを出せなかったのか。あるいは、タテ一発で素速く崩すサッカーを志向していないのか。

この先も変わらなければチームは成り立たない

 本田は誰もが認めるリーダーであり、これまでも周囲の高い期待に応えてきたし、ベラルーシ戦後にコメントしていたように、これからもぶれることなく日本代表をけん引しようとするだろう。
 ただ、ぶれない、イコール、意固地にはなってほしくない。現状を見る限り、本田が意固地になりかけていると映ってしまうからこそ、あえてこのようなメッセージを送りたい。
 今回の欧州遠征で内容を伴わない試合が2つも続き、この先も変わらないようであれば、W杯本大会を前にしてチームの体をなさなくなってしまうおそれがあるからだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131019-00000003-wordleafs-socc

記事の中で出てきた「この先も変わらないようであれば、W杯本大会を前にしてチームの体をなさなくなってしまうおそれがあるからだ。」という危惧は見事に的中し、その後のブラジルW杯で日本代表は空中分解する。これを見抜く慧眼だけではなく、サッカーに対する正直な姿勢は特筆すべき物があると思う。私はこれを見て、というかこの記事を1度書いただけでも今後個人的な水沼さんの評価が落ちる事はないと思う。色々なスポーツ記事を見ているけど、こういうレベルに達して予想まで見事に当てている記事は中々ない。そもそも、こういう素晴らしい見識を披露する機会というのはそんなに多くはない。W杯の予見をするのは4年に1度のチャンスしかなく、その時に適切な問題点を見抜き政治的な課題をクリアし実際に記事に出来る解説者が一体何人いるだろうか。これを書いた結果ひょっとしたら水沼さん自身は少々苦境に陥ったかもしれないが、それすらこの記事を輝かせている材料の一つだと思う。

ハーフナーが再び代表へ招集される可能性が高い中、またこの記事が再び意味を持ち出していると思う。

相変わらず監督のいう事を聞いてない日本代表

ハリル

選手が監督の言うことを聞いているとは限らない

 4-5-1のブロックを築くシンガポールに対し、ハリルホジッチ監督が準備した対策は「逆サイドへの斜めのパスで揺さぶり、そこからクロスを入れる」攻撃だったという。左SBに太田宏介を起用したのもサイドから正確なクロスが必要だったためで「きょうはキミの試合だよ」と送り出したという。

 ところが指揮官の意に反して攻撃は中央に偏った。
「中央から崩すなら、もっとフリックを使ったり、2~3本のダイレクトパスを入れたりしなければ、フィニッシュは難しくなる」

 だが香川真司と本田圭佑が共存すれば、互いに距離を詰めショートパスを駆使して中央突破に傾くのは、今に始まったわけではない。もしサイドチェンジからのクロスに活路を求めるなら、最初から2トップにしてエリア内のターゲットを確保した方が効率的だったはずだ。またボールを動かしゴールへの道筋を切り拓くためには、運ぶタイプを増やすより、柴崎岳を起点として残しておくべきだったかもしれない。

http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=9703

他の記事でも言及されており大体まとめるハリルの攻略イメージは

  • SBのクロス
  • 斜めの動き
  • 中央から行くならフリックとダイレクトパス
  • カットインしたりドリブルで中央攻めるなら、せめてファールを取れ。きれいに攻めすぎ

日本代表の方が身長で有利になる珍しい相手だったことを考えると、クロス精度が高い太田を選んだ理由も明快。実際は、中央でこねたりカットインしたり、ドリブル突破を狙ったり裏へのパスを狙うシーンが非常に多く、色々試してダメだった時に戻して初めてSBがボールに触る流れが目立った。相手DFをゴール前に並べた後SBがクロスをあげているようなことに。

それも最近始まった事ではない

例えばザッケローニ時代も

 これまでにもFWハーフナー・マイクやFW豊田陽平ら高さのある選手を試してきたが、チーム戦術のオプションにならなかったことにも言及した。「時にヘディングの強い選手を終盤に入れて試してきたが、そういう選手が入ってもグラウンダーでつなぐサッカーをし、戦い方を変えなかった。子供のころからの慣れなのかなと思う」

