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国際親善試合 日本vsパナマ

日本 3 – 0 パナマ
南野 拓実 前半42分
伊東 純也 後半20分
川又 堅碁 後半40分
得点
警告 警告:フィデル エスコバル 後半24分

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 権田 修一 6.5 久しぶりの代表戦だったが安定したプレーをみせた、GKは完全に世代交代を成功させたといっていいでき
DF 3 室屋 成 6.5 気の強さと堅実な守備を見せ、後半の決定的なシーンも体を張ることで相手にクロスを合わさせなかった。攻撃参加も機能しており素晴らしい裏への抜け出しも見せた前半の攻撃の組み立てのかなりの部分を富安青山から室屋伊藤への流れがになっていたがクロスの精度やシュート意識という面では課題が残った。年齢を考えると十分すぎる出来。
DF 4 佐々木 翔 5.0 サイドへ開いた場面でもしっかり対応しクロスが上る前に上手く防いだが、攻撃面はやや物足りなくクロス精度もやや課題が残った。
DF 16 冨安 健洋 6.0 親善試合とはいえ不安のない守備で十分A代表でも通用するのを示した。
DF 20 槙野 智章 5.5 試合を0点で抑えこみ、惜しいヘディングのシーンもあり攻撃でも見せ場があったが決めきれず、良くも悪くもいつもの槙野のプレーを見せた。
MF 8 原口 元気 6.0 激しい競り合いで持ち味を見せたが、ドリブルが相手に止められてしまっており攻撃面ではあまり機能していなかった。後半の終了間際に川又につなげるドリブルとパスを見せた。ただ、この試合はボールを上手く奪いボランチのような守備的なプレーがむしろ光った
MF 9 南野 拓実 7.0 後半21分交代 青山からのパスでゴール前で振り向いて1ゴール。他にもゴール前で決定的なチャンスが何度かあった。得点シーン以外でやや消えている時間もあったが、しっかり得点という形で結果を示した。守備面でも上手く高い位置でボールを奪えていた
MF 14 伊東 純也 7.0 後半36分交代 ボールを持っていないときの視野の広さや裏に抜ける創造性ある動きを見せたが、スピードの競り合いでパナマのDFの足が早かったこともあり競り負けてしまうシーンが目立った。決定的なチャンスもあったが最終的に後半のチャンスにしっかりとゴールを決めた
MF 17 青山 敏弘 6.5 後半43分交代 堅実なプレーと素晴らしいスルーパスを何度も見せ南野へのアシストを決め前半のうちに試合の流れを作る大事な先制点を演出した。ただややパスまでの時間が長く徐々に裏へのパスのパターンを相手に読まれたシーンもあったので、強豪を相手にした時どうなるのかが気になった
MF 18 三竿 健斗 5.5 いい場面でミドルを打つシーンなどもあったが、全体を見るとやや消えている時間が長かった。この試合では攻撃よりも守備面でのプレーが目立った
FW 15 大迫 勇也 6.0 後半21分交代 元々持っているポストプレーに加え裏への抜け出しをみせオールマイティな強みを見せた。シュート意識も十分で決定的なシーンもあったが決めきることが出来なかった
交代
FW 11 川又 堅碁 6.0 交代:後半21分 ゴール前に泥臭い形ではあったが1得点。少ない時間でしっかりと結果を出してみせた
FW 13 北川 航也 5.0 交代:後半21分 短い出場時間ではあったが、あまり見せ場は作ることなく試合終了を迎えてしまった
MF 21 堂安 律 5.5 交代:後半36分 試合の流れを作っていた伊藤の怪我で交代で入ったが、急な出場でも試合の流れを変えさせることもなく上手く無失点のまま試合を終わらせることには成功した。
MF 7 柴崎 岳 交代:後半43分 プレー時間が短すぎて採点不能
監督 森保一 6.5 この試合では中島、堂安以外に伊藤や南野を使った攻撃が綺麗に決まっており新しいカードを使えることで戦術の幅が一段と広がっていた。幅広い選択肢から選手を選ぶことで結果的に戦術の幅も大きく広げることに成功している

試合後、森安監督のコメント

-ロシア組の先発は2人だった。化学反応は

森保監督 10月の2試合で、できるだけ多くの選手にピッチに立ってもらい、やろうとしていることを公式戦の中でレベルアップできるように選びました。融合については初出場の選手がいたり、経験ある選手と一緒にプレーすることで、化学反応かどうか分かりませんけど、融合、全体的な戦術浸透、レベルアップにはつながったかなと思います。

