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W杯予選 日本vsサウジアラビア

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日本 2 – 1 サウジアラビア
清武 弘嗣 前半45分
原口 元気 後半35分
得点 オマルイブラヒム オスマン 後半45分
酒井 宏樹 後半43分 警告 アブドゥルマレク アルハイブリ 前半9分
オマルイブラヒム オスマン 前半10分
オサマ ハウサウィ 後半3分
オサマ ハウサウィ 後半47分
ナシル アルシャムラニ 後半48分

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 西川 周作 4.5 終盤で乱れて1失点は余計だった。終盤の失点はDFとのボールの受け渡しで何度か危ない場面がありやや連携で気になった。
DF 5 長友 佑都 5.5 原口との連携はあまり上手くいかなかったが、本田香川との連携は相変わらずよかった。攻撃面では目だったが最後の時間に失点したのはよくなかった。
DF 6 森重 真人 5.0 安定した守備だったが最後の1失点は余計だった。
DF 19 酒井 宏樹 5.0 縦への突破が目立った。守備でも右サイドも完全に崩されるシーンはほとんどなかった。
DF 22 吉田 麻也 5.5 攻守に日本の高さを補った。セットプレーでも惜しいシーンがあった。
MF 13 清武 弘嗣 7.0 司令塔として存在感を見せ、高いパス精度で攻撃での違いを作った。PKから1ゴール
MF 16 山口 蛍 5.0 守備面では貢献したが、試合終了間際にはプレスが機能しなくなっていた
MF 17 長谷部 誠 6.0 大事な場面での守備で貢献し、老獪な立ち回りを見せた。PKの場面や、終了間際の危ない場面など要所でベテランの持ち味が出ていた。
FW 8 原口 元気 6.5 やや攻め急いでシュートを外すシーンなどもあったが1ゴールで試合を決めた。
FW 14 久保 裕也 4.5 良い位置にいてシュートは打てたがややシュートの精度に精彩を欠いた。またパスの連携でのミスも目立った。あえて久保の立場でいえば、そもそもこの試合でいきなりの出場が厳しい。若手なのだから負けれないこのW杯予選ではなく、むしろ前回のオマーン戦で出すべき選手だったと思う。
FW 15 大迫 勇也 6.5 ハイボールでの競り合い、ポストプレー、そして裏への飛び出しに、体を張った競り合いも強く、攻撃ではあらゆる面で際立った。
MF 10 香川 真司 5.5 清武にはセットプレーの精度では及ばなかったが、違いを見せる連携で本田長友のワンツーから香川のタッチでアシストし原口のゴール。このゴールが決定打となった
FW 9 岡崎 慎司 出場時間が短すぎて採点不能
FW 4 本田 圭佑 5.5 途中出場ながら、2点目のシーンで重要な役割を果たした。
監督 ハリルホジッチ 5 無難な勝利。ただしW杯予選でここまで追い詰められている時点で勝利が大事なので意味はあった

日本代表の印象

大迫清武原口が連動し日本の左サイドからの攻撃で圧倒した。また守備も終盤になり運動量が落ちるまではしっかり機能していたように思う。久保はやや残念な所もあったが、彼がまだ若い選手であるということを考えれば及第点だといえると思う。問題は大事な試合でそんなテストをしたという点にあると思う。大失敗にならなかったからいいものの、万が一負けていたらW杯予選落ちという可能性が出てくるような場面でテストをするべきだとは思えなかった。直前にオマーンとの親善試合があったのだからむしろテストする機会は他にあったのではないかと。

試合の総評

サウジアラビアも一瞬のプレーの質は見せたが、基本的には日本が圧倒した。試合は2-1で日本の勝利となったが、シュートチャンスは多く本来は2-0か3-0で勝てる試合だったように思う。特に枠に飛んだシュート回数からすると、もう1点から2点追加点があってもおかしくない試合。逆に相手のシュートは少なく、危険な攻撃も数回しかなかった。またサウジのプレーは荒く、ファールも多かった為、日本側はPKでホームアドバンテージも生かせた部分もあったと思う。