 そしてたどりついた結論は「だから、5分以上はパワープレーはできないということは分かっている」ということ。

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?141609-141609-fl

最終的にも、メンバー選考にマイクや豊田は選ばれなかった。ここでもその辺の話は何度も書いてるので気になる人はどうぞ

酷い場合いは勝手な采配をしている

それも1回や2回ではない

日本代表が0対1で敗れたベラルーシ代表戦を見ていて、非常に気になるシーンがあった。
 FWハーフナー・マイク(フィテッセ)が投入された後半40分以降、アルベルト・ザッケローニ監督がタッチライン際で何度も大きなゼスチャーを見せていた点だ。派手なボディーランゲージから伝わってくる選手たちへの指示は明確だった。
 「ハーフナーへクロスを上げろ」

 しかし、身長194cmのハーフナーの高さは、最後まで生きることはなかった。というよりも、あえて生かそうとしない周囲の選手たちがいたと表現したほうがいいかもしれない。
 ピッチ上の選手たちのプレーを見ていれば、彼らが何を狙っているのかはテレビ越しでもよく分かった。前線で孤立してしまったハーフナーが気の毒でならない。

ザックと選手の意図が大きくずれている

 ハーフナーの高さを生かそうとしない点だけではない。FW柿谷曜一朗(セレッソ大阪)の相手の裏に抜ける能力が生かされない点も、ザッケローニ監督と選手たちの意図が大きくずれていることを物語っているように思えてならない。

 ベラルーシ戦後には、セレッソのチームメイトであるMF山口螢がこんなコメントを残している。
 「ボランチの選手がボールを持ったときに、曜一朗君は背後を取るような動き出しを何度もしている」
 一方でMF遠藤保仁(ガンバ大阪)は「裏を取れない」と言っている。原因は何なのか。ただ単に前を見ていないのか。見ているけどタイミングが合わなくて縦パスを出せなかったのか。あるいは、タテ一発で素速く崩すサッカーを志向していないのか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131019-00000003-wordleafs-socc&p=2

本田や遠藤くらいの影響力を持っていると、遠藤が入ったらピッチの監督は遠藤になるという事。だから、ザックもザックジャパン終盤には遠藤を後半から投入する事でサッカーのスタイルを2つ持つことが出来るという別の強みで勝負していた。これは皮肉な話でもある。書いているのは「水沼貴史」。最近見ないけど割と本音だと思う。何しろ私が見ても何でかなと思うほど食い違う戦術と選手交代が何度もあったからだ。

遠藤がいなくなった今

遠藤がいなくなり、大幅にメンバーが入れ替わった現在、このような影響力が残っていそうなのは実は本田、香川くらいだと思う。長友はスタメンではなく、内田も怪我、そして何より内田と長谷部はザック引退時にわざわざ空港まで見おくりに言っていた点を考えてもそれほど監督と合わなかったとは思えない。逆に本田は自分たちのスタイルというものに明らかにこだわりがあるようなので、その影響力は良い意味でも悪い意味でも無視できないのではないだろうか。

スペイン人スカウトの見る日本代表は「正気の沙汰ではなかった」

全員が(守備を無視して)ペナルティエリアの中に入り、後ろにはほとんど誰もいなかった

ハリルホジッチ

「(2014年ワールドカップの)コロンビア戦を思い出してほしい。信じられないほどナイーブな試合だった。全員が(守備を無視して)ペナルティエリアの中に入り、後ろにはほとんど誰もいなかった。あんな戦いは二度と見たくはない」

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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%92%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%83%9B%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%81