-攻撃はW杯で点を取った2人と、9月に点を取った2人の融合。手応えは

森保監督 そうですね、今の質問(の答え)は現時点でのベストはやってくれた。合わないところ、合わせていこうとお互いチャレンジし、トライしてくれている。現時点でのベスト。これから、さらに良くなっていく可能性があることを示してくれたと思います。

-相手がハードだった

森保監督 選手が局面、局面でフィジカルも、運ぶ技術も持っている中、粘り強く対応してくれて、チームとしても個人としてもよくやってくれた。でも、この局面で相手を上回っていけるようレベルアップさせないといけない。

相手がフレッシュで、時間とスペースを与えてくれない中で、攻撃を仕掛けてくれた。チャンスをつくれたところは良かったかなと思います。後半、我々がリードしてる展開の中で、相手が前掛かりで間延びした時にカウンターを仕掛けるのは悪くない。しかし、選手に言いましたけど、シュートチャンスまで行ける状況があった中で、崩しのところがうまくいかず、ロストしてしまい、相手にチャンス(を与えた)。いい守備からいい攻撃は悪くないけど、攻撃を完結させられなかったこと、そこで難しい守備をしなければならなかったことは、反省しないといけないと思います。

-不用意にボールを取られることが見られた。10月の1試合目。次の試合では違うのか

森保監督 さらに、いい内容の試合をできるようにしたい。おっしゃられたように、まだ何試合もしているわけではなくて、監督や戦術が変わった中でプレーする選手がいた。質を上げてミスを少なくできれば、越したことはない。姿勢を…ミスで終わらない、取り返す姿勢やリアクションを見せてくれた。周りも、次に切り替えられたことをポジティブに(とらえたい)。まだまだクオリティーは上げていかないといけないけど、トライしてくれたことを評価したい。もし、できていなければ失点もあった。ミスが当たり前と思ってトライして、取り返すために全員でやってくれたことをポジティブにとらえたい。

-若手が代表のユニホームを着る意義について

森保監督 選手には、日本代表でプレーする誇りや責任、喜びを、今日の試合前には話してません。ハードワーク、最後まで戦い抜く、規律を持つ。そういうところを、チームとしてこだわっていきたい。我々を見て応援してくださっている国民の皆さんが見てくれているところを選手には話しましたし、選ばれた場所にいることも。日常のクラブでやっていることがつながっている。ただ、私が言わなくても豊富な経験を持っている選手たちが責任、誇りや重みは伝えてくれていると思います。

-日本のファウルが多かった。カードは1枚もなかったが、ファウルが多くなった理由は

森保監督 できれば、我々のピンチとなる直接FKや、間接(FK)でも相手のプラスになるセットプレーは与えたくない。ロストする局面もあったと思いますし、ボールを奪い返しに行ってくれる。粘り強く、はいいけど、守備の部分のクオリティーを上げていかないと。フェアプレーについては言った。激しく厳しく粘り強くやっていかないと。我々のペースも乱れるようなことや、見ている人たちが不快な思いをすることはやめていこう、と選手には話しています。

-要所でメモを取っていた。先月より多い? ペンの色は?

森保監督 内容はお話しできませんけど、局面での気になることをメモしていて、9月より量は少なかったかなと思っています。色ですけど、今日は黒と赤と青を使ったと思います。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181012-00360218-nksports-socc

日本代表の印象

 実力が既にはっきりしている吉田や長友、酒井という主軸のDFを使わずに、守備陣は若手の冨安、室屋とサブの佐々木を使ったが守備は安定しており、攻撃でも室屋の素晴らしい攻撃参加も見せた。攻撃陣も最近何かと話題の中島堂安がスタメンで出場しなかったにもかかわらず代わりの伊藤がサイドでの牽引力となって試合をすすめた。試合途中で右足首を痛めて交代したので怪我が気になる所。
 前半からボールをキープして崩しは成功していたが最後のところでやや決定力にかけた感じはあった。最終的には前半に青山からのパスを受けた南野が決め、しっかり得点につなげることが出来た。前後半通して攻守に目立ったのは室屋。室屋は怪我の影響もあり代表ではあまり出てこなかったが、リオオリンピックでも素晴らしいプレーを見せておりこの世代で突出した選手ではないかと個人的には思っている。興味深かったのは原口で、すっかり攻撃力が消えてしまっていたが献身的な守備のプレーがめだった。フィジカルの強さや献身的な守備を考えると守備面も重視した山口や長谷部の代わりのDMFをした方がいいのではないかというようなDMF寄りのプレーをしていた。見ていたらフィジカルを生かしていっそDMFの選手としてのプレーもありなのではないかという気もした。

