「ACミラン」タグアーカイブ

ミランの不調と監督の勝敗

順位が飲み悩み、インザーギ解任の話が出るなど迷走するミランだが、2chで見かけた監督別の戦績をみると、個人的にはちょっと冷静考えてみる必要があるように思う。見かけた戦績というのはこれ。

165名無しさん@恐縮です2015/01/19(月) 23:24:03.98ID:bvUrc/lJ0.net
(昨シーズン)
アッレグリ
19試合 5勝7分7敗 勝ち点22
セードルフ
19試合 11勝2分6敗  勝ち点35

(今シーズン)
インザーギ
19試合 6勝8分5敗 勝ち点26

http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1421668891/

一見するとイメージと違いおや?っと思う人が多いのではないだろうか。ただ2chのデータなので実際どうなのか調べてみた。中々都合のいいデータが見つからなかったので少々怪しいかもしれないが Wikipedia で見てみるとミランの最近の監督の勝敗は大体こんな感じらしい。

Manager Season P W D L GF GA Win%
ザッケローニ Total 125 54 44 27 212 155 43.20
レオナルド 2009-10 48 23 13 12 72 55 47.92
アッレグリ 2013-14 27 8 11 8 43 36 29.63
セードルフ 2014 22 11 2 9 28 26 50.00
インザーギ 2014-15 32 11 12 9 46 39 34.38

勝敗で見てみると実に分かりやすい。セードルフは最後の方では本田を干していたが、勝敗に関してはむしろ強豪といっていいほどの成果といえるのではないだろうか。それにも拘らず酷評されて解任となったわけだが、その後任のインザーギもアッレグリよりは大分マシだ。そしてセードルフもインザーギもどちらも監督としては新人1年目の監督だという事を考えると、不調に入ってからのミランではまともな選手の加入もなく10年近く監督をしているアッレグリを上回る成績を残しているともいえるわけで必ずしも酷い成績とはいえない。そもそもミランの場合は純粋に戦力が足りないのではないだろうか。こうしてみると、実はミランで勝っている監督というのはアンチェロッティの勝率 56.67% だけで、それ以前は1995-1996年のカペッロ(勝率 57.03% )まで溯らなければいけない。おまけとして、アンチェロッティとカッペロの間では唯一見るべきシーズンを監督しているザッケローニの成績もいれてみたが、通算ではそれ程いい勝率ではない。次の監督の候補としてミハイロヴィッチ監督が上がっているようだ。

ミラノの監督は老ける? サンプ指揮官「インザーギは白髪が増えた」

ミランについては、「我々を苦しめるであろう選手がいる。士気も高く、簡単にはいかないだろう」と警戒心を示し、「友人のインザーギは批判されながらも、必死に耐えてきた。開幕のときに比べて、彼は白髪が増えたはずだ」と、度々解任説が浮上するインザーギ監督の苦労を語った。  さらに、11日に行われたヴェローナ戦で6試合ぶりの勝利を収め暫定8位に浮上したものの、ミラン同様に苦戦するインテルも引き合いに出し、「これは監督の宿命なんだ。まあ私ではなく、ミラノの監督たちのことだが。インザーギ、(ロベルト・)マンチーニ…私は、20歳若くなったと感じているし、老けることも恐れていないよ」と冗談交じりに話している。  一方で、ミハイロヴィッチ監督は今シーズン限りでの退団が噂されており、ミランも獲得に動くとの見方が強まっている。

http://mainichi.jp/sports/soccer/soccerking/archive/2015/04/12/301316.html

インザーギ監督

結論としては大体ガッリアーニが悪い

では何故セードルフは解任となったのだろうか?本当かどうか知らないが面白そうなネタがあった

 セードルフの契約期間は2年半。年俸は300万ユーロ(約4億2000万円)。今季までで解任となると2年間分、8億4000万円もの違約金を支払う義務が生じるのだが、それでも解任に踏み切る理由はどこにあるのか。

 これにはミランの内紛が大きく関係している。順を追って見ていこう。

どうやらミランの中には内紛があるようだ。そして読んでいくと、記事の雰囲気からは大体ガッリアーニが悪いという結論になりそうだ。

止まぬ権力争い、ミラン内紛は泥沼化。確定的なセードルフ解任と本田に待ち受ける厳しい未来
http://www.footballchannel.jp/2014/04/24/post37624/
不振のミランにセードルフ氏が電撃復帰か…モンテッラ監督とも交渉へ
http://www.soccer-king.jp/news/world/ita/20150304/287114.html

