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「平静を保ち、ケーヒルにクロスをあげよ」

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Keep Calm and Cross it to Cahill

第二次世界大戦中のイギリスで作られた「Keep Calm and Carry On」(平静を保ち、普段の生活を続けよ)という標語をもじったもの。「Keep Calm and Carry On」と言う標語自体は古いものだが、2005年頃に再発見されて人気となっていたらしい。昨日のアジア杯のオーストラリアvs中国戦でこれをもじった「keep calm and cross it to cahill」(平静を保ち、ケーヒルにクロスをあげろ)という文字が書かれた旗が得点したケーヒルの交代の時に画面に写っていた。日本だとクロスを多用する戦術をやりたくてもハイボールに強い選手は多くはないが、オーストラリは確かにケーヒルがいるのならばパスを回すより単にクロスをあげればいいと思う。それがイギリスのサッカーの伝統に近いし、しかもアジアにおいては恐らく十分通用する。

アジアの戦い

アジア杯 日本代表の決勝トーナメントの試合間隔

日本が1位突破としたので決勝トーナメントの出場国が決まったが、日本の試合間隔だけ短くて厳しいと言う話。それぞれの国が決勝トーナメントを勝ち進んだ場合の試合日程はかなり興味深いものに見える。

決勝トーナメント試合間隔

準々決勝 準決勝 決勝 合計
韓国 中4日 中3日 中4日 計11日
豪州 中4日 中4日 中3日 計11日
イラン 中3日 中2日 中4日 計9日
日本 中2日 中3日 中3日 計8日

豪州は開催地でホームなので有利になるのは仕方がないとは思うが、どの国が強く介入しているか一目瞭然なのではないか

選手の休ませ方を考える必要がある

サッカーで負けるならば仕方がないが、怪我や疲労で負けたり、移動が酷くてとかピッチが悪いとかそういう部分で負ける可能性もあるので十分に注意しなければいけない。まあ、日程については選手というより特にサッカー協会が注意するしかない。この大会の試合の組み合わせは日本代表に圧倒的に不利といっていいが、そもそもグループDになってしまっている時点で、選手たちにはどうする事も出来ない。中2日は相当に厳しい戦いで中3日とは全然別物だろう。本来は今気温が高いオーストラリアでは中3日でも休みが少ない気はする。どうやって休むか、どうやって試合後の無駄な時間を短くして休養に入るか取材の受け方や試合後の体のケアなどが非常に大事になりそうだ。ただ、口で言うほど簡単ではなく全く動かなければ回復が速いかというとそうでもないので、この辺は代表の選手というよりコーチの腕の見せ所だろう。また日本サッカー協会も同様に大事だ。サッカー協会が選手の日程や移動手段、食事睡眠を最終的には管理しているわけで、本来は日程が中2日と言う段階でサッカー協会の調整不足といわざるを得ないし、この大会では前の移動手段が格安航空になっていたりとどうも不手際が目立ちすぎている気がする。現状のアジア杯の試合レベルを考えると選手の能力の問題よりも、選手をどうやって休ませるのかマネージメント能力のほうが勝敗を左右するのではないだろうか。

今回も気になる怪我人

この試合でも無理をして出てる岡崎や、顔面をやられた森重などがいたが、既にたったの3試合で怪我人だらけだ

森重岡崎今野

これ以外にも、武藤が蹴られたり、岡崎は頭を足で蹴られるなど、ヨルダン戦でも長谷部の足へのファールは危なかったりと悪質なファールが多い。この大会で日本がもっとも気にしなければいけないのは恐らくこういう部分だと思う。

アジア杯 日本vsヨルダン

日本 ヨルダン
本田圭佑(前半24分)
香川真司(後半37分)
得点
岡崎慎司(後半1分)
乾 貴士(後半4分)
警告 ムスタファ(前半11分)
ユーセフ・モハメド(前半38分)