個人的に思ったこと

毎回思うんだけど日本は負傷したプレイヤーを長くピッチに残しすぎているように感じる。例え軽症でもある程度のファールを受けた場合は速めに交代を優先した方がいいのではないだろうか。日本代表の怪我率は通常のチームと比べると異常なほど高いのだからなんらかの理由があるだろうし対策も必要だろう。なぜ重症になる可能性がある選手が居るにもかかわらず毎回続行させるのだろうか。このやりかたで何人選手を駄目にすればいいのだろうか。

それ以前にハリルの交代が毎回やや遅い気がする

終盤の失点には日本側の気の緩みがあったように思うが、ただ、足が止まる苦しい時間だったので本来はもっと交代を上手く無失点で終えれる試合だったのではないだろうか。明らかに疲労し運動量がおちていた選手がいたのだから、どこでもいいから交代で運動量を上げるべきだったと思う。また怪我をした清武ももっと早く交代するべきだったように思う。前回に続き交代策が少しずつ遅い印象。

ただし、そもそも試合日程や怪我の判断、スタメンの決定、交代の判断のどこまでが監督の裁量なのか分からないので監督だけの問題ではない。怪我の判断をしている医療スタッフや、選手のコンディション管理をしているスタッフ、宿泊や移動の日程、試合日程を管理しているスタッフなどの総合力の問題なので、それを監督一人の問題としがちなマスコミ風潮には賛同し難い。だからそういう部分でみえるのは選手や監督以外のスタッフのレベルの向上も大事なのではないかと思った。

W杯予選 日本 VS イラク 2-1

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日本 2 – 1 イラク
原口 元気 前半25分
山口 蛍 後半 50分
得点 サード アブドゥルアミール 後半15分
酒井 宏樹 後半21分 警告 ワリード サリム 後半27分
モハメド ハミード 後半37分
アラー アブドゥルザフラ 後半49分

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 西川 周作 5.0 この試合では前回と違い相手がシュートを何本も打ち込み失点の可能性もあったが流れの中での失点は抑えた。失点したセットプレーの場面は止めれた可能性があったように思う。
DF 6 森重 真人 5.0 流れの中からの失点は防いだが、セットプレーにCBの課題が残った。
DF 19 酒井 宏樹 4.5 簡単パスミスなどがあり、失点の原因となるファールもあった。一方でイラクの高さやフィジカルに対抗するためにSBというより高さ対策として効果があった。
DF 21 酒井 高徳 4.5 試合の流れの中では安定していたが、失点したセットプレーの場面での対応はもう少しがんばってほしかった。
DF 22 吉田 麻也 5.5 イラクと比べ高さに課題があった日本の守備の高さを埋めた。また終盤ロスタイムに攻撃参加しで追いつく流れを作った。
MF 4 本田 圭佑 5.5 サイドではほぼ突破できず上げるクロスも精度を欠いたが中央に入ってのヘッドやポストプレーが効いており、特に原口清武のクロスに対しては実質的にはCFのような価値があった。
MF 7 柏木 陽介 5.5 攻撃面では中盤の底からの組み立てで大事な役割を果たした。守備面でも以前よりよく戻っており、清武と柏木という組み合わせに感じた守備の不安を払拭した。点につながる攻撃や、守備で動いた時のスタミナやフィジカルの問題はこれからに期待。
MF 13 清武 弘嗣 6.5 前半にカウンターから走って1アシスト。組み立てではワンタッチのダイレクトプレーで違いをみせた。ワンタッチでボールを保持しないことで危険なカウンターを未然に防いだ。またセップレーでのキックの高い精度も武器となった。
MF 17 長谷部 誠 5.5 攻撃面は柏木より目立たなかったが、守備では危険な場面でいいプレーを見せた。特に終盤の厳しい時間での戦術的なファールや、吉田を前に出して守備に入った長谷部の戦術面での幅の広さが光った。
FW 8 原口 元気 7.0 いい守備で自らボールを奪い、その後カウンターから流れの中で得点。またドリブルで常に左サイドを突破しサイドでのプレーの質の高さを示した。また終盤まで積極的に走りスタミナも見せた。
FW 9 岡崎 慎司 5.0 裏へ抜け出すいいシーンはあったが得点にはつながらなかった。
MF 16 山口 蛍 6.5 交代出場でミドルでゴールを決めた。このゴールで勝利をもたらした。得意の守備でもボールを奪う能力を見せた。
FW 14 小林 悠 4.0 途中出場で時間がなかったとはいえ完全に消えていた。またゴールに関連しない場面でも、途中出場の利点であるスタミナの違いや運動量の違いを見せることが出来ず、結果的にボールはスタメンの選手が運んでおり戦術的にも問題があった。年齢を考えるとベテランであり、戦術的な判断にも疑問が残る。代表に残るには出来る限り速く結果が必要だろう。
FW 18 浅野 拓磨 5.5 少ない時間で吉田のポストプレーと連携した攻撃の流れをみせ、高さがない選手にもかかわらずクロスからの攻撃でも可能性を感じさせた。
監督 ハリルホジッチ 5.0 内容はかなり問題を含んでいたが、この試合に関しては予選落ちの可能性まで出てきていたので、まずはこの試合に勝った事に意味がある。

