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実は欧州最高クラスのクロッサーを擁する日本代表

最近の投稿で清武の課題とかについて結構書いたので、逆に良い所や清武の生きる戦術とかについても少し言及したい。まず下の少し前のニュース記事を見て欲しい。

イギリスメディア『Who Scored.com』が「ヨーロッパでのトップクロッサーは?」という特集を組み、ニュルンベルク所属の日本代表MF清武弘嗣が見事ナンバーワンに選ばれた。

 同メディアでは、今シーズンの欧州トップリーグ所属の選手を対象に調査。今シーズン7試合以上のリーグ戦に出場し、1試合あたり2本以上のクロスを試みた選手24名をピックアップし、さらにクロスのチャレンジ回数と成功率がともに全体平均を上回っている選手を選出した。

 清武、エヴァートンのイングランド代表DFレイトン・ベインズ、ハノーファーの元ハンガリー代表MFサボルチュ・フスティ、マラガの元スペイン代表MFホアキン・サンチェス、レディングの元イングランド代表DFニッキー・ショーリーの5名が選ばれ、頻度と精度が突出していたのが清武とベインズの2選手。そしてクロスからのアシストが1本のベインズに対し、清武が5本を記録しているため、清武がトップクロッサーに選ばれた。

http://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20121127/83169.html

そう、少し前のことだが欧州のトップクロッサーとして実は清武がナンバーワンに選ばれている。欧州で最高という所がポイントで、多少過剰な評価と見る人もいるかもしれないが、ナンバーワンといわなくても清武のクロスは世界で見ても上位争いを出来るレベルにある事は誰も否定しないだろう。日本は中でクロスにあわせるプレーは少ないが、実はFWにタワーをそろえさえすれば清武による放り込み戦術を採用しても恐らくアジアならそれなりに戦えるチームにはなれると思う。今より強いかと言うと弱いかもしれないがオプションの一つとしては十分な候補になりえるだろう。例えば今いるメンバーでも豊田を使って守備的な戦術からの少数でのカウンターでの放り込みやポストプレーなんかをやらせても今の代表とは全く違う方向性だがパワープレーのような事ができるだろう。事実清武はブンデスでそういうクロス要員として、この記事は2012年だがその後の2013年頃にはブンデスのアシストランクでトップだった事もあるなど、ハイボールやセットプレーからのアシスト数はブンデスでも屈指の選手になっている。

2012_11_Top-Crossers
2012_11_Cross-Graph

Player Focus: Special Delivery – Europe’s Top Crossers
http://www.whoscored.com/Articles/keu5a1w86uk8pgay-ep0jw

日本代表に求められる戦術の幅

今の日本代表は実際いい選手は沢山いる。ただ、それぞれの選手が得意としている戦術が必ずしも同じではない。例えば今書いたように清武はクロスが上手いが、代表選考で闘莉王、栗原など攻守に空中戦に強いメンバーは選ばれていない。居るのはサブの豊田くらいだろう。仮に栗原をサブで入れておいてセットプレーで利用するとか、限定的な状況下では欲しくなる引き出しが今の日本は少ない気がする。

現状の日本代表の場合、左サイドは後ろからあがってくる長友のクロスが武器で、SBをつかってクロスをあげる形を多用する。長友の上がりを待つのか、清武のクロスにするのか、それとも乾や香川のようにドリブルやショートパスで崩すのか、どの選択もあるはずだが長く日本代表ではSBを待ってサイドの裏にボールを出して長友が上げる形をほんとの場合に選んでいる。長友も苦しいのは毎回同じパターンで長友が使われれば相手も対策してくるし成功率が落ちてくる。選択肢の一つになるならば十分驚異的な攻撃なのだが毎回やっては読まれてしまう。もっと悪いのはクロスを上げても中にいる香川はヘッドが下手だし、本田も特別ヘッドが強いわけでもない。もし長友が上がった所で清武がクロスをあげた場合、今度は長友の強みも消えてしまう。しかも SB が上がった所でロストしたら裏が危ない。その状態で勝率の低い選手が中にいる所にクロスをあげるわけだ。だから清武もクロスが上げにくいのは間違いない。酷いときには清武はショートパスばかり崩そうとして、頑なにクロスを入れない。欧州屈指のクロスが得意な選手なのにだ!ザッケローニ時代から同じ事が続いているが、正直に言って選手の個性がかみ合っているとは言い難い。日本代表が相手に応じてうまく戦術を微調整できるレベルになればそれぞれの選手の強みが生きるのではないかと。日本代表は現在のメンバーでも戦術を使い分けれる個性は十分に備えている。