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 6.0 あまり出番はなかったが無失点に抑えた
DF 長友佑都 5.5 これまでよりも積極的にボールを触り左サイドからの攻撃でも存在感を見せた
DF 森重真人 5.0 守備は良かったが、攻撃の組み立てはミスしてはいけない形でのミスが気になった
DF 吉田麻也 6.0 安定した守備と組み立てで攻守に渡り安定をもたらした
DF 酒井高徳 6.5 ここ数試合の流れと同じく、この試合でも素晴らしい組み立てを見せチーム最高のパス成功率を記録し、ほぼ全てのパスを通した
MF 遠藤保仁 6.0 タッチ数こそ多くなかったが周りを生かすオフザボールの動きが光った
MF 香川真司 7.0 ダメ押しとなる2ゴール目を決め、チーム最多のタッチ数で長谷部と共に中盤のボール回しで貢献
MF 長谷部誠 7.0 ヨルダンの攻撃の目を尽く潰し、組み立て MF の能力の違いで圧倒した
FW 本田圭佑 7.0 先制点を決め試合を安定させた
FW 岡崎慎司 6.5 素晴らしい運動量で攻守に目立ち、本田のゴールにつながるシュートを放った
FW 乾 貴士 6.5 素晴らしい崩しとシュートを見せた
途中出場
FW 武藤 6.0 2点目のアシストを決め少ない時間で結果を残した
MF 5.0 清武 途中出場としては運動量が少なく見せ場を作る事が出来なかった
MF 柴崎 5.0 パスは悪くなかったが、清武同様に強みを見せることは出来なかった
監督 アギーレ 6.5 この試合でグループ突破を決め、新しいフォーメーションでも今の所チームの状態は一定のレベル以上で安定しさせる事に成功している。交代策も当たり交替選手が直後にアシストを記録するなど選手交代の上手さもみせた
試合後、アギーレ監督のコメント

両チームともに勝ちたいと思って戦った試合だった。あとはレフェリーの判断に任せたというところだ。より落ち着いたゲーム展開にするために2点目を取ろうとハーフタイムで話したが、楽な試合ではなかった

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150120-00000532-sanspo-socc

日本代表の印象

この試合で3連勝し、アジア杯のグループリーグを1位で突破する事に成功した。日本代表としては日程を考えると本来サブで勝てないと苦しい試合だったかもしれない。

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/557496196013363201/photo/1

試合の総評

アギーレ監督の試合後の話もで少し触れているように感じたが、この試合の審判も不思議な判定を続け厳しいのか緩いのかすらよく分からない展開だった。ヨルダンはアレだけ怪我になりそうな危険なラフなプレーを繰り返したにもかかわらず何故かカードは日本と同じイエローが2枚。更にゴールラインを割っていないように見える乾のゴールや、オフサイドには見えない本田のゴールも取り消しており、全体的に見て日本が 4-0 か 3-0 くらいでもっと楽に勝負できたはずの試合だったと思うた。これにより次の試合は中二日で迎える事になるが、サッカーの試合としてはこれも厳しい日程だ。

スタッツを一つ二つ

今回も酒井の組み立てが思った以上に機能しており、この試合では酒井、長谷部、香川のラインが恐ろしいタッチ数とパス成功率を記録しておりヨルダンを完全に支配した事がよく分かる。得に酒井はレギュラー争いに常に敗れてサブ出ていたが、この試合での出来が安定しているのならば酒井は SB の代表レギュラー争いで一歩リードしたのではないだろうか

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/557494359751274496/photo/1

マンオブザマッチは香川

AFC asia cup 2015 ヨルダン戦 MoM
https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/557494111872102401

アジア杯 日本VSイラク

日本 イラク
本田圭佑(前半23分) 得点
清武弘嗣(後半28分)
今野泰幸(後半47分)
警告 アラー・アブドゥル(後半6分)
サラム・シャキル(後半16分)