両SBが左右同時に駆け上がり、ダブルボランチまでが攻めに回り、一斉に攻撃を仕掛ける様子は正気の沙汰ではなかった

スペイン人スカウトのミケル・エチャリ

 共著「日本サッカースカウティング127選手」では、スペイン人スカウトのミケル・エチャリが、継続してスカウティングしている日本代表についてこう評している。「09年の岡田監督の率いる日本代表は、両SBが左右同時に駆け上がり、ダブルボランチまでが攻めに回り、強引に得点を狙っていた。“残り数分で得点を入れないと負ける”というわけでもないのに、一斉に攻撃を仕掛ける様子は正気の沙汰ではなかった。南アフリカ・ワールドカップの岡田監督は、最終ラインの前に阿部勇樹をアンカーとして置くことにより、守備面の問題をどうにか解消していた」

「ザッケローニが率いるチームはより攻撃性が強くなった。“日本には攻撃的キャラクターの選手が大勢いる”という感想を私は強くした」

「しかし攻撃に強い意気込みを感じさせる一方、守備に対するリスクマネジメントの意識は決定的に低かった。前線からの激しいプレッシングも、攻めたくてうずうずしている、もしくは守っているのに耐えられない、というように見えた。そのうずきは高いレベルのフットボールにおいて、極めて危険に映った。なぜなら、無邪気さは相手につけ込まれる要素になるからだ」

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150409-00010004-sdigestw-socc

こういうのを見るたびに、W杯の日本に足りなかったのは本当に決定力だったのか、疑問に思わずにはいられない。ただ、実はこれらの指摘は以前からされており、何も最近になって急激に言われだしたのではない。私ですら長友やSBが攻撃参加した上に遠藤や今野が上がるのは流石に左サイドに穴を開けすぎではないかとここでも何度も書いていたくらいで、サッカー好きはみんな多少はそう思っていたのではないだろうか。声の大きなマスコミを除いては

ミケル・エチャリ

1946年9月18日、スペイン、ギプスコア生まれ。15年間、3部リーグなどでプレー。27歳で引退した後、指導者に転身した。名門レアル・ソシエダで強化部長などさまざまなポストを歴任。監督養成学校の教授も務め、世界中で講習会に招かれる。現在はバスク代表監督

ザッケローニ氏が九州レジェンズの監督に就任

ザッケローニ氏が九州レジェンズの監督に就任

 16日、サガン鳥栖は5月4日に開催される『九州レジェンズ vs ユヴェントスレジェンズ レジェンドマッチ 2015』に、元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が“監督”として来日すると発表した。

 最後にザッケローニ氏は、「沢山の仲間がいる、日本に戻れることを大変嬉しく思います。是非、皆さんもこの九州、鳥栖で行われるスポーツの素晴らしいイベントに来てください!」と呼びかけている。

http://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20150416/302607.html

ええ!?日本の地方のチームの監督になったのかよと思ってニュース記事を見たら、ユーベの日本戦略のCMを兼ねたチャリティマッチっぽい試合に1試合だけ監督として来日するものらしい。非常に騙された気分になるタイトルだった。

Alberto_Zaccheroni

http://en.wikipedia.org/wiki/Alberto_Zaccheroni

日本代表において本田や香川の決定力が低いという風評

日本代表がアジア杯をベスト8で敗退した事で、特にUAE戦のスタッツで日本代表が圧倒しているにも拘らず点が入っていないと言う部分で、FWやMFの決定力不足という話になっている。特に何故かFWでもない本田や香川の決定率が低すぎると言うように言われているが。まず本当に香川や本田は日本代表において決定率が低いMFなのだろうか。そこに酷い誤解があるようにしか思えない。下に試合数が多いザッケローニ時代の日本代表のシュート数と決定率の表を見てもらおう。

ザックジャパンのシュート数ランキングと決定率

ランキング 選手 シュート数 決定率
1 本田 圭佑 162 10.5%
2 岡崎 慎司 129 17.1%
3 香川 真司 123 13.8%
4 長谷部 誠 49 2.0%
5 前田 遼一 46 17.4%
6 遠藤 保仁 45 8.9%
6 長友 佑都 45 0.0%
8 吉田 麻也 29 6.9%
8 ハーフナー マイク 29 13.8%
10 李 忠成 21 9.5%