スタッツ

日本 パナマ
16 シュート 6
8 直接FK 21
0 間接FK 1
4 CK 3
0 PK 0
6 GK 8
0 オフサイド 1

キリンチャレンジカップ2017 日本vsシリア

日本 1 – 1 シリア
得点:今野 泰幸 後半13分 得点 得点:マルデク マルドキアン 後半3分
警告

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 1 川島 永嗣 5.5 GKとして致命的なミスがあったわけではないが、結果的には1失点が試合には大きく影響した。
DF 3 昌子 源 5.0 失点シーンでクロスボールへの対応で負けて失点してしまったが、守備の強さを見せるシーンもあった。
DF 5 長友 佑都 7.0 裏を突かれることもなく裏へのボールには手堅い守備を見せた。また攻撃参加では裏への再三の突破をみせ質の高いクロスボールから1アシスト。崩しが出来る乾長友の組み合わせからのクロスで中にいる代表としては最近の珍しいポストプレーが出来るFW大迫と組み合わせもよかった。
DF 19 酒井 宏樹 5.5 縦への攻撃参加は見せたがいいクロスはあげることが出来ず、浅野との連携による崩しも上手くはまらなかった。守備ではスピード負けせずサイドの突破は防いだ。
DF 22 吉田 麻也 5.5 失点シーンを除けば中へのボールの対応は出来ていたが1-1の試合では僅かな所が気になった。崩してくる攻撃への対応は手堅く最終ラインでとめることが出来ていた。
MF 10 香川 真司 (5.0) 交代:前半10分。前半早々に相手選手と接触し肩を負傷。出場時間が短すぎるので採点は不能。
MF 16 山口 蛍 5.0 交代:後半8分。思い切った縦パスを何度か見せたが、上手く得点にはつなげることが出来なかった。
MF 17 今野 泰幸 7.0 交代:後半18分。負傷離脱中だったとは思えないプレー。裏への飛び出しからこの試合唯一の得点。MFとしても何度もボールを奪取し中盤を安定させた。
FW 8 原口 元気 5.5 交代:後半14分。豊富な運動量で攻守に顔を出したが、FWとして求められる攻撃面では決定的な仕事をすることが出来なかった。
FW 14 久保 裕也 5.5 交代:後半0分。惜しいシュートなども見せたが、決めきれなかった。汗の量が多いという解説もあり、コンディション面であまり調子がよくなかったのかもしれない。
FW 15 大迫 勇也 6.0 交代:後半40分。前半は大迫の所にまでボールが運ばれなかったので消えていたが、後半に乾長友の崩しからボールが入りだすと何度も素晴らしいプレーを見せた。得点にこそならなかったが何度も惜しい形を作った。
MF 7 倉田 秋 5.5 交代:前半10分。香川の代役として入ったが前半にはあまり見せ場を作ることが出来ず。乾が投入されたあたりからいい連携を見せた。
MF 24 井手口 陽介 6.0 交代:後半8分。交代で入って十分に代役を果たして見せた。大事なシーンでのボール奪取を何度も見せ相手の攻撃の目をつんだ。
FW 4 本田 圭佑 6.0 交代:後半0分。久保との交代でプレーの流れを変えた。ボールをキープしポゼッションをしながら連動するいい働きを見せた。
FW 9 岡崎 慎司 (5.0) 交代:後半40分。採点不能。出るのが遅すぎて攻撃の形を作る前に試合が終わってしまった。
FW 11 乾 貴士 6.5 交代:後半14分。素晴しいドリブルで左サイドを何度も切り裂いた。長友大迫本田と連動して登場してからは乾が日本の流れを作った。代表のプレーとしては乾がプレーした中でも屈指の試合だったのではないかと思う。
FW 18 浅野 拓磨 5.0 交代:後半18分。裏への攻撃を何度か見せたがいいクロスを折り返すことが出来なかった。足のコンディションが悪いという事なので心配が残るプレーだった。
監督 ハリルホジッチ 5.5 負傷中で試合を離れていた今野をスタメンで選び見事に今野が得点。試合は引き分けとなったが、W杯の試合ではないので、新しい事を試せたのが収穫だったのではないだろうか。インサイドハーフの形や新しい選手を何人か試し選手が入れ替わった場合のパターンはいくつか増やせていた。ただし 6人交代できることを考えるともっと大幅にスタメンの選手を変えてテストする事も出来たので、消極的なテストになっていたのは気になる。特にGKに既に実力の分かっている川島を使ったりしているのは理解に苦しむ。
試合前後のハリルホジッチ監督のコメント