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 6.0 イラクのシュートは多くはなかったが、2回のセーブで0点でに抑えた。
DF 長友佑都 5.5 体の小ささからくる弱点も感じたが、素晴らしいスタミナで試合終了直前まで攻撃参加ししっかり戻る守備でスプリントをみせるなどカバーした。
DF 森重真人 5.0 守備は安定していたがDFラインのカで見るとボールへの関与が少なく存在感が薄くなっていた。得に左サイドからのパスによる組み立てはあまり成功しているとは言い難い状態だった
DF 吉田麻也 6.0 安定した守備で、攻撃でも惜しいヘディングによるシュート、高いパス精度で組み立てに貢献した
DF 酒井高徳 6.0 前の試合に続き今回もタッチ数が多く日本代表の組み立てのかなりの部分を担った。ここ数試合のDFのパスの起点となっている。
MF 遠藤保仁 7.0 決定的なパスを前半で連発しPKに繋がる形を作り上げた。この試合ではタッチ数も多く試合の流れを作った
MF 香川真司 6.5 遠藤と共に決定的な形をつくり、ボールをもらう側の動きも見せた。
MF 長谷部誠 5.5 守備では機能したがパスミスも目立った。前回に比べるとボールへの関与が少なく、前にボールを運べない状況が多かった
FW 本田圭佑 7.0 PKをもらい自らPKを決めた。ポストやバーに何度も当てるなど決定機を得たがゴールは出来なかった。また、右サイドからの崩しはあまり機能していなかった
FW 岡崎慎司 6.0 献身的な動きで前線を安定させた。香川からのボールに惜しい形もあったが外す。マークがキツイ
FW 乾 貴士 6.5 フィジカルで押される部分はあったがパス成功率は100%を記録
途中出場
MF 今野泰幸 6.5 遠藤の交代として守備的なよさで安定をもたらし遠藤とは違う守備的な良さをみせた。
MF 清武弘嗣 6.0 前戦に入った事で前回に比べ清武のクロスが生きたが、攻撃が右サイドに偏重したためパスがあまりもらえずチームとしては機能しにくかった
監督 アギーレ 5.5 手堅く勝利はした点や、遠藤と今野の交代は以前の交代の仕方に比べてチームが安定するなど後半の時間帯の戦術で改善が見られた。ただ、全体としての完成度は高いとはいえなかった。
試合後、アギーレ監督のコメント

相手がしっかり守ってきて、攻撃に危険な選手を置いていたので、あまり大きな展開のない試合になった。より早い時間に2点目を取っていれば良かったが、それは簡単ではない。

(後半途中から選手を代え、システムを変えた狙いは?)システムは変えていない。中盤の選手たちは頑張っていたが、疲れていたのでリフレッシュしようとした。(練習していたクロスからPKのシーンを迎えたが)今日はクロスを何度かトライして、良い形になって良かった。
(ヨルダン戦は)今日もそうだが、勝ちを狙う。勝ち点を9に伸ばしたい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150116-00301146-gekisaka-socc

日本代表の印象

この試合では決定機があった割にはゴールにつながらなかった。チャンスは十分作れているので組み立てに問題があるとは思えないが、最後の所の微妙な差でゴールを逃すシーンが多く。まだチームとしての調整が完璧ではないが、調整で克服できる可能性は十分に感じさせる内容だった。

試合の総評

安定して勝利したが、良くいっても審判が少し笛を吹きやすいタイプだった点で、全体の試合運びには課題を残した印象。特に不用意なロストした時にどうしても時間を作るため、素早くプレスする必要がある。そこでDFが無理をしてしまうとファールになりFKを誘発しやすい。この試合ではFKがイラクの攻撃の一番の脅威になっていた。かといってプレスしないのがいいとは言えない。従って不用意な攻撃のロストでカウンターをされないようにするか、それともリスクをとってでも攻撃に行くのかを相手や審判に応じてもう少し戦略的に選択できれば

スタッツを一つ二つ

前回に続き酒井からの組み立てが多い。今回は長谷部を前回ほど極端には経由せずに直接香川と本田につなげる形を多用した。その為左サイドが少し物足りないものとなったがそこに遠藤が時折見せる鋭いパスで左サイドの切れ味も残す形になった。

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/556041650338660352/photo/1

シュート数の割りに攻撃が成功していない点も注目に値するスタッツだろう。

Match Centre  Asian Cup

マンオブザマッチは本田

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https://twitter.com/afcasiancup/status/556042581943922689

清武の幅の狭さと香川の仲間を見る目

清武の試合後のコメントが2chで出ていて面白かったので興味深く思った所とかを抜粋。

●清武弘嗣コメント

「どっちかと言うと、(香川)真司くんが常にトップ下にいる感じだったから、真司くんが右と左に両方動いていたので、最初はどこにいればいいのかなと思いながらプレーした」

