ザッケローニ監督によるコートジボワール戦の分析

試合後のザッケローニのインタビュー

勝手なまとめ

――後半の分析
・ピッチでの距離を埋められなかった。
・コートジボワールはスペースがあった
・日本は通常なら素早くプレーできるが、今夜はスペースを与えすぎた
――失点の理由
・阻止すべきクロスを上げさせた
――遠藤投入の意図
・交代は試合前から決めていた
・長谷部に最大限にプレーさせ、遠藤の集中的なプレーに期待した

――どのように逆転を考えたか
・もっとボールをキープすべきだった

――コンディションはピークにして臨んだ。どこに問題があったか
・日本が通常のプレーができなかった

――相手の両サイドバックが高い位置を取ると、日本が押し込まれる展開がザンビア戦でも見られた。ザンビア戦の教訓をどう生かしたのか?

 まずは相手が良かったということだ。ボールを上手く回して、サイドでうまく空間を利用していた。そのためにわれわれの弱みを突かれてしまった

――守備の課題をどう修正するか?
・守備的にもアグレッシブではなかった
・チームの状態の確認
・士気を上げたい

http://brazil2014.yahoo.co.jp/column/detail/201406150004-spnavi?p=1

特にこの質問は興味深いと思った。

――相手の両サイドバックが高い位置を取ると、日本が押し込まれる展開がザンビア戦でも見られた。ザンビア戦の教訓をどう生かしたのか?

 まずは相手が良かったということだ。ボールを上手く回して、サイドでうまく空間を利用していた。そのためにわれわれの弱みを突かれてしまった

ザッケローニが「サイドを利用され→日本の弱点をつかれてた」といっているのは注目すべき発言だと思う。サイドを利用されて日本の弱みをつかれたという話。ネット上ではザンビア戦もコスタリカ戦も長友絶賛の嵐であまり言われる事はなかったが、個人的には左サイドには問題があると思う。ここ数戦に限らずかなりの期間、左サイドの裏は日本としては失点を招く注意する必要があるエリアだった。危険な理由は日本がSBが攻撃参加する攻撃的なサッカーをやるからで、相手にカウンターをされるとSBの裏ががら空きになるケースが多いという戦術的な問題点がある。特に左サイドは、ボランチの中では守備が弱い遠藤が入るのも大きな要因の一つで、そこに内田より過激に攻撃参加する長友という組み合わせ。これで非常に裏が狙われやすい場所になっている。

以下気になったスタッツとかの話

スタッツを一つ、いや二つ、三つ、気になるだけ

パスをしなかった日本

この試合の興味深いスタッツにパス回数がある。コートジボワール472回に対して日本が340回。これはここ最近の試合では珍しくパス回数が圧倒的にコートジボワールのほうが多い。コートジボワールはフィジカルのイメージが試合を見た後でもあるかもしれないが、実際には日本より遥かにパス回数が多いパスサッカーをしていると言っていいだろう。

コートジボワール 日本
パス回数 472 340
パス成功率 89% 79%

ロングパスを増やした日本

更に不思議なのはロングパスの回数でコートジボワールが51回に対して日本が41回。これは一見日本の方がロングパスが少なくショートパスが多いように見えるが、実際にはパス回数が圧倒的に負けているので、日本のつないだパスの方がロングパスの比率が高い。日本が今まで重視してきたショートパス主体によるつなぐパスサッカーというより少し放り込みよりだ。

コートジボワール 日本
ロングパス回数 51 41
ロングパス比率 11% 13%

中盤は支配されてしまったのか?

では、日本代表はボールを奪えずに中盤を支配されてしまった結果のパスの回数なのだろうか?次に気になるこの点も調べて見ると実に不思議なスタッツなのだ。

コートジボワール 日本
18 インターセプト 18
11 タックル成功数 18
12 ファール 13
3 オフサイド 1
28 クリア 20
61 ボール奪取 42
43% 空中戦勝率 56%

まずインターセプトを見ると同数。タックルは日本の方が多い。ファールやオフサイドによるボールの移動もほとんど差がない。クリアボールはコートジボワールのほうが多い。ただし、競り合いでは日本が大幅に負けているが、空中戦は実は勝っている。差し引きすると、日本がコートジボワールより多少多くロストしているが、日本が一方に奪われまくったともいえない。しかしポゼッションは

58% ポゼッション 42%

こうも一方的なのだ。

不思議な事に日本はパスサッカーをしなかった

以上のようなスタッツを見ていくと実に不思議な気分になる。そう日本は何故かパスサッカーをしなかったのだ。相手からボールを奪えなかったわけでもないので、理由はよく分からない。そのあたりも今までの日本代表が目指し何度も繰り返してきたサッカーからすると、実に不思議な試合が起きてしまったといわざるをえない。

参考:http://www.goal.com/jp/match/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B8%E3%83%9C%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB-vs-%E6%97%A5%E6%9C%AC/1220083/stats?ICID=MP_MS_4
参考:http://world-cup-2014.squawka.com/cte-divoire-vs-japan/15-06-2014/world-cup/matches

ではどこでパスが止まったのか?

パス成功率

川島 45%
内田 79%
森重 96%
吉田 74%
長友 77%

山口 86%
長谷 92%
遠藤 84%

岡崎 71%
本田 74%
香川 80%

大迫 63%

DFとしては吉田長友内田のパス成功率が異常に低い。森重の成功率が高いので、バランスとしてみると左サイドの後ろがビルドアップできてないといえる。まあ、川島も低いのだが、正直川島は今までもGKとしてもあまりパス成功率が高い選手出なかったので、川島が急に変わったわけではない。まあもっと川島のパスが上手ければそのほうがいいが、川島はパスの変わりに相手のシュートを止めると言う事に関しては他の日本のGKより強みがある。話をパスに戻すと、コートジボワールのヒートマップを見ると日本の左サイドに集中しており、場所的には完全に香川対策がされていたのも分かる。ただし、香川自身のパス成功率は攻撃陣としては相当に高い。

canvas
細かく数値で見ていくと長友の場所も左右で見た場合数字が高く、左サイドが狙われていたことが分かる。日本の失点も左サイドからのクロス2本と分かりやすい。

FIFA発表の公式スタッツによるコートジボワールの攻撃パターン
左サイド 中央 右サイド
15% 25% 60%

つまり日本の左サイドに重点的に攻撃を加えたといえる。更にドログバの投入後は更にその比率が上がっている。

参考 http://www.fifa.com/worldcup/matches/round=255931/match=300186507/index.html
参考 http://world-cup-2014.squawka.com/cte-divoire-vs-japan/15-06-2014/world-cup/matches
参考 http://www.whoscored.com/Matches/789624/LiveStatistics/International-FIFA-World-Cup-2014-Ivory-Coast-Japan
参考 http://web.gekisaka.jp/news/detail/?141111-141111-fl

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