なぜ代表経験十分の森重真人を外し、三浦弦太を初招集したのか

「なぜ三浦を呼んだかと言えば、ここ2か月のパフォーマンスが良かった。若い選手を招集するのはこれが初めてではないですよね。いわば、選手全員へのメッセージです。現時点で良いパフォーマンスをしている選手を呼ぶ。これが私の仕事なのです。

 前回(今年3月)は今野(泰幸)を呼びました。34歳ですけどね。一方で今回声をかけた三浦は若いです。ただ、呼んだからといって明日のシリア戦でプレーさせるかは分からない。ただ、1年後、2年後はどうでしょうか?

http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=26529

負傷離脱中の今野泰幸が招集された理由

指揮官は「守備面、攻撃面、ヘディングも強い。今野のような選手はなかなかいない」と高く評価している。

さらに会見では、代表チーム全体で今野の状態を熱心に追っていると明かされた。

「我々のスタッフも向こうに送って、クラブの方々と密に連携を取ってもらっています。もしかしたら、5月28日辺りにフレンドリーマッチがあるかもしれない。45分間か、60分間ぐらいは出てほしい。それから6月4日の試合、それができればいいかなと思います。そこが良ければしっかり合流してもらって、シリア戦でどうにかなるかなという状態だと思います」

http://www.goal.com/jp/news/2320/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8/2017/05/25/35825752/%E8%B2%A0%E5%82%B7%E9%9B%A2%E8%84%B1%E4%B8%AD%E3%81%AE%E4%BB%8A%E9%87%8E%E6%B3%B0%E5%B9%B8%E3%81%8C%E6%8B%9B%E9%9B%86%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%90%86%E7%94%B1%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%81%AE%E8%A8%80%E8%91%89%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B%E5%9C%A7%E5%80%92%E7%9A%84%E3%81%AA%E4%BF%A1%E9%A0%BC

日本代表の印象

 昌子、井手口などの新しいメンバーのテストをしており、それなりのいい成果を手に入れていた。日本の課題としてはやはり怪我中の今野を使わざるを得ない状況のDMF。DMFは決まった選手がいない中、長谷部が怪我と選手選考が難しくなっている所に井手口を上手く使いDFMの問題に一応の対策を見せた。ただ負傷離脱中だった今野をこれ以上使えるのかは不安が残るので、今野は根本的な対策にはなっていないと思う。
 また乾、大迫、長友の好調で、特に乾はこの試合では素晴しい出来だったといっていいと思う。後半の乾長友大迫の連携は相手を圧倒した。失点シーン自体は防げないものではなかったので、しっかりと守備が出来れば1-0で勝てた可能性もある。
 ただし、この試合で香川が負傷したのは心配な点。今の日本代表は手術をした長谷部、元々負傷離脱中だった今野、今回怪我をした香川、コンディションが不安定な本田と主力選手に不安が残る。

試合の総評

 試合は雨の中行われており、条件はよくなかった。試合は1-1の引き分けとなったが、必ずしも日本代表の問題が大きかったともいえない。シリアのチームが思った以上にいいチームでいい仕上がりを見せていた。

スタッツを一つ二つ

16 シュート 11
10 直接FK 9
6 間接FK 1
6 CK 2
0 PK 0
8 GK 18
6 オフサイド 1

KIRIN の功績「すべては次の勝利の為に」

Nick Wood-Passion

日本のサッカーが好きな人なら、誰もが一度は聞いた事があるのではないかと思うこの曲。曲名はあまり知られていないが Nick Wood の「Passion」という曲。またこのCMがいい。日本サッカー協会は最近親善試合のようになりつつあるキリンカップを何とかもう少し違う形にまで昇華させれないか考えたら良いと思う。