試合後のハリルホジッチ監督のコメント

 「ドラマティックな試合でしたけど、あきらめずに戦った選手を褒めたい。最後まで応援してくれたサポーター、国民に感謝したい」

http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=19422

 試合後に目を赤くしていたとか、コメントを見る限り、流石にギリギリの戦いになった点に対して何か感じることがあるんじゃないかと思った。今後の対応に期待。

 交代策に関しては、結果的に山口が得点した事を考えれば成功したといっていいと思う。ただし小林は完全に消えており、終盤にパワープレーで高さで攻めたことを考えれば本田を残した方がよかったのではないかと思った。

柏木+清武の守備の改善

 スタメンに関しては、柏木と清武というやや守備面に心配がある組み合わせではないかと思ったが、柏木の守備の意識が以前より明らかに高く、予想以上に機能していた。また清武に対するプレスが強かったが、ワンタッチでボールをさばくセンスと上手くファールを誘う事が出来ていた。その結果前にボールを出した時に取られるリスクを下げて長谷部、柏木とDFラインの連携で安定してボールがまわせるようになっていた。本田を主体としたトップ下の時にはトップ下でボールをキープしてからボールを出す形が多かった為、トップ下のプレスがきつい強豪相手には苦戦していたが今回の形はトップ下本田の代わりの戦術の一つとしての形にはなっていたように思う。ただチームとしてこの形で機能するにはもう少しプレーの質や連携がよくなる必要があるとは思った。

日本代表の印象

 試合を通しての戦術がザック時代の回して連携で崩したのとも、引いて守ってカウンターとも違った形になっていた。ボランチで回して清武に当てて連携で崩すパターンと、柏木やサイドの原口が突破してのクロスを多用していた。この攻撃方法の場合、CFを裏に抜けるタイプにするのかタワータイプにするのか考える余地があるように思う。後半に吉田を前に上げて放り込むだけで簡単に崩せた事からも、浅野や岡崎のようなスピードや裏抜けが得意な選手だけではなく高さで勝負できる選択肢がFWにないのは問題がある。現状のメンバーで考えるならCF本田にして岡崎を右にするか。吉田森重の誰かを前にあげて代わりのCBを入れるしかない。
 また、守備面では、この試合でも流れの中からの失点はしておらず、セットプレーで失点しており、守備は相変わらずセットプレー対策や高さ対策が課題の一つだったように思う。

試合の総評

 前半に日本が1点入れる事でリードしたが、一方的な展開ではなくイラクも十分チャンスがある均衡した試合となった。実力では全体に日本の方がややウワ待ったが決定的な差とは言いにくかった。シュート数は日本が12に対してイラクが8で、決定力と守備の差で日本が上回ったという試合だったと思う。

スタッツ

12 シュート 8
13 直接FK 14
2 間接FK 2
3 CK 7
0 PK 0
5 GK 9
2 オフサイド 2

W杯予選 カンボジアvs日本

カンボジア

カンボジア 0-2 日本
得点 オウンゴール(後半6分)
本田圭佑(後半45分)
ソス・スハナ(後半34分) 警告 槙野智章(前半30分)
山口蛍(後半12分)

