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ミラン監督インザーギ解任

 ミランは同日、フィリッポ・インザーギ監督の解任も発表。プリマヴェーラ(下部組織)の指揮官を務めていたインザーギ監督は、今シーズンからトップチームの監督に昇格。2016年6月30日までの2年契約を結んでいたが、リーグ戦13勝13分け12敗の10位と、昨シーズンの8位を下回る順位で終え、欧州カップ戦出場権を逃した。インザーギ監督にとってセリエAでの初挑戦は期待を大きく裏切る結果に終わり、本人は続投を強く願いながらも、来シーズンのプロジェクトにないことを告げられた。

http://www.soccer-king.jp/news/world/ita/20150616/319042.html

個人的には同じく解任されたセードルフ同様それほど悪い監督には思えなかったが、インザーギも解任。ここで前回出したミランの最近の監督の勝率をもう一度見てみよう。

Manager Season P W D L GF GA Win%
ザッケローニ Total 125 54 44 27 212 155 43.20
レオナルド 2009-10 48 23 13 12 72 55 47.92
アッレグリ 2013-14 27 8 11 8 43 36 29.63
セードルフ 2014 22 11 2 9 28 26 50.00
インザーギ 2014-15 32 11 12 9 46 39 34.38

この時から少し試合数をかさねていて、インザーギの勝敗を更新すると下のように。

インザーギ 2014-15 40 14 13 13 58 52 35.00

結果的にはインザーギ監督では勝率35%といまひとつ。解任直前のアレッグリよりはマシといった所。ただ、元々セリエAで監督経験があったわけではないインザーギを連れてきて監督にしたのだから、まあ監督としてはまだ経験不足だったのかもしれない。あと今のミランは選手もそれほどいいとは言えず、移籍にかけるお金もなかったようなのである意味仕方がなかったのかも。監督としては序盤にかなり上手く機能していてホンダを復活させていたので、そんなに悪いとも思わなかったが結果は出なかったようだ。

ミランの不調と監督の勝敗

順位が飲み悩み、インザーギ解任の話が出るなど迷走するミランだが、2chで見かけた監督別の戦績をみると、個人的にはちょっと冷静考えてみる必要があるように思う。見かけた戦績というのはこれ。

165名無しさん@恐縮です2015/01/19(月) 23:24:03.98ID:bvUrc/lJ0.net
(昨シーズン)
アッレグリ
19試合 5勝7分7敗 勝ち点22
セードルフ
19試合 11勝2分6敗  勝ち点35

(今シーズン)
インザーギ
19試合 6勝8分5敗 勝ち点26

http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1421668891/

一見するとイメージと違いおや?っと思う人が多いのではないだろうか。ただ2chのデータなので実際どうなのか調べてみた。中々都合のいいデータが見つからなかったので少々怪しいかもしれないが Wikipedia で見てみるとミランの最近の監督の勝敗は大体こんな感じらしい。

Manager Season P W D L GF GA Win%
ザッケローニ Total 125 54 44 27 212 155 43.20
レオナルド 2009-10 48 23 13 12 72 55 47.92
アッレグリ 2013-14 27 8 11 8 43 36 29.63
セードルフ 2014 22 11 2 9 28 26 50.00
インザーギ 2014-15 32 11 12 9 46 39 34.38

勝敗で見てみると実に分かりやすい。セードルフは最後の方では本田を干していたが、勝敗に関してはむしろ強豪といっていいほどの成果といえるのではないだろうか。それにも拘らず酷評されて解任となったわけだが、その後任のインザーギもアッレグリよりは大分マシだ。そしてセードルフもインザーギもどちらも監督としては新人1年目の監督だという事を考えると、不調に入ってからのミランではまともな選手の加入もなく10年近く監督をしているアッレグリを上回る成績を残しているともいえるわけで必ずしも酷い成績とはいえない。そもそもミランの場合は純粋に戦力が足りないのではないだろうか。こうしてみると、実はミランで勝っている監督というのはアンチェロッティの勝率 56.67% だけで、それ以前は1995-1996年のカペッロ(勝率 57.03% )まで溯らなければいけない。おまけとして、アンチェロッティとカッペロの間では唯一見るべきシーズンを監督しているザッケローニの成績もいれてみたが、通算ではそれ程いい勝率ではない。次の監督の候補としてミハイロヴィッチ監督が上がっているようだ。

