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アジア杯2019予選 日本 vs カタール 1-3

日本 1 – 3 カタール
南野 拓実 後半24分 得点 アルモエズ アリ 前半12分
アブデルアジズ ハティム 前半27分
アクラム アフィフ 後半38分

柴崎 岳 前半20分
吉田 麻也 後半37分
酒井 宏樹 後半41分
警告 アクラム アフィフ 後半38分
ペドロ コレイア 後半48分

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 権田 修一 5.0 オーバーヘッドで1失点し流れを作られてしまったが、コースが良かったためある意味1失点目は仕方がなかった面もあった。2失点目も同じくミドルレンジから少し入った所のシュートで、権田のやや課題であるとも言えるミドルへの対処能力の低さが目立った。ただし3失点したがシュートはどちらも素晴らしい精度で、残りもPKとGKのプレーで止めれなかったとしても仕方がない内容だった
DF 5 長友 佑都 4.5 サイドをえぐられこそしなかったが、左サイドからのカットインで崩されてしまっていた。攻撃では追う場面でリスクを取って勝負した
DF 16 冨安 健洋 5.5 中央を突破されての2失点。攻撃でも何度も見せ場を作りCKのチャンスもあったが決めきることはできなかった
DF 18 塩谷 司 5.0 守備で期待されたが、遠藤の代わりとはなれなかった。逆に攻撃面では予想通り遠藤では出せない素晴らしいパスで1アシスト
DF 19 酒井 宏樹 5.5 サイドからの攻撃はほぼ押さえ込み、攻撃面でも崩す形を何度か見せたが崩し切ることが出来なかった
DF 22 吉田 麻也 3.0 失点はいずれも中央を突破されてからのシュートで決められており、最後の場面でのよせで吉田のマッチアップから失点。さらにハンドでPKを与えてしまい試合を決定づけ吉田の試合となってしまった。攻撃では惜しい場面でのヘッドも見せたが決めきることができなかった
MF 7 柴崎 岳 5.0 決定的な崩しの場面でやや連携が取れなかったが、引いてきた相手にいいパスも何度も見せた
MF 8 原口 元気 4.5 ハードワークしたが攻撃面ではやや消えており、決定的な形を作ることが出来なかった
MF 9 南野 拓実 7.0 失点してからメンタル面の強さを感じさせるプレーは他の選手と1段階違うレベルにあった。勝機を見出す能力が高く後半に裏に抜け出し1ゴール。後半は特に攻守で超人的な粘りを見せた
MF 21 堂安 律 5.5 右サイドからの攻撃は崩す形を見せたが結果にはつながらなかった。武藤が交代で入ってからはトップ下へポジションチェンジして再三に渡りゴール前で惜しいシーンを作ったが決め来れなかった
FW 15 大迫 勇也 5.5 前線でボールを収め何度も形をつくったが、カタールに上手く対策されていた。後半はサイドでもボールを受けるなど攻め続けた
交代
FW 13 武藤 嘉紀 6.0 後半17分IN 取り返す場面で、消ややえていた原口に代わり投入。ヘッドで惜しいシーンを何度か見せ、武藤が入ったことで裏へのボールが効果を見せ流れを作った
MF 14 伊東 純也 後半38分IN 塩谷と変わって出場したが、塩谷が居なくなったことでボールが取れなくなりかえって守備的な形になってしまい伊東の持ち味を見せることができなくなった
MF 10 乾 貴士 後半44分IN 時間が短すぎて採点不能
監督 森保一 4.5 試合前から予測されていた遠藤の所の処理が甘く、中央のところから2失点。戦術的に何らかの対応が必要だったと言わざるを得ない。攻撃面でも控えメンバーの中に反撃できる切り札が作れておらず、終盤にはDMFの塩谷を外して攻撃枚数を単純に増やしたためかえってボールが奪えなくなり試合をひっくり返すことは出来なかった

試合後、森安監督のコメント

「優勝を期待してもらっていたので優勝できなかったのが残念。選手たちは優勝を目標にしてチームでやってこれたことは誇りに思う」
「負けたということは相手のほうが強かったということ。この試合を分析して、この大会を分析して、次にステップアップしていければと思います」

日本代表スタメン

 前回のイラン戦で負傷した遠藤に変わり、塩谷がスタメンとしてDMFに。イラン戦でも遠藤の働きで守備が安定していたため守備ではチャレンジングなスタメンとなった。ただし、攻撃ではややコンディションの良くないとされていた大迫がスタメンで出場し、前回全得点に絡んだ南野、期待の若手の堂安、イラン戦でも1得点した原口など攻撃力は十分の構成となった。