採点

選手 採点 寸評
GK 西川周作 6.0 ほぼプレーする機会はなかったが無失点に抑えて代表の連続無失点記録を伸ばした
DF 長友佑都 5.5 後半はスタミナの差で攻撃の見せ場を作ったが、両SBが同時にあがり、SBの裏が攻撃されるというパターンもいつもどおり。攻撃時のリスク管理には課題を残した
DF 槙野智章 5.5 ドリブルで切れ込まれる場面もあったものの、ポジション取り自体は至って手堅く、自己犠牲的な守備で重要な場面を何度も止めた。
DF 藤春廣輝 5.5 縦への速さは見せたが、長友同様守備でのポジション取りで危ない所も
DF 吉田麻也 4.5 珍プレーと好プレーの繰り返しで激しい波があった。カンボジア相手という事を考慮すると安定性に問題があった
MF 遠藤航 4.5 守備が崩れたわけではなかったが、攻撃の組み立てでは違いを作ることが出来ず見せ場はあまりなかった
MF 香川真司 5.5 技術は見せていたが、連携が何度も失敗しておりチームとの意思疎通に課題が残った
MF 山口蛍 5.0 守備では重要なシーンは押さえたが、柏木が投入されるまでは明らかに攻撃が繋がらなかった
FW 原口元気 5.5 ドリブルでの突破では明らかに違いを見せたが、ゴールには繋がらずFWとしては物足りない
FW 岡崎慎司 5.5 ゴールへの嗅覚と飛び出しは良くオウンゴールを誘ったが、自らの得点はできずPKまで失敗し結果に繋がらなかった
FW 宇佐美貴史 4.0 縦へ抜くプレーもクロスも特に見せ場はなく、運動量の少なさなど悪い点が目立った。
MF 柏木陽介 7.0 途中出場で試合の流れを変えた。セットプレーでも高い精度をみせた。
FW 本田圭佑 6.5 サイドで出場したが中に入りCFの動きをみせ、相手との身長差を生かし空中戦を制して1ゴール。サイドとしては問題もあったが本田の得点力が生きた
MF 南野拓実 出場時間が短すぎて採点不能。
監督 ハリルホジッチ 5.5 最低限の目標であった勝利とサブのメンバーを試すことが出来た。カンボジアというアジアでも強いとはいえないチーム相手を利用してスタメンの選手を大幅に交代をした所は良かったが、あまり機能せず戦術的には課題を残した。またセットプレーも相変わらずで、セットプレーからの得点も柏木のクロスの精度によるオウンゴールで狙い通りとは言いがたかった。流れからの崩しはほぼ成功しておらず、クロスやロングボールで攻撃する形が多く見られたが1得点しか入らなかった。クロスやセットプレーが決まらない明らかな理由のひとつはターゲットになる高さで勝負するFWが1人もいなかった事と無関係ではないだろう。クロスを挙げる戦術を選ぶのなら高さがありポストプレーが出来る選手を入れていないのは良くわからない。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「勝利はした。しかし、前半には全く満足していない。後半は良くなったが、2点しか取れなかった」
「試合には満足していない。何人かの選手には怒っている」

日本代表の印象

 5バックで固めた相手に攻めあぐね前半はノーゴール。後半も柏木を投入して流れが変わるまでは効果的に相手の裏を付く事ができなかった。ほぼ空中戦に勝てる事を生かし、本田投入後は低身長の相手DFにクロスを繰り返し本田が競り勝ってゴール。高さを生かした攻撃を主体とするとしては現代表にはタワータイプのFWが不足しており結果的に本田のフィジカルを生かしてCFの代用で得点を決めるという形になった。

明らかに問題があるサッカー協会のコンディション管理

 個人的な意見としてはメンバーを入れ替えて実験した事事態は良かったと思う。むしろW杯予選でも最終予選ですらないわけで全ての試合でサブや試したことがない選手を使っても3点くらいはとって勝つのが普通だと思うので。親善試合に至ってはサブどころか久保や南野といった若手やJリーグの選手で調整すればいいのではないかと思う。ザックジャパンで起きたメンバー固定によるコンディションの極端な悪化を考えれば、無茶な日程は出来る限り避けるべきだろう。

 今回も実は怪我人が出ている。無理な日程で投入されていた清武が右第5中足骨を骨折。クラブでは中心選手で降格争いの大事な時期での怪我となってしまい非常に残念。前回のシンガポール戦で活躍した金崎夢生も打撲、武藤も調子が悪い。前回のシンガポール戦の感想でも書いたが、長谷部は頭をやられ出血していたし森重も膝への危険なプレーがあり、あの試合のラフプレーは酷かったので本来はサッカー協会がシンガポールに抗議して当然のレベルだと思う。この試合も長谷部や森重を入れ替えたのはコンディション面の問題が含まれていたのではないだろうか。