アジア杯 日本VSイラク

日本 イラク
本田圭佑(前半23分) 得点
清武弘嗣(後半28分)
今野泰幸(後半47分)
警告 アラー・アブドゥル(後半6分)
サラム・シャキル(後半16分)

採点

選手 採点 寸評
GK 川島永嗣 6.0 イラクのシュートは多くはなかったが、2回のセーブで0点でに抑えた。
DF 長友佑都 5.5 体の小ささからくる弱点も感じたが、素晴らしいスタミナで試合終了直前まで攻撃参加ししっかり戻る守備でスプリントをみせるなどカバーした。
DF 森重真人 5.0 守備は安定していたがDFラインのカで見るとボールへの関与が少なく存在感が薄くなっていた。得に左サイドからのパスによる組み立てはあまり成功しているとは言い難い状態だった
DF 吉田麻也 6.0 安定した守備で、攻撃でも惜しいヘディングによるシュート、高いパス精度で組み立てに貢献した
DF 酒井高徳 6.0 前の試合に続き今回もタッチ数が多く日本代表の組み立てのかなりの部分を担った。ここ数試合のDFのパスの起点となっている。
MF 遠藤保仁 7.0 決定的なパスを前半で連発しPKに繋がる形を作り上げた。この試合ではタッチ数も多く試合の流れを作った
MF 香川真司 6.5 遠藤と共に決定的な形をつくり、ボールをもらう側の動きも見せた。
MF 長谷部誠 5.5 守備では機能したがパスミスも目立った。前回に比べるとボールへの関与が少なく、前にボールを運べない状況が多かった
FW 本田圭佑 7.0 PKをもらい自らPKを決めた。ポストやバーに何度も当てるなど決定機を得たがゴールは出来なかった。また、右サイドからの崩しはあまり機能していなかった
FW 岡崎慎司 6.0 献身的な動きで前線を安定させた。香川からのボールに惜しい形もあったが外す。マークがキツイ
FW 乾 貴士 6.5 フィジカルで押される部分はあったがパス成功率は100%を記録
途中出場
MF 今野泰幸 6.5 遠藤の交代として守備的なよさで安定をもたらし遠藤とは違う守備的な良さをみせた。
MF 清武弘嗣 6.0 前戦に入った事で前回に比べ清武のクロスが生きたが、攻撃が右サイドに偏重したためパスがあまりもらえずチームとしては機能しにくかった
監督 アギーレ 5.5 手堅く勝利はした点や、遠藤と今野の交代は以前の交代の仕方に比べてチームが安定するなど後半の時間帯の戦術で改善が見られた。ただ、全体としての完成度は高いとはいえなかった。
試合後、アギーレ監督のコメント

相手がしっかり守ってきて、攻撃に危険な選手を置いていたので、あまり大きな展開のない試合になった。より早い時間に2点目を取っていれば良かったが、それは簡単ではない。

(後半途中から選手を代え、システムを変えた狙いは?)システムは変えていない。中盤の選手たちは頑張っていたが、疲れていたのでリフレッシュしようとした。(練習していたクロスからPKのシーンを迎えたが)今日はクロスを何度かトライして、良い形になって良かった。
(ヨルダン戦は)今日もそうだが、勝ちを狙う。勝ち点を9に伸ばしたい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150116-00301146-gekisaka-socc

日本代表の印象

この試合では決定機があった割にはゴールにつながらなかった。チャンスは十分作れているので組み立てに問題があるとは思えないが、最後の所の微妙な差でゴールを逃すシーンが多く。まだチームとしての調整が完璧ではないが、調整で克服できる可能性は十分に感じさせる内容だった。

試合の総評

安定して勝利したが、良くいっても審判が少し笛を吹きやすいタイプだった点で、全体の試合運びには課題を残した印象。特に不用意なロストした時にどうしても時間を作るため、素早くプレスする必要がある。そこでDFが無理をしてしまうとファールになりFKを誘発しやすい。この試合ではFKがイラクの攻撃の一番の脅威になっていた。かといってプレスしないのがいいとは言えない。従って不用意な攻撃のロストでカウンターをされないようにするか、それともリスクをとってでも攻撃に行くのかを相手や審判に応じてもう少し戦略的に選択できれば

スタッツを一つ二つ

前回に続き酒井からの組み立てが多い。今回は長谷部を前回ほど極端には経由せずに直接香川と本田につなげる形を多用した。その為左サイドが少し物足りないものとなったがそこに遠藤が時折見せる鋭いパスで左サイドの切れ味も残す形になった。