試合の総評

 試合会場がUAEでカタールとUAEの中が悪いという話なので現地が中立の状態になるのが期待されたが、実際に開始してみると完全にアウェイで会場はカタールを応援しており、審判もややカタールよりで期待された中立の状態ではなくアウェイの雰囲気。
 試合内容も試合前から予想されたとおりカタールの火力は十分で、日本の守備をきれいに崩して1失点。特に前線の選手はUAE戦の2得点目でも見せたような素晴らしいコースへのシュート精度を見せた。遠藤が居ないことで日本はややDMFの守備力にいつもと違う部分があり、そのすきを上手く付かれた形になった。2失点目も吉田の前の所で、塩谷吉田長友の辺りからカットインしてシュートで失点。やや権田のミドルの弱さ(権田はポジショニングがよく前にでたりするプレーは上手いがミドルのセーブ率はややシュミットより劣る印象)も目立った。
後半は日本の攻撃が目立ち塩谷のアシストから南野が素晴らしい粘りで1ゴール。しかしその後吉田がハンドでPKを取られて3失点目。時間が無くなってから伊東、乾を投入したが時間切れで試合終了。

 全体としては1-3ほどの差はなく、PKでの1失点で、日本もかなりいい形での攻撃を何度も見せ1点取り返せたのは大きな進歩だった。ただ本当の強豪ベルギーのように3点取り返すほどの控えの選手層とメンタル管理は出来ていなかったように思う。その中でも南野や塩谷など点に絡んだ選手だけでなく、冨安や堂安などむしろベテランよりも若手の選手にメンタルの強さを見せた選手がいた点は評価できると思う。

スタッツ

59% ボール支配率 41%
13 シュート 9
2 枠内シュート 3
506(80%) パス(成功率) 308(77%)
1 オフサイド 0
9 フリーキック 19
13 コーナーキック 2
0 ペナルティキック 1

W杯予選 日本 vs UAE 2-1

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日本 1 – 2 UAE
本田 圭佑 前半11分 得点 アハメド ハリル 前半20分
アハメド ハリル 後半9分 PK
酒井 宏樹
吉田 麻也
警告 モハナド サレム
ワリド アッバス

採点

Pos 背番号 選手名 採点 寸評
GK 12 西川 周作 4.5 セットプレーからの失点は止めれた可能性もあるだけにGKの能力が問われてしまったと思う。
DF 6 森重 真人 5.0 守備では致命的なミスではないが、結果的に2失点につながってしまうプレーもあり、攻撃面でも見せ場はほとんどなかった。
DF 19 酒井 宏樹 5.0 本田のポジショニングとの関係もあるが、あがっての攻撃はあまり機能していなかった。
DF 21 酒井 高徳 5.5 左サイドからの崩しは成功していたが、得点にはつながっていなかった。
DF 22 吉田 麻也 5.5 失点につながるPKを与えてしまったが、その手前のプレーにからの流れを考えればファール自体は抜かれるよりはマシだったのでそこまで重要な問題ではなかったと思う。総合的には悪くはなかった。
MF 4 本田 圭佑 6.5 セットプレーから頭で1得点。前線に高い選手が少ないため、本田のハイボールへの強さが生きた。
MF 7 大島 僚太 3.5 PKを与えるファールは取られても仕方がない面があり、単純に審判を責めることは出来ない。攻撃面でも一部の縦パスを除くとパススピードの遅さや展開の遅さが目立った。守備面でも戻りが遅く長谷部の影に隠れていた
MF 10 香川 真司 5.5 守備面では貢献したが、攻撃でも決定的なチャンスもあったが決める事が出来なかった。大島が入る事で中盤の流れが若干違ったのかもしれないが、香川の本来の能力から考えればいい出来とはいえない
MF 13 清武 弘嗣 6.0 セットプレーからの素晴しいボールで1アシスト。清武が入る事で、遠藤が抜けてから課題の残っていたプレースキッカーの問題を解消していた。
MF 17 長谷部 誠 5.5 中盤の問題を長谷部と香川がかなりカバーする展開だったが、流れの中から失点しなかったのは長谷部の貢献による所が大きかったと思う。
FW 9 岡崎 慎司 5.0 チャンスはあっただけに得点がほしかった
FW 8 原口 元気 5.0 ハリルになってから何故かFWではなくMFと交代で出場する事が何度かあり、今回も大島との交代で原口の本来のポジションとは少し違った動きを求めらていたのかもしれない。
FW 11 宇佐美 貴史 5.5 途中出場で一方的に日本が攻める流れにしたが、得点にはつながらなかった
FW 18 浅野 拓磨 6.0 途中出場で、ゴールも決めたが審判の判定で得点には至らなかった。
監督 ハリルホジッチ 5.0 審判の判定にミスがあったので、実際には引き分けだったと思うが、求められていたのは勝利だった事を考えれば十分ではなかった。ただし、柏木の怪我や選手のコンディションなどハリルの責任とはいえない部分で難しさもあったので、仕方がない所もあったと思う。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

引き分けくらいが妥当だった

 この結果で、現時点でのわれわれの実力が示された。これを受け入れるしかない。このチームは期待されていたと思う。トレーニングも準備もしたが、皆さんが期待したとおりのプレーができなかった。ボールをより速く動かすように要求したが、残念ながらそれができなかった。われわれが望んだプレーが実行できなかった。相手の方がリアリストで、決定的な機会がいくつかあった。

──ボールを速く動かすサッカーができなかった要因は何か? 選手のコンディションなのか、それとも判定によるものか?