試合の総評

 試合は順当に勝ったが、一言で言うとある意味異常な試合だった。W杯公式の予選にもかかわらずボールが謎のベトナム製(一応FIFA公認ではあったらしい)、ピッチは人工芝でキックするとしたからゴムチップが舞い上がり、水もまかれておらずボールがやけに止まる。そして31度という高温。一見サッカーのようではあったが、野球の試合にテニスボールを使ったような不思議さがあった。正直W杯の予選としては競技以前の条件がかなり異なっていたことは事実だろう。

スタッツを一つ二つ

Cambodia vs. Japan - 17 November 2015 - Soccerway
続きを読む W杯予選 カンボジアvs日本

W杯予選 シンガポール vs 日本

シンガポール

シンガポール 0-3 日本
得点 金崎夢生(前半20分)
本田圭佑(前半26分)
吉田麻也(後半42分)
警告 森重真人(後半20分)

採点

交代選手

選手 採点 寸評
GK 西川周作 5.5 ほとんどシュートされる事もなかったが、無失点に抑えた
DF 長友佑都 5.5 何度も攻撃参加をみせたが左サイドを決定的に崩すには至らなかった。開始早々相手に削られるなど不運な面もあった。
DF 森重真人 6.0 相手に膝付近を蹴られるなど危険なプレーに苦しんだが、重要な場面では完全に押さえ込んだ
DF 酒井宏樹 5.5 何度も攻撃参加をみせたがクロスの精度には課題を残した
DF 吉田麻也 6.5 ハイボールの処理でクリアミスなどもあったが無失点に1ゴールで補って余りある
MF 柏木陽介 6.5 ワンポイントで違いを見せるパスも合ったが、不用意なパスミスも目立った。精度の高いクロスで吉田のゴールを呼び込んだ。守備では柏木も相手のダーティーなプレーにやや苦戦した。
MF 清武弘嗣 6.0 消えてしまう時間帯もあったが、高いボール精度のパスとセットプレーで違いもみせた
MF 長谷部誠 7.0 攻撃の組み立て、決定的な場面での守備と攻守に目立った。相手に削られ出血もしたが苦にせず中盤を制圧した。この試合のMoM候補
FW 本田圭佑 6.5 サイドというより相変わらずゴール前の動きで違いを作り、2点目のゴールでは相変わらず高い得点能力を見せた。スタミナが持たずに後半は足が止まり消えてしまった。
FW 武藤嘉紀 6.5 いい形は何度も作ったが自らはゴールは出来なかった。ゴール前の大事なシーンでは適切なポジションで絡みアシストは決めた
FW 金崎夢生 6.5 先制点で代表初ゴール。試合の流れを作った。相変わらずドリブルは一流だが沢山のシュートチャンスに決めきれずCFとしては物足りなさも感じた。サイドの方が生きるのではないだろうか。
MF 香川真司 6.0 相変わらずワンタッチの上手さは圧倒的だったが、得点に繋がることはなかった。
FW 原口元気 6.0 後半38分から途中交代で出場で時間は短かったが、攻守に大胆に走り回り時間帯を考えた戦略的な動きを見せた。
FW 宇佐美貴史 5.5 ドリブルでの勝負には可能性を感じたが、結果は出せなかった。
監督 ハリルホジッチ 5.5 最低限の課題であった主要メンバー以外での勝利は手に入れた。良かった点としては、まず勝利した。主要メンバー以外をスタメンに起用できた。清武と柏木を入れる事でセットプレーが一気に充実した。引き分けた前回のシンガポール戦よりは最後の決定力の部分で改善があった。

課題としては、相手が弱すぎてこのメンバーが通用するのかわからなかった事。ラフプレーを繰り返す相手に怪我人が出た事。組み立てが長谷部に重度に依存している事。相変わらずハイボールを処理できるFWを組み合わせておらず放り込みはもっぱらDFの吉田、森重の得点力に頼っている事。その為ハイボールのクロスがセットプレーでしか決定力を持っていないこと。守備でも相変わらず敵のロングボールや放り込みで冷やりとする部分が。MFやDFに清武や柏木、長友といった高さがなく攻撃的な選手を配置してSBによる攻撃をする場合に、強豪相手の試合となったら恐らくいつものように容易にDFが崩壊するのが目に見えておりW杯前から続く代表の守備の課題がむしろまた浮き彫りになっている。