日本 vs ブラジル

日本 0 – 4 ブラジル
得点 ネイマール(前半18分)
ネイマール(後半3分)
ネイマール(後半32分)
ネイマール(後半36分)
警告

採点

サッカー日本代表
選手名 採点 寸評
GK 川島永嗣 4.0 曖昧な位置取りから裏へのボール、そして失点
DF 酒井高徳 5.5 安定して攻撃参加し守備も要所で活躍した
DF 塩谷 司 5.5 新人DFとしては可能性を感じさせる働き
DF 太田 宏介 6.0 素晴らしいクロス精度と適当な守備
MF 森重真人 4.5 肝心な所で相手のスルーパスを抑えれなかった
MF 柴崎岳 3.5 素晴らしい攻撃と酷すぎる守備。ほぼ全ての失点に絡むロスト。今後の可能性に期待
MF 田中順也 4.5 攻撃は光る所もあったが、ほぼ消えていた
MF 森岡亮太 4.0 守備での失敗とロストが目立った
MF 田口 泰士 4.0 ほぼ消えていた
FW 岡崎慎司 5.0 ミスも合ったがまずボールが岡崎まで来なかった
FW 小林 悠 3.5 年齢を考えると代表は期待できそうにない
MF 細貝萌 5 守備を期待されたが抑えきる事は出来なかった
FW 本田圭佑 5.5 安定していたがコンディションは相変わらず悪そう
FW 柿谷曜一朗 4.5 1回のチャンス以外は見せ場がなかった
FW 武藤嘉紀 5.0 守備の動きが逆サイドの本田と比べかなり見劣りした
監督 アギーレ 4.0 守備陣の建て直しには失敗しており、また交代策も特に効果を見せることはなかった。前半で分析されて後半で対応したブラジルと比べると後半でそのまま失速した日本側はハーフタイムの戦術面でも差をつけられていたように思う。

総評

守備陣とMFとの連携が取れておらず裏へのスルーパスに対応できていない。またスルーパスの出所も同様に潰す事が出来ていない。柴崎の所で取られる可能性を守備陣が想定しておらず、柴崎のロストがほぼ毎回致命的な攻撃に繋がっていた。その割には柴崎が囲まれるまでフォローもない。柴崎に限らずボールを取られた後にほぼ確実にカウンターで数的不利な状況を作っており、日本側のMFがカウンターされた時に戻れずDFだけで守備をするシーンも。基本的に以前から見られるMFのロストでカウンターされる日本の失点パターンへの対策がされていない。

以前から見られる日本代表の典型的な失点パターンは。

  1. トップ下とボランチでロスト
  2. 攻撃参加したSBの裏やDFの裏へスルー
  3. ラインの裏へ出たボールは何故か毎回GKは処理できない
  4. 最終的に1vs1の形で何故かDFが付かずにフリーに

大体この流れで、いずれもカウンターやロストしたタイミングからの守備の対策がほぼ全くなにも拘らずSBやMFが前がかりになっている状態で起きている。走って戻る事になっているのか、そもそもバランスを取って攻撃参加の人数を減らすのかどうもどういう対策になっているのかが分からない。更に高いラインを取る場合のボール回しがおかしくてラインが高いにも拘らず致命的な場面でリスキーな挑戦をしすぎている。FW がクロスに競り負けたり裏への飛び出しに失敗してロストするのとボランチやトップ下が囲まれて取られるのは話が全然違うが、そこで何故かフォローが足りずに取られるし、フォローに行ってないから取られた後もDFしかいない。その後裏へ出されると川島はほぼスルーパスを上がって止める事は出来ないしSBが上がったときなどはサイドへ出されたら川島ではなくてもGKには止めれない。そこからクロスされたらマークするしかないのだが、中のマークがずれてフリーになる。新しく監督になったアギーレはここに至って始めて現状認識するかもしれないが、サッカー協会に関しては前から何度も何度も繰り返し見てるシーンなので、問題はほとんど明らかだと思うんだけど何故か全く対策をしないのは不思議としか言いようがない。