Q:遠藤選手との関係性は?
「それは臨機応変にやっていたと思う。真司くんが前で動いてくれることで起点はできると思うけど、僕が引いてもよかったのかなと思う。センターバックは相手が引いているからボールを持てるので、僕が引いてもあまり意味がないかなと思った」

Q:香川選手と一緒にプレーする機会はザックジャパンではあまりなかったが?
「一緒にプレーしたら真司くんを生かしてあげればいいかなと思うし、紅白戦でやっているので。下がって受けて、散らしてという風にやれればいいかなと思ってやっていた」

Q:個人的によかったところは?
「そんなにないです。もうちょっとできると思うし、もっとリズムよくやれればよかった。ちょっと難しかった」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150112-00000037-ism-socc

個人的に思った事

遠藤が上手くできていた事を考えると清武個人のプレーの幅の狭さが際立ってしまった。今の清武にボランチ的な動きは無理だったのかもしれない。ただ、タッチ数のところでも話したように遠藤はプレーのインパクトと違い、実はタッチ数は清武と同じだけしか触っていない。出場時間数を考えると清武自身のイメージと異なり、実は清武は遠藤よりボールに強く関与していたと言う事になる。また清武と遠藤を両方足すと若干香川より多いタッチ数となるので、遠藤は香川よりオフザボールの動きが多く、清武は香川よりボールを持った動きかなり多かったと言う事になる。これは清武のイメージと違い実は清武が物凄くボールの周りで動いていた事を意味する。

アジア杯:日本 – パレスチナ 戦 の日本代表タッチ数
選手 タッチ数
酒井 101
長谷部 101
香川 86
本田 71
長友 63
遠藤 46
清武 46
29

同様に香川の方の問題も見えてくる。清武の能力を客観的に見て清武が戸惑ってしまう事が予想できていないという点だ。常に香川がベストと思う選択をしてしまうが、チームメートにはそのイメージが共有できてない事もある。遠藤のようにボランチでもプレーできるしトップ下でもプレーでき経験もあるベテランプレイヤーならば、香川の動きに合わせる事が出来るかもしれないが、清武の場合にはむしろ香川が清武のプレーに合わせないと機能しにくいという事だろう。清武自身もコメントしているように現時点での清武の選択肢では香川にあわせるのが難しいという意識があると言わざるを得ない。そういう意味では香川も味方に合わせて動くというプレーはあまりできないという問題があるといえる。マンUでの香川の浮いた感じなども、その当たりに原因があったのではないだろうか。

アジア杯 日本 vs パレスチナ

日本 4 – 0 パレスチナ
遠藤保仁(前半8分)
岡崎慎司(前半25分)
本田圭佑(前半44分)
吉田麻也(後半4分)
得点
警告 マハジナー(前半46分、後半28分)
アラモール(後半15分)
アル・バハダリ(後半24分)

採点

GK 川島永嗣 6.0 日本の攻撃が多く見せ場は少なかったが、素晴らしい飛び出しでカウンターを防ぐなど無失点に抑えた
DF 長友佑都 6.0 攻撃は物足りなかったが、しっかりと戻り最近の代表の試合ではベストに近い守備を見せた
DF 森重真人 5.5 安定した守備を見せた
DF 酒井高徳 6.0 DFラインで一番のタッチ数。DFからの攻撃の組み立てに貢献したが、一部不用意なミスもあった
DF 吉田麻也 7.0 素晴らしいヘッドで1ゴール。更に守備ではクリーンシートに貢献した
MF 遠藤保仁 7.5 試合の流れを作る先制点を含め完全に試合をコントロールした
MF 香川真司 8.0 2アシストとPKになるファールを取るなど3得点に絡み、決定機をほぼ全て演出した
MF 長谷部誠 7.0 マークの厳しい主要メンバーの間を縫うようにボールをもらいチームNo1のタッチ数を記録、酒井とともにボールを運ぶ裏方を見事にこなした。守備でもカウンターを防ぐ素晴らしい守備と安定したプレーを見せた
FW 本田圭佑 6.5 PKで1ゴール。それ以外も安定したプレーをしたが、本来の本田からすればコンディションは完璧とは言い難い状態だった
FW 岡崎慎司 7.0 素晴らしい反応で1ゴール。前線でボールをロストしにくく攻守にわたってチームを安定させた
FW 乾 貴士 6.5 1点目の遠藤への素晴らしいパスで先制点を演出した
途中出場
FW 武藤嘉紀 5.5 持ち味のドリブルや強引なシュートなどが影を潜めていた
FW 豊田陽平 5.0 交代して入った頃には相手ボールの時間も増えており不運な面もあったがチャンスを生かせなかった
FW 清武弘嗣 5.0 遠藤の代わりとなる事はできなかった。
監督 アギーレ 6.5 大事な初戦で安定したゲームを展開し勝利をもたらした。後半にメンバーを交代させた所まではほぼ完璧な試合展開を見せたが、相手に退場者が出て数的有利を作った後の日本代表はあまり機能しておらず交代メンバーで構成するチームに不安要素を残した。
試合後、アギーレ監督のコメントから気になった所だけ