ミラノの監督は老ける? サンプ指揮官「インザーギは白髪が増えた」

ミランについては、「我々を苦しめるであろう選手がいる。士気も高く、簡単にはいかないだろう」と警戒心を示し、「友人のインザーギは批判されながらも、必死に耐えてきた。開幕のときに比べて、彼は白髪が増えたはずだ」と、度々解任説が浮上するインザーギ監督の苦労を語った。  さらに、11日に行われたヴェローナ戦で6試合ぶりの勝利を収め暫定8位に浮上したものの、ミラン同様に苦戦するインテルも引き合いに出し、「これは監督の宿命なんだ。まあ私ではなく、ミラノの監督たちのことだが。インザーギ、(ロベルト・)マンチーニ…私は、20歳若くなったと感じているし、老けることも恐れていないよ」と冗談交じりに話している。  一方で、ミハイロヴィッチ監督は今シーズン限りでの退団が噂されており、ミランも獲得に動くとの見方が強まっている。

http://mainichi.jp/sports/soccer/soccerking/archive/2015/04/12/301316.html

インザーギ監督

結論としては大体ガッリアーニが悪い

では何故セードルフは解任となったのだろうか?本当かどうか知らないが面白そうなネタがあった

 セードルフの契約期間は2年半。年俸は300万ユーロ(約4億2000万円)。今季までで解任となると2年間分、8億4000万円もの違約金を支払う義務が生じるのだが、それでも解任に踏み切る理由はどこにあるのか。

 これにはミランの内紛が大きく関係している。順を追って見ていこう。

どうやらミランの中には内紛があるようだ。そして読んでいくと、記事の雰囲気からは大体ガッリアーニが悪いという結論になりそうだ。

止まぬ権力争い、ミラン内紛は泥沼化。確定的なセードルフ解任と本田に待ち受ける厳しい未来
http://www.footballchannel.jp/2014/04/24/post37624/
不振のミランにセードルフ氏が電撃復帰か…モンテッラ監督とも交渉へ
http://www.soccer-king.jp/news/world/ita/20150304/287114.html

ヴェローナ戦3-1 本田2得点

ヴェローナ相手に、敵地で本田2得点でミランが勝利。この2得点により、現在の本田がセリエA得点ランキングトップタイ。以前紹介したように、少し前に既に得点ランキングでは首位に立っていたが、この試合でも2得点決めた事でトップを維持した形になった。

Marcatori - legaseriea.it

本田1点目

19日に行われたセリエA第7節、エラス・ヴェローナ対ミランの一戦は、3-1でアウェーのミランが勝利を収めた。MF本田圭佑は先発出場し、85分までのプレーで2得点。今季のゴール数を6とし、得点ランク首位タイに立つなど好調を維持している。

http://www.goal.com/jp/match/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8A-vs-%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%B3/1836227/report

試合ハイライト


https://www.youtube.com/watch?v=pXV9FR8e8dk

この試合も全体を通してかなり攻められており、これがインザーギの戦術的な作戦なのかは分からない。意図的に相手にボールを渡しカウンターを狙っていたのか、それとも本当にMFがボールをコントロールできなかったのかは分からないが、いずれにしてもインザーギの采配はほぼ的中して勝利に結びついており、ファンの間では不評だった交代策も今の厚いとはいえないミランの選手層を考えれば、次の試合に向けた温存やターンオーバーの作戦としてはほぼ完璧だったとすら思う。個人的には選手の活躍も勿論あるが、以前も書いたように、あの状態からほとんど選手の補強なく元々いた選手などを上手くやりくりして、ここまでまとめてきたインザーギの監督としての手腕は今後も注目に値するだろう。

honda
https://twitter.com/Milanello/status/523862795503153152

ミラン開幕戦勝利:「インザーギから漂う名将の雰囲気」

昨シーズン散々な結果に終わり、最近のミランの順位の落ち込みは、あの名門ミランが・・・と思わせるような酷い状態になっている。勿論そこに加入したわけだから本田も簡単ではないことは分かっていたが、予想以上に苦戦した前シーズンとなってしまった。まあ本田に関してはロシア後半からスタッツはかなり全面的に数値が落ち込み酷いコンディションだという事は容易に想像できたので仕方がない面もあるとは思う。今年はそこに新監督としてインザーギを迎えての開幕戦となったが、その試合を見たら確かにミランのDNAが復活しつつあるような驚きがあった。そして何より本田がゴールを決めた。