本田評から浮かび上がるミランOBの人柄

DNA #champions #acmilan #ucl #weareacmilan #thebest #milan #rossoneri

  • コスタクルタ 「本田は(質が落ちた)セリエAでプレーできる水準の選手ではない」
    http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/wfootball/2014/05/15/ob/index.php
  • パオロ・マルディーニ「あくまでも比べる対象の問題」「すべてが“サッカー史上屈指”のプレイヤーたちなのだからね。彼らの次元に達することは本田に限らず、誰にとっても至難の業だ。したがって、“到達できるか否か”を問うこと自体が酷なんだと思う。」
    http://www.footballchannel.jp/2014/05/01/post38706/
  • ボバン「私はどちらかというとFWに近いタイプと見ている」
    http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/01/22/kiji/K20140122007432240.html
  • ガットゥーゾ「半年後、つまり来季の開幕から数試合で本田がどういったプレーをみせるか。俺はそこに注目したいと思ってるよ」 http://www.footballchannel.jp/2014/04/30/post38557/2/

最近の活躍でミランOBのコメントで掌返しという意味で2chで面白おかしく取り扱われている部分があるが、インタビューを全文見てみると非常に面白い。確かに部分的には掌返しをしていたり間違っていた点もあったが、さりげない一言に素晴らしい慧眼潜んでいる。ガットゥーゾは活躍する時期までほぼ当てている点で、コンディションの波などを管理する能力に非常に長けているが見て取れる。またボバンも掌返し扱いされているが、よく見ると得点を量産している今シーズンの本田にぴったりとあう、ポジションの適正についての話をしている。同じポジションについての話ではマルディーニは「“今日的な”、つまり“モダンな”トレクアルティスタとしての特性、または純然たるFWとしての才能を彼が備えているとは思わない。“ウイング”については言うまでもない。」と行っており、古いトップ下のイメージで本田を見ているようだ。ただしコンディションに対してはマルディーニも「W杯後は休んで十分にコンディションを整える。そして来季、最もその才能をムリなく発揮できる場所を与えてくれる監督の下でプレーし、一つひとつの試合に全力を尽くすことで本田は評価を確実に上げてみせるだろう」とほぼ正確な予測をしている。イタリア人はコンディションを読むのに長けているのかもしれない。全体にみるとマルディーニは完璧主義者なのだろう基本的に非常に高い水準を望んでおりそこには本田が到達できないとも思っているよである。また同様に非常に高い水準を望んでいるコスタクルタも同時に本田への助言としてこうも言っている「どれだけ激しいブーイングを浴びようとも、どれほど辛辣な批判に晒されようとも意に介すな、と。選手は失敗を重ねた分だけうまくなる。」自ら辛辣な批判をしつつも同時にセリエで失敗しプレミアで成功したアンリを例に挙げ沢山の失敗をして、失敗から学べば上手く行くという話をしている。

個人的に気になった話

イタリアのスポーツ紙ガゼッタによると「妻と息子、犬とともにモンテナポレオーネ通りから徒歩数分のファッションの中心地に住む。今シーズンは新たな理学療法士を日本から連れてきて、得点王になるために生まれ変わってきた」としており、ミランやイタリア任せにしたのでは難しいと見たのか日本から自ら連れて来た理学療法士らしい事が分かる。本田のコンディション復調と大きく関係があるのではないだろうか。

ヴェローナ戦3-1 本田2得点

ヴェローナ相手に、敵地で本田2得点でミランが勝利。この2得点により、現在の本田がセリエA得点ランキングトップタイ。以前紹介したように、少し前に既に得点ランキングでは首位に立っていたが、この試合でも2得点決めた事でトップを維持した形になった。

Marcatori - legaseriea.it

本田1点目

19日に行われたセリエA第7節、エラス・ヴェローナ対ミランの一戦は、3-1でアウェーのミランが勝利を収めた。MF本田圭佑は先発出場し、85分までのプレーで2得点。今季のゴール数を6とし、得点ランク首位タイに立つなど好調を維持している。

http://www.goal.com/jp/match/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8A-vs-%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%B3/1836227/report

試合ハイライト


https://www.youtube.com/watch?v=pXV9FR8e8dk

この試合も全体を通してかなり攻められており、これがインザーギの戦術的な作戦なのかは分からない。意図的に相手にボールを渡しカウンターを狙っていたのか、それとも本当にMFがボールをコントロールできなかったのかは分からないが、いずれにしてもインザーギの采配はほぼ的中して勝利に結びついており、ファンの間では不評だった交代策も今の厚いとはいえないミランの選手層を考えれば、次の試合に向けた温存やターンオーバーの作戦としてはほぼ完璧だったとすら思う。個人的には選手の活躍も勿論あるが、以前も書いたように、あの状態からほとんど選手の補強なく元々いた選手などを上手くやりくりして、ここまでまとめてきたインザーギの監督としての手腕は今後も注目に値するだろう。

honda
https://twitter.com/Milanello/status/523862795503153152