――満足できるのは勝てたことと勝ち点3を取れたことということだが、攻撃面での連携についてはどうか?(田村修一/フリーランス)

アギーレ 今日のパレスチナはしっかりと守備ができていたと思う。時間帯によって、形がまったく崩れずにプレッシャーをかけながら守ることができていた。インテンシティー(プレー強度)のある、戦えるチームだった。われわれに欠けていたのは、前半はスピードだったかもしれない。後半はミドルシュートだった。1本、2本、アンラッキーなミドルがあったが、そういったところももう少しトレーニングしないといけない。

これは個人的にも思ったけど、パレスチナの守備はけして悪くはなかった。1点目は立ち上がりの隙を突く狡猾なゴールで、2点目は運もあったし、3点目はPKとならなくてもおかしくはなかった。4点目は綺麗なゴールだったが、既に3失点しているパレスチナにどこまで意欲が残っていたかというと怪しい。それにもかかわらず10人になってからも守備をし続けた気持ちの強いチームだという印象。

アギーレ 日本とパレスチナの間に差があったように思われるかもしれないが、難しいゲームだった。彼らは中国やウズベキスタンと親善試合をしているが、中国には引き分け(2014年12月21日、0−0)、ウズベキスタンには1失点しか与えなかった(14年12月13日、0−1)。決して弱いチームではない相手に、これだけのスコアを挙げるのは簡単ではない。

これも日本では勘違いされてそうな点を言及している。備考として最近のパレスチナの試合の結果を調べてみた。FIFAのページの情報では下のように、サウジに0-2、中国に0-0、ウズベキスタンに0-1と最近はそれなりの試合をしている。実はそこまでの弱小国ではない。

パレスチナの最近の試合
パレスチナ 0-2 サウジ
パレスチナ 0-1 ウズベキスタン
パレスチナ 0-0 中国

Palestine- Fixtures and Results - FIFA.com
http://www.fifa.com/associations/association=ple/fixturesresults/gender=m/index.html

日本代表の印象

主に遠藤の経験値に頼った試合展開だったと言う点で遠藤を交代した後半のチーム構成に問題点を感じた。厳しいマークが予想された香川は意外と普通にプレーできており、特に香川はタッチ数も多く攻守に渡り決定的な仕事をし3ゴールに絡むなど違いを見せたが、後半に相手チームが一人退場し数的に有利な場面でも遠藤が交代してしまうとチームが機能しなくなったのは注目に値する。遠藤が抜けると、香川、本田、長谷部、清武などのゲームを作れる選手がいる状態でも試合の流れをどうするかという全体像が失われてしまい無駄に攻め急いだり、攻撃できそうな場面でも溜めてしまうなど、試合の流れとしては悪くなってしまっていた。ここは遠藤の年齢を考えると大きな課題といわざるを得ない。

試合の総評

開始直後の相手チームの運動量を安定したプレーでいなし、ベテランの遠藤が上手く機能し先制点を上げるなどチームの経験値での違いを見せた。メンバーを上手く温存する形で交代している点も今後の体調面では有利に働きそうな試合の流れにする事ができた。ほぼ日本のプランどおりの展開だったのではないだろうか。