最近も出場しているFWの選手がかなりシュート数ランキングにランクインしている。決定率の方を見てもらうと分かるように、実はFWを除けばシュートを打つ選手の中では香川の決定率が高く次いで本田となっている。ザック時代から実は香川と本田は控えFWより遥かにシュートを良く打ち、しかも決定率も高い。気になる人の為にゴール数ランキングも一応提示すると

1 岡崎 慎司 22
2 香川 真司 17
2 本田 圭佑 17
4 前田 遼一 8
5 柿谷 曜一朗 5
6 遠藤 保仁 4
6 ハーフナー マイク 4
8 栗原 勇蔵 3
8 大迫 勇也 3
10 吉田 麻也 2

決定率だけでなく、絶対値で見ても香川と本田がFWを押しのけて2位につけている。この実績から行けば、長期的に見れば本田も香川も決定率は低いとは言えずむしろ高いといってもいいだろう。そして、アギーレジャパンではどうなのかという点だが。まだ数試合しかしていないのでスタッツとしては問題があるが、下の表がアギーレジャパンでのシュート数と決定率

アギーレジャパンのシュート数ランキングと決定率

ランキング 選手 シュート数 決定率
1 本田 圭佑 42 9.5%
2 岡崎 慎司 28 7.1%
3 香川 真司 17 5.9%
4 武藤 嘉紀 13 7.7%
5 乾 貴士 12 16.7%
6 柴崎 岳 10 20.0%
7 長谷部 誠 7 0.0%
8 遠藤 保仁 6 33.3%
8 豊田 陽平 6 16.7%
8 清武 弘嗣 6 0.0%

アギーレジャパンではまだ試合数が少ないので少しスタッツとしては信憑性が低い数値になるが、それでもやはり上位3人は岡崎、本田、香川の3人となっている。アギーレジャパンとザックジャパンの違いを考えると本田がより攻撃的にシュートを打つポジションになった事で、決定率は下がったもののシュート数が伸びている。変わりに岡崎や香川といった今までパスの受け手として機能していた選手の決定率が下がっており、本田がシュートを打つ側に回った事でパスの質が落ちたのではないかとおもわざるを得ない面がある。香川に関しては調子を落とすまではマンUでもファーガソン時代は実は香川28.5%という驚異的な決定率を残してる。

解決策はあるのか

スタッツをみると実はシュート力などで話題に良く上がっている武藤よりも、実は乾や柴崎、豊田の方が決定率は高く、ほとんど出場機会のない豊田や柴崎は少ない時間で結果を出していると言う意味では期待が持てる。UAE戦でも豊田の責任にする話などもあったが、この数値をみると決定率という意味で豊田を攻めるのは流石に悪質な批判といってもいい。また、宇佐美という選択も見えてくる。宇佐美はJリーグでも決定率が高く、ここでいい数値を残している豊田よりも決定率なら安定して高い選手。

シュート決定率
豊田 0.1957
大久保 0.1897
宇佐美 0.2273

しかも宇佐美は、まだ22歳である。最近若手が成長していないという日本代表への危機感を煽る報道があるが、個人的には今の若手は武藤だけではなく宇佐美、酒井高徳、柴崎、南野、宮市、など22歳前後としては過去ないほど実績がある選手が溢れかえっている。しかもそれぞれ強い個性を持ってもいる。「若手が育っていない」のではなく、「若手を起用していない」の間違いだろう。心配なのはCBやDMFという守備的な若手が若干人材不足という点はあるかもしれない。遠藤の後継者よりも実は長谷部や今野の後継者の方が若手には少ない気がする。