ちなみに以前から代表戦で長友の裏を問題視するのは、このパターンが常に内田の裏ではなく長友サイドで起きており、さらに遠藤と本田のところで起きていたので本田の評価が下がりがちだという点については明記しておかなければいけない。その点、香川は左サイドばかりで起用されておりそういう問題は起きておらず、しかも守備が上手かったので代表での香川押しは戦術的に香川の本田へのフォローが素晴らしく機能しているという印象を与えた体。今回は本田が右で相手のマークはゆるくなり変わりにボールの供給源の柴崎へとプレスが集まった。しかし何故か誰もそれをフォローしないのだ。特に守備の未熟さが見えたのが武藤、田中、田口、大田で、攻撃で良い所が合った大田と武藤はまだしも田中と田口の評価はその点だけでも落第点に限りなく近いと思う。

日本の選手選考について

今回はあまりに酷い選手選考だと思ったのであえてスタッツではなく、代表選手の選出について書く。アギーレジャパンというかサッカー協会の選手選考は戦術以前にかなり不思議な点が多い。まずSBの大田だが、この試合では素晴らしい出来だったので、もう少し若い頃から経験を踏めていれば素晴らしいサブになったはず。ただし残念ながら左SBは長友ばかり使っており大田は既に年を取りすぎている。4年後には大田は31歳とW杯の可能性は相当に低い。小林悠や田中順也も同様で22歳ならば可能性を感じるが、27歳としてはもう全てが遅すぎた。今からFWとして経験を積み足りない部分を補っていくのはあまりにもつらすぎる。現時点での勝負というと、大田は長友並みに、そして小林、田中は岡崎や本田と勝負していかなければいけない年齢で、流石に見劣りしてしまうからだ。控えで考える場合も若くて今後の成長や長期的に見て可能性がある選手がいるなか、この辺を選ぶ意味がよく分からない。そしてそれなりに実力があるだけに、選ぶのがあまりに遅く選手にとっても悲惨としか言いようがない。特にMFやFWに関してはその辺は致命的な問題となる。DFやGKの場合は年齢を増して経験が能力に反映される場合も多いが若い身体能力がモノを言う場合が多い攻撃陣など後になるほど難しくなる。

同じ問題を繰り返さない為にも、現時点で18~22歳くらいの選手を積極的に代表に選びベテランと一緒に練習やプレーをさせて色々なものを吸収させ伝えていかなければいけないのではないかと思う。若い内は試合に出さなくても色々選出して経験の蓄積で後になったときに素晴らしい選手になる可能性が残るわけで、単に選手をテストして「ダメです、ハイお終い」となってしまう年齢でテストをするのはあまりに厳しい。

その点で言えば今回の塩谷や柴崎の選出は意味があり、失敗しても可能性がある分だけ遥かにマシといえるが、Jで好調でしかも実績もある宇佐美や、海外でプレーしている宮市をテストしていない理由が分からない。それ以外にもU19で大活躍している南野などは代表のタイミングが許す限り呼ぶべきメンバーに思える。逆に、香川や本田、岡崎などは既に十分に計算できる選手で実際には出場しなくてもいいし、親善試合では控えでも構わない選手たちだ。むしろそういうクラブでの活躍があり実力が分かっている選手はコンディション調整をしてW杯やアジア杯などの大事なシーンで怪我をしていないようにする必要がある。特に年齢が高い選手やスケジュールが忙しい選手はこの調整が絶対条件だ。ザックジャパンのメンバー固定で怪我人続出という日本代表史上屈指の悲劇(怪我人の数を思い出してみて欲しい)からサッカー協会はコンディション調整や若手育成ターンオーバーについて学ぶべきだと思う。それも、単にデメリットばかりではなく、若手やJの選手が活躍する事で結果的にJの人気につながり代表は新人が発掘できて一石三鳥くらいの効果は期待できるはずだ。年齢については下の以前書いた投稿も参照してみて欲しい。次のW杯に丁度良い人材は今何歳なのか直ぐ逆算できるはずだ。

2014年のW杯チームの平均年齢は? | footballologies
http://football.ologies.net/2014/06/27/2014%e5%b9%b4%e3%81%aew%e6%9d%af%e3%83%81%e3%83%bc%e3%83%a0%e3%81%ae%e5%b9%b3%e5%9d%87%e5%b9%b4%e9%bd%a2%e3%81%af%ef%bc%9f/

勿論多少のベテランはいてもいいしW杯の合間にピークの年齢を迎える選手もいるだろうから、そこは常識的に判断できる所だと思う。