インザーギから漂う名称の雰囲気

同監督は前日会見で、次のように語った。イタリア『スカイ・スポーツ』が伝えている。

「とても興奮しているよ。このチームを2カ月率いてきて、選手たちはミランのDNAを取り戻したと言える。毎日努力して仕事をする意欲を取り戻した。それで十分かは分からない。だが、出発点として良い土台だ」
「私はとても自信を感じている。チームは自分たちのクオリティーにあまり自信を持てていなかったし、うまく仕事をするのが難しかったよ。だが、今は良い仕事をしている。私は落ち着いているよ」

http://www.goal.com/jp/news/1867/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2/2014/08/31/5072266/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%AFdna%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%88%BB%E3%81%97%E3%81%9F?ICID=HP_PN_10

インザーギの発言は「試合の前日会見」である所が注目に値すると思う。少なくともこの試合に関しては、ある程度目処が付いていたのではないかと思えるからだ。そして試合を見て思ったのは去年に比べて格段に守備が安定していると言う点だ。現役時代も本能で点を取るとか日本ではよく言われていたけど、個人的には恐ろしく頭脳派だと思っていたのでそれほど不思議でもないが、攻撃面ではなく守備固めのラインコントロールやボランチの所から固めていて、しかもそれが機能していたのには驚いた。まあミランといえば昔からゾーンプレスで、コンパクトなサッカーで世界を席捲したチームなのでよく考えれば当たり前なのかもしれないが、個人的にはまず点取り屋だけに攻撃面からかなという気がどこかでしていたので、そこには意外性を感じた。そしてあの資金不足に苦しみ選手が揃えれないミランを僅かな時間でここまで守備を立て直したと言う手腕に驚きもある。若干気になるのは交代選手の層がまだ薄い気がする点だが流石にメンバー不足はいたし方がない所だろう。

開幕戦のゴールを決めた本田の一言

「この試合の前はすごくナーバスでした。昨季は難しいシーズンでしたしね。だから満足していますよ。監督からは、ハードワークとプロフェッショナルであることが必要だと言われました。アタッカーとしてプレーするためのトリックをたくさん監督が教えてくれているんです」

http://www.goal.com/jp/news/1867/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2/2014/09/01/5074668/%E9%96%8B%E5%B9%95%E6%88%A6%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%9C%AC%E7%94%B0-%E6%BA%80%E8%B6%B3%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B?ICID=AR_RA_2

本田の一言で注目すべき点は「アタッカーとしてプレーするためのトリックをたくさん監督が教えてくれているんです」と言う点だ。既に前のことなので知らない人も多いかもしれないけど今のミラン監督のインザーギというのは現役時代はFWの選手で欧州カップ戦でも史上最多の70得点を記録するなどゴールを量産したストライカーだった。しかもかなり特徴のある面白いFWだったと言っていいだろう。まず、ボールの扱いが飛びぬけて上手かったり、足が速かったり、加速がずば抜けていたり、体が強かったり、背が高くとかそういう身体的にずば抜けた優位性のある選手ではなく、しかも、相手の裏に抜けでたり、こぼれ球に反応したり、体のどこかに当ててで気づいたらゴールを量産しているというような本当にゴールを取る事に特化したような選手だったのだ。ヨハン・クライフは「彼はサッカーをまったくしていない。ただ常に的を射た場所にいるだけだ」といい、ゲルト・ミュラーは「彼がしている事の全てはゴールを決めることだ」とのコメントを残している。しかし、今のフィジカルコンディションに苦しむ本田にはこれほどいい指導者はいないのではないかとふと思った。