参考にしたデータ

フットボールラボ
http://www.football-lab.jp/japan/ranking/

アギーレとザックはどう違うのか

まずは、最近の4試合の流れを総括すると大体こうなると思う。

  • ウルグアイ戦:若手のテスト
  • ブラジル戦:勝てないブラジルは捨ててまたテスト
  • ホンジュラス戦:ベテランのテスト
  • オーストラリア戦:ベテランをベースに若手を混ぜる

ここまではテスト段階で、次のアジア杯がとりあえずの本番という感じだと思う。戦績は必ずしも良くないが、親善試合なのでそういう意味では気にする必要はないだろう。アギーレ監督は短期的な勝利にこだわるタイプかと思っていたが、四戦通して見れば割と手順を踏んだ長期的な選考をしており、ボランチの二人の代役が見劣りする点を除けば、まずますの流れ。若干若手のテスト枠から漏れている選手が多すぎる点や、若手じゃない選手を若手枠でテストしている点については憤りを感じる部分もあるが、そもそも以前の日本代表のやり方に比べれば、信じられないほど速い段階で若手のテストに踏み切っており、その点は今までの保守的な歴代の監督に比べて非常に革新的といってもいいだろう。

同じ選手選考でもポジションの違いがある

本田 香川 岡崎 今野
ザック トップ下 左SH 右SH CB
アギーレ 右SH トップ下 CF ボランチ

フォーメーションの違い

ザック:4-2-3-1 (本当は 3-4-3 がやりたかった)
アギーレ:4-3-3(オーストラリア戦では途中から 4-2-3-1 になった)

まず前提としてだが、このフォーメーションの数字というのは日本人が思っているほど決定的なものではないと思う。日本ではこの数字のならびに異常に固執しているが、実際の所同じシステムでも目指すサッカーのスタイルが違えば全く違うサッカーになる。例えば同じ 4-3-3 でも、バルセロナがやっている(4-6-0といわれる事もある)ようなチキタカもあれば、モウリーニョだって4-3-3を使うがやっているサッカーは全く別物だ。それどころか、マンU元監督モイーズがやっていた形だって4-3-3 。クロス主体でサイドからの攻撃をしても、ショートパスで崩しても、カウンターで崩しても4-3-3なのだから。もっというと昔のゾーンプレスのスタイルだってアンカーを1人おけば 4-3-3 なわけで。日本代表が長く使っている4-2-1-3だって4-3-3のすこしずれてる程度の形だが、やっぱりやってるサッカーは違う。同じペップのバルセロナとバイエルン(4-1-4-1)ではフォーメーションは違うが内容は似たものを感じる。結局フォーメーションなどよりも大きな戦術的な違いが別にあると言えると思う。

ここまで書いておいて言うのもなんだけど、アギーレも実は3-4-3に近いものを日本代表に持ち込んでいるところがある。例えば森重がボランチに入るのはスペインなどの3-4-3の場合ならばむしろ良く分かる話で、ボランチが半ばCBを兼ねた動きをする事で守備的に回った時にはDFが4枚になりような変化。3-4-3の以前のアヤックスだとライカールト、バルセロナではブスケッツがここを担っており、そういう意味では森重は、オーストラリア戦でもサイドで見せた突破のように足元の上手さがありながらフィジカルや高さを持ちCBとして普段プレーしているという十分その手のタイプに当てはまる選手だと思う。このスタイルだと遠藤長谷部のダブルボランチの後継者不足を解消はできるという利点がある。代わりが居ないならボランチを違う役目にしてしまえば確かに後継者不足を悩む必要はない。ただし、同時に決定的な守備力を持つ DF も不足している日本の場合、CBが不足してくる。吉田と森重以外で誰がCBをするのか、またSBに長友のような攻撃的過ぎる高い位置を取りたがる選手を配置できるのかなど、別の部分の問題が生じてくる。3-4-3の場合攻撃参加よりもSBもほぼCB的な動きが求められるので、身長の低い長友より酒井や大田が選ばれているのは、高さ対策という意味でもすっきりと理解できる。ボランチの後継者という課題だけに焦点を絞れば「なるほど」という形でもあったと思う。ただし、現実的には森重をあそこに置いた形にはCBの人材不足で守備力に常に課題を残すし、攻撃面でも森重が戦略的にパスを散す能力や前に鋭い縦パスを入れる能力などで、遠藤長谷部と比べるとどうしても見劣りしてしまうという点はあったと思う。するとボールが運べないので、トップ下が下がり結局森重とのダブルボランチになった後トップ下不在と言う感じに実際の試合ではなっていたと思う。その分パス交換でゆっくりトップ下の位置に入れるまでせり上がりやっと攻撃の形となるので、遅攻だとトップ下のない 4-2-3-1 のようになってしまっていたように思う。