 疲労は考えられる。そして何人かの選手は、(勝つための)プレーを実行するだけのフィジカルコンディションではなく、何人かの選手はほとんどプレーができなかった。なぜこの選手を選んでしまったのかと私も自分自身への疑問もある。ただ、その選手以外に良い選手がいなかった。代表監督は責任があるわけで、相手の方がパフォーマンスが良かった。デュエル(1対1の競り合い)に勝てなかった。4回、5回のうち1回は勝つ必要があった。相手の方がしっかりオーガナイズされていたし、2〜3人はハイレベルな選手をそろえていた。素晴らしい選手たちだったと思う。

 われわれにとって、この試合は少し早すぎたのかもしれない。フィジカル的なレベルで言えば、引き分けくらいが妥当だったと思うが、まだ9試合残っている。試合を負けたことは受け入れがたいが、これが現実だ。何人かの選手はこの試合で失敗したと思うし、恥ずかしさも出してしまった。勇気と勇敢さが足りていなかった。観客の皆さんが素晴らしい雰囲気を作ってくれただけに申しわけなく思う。

──大島僚太を送り出すにあたって期待したことと評価は?

 もう少し期待はしていた。(大島は)けがをした柏木(陽介)と競争していて、若い選手を決断した。まだ少し、このような試合で恥ずかしさを見せる面はあったが、そのようなチョイスをしたのは私の責任だ。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201609010006-spnavi

大島の問題については至って冷静に分析しており、責任は選んだ自分にあるといっている点も真摯な姿勢といえると思う。もし変な事を言っていたらハリルの問題点について書こうかと思っていたけど試合後のコメントは至ってまともだったので次回のリカバリーに期待したい所。大島の問題は柏木が怪我だった事で、若い世代のテストの意味もあったのだろう。次善の策としてのチョイスだったと思えば仕方がない面もあると思う。ただし、どのポジションも控えのメンバーをある程度想定しておくべきだとは思う。

遠藤が抜けてからの代わりの候補としては、過去に、遠藤航、柴崎、森重(アギーレ時代)、柏木、青島、山口などが試されたが定着した選手はいないと思う。攻撃面では柴崎、柏木が目立ったが、守備面での課題が大きかった。逆に、遠藤航では今度は攻撃面で物足りなさがあったし守備も最高とはいえなかった。アギーレがアンカーにCBの森重を選んだのはその辺を割り切った考えだったのかもしれない。
このポジションは浮いたボールを処理する事も多くCBのようにある程度の高さやフィジカルも守備で必要というところが毎回問題となっている気がする。日本人は小柄+ハイボールに弱いMFの選手が多く、判断が早く攻撃に魅力がある選手がいたとしても、守備面や安定したボールキープで考えると問題が出てきてしまったりする。

日本代表の印象

柏木の怪我などで選手選考が難しかった。また選手のコンディションもあまり良いとは思えなかった。ただし、負ける理由もなく、決めてもいいシーンが何度もあった。惜しいシーンでしっかりと得点していれば、普通に勝てる試合だったように思う。UAEが凄く強かったとも思えなかったので、審判の問題があっても日本側の今の実力を考えれば十分勝てる相手だったように思う。

一方で、攻撃陣は一応実質2得点を挙げており、0点で全く機能しなかったわけではない。また、守備面も流れの中からは失点しておらず、全く機能しなかったわけではない。実質的には引き分けか2-1くらいで競り勝てるプレー内容だったともいえる。しかし色々な条件を考えれば3-0くらいで勝てるプレーが求められていたと思う。たとえばFKとPKは西川がどちらか一本は止めてもおかしくはなかったし、PA内で大島がファールをしなくてもよかったし。吉田のファールも前で森重と上手く止めてもよかった。攻撃でも香川も、岡崎も、清武も、宇佐美も1点取れそうなシーンもあったわけで決めていてもよかった。例え審判の問題があったとしても、そういう小さな積み重ねが審判の判定と合わさって1-2という結果になっている気がする。

試合の総評

審判が凄く目立つ試合でUAEよりの判定を繰り返した。失点シーンはファールやPKを取られても仕方がないシーンではあったが、取らなくてもおかしくはなかったし、日本の得点とならなかった浅野のシュートも得点と判定されてもおかしくはないものだった。またUAEの選手が怪我のフリをして何度も倒れこんだり、倒れこんだ時にボールを外に出さなかった事に対して日本選手に講義をして時間を使ったり、いつもの「中東」を繰り返したが、延長時間は4分と何故か短かったように思う。

試合のハイライト動画