試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「まずは選手におめでとうと言いたいです」
「我々はもう少し点が取れたと思います」
「ディフェンスに関してしっかりボールを奪えてよかったと思います。オフェンスに関しても美しいアクションはあったが、慌てたことと少し運も悪かった」
「こういう試合はもうちょっと(点を)取るべきだと思います」

日本代表の印象

メンバーを入れ替えた事で不安定になるかと思われたが無失点。得点も3点と、コンディション面を重視したメンバーにして交代を生かすことで、かえって前回の引き分けたシンガポール戦より安定した。ただしチームの総合力としてはこのメンバーのレベルが必ずしも高いとはいえない部分もあったが、主要メンバーが抜けた状態での始めての試合という事を考慮すれば十分な成果があった。特に清武柏木のセットプレーには可能性を感じた。

試合の総評

圧倒的なアウェイでの試合であり、シンガポールも前半には危険なプレーを繰り返し削りに来るが何故かファールにはならず日本側だけが笛を吹かれるというパターンが続き苦しむ。開始早々長友が削られ少し痛め、森重は膝に向かって足裏で踏みつけられるなど最近の代表の試合では稀に見る汚さ。柏木は競り合いで相手の手で顔をやられ、長谷部は頭から出血。清武はユニフォームをつかまれて破れてしまうという事態も発生した。特に相手の21番と6番は危険なプレーが目立った。前半で2点入れて2-0で折り返した事で若干よくなったが危険なプレーは後半も続いた。

スタッツを一つ二つ

Singapore vs. Japan - 12 November 2015 - Soccerway
http://int.soccerway.com/matches/2015/11/12/asia/wc-qualifying-asia/singapore/japan/2028672/

実は欧州最高クラスのクロッサーを擁する日本代表

最近の投稿で清武の課題とかについて結構書いたので、逆に良い所や清武の生きる戦術とかについても少し言及したい。まず下の少し前のニュース記事を見て欲しい。

イギリスメディア『Who Scored.com』が「ヨーロッパでのトップクロッサーは?」という特集を組み、ニュルンベルク所属の日本代表MF清武弘嗣が見事ナンバーワンに選ばれた。

 同メディアでは、今シーズンの欧州トップリーグ所属の選手を対象に調査。今シーズン7試合以上のリーグ戦に出場し、1試合あたり2本以上のクロスを試みた選手24名をピックアップし、さらにクロスのチャレンジ回数と成功率がともに全体平均を上回っている選手を選出した。

 清武、エヴァートンのイングランド代表DFレイトン・ベインズ、ハノーファーの元ハンガリー代表MFサボルチュ・フスティ、マラガの元スペイン代表MFホアキン・サンチェス、レディングの元イングランド代表DFニッキー・ショーリーの5名が選ばれ、頻度と精度が突出していたのが清武とベインズの2選手。そしてクロスからのアシストが1本のベインズに対し、清武が5本を記録しているため、清武がトップクロッサーに選ばれた。

http://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20121127/83169.html

そう、少し前のことだが欧州のトップクロッサーとして実は清武がナンバーワンに選ばれている。欧州で最高という所がポイントで、多少過剰な評価と見る人もいるかもしれないが、ナンバーワンといわなくても清武のクロスは世界で見ても上位争いを出来るレベルにある事は誰も否定しないだろう。日本は中でクロスにあわせるプレーは少ないが、実はFWにタワーをそろえさえすれば清武による放り込み戦術を採用しても恐らくアジアならそれなりに戦えるチームにはなれると思う。今より強いかと言うと弱いかもしれないがオプションの一つとしては十分な候補になりえるだろう。例えば今いるメンバーでも豊田を使って守備的な戦術からの少数でのカウンターでの放り込みやポストプレーなんかをやらせても今の代表とは全く違う方向性だがパワープレーのような事ができるだろう。事実清武はブンデスでそういうクロス要員として、この記事は2012年だがその後の2013年頃にはブンデスのアシストランクでトップだった事もあるなど、ハイボールやセットプレーからのアシスト数はブンデスでも屈指の選手になっている。