スタッツを一つ二つ

今回はAFCアジア杯の公式ページがあるので詳しくスタッツを見る事ができる。まずは試合全体のスタッツを適当に

Sports Centre  OptaSports Centre  Opta(1)Sports Centre  Opta(2)Sports Centre  Opta(3)

特に個人的に興味を引かれたスタッツ

いつもの遠藤ではなく酒井と長谷部のタッチ数が多く、右サイドによる組み立てで試合を作っており、更に前の選手では香川が多く、遠藤が意外と触っていないと言う点はかなり試合を見た直感とは違う数値なのではないだろうか。確かにいつもは遠藤のタッチ数が多いのだがこの試合では少ない。にも拘らず後半遠藤が抜けるとゲーム展開が変わったと言うのは興味深い点だと思う。遠藤の試合コントロールというのは必ずしもボールに触る事だけではなく、オフザボールの動きコミュニケーション、メンタル的なものが相当にあるようだ。

アジア杯:日本 – パレスチナ 戦 の日本代表タッチ数
選手 タッチ数
酒井 101
長谷部 101
香川 86
本田 71
長友 63
遠藤 46
清武 46
29

http://www.afcasiancup.com/match-centre/en/

アジア杯2015の日本代表メンバー23人

AFCアジアカップ2015日本代表メンバー23人

■GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
東口順昭(G大阪)
西川周作(浦和)

■DF
長友佑都(インテル)
森重真人(F東京)
太田宏介(F東京)
内田篤人(シャルケ)
吉田麻也(サウサンプトン)
塩谷司(広島)
酒井高徳(シュツットガルト)
昌子源(鹿島)

■MF
遠藤保仁(G大阪)
今野泰幸(G大阪)
長谷部誠(フランクフルト)
香川真司(ドルトムント)
清武弘嗣(ハノーファー)
柴崎岳(鹿島)

■FW
豊田陽平(鳥栖)
岡崎慎司(マインツ)
本田圭佑(ミラン)
小林悠(川崎F)
乾貴士(フランクフルト)
武藤嘉紀(F東京)

どうしても気になる宇佐美が選ばれない謎

一体、宇佐美がサッカー協会に対して何をしたのかは分からないが、何故か日本代表に選ばれない。どうしょうもなく選ばれない。FWの中で見ても、小林や豊田、武藤あたりと宇佐美は十分張り合える成績と能力があると思われるが、何故か選ばれない。FWの選考をみると、今までの実績からして本田や岡崎が選ばれるのは分かる。また豊田はポストプレーや高さ対策を考えると他に対抗できそうなのが今リーグでは不調と思われるハーフナーマイクくらいしかいないので割りと分かりやすい。リーグでも割と好調でドリブル枠で選ばれる乾も分かりやすいが、乾ですら乾の代わりに宇佐美が選ばれたとしても全く違和感はない程度には宇佐美の安定感がある事も事実。武藤が若手&スポンサー枠だとして、小林は一体・・・若手枠でもないという。

アジア杯の日本代表戦日程

NHK BS1の放送日程

1月12日(月・祝)03:00 日本×パレスチナ/BS1
※テレビ朝日系列の放送開始時間は未定
1月16日(金)05:00 日本×イラク/BS1
※テレビ朝日系列の放送開始時間は未定
1月20日(火)05:00 日本×ヨルダン/BS1
※テレビ朝日系列の放送開始時間は未定

1月22日(木)04:15 準々決勝(A組1位×B組2位)/BS1
1月22日(木)07:15 準々決勝(B組1位×A組2位)/BS1
1月23日(金)03:15 準々決勝(C組1位×D組2位)/BS1
1月23日(金)06:15 準々決勝(D組1位×C組2位)/BS1
1月26日(月)05:45 準決勝/BS1
1月27日(火)05:45 準決勝/BS1
1月30日(金)05:45 3位決定戦/BS1
1月31日(土)05:30 決勝/BS1

参考

NHKがアジア杯の放送スケジュールを発表…BS1で20試合を生中継 – サッカーキング
http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20141227/262434.html