オーストラリア戦では後半から今野を入れて香川を前に出やすい形にしたので、そういう意味では、ここに書いた話とは少し違う。

監督以前にメディカルスタッフの対応に不安の残る怪我人対策

日本代表がコンディション面で連戦により常に戦力ダウンをしてきた事を考えれば、長期的には選手のコンディションを悪化させない事が物凄く大事だろう。そういう意味では代表のメディカルスタッフの役割は監督以上に大きい。以前から代表戦後の怪我人の多さがクラブチームの感覚でみたら尋常ではない。常にかなりの数の怪我人がおりサッカー協会は親善試合の選手の管理は杜撰としか言いようがない。代表のメディカルスタッフは怪我に対して常にゴーサインを出すタイプのようなのも気になる。基本選手が出るといっても親善試合では直ぐに交代するべきだろう。特に海外組みの主力メンバーに関しては移動と試合日程が過密しており酷い状態になっている点をもう一度見てみるべきだろう。才能のある選手というのはそれ程数が居ない。使い捨てにしたら当然日本は弱くなる。そして現代表を見ても、本田、内田、長谷部、長友、香川とコンディションが慢性的に悪化している選手や回復の見込みが薄い選手が1人や2人ではない。これは致命的な問題なので、しっかり怪我人が出た時に休ませれる体制を作っておく事が戦術よりもアジア杯などでは遥かに重要になるだろう。そしてターンオーバをちゃんとする事で若手が育つ土壌も同時に用意する事が出来るのではないだろうか。

日本vsコロンビア

日本 1 vs 4 コロンビア
1 (前半) 1
0 (後半) 3
日本 コロンビア
得点 岡崎 慎司 (前半46分) フアン クアドラード (前半17分)
ジャクソン マルティネス (後半10分)
ジャクソン マルティネス (後半37分)
ハメス ロドリゲス (後半45分)
警告 今野 泰幸 (前半16分) フレディ グアリン (後半18分)
23 シュート 13
19 直接FK 9
2 間接FK 0
9 CK 2
2 オフサイド 0
56 ボール支配率 44

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点

川島 4 パスは及第点だが失点が多すぎた
吉田 4.5 肝心のシーンでの位置が悪く防ぎきれない
今野 4.5 PKは仕方がないとしてもミスが多すぎた
内田 5.5 いい組み立ては見せ、守備でも素晴らしい戻りを見せた
長友 4.5 攻撃のバランスがよく、何時もよりボールを無駄にしなかった
長谷部 6 素晴らしい守備とボール回しだが不用意なロストも
青山 3.5 パスミスが多く、失点時には常に守備の軽さが目立つ
香川 5.5 ほぼ全ての攻撃の起点となって違いを見せ守備でも貢献した
本田 5.5 マークは厳しいが1アシスト、最低限の仕事はする
岡崎 6 攻守に献身的に動き1得点
大久保 4 素晴らしい動きでチャンスは作るが、何度も決定機を外す