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https://twitter.com/afcasiancup_jp/status/556041650338660352/photo/1

シュート数の割りに攻撃が成功していない点も注目に値するスタッツだろう。

Match Centre  Asian Cup

マンオブザマッチは本田

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https://twitter.com/afcasiancup/status/556042581943922689

香川の謎の腹筋

香川と清武のコンビネーションの話をしらべていた見つけた写真。

@skylanwongが投稿した写真

この写真で思い出したニュース記事

最近、この写真が 2ch などで紹介されていたが、清武と比べてあまりに腹筋の辺りが出ている。凄い腹筋なのか、それとも腰にサポーター的なベルトを巻いているのかわからないが、あまりに出すぎている。それでふと前に見たサッカーダイジェストのWeb版の記事を思い出した。それを下に引用しておくが、簡単にいうと腹筋を鍛えすぎていてバランスが崩れているのではないかという話を「理学療法士」が話していると言う内容で。それも香川が鮮烈なドル復帰ゴールを決めた直後くらいに書かれている記事という点も興味深いと思う。まあ、私にはこの話が事実なのかどうか判断するだけの知識と観察眼がないので、本当はどうなのかは分からないけど。

香川真司は完全復活を遂げたのか――「フィジカル」的側面からパフォーマンスを解析 SOCCER DIGEST Web

 セレッソ時代のプレーを見ても、ドリブラーとしての特長を強く持った選手ですね。当時のJ2では、誰も香川選手のドリブルを止められませんでした。自由自在に背骨を動かし、体幹を丸める・反る動き、切り返しやターンなど左右の動きに加え、緩急を加えた前後の動きにも長けていました。

 それも、ゆったりとしたドリブルから急にトップスピードに持っていくというだけでなく、ある程度スピードに乗った状態からでも、DFに相対したとき、本当に一瞬だけ緩めて、そこからまたスピードを上げる。そういう、前後の緩急の動きが非常にコントロールされていました。

 こうした特長は、少なくともマンチェスター・ユナイテッド時代には失われています。ただ歩いている、ただ走っているだけの映像を見ても、香川選手が高いパフォーマンスを発揮していた時代は肩甲骨がよく動き、肩を前後によく動かして歩いている印象でした。しかし現在は、ほとんど動いていません。腕によって腕を振る、というような動き方です。

 原因はやはり、トレーニング内容にあるのではないかと思います。

 最初のドルトムント時代と、ユナイテッドに加入した頃の上半身とを比較すると、明らかに胸板が厚くなっています。それから、腹筋を鍛えすぎている気がしますね。前側の筋肉を鍛えすぎたことで背中が丸まってしまい、胸椎が後弯(後ろの方向に丸くなってしまう)しています。

 また、腹斜筋を鍛えすぎた結果、肋骨も狭くなっているのではないでしょうか。これら様々な要因が重なった結果、香川選手の特長である前後左右の自在な動きが制限されているように思います。

「セレッソ時代・前ドルトムント時代」と比較すると、ユナイテッド時代から現在までの香川選手は、一歩目が遅いです。「セレッソ時代・前ドルトムント時代」は、切り返しの際の身体の傾きにエッジが効いていて、フェイントを掛けて抜きたい方向に大きく重心が傾けられています。
 しかし腹筋を鍛えすぎて肋骨が広がりづらい状態になると、横方向への動きがやりづらくなります。そのせいで、切り返しが遅くなっているのではないでしょうか。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140919-00010002-sdigestw-socc

清武の幅の狭さと香川の仲間を見る目

清武の試合後のコメントが2chで出ていて面白かったので興味深く思った所とかを抜粋。

●清武弘嗣コメント

「どっちかと言うと、(香川)真司くんが常にトップ下にいる感じだったから、真司くんが右と左に両方動いていたので、最初はどこにいればいいのかなと思いながらプレーした」

Q:遠藤選手との関係性は?
「それは臨機応変にやっていたと思う。真司くんが前で動いてくれることで起点はできると思うけど、僕が引いてもよかったのかなと思う。センターバックは相手が引いているからボールを持てるので、僕が引いてもあまり意味がないかなと思った」

Q:香川選手と一緒にプレーする機会はザックジャパンではあまりなかったが?
「一緒にプレーしたら真司くんを生かしてあげればいいかなと思うし、紅白戦でやっているので。下がって受けて、散らしてという風にやれればいいかなと思ってやっていた」