2012_11_Top-Crossers
2012_11_Cross-Graph

Player Focus: Special Delivery – Europe’s Top Crossers
http://www.whoscored.com/Articles/keu5a1w86uk8pgay-ep0jw

日本代表に求められる戦術の幅

今の日本代表は実際いい選手は沢山いる。ただ、それぞれの選手が得意としている戦術が必ずしも同じではない。例えば今書いたように清武はクロスが上手いが、代表選考で闘莉王、栗原など攻守に空中戦に強いメンバーは選ばれていない。居るのはサブの豊田くらいだろう。仮に栗原をサブで入れておいてセットプレーで利用するとか、限定的な状況下では欲しくなる引き出しが今の日本は少ない気がする。

現状の日本代表の場合、左サイドは後ろからあがってくる長友のクロスが武器で、SBをつかってクロスをあげる形を多用する。長友の上がりを待つのか、清武のクロスにするのか、それとも乾や香川のようにドリブルやショートパスで崩すのか、どの選択もあるはずだが長く日本代表ではSBを待ってサイドの裏にボールを出して長友が上げる形をほんとの場合に選んでいる。長友も苦しいのは毎回同じパターンで長友が使われれば相手も対策してくるし成功率が落ちてくる。選択肢の一つになるならば十分驚異的な攻撃なのだが毎回やっては読まれてしまう。もっと悪いのはクロスを上げても中にいる香川はヘッドが下手だし、本田も特別ヘッドが強いわけでもない。もし長友が上がった所で清武がクロスをあげた場合、今度は長友の強みも消えてしまう。しかも SB が上がった所でロストしたら裏が危ない。その状態で勝率の低い選手が中にいる所にクロスをあげるわけだ。だから清武もクロスが上げにくいのは間違いない。酷いときには清武はショートパスばかり崩そうとして、頑なにクロスを入れない。欧州屈指のクロスが得意な選手なのにだ!ザッケローニ時代から同じ事が続いているが、正直に言って選手の個性がかみ合っているとは言い難い。日本代表が相手に応じてうまく戦術を微調整できるレベルになればそれぞれの選手の強みが生きるのではないかと。日本代表は現在のメンバーでも戦術を使い分けれる個性は十分に備えている。

香川の謎の腹筋

香川と清武のコンビネーションの話をしらべていた見つけた写真。

@skylanwongが投稿した写真

この写真で思い出したニュース記事

最近、この写真が 2ch などで紹介されていたが、清武と比べてあまりに腹筋の辺りが出ている。凄い腹筋なのか、それとも腰にサポーター的なベルトを巻いているのかわからないが、あまりに出すぎている。それでふと前に見たサッカーダイジェストのWeb版の記事を思い出した。それを下に引用しておくが、簡単にいうと腹筋を鍛えすぎていてバランスが崩れているのではないかという話を「理学療法士」が話していると言う内容で。それも香川が鮮烈なドル復帰ゴールを決めた直後くらいに書かれている記事という点も興味深いと思う。まあ、私にはこの話が事実なのかどうか判断するだけの知識と観察眼がないので、本当はどうなのかは分からないけど。

香川真司は完全復活を遂げたのか――「フィジカル」的側面からパフォーマンスを解析 SOCCER DIGEST Web

 セレッソ時代のプレーを見ても、ドリブラーとしての特長を強く持った選手ですね。当時のJ2では、誰も香川選手のドリブルを止められませんでした。自由自在に背骨を動かし、体幹を丸める・反る動き、切り返しやターンなど左右の動きに加え、緩急を加えた前後の動きにも長けていました。

 それも、ゆったりとしたドリブルから急にトップスピードに持っていくというだけでなく、ある程度スピードに乗った状態からでも、DFに相対したとき、本当に一瞬だけ緩めて、そこからまたスピードを上げる。そういう、前後の緩急の動きが非常にコントロールされていました。

 こうした特長は、少なくともマンチェスター・ユナイテッド時代には失われています。ただ歩いている、ただ走っているだけの映像を見ても、香川選手が高いパフォーマンスを発揮していた時代は肩甲骨がよく動き、肩を前後によく動かして歩いている印象でした。しかし現在は、ほとんど動いていません。腕によって腕を振る、というような動き方です。