柿谷 4.5 特に何も出来なかった
清武 4.5 完全に消えていた

ザッケローニ 4 セットプレーのチャンスが多いがキッカーが本田しかいない選抜になっており、本田は長くFKが不調で決めていないので、セットプレーがあまり期待できなくなってしまっていた。このあたりは完全にメンバー選考に依存した問題でありセットプレー対策をどうするか考えるべき余地があったと思う。また就任当初からあった左サイドの長友が上がった後の穴は、結局最後までふさぐ事が出来なかった。ただし、攻撃の組み立ては普段の日本に戻す事に成功しており、2戦目から3戦目にかけてメンタル面の管理では手腕を見せた。

総評

PKやファールから失点が多く、一方の日本側は岡崎が顔から出血してもファールにならないなど審判の判定の厳しさがあった。点差以上に僅差の試合でむしろ試合全体では日本が終始支配したが、最終的な決定力の差で日本がねじ伏せられた形になった。

日本代表の印象

日本のカウンターに弱い部分を狙われてしまったが、試合内容自体は日本に見るべき点も沢山ありポゼッションやパスでは普段の日本を取り戻した部分もあった。3失点目、4失点目は何時もの日本のカウンターされるパターンで、左サイドの長友の上がった所にパスを出されて、フリーになった選手が日本の右サイドに素晴らしいボールを供給するという、いつものパターン。全体としてはいつもの日本のように攻撃的なサッカーを見せチームは持ち直し、ギリシャ戦やコートジボワール戦に比べれば見るべき所があったが、このW杯も最後は決定力といういつもの日本の課題が残った。

スタッツを一つ二つ

パス成功率は高く、パス回数も多く、日本はいつものパスサッカーをある程度取り戻していたし、試合は終始日本が支配したといっていいと思う。これはギリシャ戦やコートジボワール戦では見られなかったので、W杯で始めて見せた日本のサッカーといってもいいだろう。

日本 コロンビア
343 パス回数 212
81% パス成功率 75%

日本とコロンビアの勝敗を分けた部分は特に決定力で、シュート回数を見るとチャンス自体は圧倒的に日本の方が回数が多い。差がでたのは決定力という点だけだったように思う。更に枠内シュート数を見るとコロンビアは4本しか枠に飛んでおらずその全てを入れた事になる。決定力だけではなく、GKの守備力という点についても色々考えさせられるものがある数値だ。

日本 コロンビア
23 合計シュート 13
7 枠内シュート 4

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2/1220086/stats?ICID=MP_MS_4

日本vsギリシャ

日本 0 vs 0 ギリシャ
0 (前半) 0
0 (後半) 0
日本 ギリシャ
得点
警告 長谷部 誠 (前半12分) コンスタンティノス カツラニス (前半27分)
コンスタンティノス カツラニス (前半38分)
ゲオルギオス サマラス (後半10分)
バシリオス トロシディス (後半44分)
14 シュート 8
17 直接FK 19
3 間接FK 2
5 CK 7
3 オフサイド 1
70 ボール支配率 30

http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/text/?gid=2014061903

日本代表の選手のプレーとかで気になった所

採点
川島 5.5 何度か素晴らしいセーブをみせ、パスも良くつないだ
内田 6  攻守にわたって見せ場を作り、素晴らしい崩しをみせた
長友 4.5 守備は安定するも攻撃は最後まで単調なクロスに終始した
今野 5.5 危険な場面を防ぎ、攻撃の組み立ての起点となった
吉田 5  守備は良かったが、後半の攻撃参加は放り込みを招いた
山口 5  ボール回収に奔走しよく繋いだが攻撃では見所がなかった
長谷部 5.5 素晴らしい危機察知能力を見せた
本田 4.5 チームの中心となったが相手を崩しきれなかった
岡崎 4.5 攻守に走ったがパスをつなげずボールをもらえなかった
大久保 4.5 素晴らしい攻撃で違いを見せたが、決定機を外しすぎた
大迫 4  チャンスは十分あったが決め切れなかった