 原因はやはり、トレーニング内容にあるのではないかと思います。

 最初のドルトムント時代と、ユナイテッドに加入した頃の上半身とを比較すると、明らかに胸板が厚くなっています。それから、腹筋を鍛えすぎている気がしますね。前側の筋肉を鍛えすぎたことで背中が丸まってしまい、胸椎が後弯(後ろの方向に丸くなってしまう)しています。

 また、腹斜筋を鍛えすぎた結果、肋骨も狭くなっているのではないでしょうか。これら様々な要因が重なった結果、香川選手の特長である前後左右の自在な動きが制限されているように思います。

「セレッソ時代・前ドルトムント時代」と比較すると、ユナイテッド時代から現在までの香川選手は、一歩目が遅いです。「セレッソ時代・前ドルトムント時代」は、切り返しの際の身体の傾きにエッジが効いていて、フェイントを掛けて抜きたい方向に大きく重心が傾けられています。
 しかし腹筋を鍛えすぎて肋骨が広がりづらい状態になると、横方向への動きがやりづらくなります。そのせいで、切り返しが遅くなっているのではないでしょうか。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140919-00010002-sdigestw-socc

清武の幅の狭さと香川の仲間を見る目

清武の試合後のコメントが2chで出ていて面白かったので興味深く思った所とかを抜粋。

●清武弘嗣コメント

「どっちかと言うと、(香川)真司くんが常にトップ下にいる感じだったから、真司くんが右と左に両方動いていたので、最初はどこにいればいいのかなと思いながらプレーした」

Q:遠藤選手との関係性は?
「それは臨機応変にやっていたと思う。真司くんが前で動いてくれることで起点はできると思うけど、僕が引いてもよかったのかなと思う。センターバックは相手が引いているからボールを持てるので、僕が引いてもあまり意味がないかなと思った」

Q:香川選手と一緒にプレーする機会はザックジャパンではあまりなかったが?
「一緒にプレーしたら真司くんを生かしてあげればいいかなと思うし、紅白戦でやっているので。下がって受けて、散らしてという風にやれればいいかなと思ってやっていた」

Q:個人的によかったところは?
「そんなにないです。もうちょっとできると思うし、もっとリズムよくやれればよかった。ちょっと難しかった」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150112-00000037-ism-socc

個人的に思った事

遠藤が上手くできていた事を考えると清武個人のプレーの幅の狭さが際立ってしまった。今の清武にボランチ的な動きは無理だったのかもしれない。ただ、タッチ数のところでも話したように遠藤はプレーのインパクトと違い、実はタッチ数は清武と同じだけしか触っていない。出場時間数を考えると清武自身のイメージと異なり、実は清武は遠藤よりボールに強く関与していたと言う事になる。また清武と遠藤を両方足すと若干香川より多いタッチ数となるので、遠藤は香川よりオフザボールの動きが多く、清武は香川よりボールを持った動きかなり多かったと言う事になる。これは清武のイメージと違い実は清武が物凄くボールの周りで動いていた事を意味する。

アジア杯:日本 – パレスチナ 戦 の日本代表タッチ数
選手 タッチ数
酒井 101
長谷部 101
香川 86
本田 71
長友 63
遠藤 46
清武 46
29

同様に香川の方の問題も見えてくる。清武の能力を客観的に見て清武が戸惑ってしまう事が予想できていないという点だ。常に香川がベストと思う選択をしてしまうが、チームメートにはそのイメージが共有できてない事もある。遠藤のようにボランチでもプレーできるしトップ下でもプレーでき経験もあるベテランプレイヤーならば、香川の動きに合わせる事が出来るかもしれないが、清武の場合にはむしろ香川が清武のプレーに合わせないと機能しにくいという事だろう。清武自身もコメントしているように現時点での清武の選択肢では香川にあわせるのが難しいという意識があると言わざるを得ない。そういう意味では香川も味方に合わせて動くというプレーはあまりできないという問題があるといえる。マンUでの香川の浮いた感じなども、その当たりに原因があったのではないだろうか。

ドルトムントを悪夢へ引きずり込む清武のFK

普段ゴールしないのに、よりによってここで素晴らしいFKでゴールを決めた清武。今シーズンのハノーファーにとって初のアウェーゴール。今シーズンアウェー初勝利をもたらした。

香川は後半の失点後に途中出場も、違いは作れなかった。これでドルトムンとはリーグで4連敗。

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