遠藤 5  良いFKと崩しを見せ守備にもよく走ったが決定打にはならず
香川 4.5 崩しを期待されるも、ボールが来ないゴール前で待ちすぎた

ザッケローニ 4.5 勝てる試合を落とした。采配というより前回の試合を引き摺るチームのメンタル面を回復させる事ができなかった点が問題だった。

試合の総評

前半のレッドカードで日本が1人多い中、チャンスも作ったが点を決めきれずに引き分けた。一人少ない中では完全にギリシャのプランどおりに試合を運ばれた。

日本代表の印象

コートジボワール戦とは違いパス回数を増やしポゼッションも高く、長く続けているサッカーのスタイルを取り戻したが、後半になると今までザッケローニが指示しても頑なに拒否していたロングパスを多用した放り込みやパワープレーを開始した。ただし、日本代表は予選などでパワープレーをしなかった為、代表メンバーからパワープレーに向いた選手は尽く落選しており、放り込みに対応できるメンバーがほとんどいない中、望みのないロングボールを入れ続けた。特に左サイトからはクロスを連発し、ギリシャの守備の強みである高さに挑み続けたが弾かれた。

スタッツを一つ
日本が見せつける謎のクロスのスタッツ

高さと守備の堅さを誇るギリシャに対し日本がパスで崩すのかと思いきや、謎のクロス攻勢。

日本 ギリシャ
25 クロス 17
15 左クロス 8
10 右クロス 9
9 ペナルディエリア外 4

http://www.goal.com/jp/match/%E6%97%A5%E6%9C%AC-vs-%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3/1220085/stats?ICID=MP_MS_4

高さを売りとするギリシャのクロス本数17を大幅に上回る25本。

ザッケローニ監督によるコートジボワール戦の分析

試合後のザッケローニのインタビュー

勝手なまとめ

――後半の分析
・ピッチでの距離を埋められなかった。
・コートジボワールはスペースがあった
・日本は通常なら素早くプレーできるが、今夜はスペースを与えすぎた
――失点の理由
・阻止すべきクロスを上げさせた
――遠藤投入の意図
・交代は試合前から決めていた
・長谷部に最大限にプレーさせ、遠藤の集中的なプレーに期待した

――どのように逆転を考えたか
・もっとボールをキープすべきだった

――コンディションはピークにして臨んだ。どこに問題があったか
・日本が通常のプレーができなかった

――相手の両サイドバックが高い位置を取ると、日本が押し込まれる展開がザンビア戦でも見られた。ザンビア戦の教訓をどう生かしたのか?

 まずは相手が良かったということだ。ボールを上手く回して、サイドでうまく空間を利用していた。そのためにわれわれの弱みを突かれてしまった

――守備の課題をどう修正するか?
・守備的にもアグレッシブではなかった
・チームの状態の確認
・士気を上げたい

http://brazil2014.yahoo.co.jp/column/detail/201406150004-spnavi?p=1

特にこの質問は興味深いと思った。

――相手の両サイドバックが高い位置を取ると、日本が押し込まれる展開がザンビア戦でも見られた。ザンビア戦の教訓をどう生かしたのか?

 まずは相手が良かったということだ。ボールを上手く回して、サイドでうまく空間を利用していた。そのためにわれわれの弱みを突かれてしまった

ザッケローニが「サイドを利用され→日本の弱点をつかれてた」といっているのは注目すべき発言だと思う。サイドを利用されて日本の弱みをつかれたという話。ネット上ではザンビア戦もコスタリカ戦も長友絶賛の嵐であまり言われる事はなかったが、個人的には左サイドには問題があると思う。ここ数戦に限らずかなりの期間、左サイドの裏は日本としては失点を招く注意する必要があるエリアだった。危険な理由は日本がSBが攻撃参加する攻撃的なサッカーをやるからで、相手にカウンターをされるとSBの裏ががら空きになるケースが多いという戦術的な問題点がある。特に左サイドは、ボランチの中では守備が弱い遠藤が入るのも大きな要因の一つで、そこに内田より過激に攻撃参加する長友という組み合わせ。これで非常に裏が狙われやすい場所になっている。

以下気になったスタッツとかの話
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