Q:個人的によかったところは?
「そんなにないです。もうちょっとできると思うし、もっとリズムよくやれればよかった。ちょっと難しかった」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150112-00000037-ism-socc

個人的に思った事

遠藤が上手くできていた事を考えると清武個人のプレーの幅の狭さが際立ってしまった。今の清武にボランチ的な動きは無理だったのかもしれない。ただ、タッチ数のところでも話したように遠藤はプレーのインパクトと違い、実はタッチ数は清武と同じだけしか触っていない。出場時間数を考えると清武自身のイメージと異なり、実は清武は遠藤よりボールに強く関与していたと言う事になる。また清武と遠藤を両方足すと若干香川より多いタッチ数となるので、遠藤は香川よりオフザボールの動きが多く、清武は香川よりボールを持った動きかなり多かったと言う事になる。これは清武のイメージと違い実は清武が物凄くボールの周りで動いていた事を意味する。

アジア杯:日本 – パレスチナ 戦 の日本代表タッチ数
選手 タッチ数
酒井 101
長谷部 101
香川 86
本田 71
長友 63
遠藤 46
清武 46
29

同様に香川の方の問題も見えてくる。清武の能力を客観的に見て清武が戸惑ってしまう事が予想できていないという点だ。常に香川がベストと思う選択をしてしまうが、チームメートにはそのイメージが共有できてない事もある。遠藤のようにボランチでもプレーできるしトップ下でもプレーでき経験もあるベテランプレイヤーならば、香川の動きに合わせる事が出来るかもしれないが、清武の場合にはむしろ香川が清武のプレーに合わせないと機能しにくいという事だろう。清武自身もコメントしているように現時点での清武の選択肢では香川にあわせるのが難しいという意識があると言わざるを得ない。そういう意味では香川も味方に合わせて動くというプレーはあまりできないという問題があるといえる。マンUでの香川の浮いた感じなども、その当たりに原因があったのではないだろうか。

アジア杯 日本 vs パレスチナ

日本 4 – 0 パレスチナ
遠藤保仁(前半8分)
岡崎慎司(前半25分)
本田圭佑(前半44分)
吉田麻也(後半4分)
得点
警告 マハジナー(前半46分、後半28分)
アラモール(後半15分)
アル・バハダリ(後半24分)

採点

GK 川島永嗣 6.0 日本の攻撃が多く見せ場は少なかったが、素晴らしい飛び出しでカウンターを防ぐなど無失点に抑えた
DF 長友佑都 6.0 攻撃は物足りなかったが、しっかりと戻り最近の代表の試合ではベストに近い守備を見せた
DF 森重真人 5.5 安定した守備を見せた
DF 酒井高徳 6.0 DFラインで一番のタッチ数。DFからの攻撃の組み立てに貢献したが、一部不用意なミスもあった
DF 吉田麻也 7.0 素晴らしいヘッドで1ゴール。更に守備ではクリーンシートに貢献した
MF 遠藤保仁 7.5 試合の流れを作る先制点を含め完全に試合をコントロールした
MF 香川真司 8.0 2アシストとPKになるファールを取るなど3得点に絡み、決定機をほぼ全て演出した
MF 長谷部誠 7.0 マークの厳しい主要メンバーの間を縫うようにボールをもらいチームNo1のタッチ数を記録、酒井とともにボールを運ぶ裏方を見事にこなした。守備でもカウンターを防ぐ素晴らしい守備と安定したプレーを見せた
FW 本田圭佑 6.5 PKで1ゴール。それ以外も安定したプレーをしたが、本来の本田からすればコンディションは完璧とは言い難い状態だった
FW 岡崎慎司 7.0 素晴らしい反応で1ゴール。前線でボールをロストしにくく攻守にわたってチームを安定させた
FW 乾 貴士 6.5 1点目の遠藤への素晴らしいパスで先制点を演出した
途中出場
FW 武藤嘉紀 5.5 持ち味のドリブルや強引なシュートなどが影を潜めていた
FW 豊田陽平 5.0 交代して入った頃には相手ボールの時間も増えており不運な面もあったがチャンスを生かせなかった
FW 清武弘嗣 5.0 遠藤の代わりとなる事はできなかった。
監督 アギーレ 6.5 大事な初戦で安定したゲームを展開し勝利をもたらした。後半にメンバーを交代させた所まではほぼ完璧な試合展開を見せたが、相手に退場者が出て数的有利を作った後の日本代表はあまり機能しておらず交代メンバーで構成するチームに不安要素を残した。
試合後、アギーレ監督のコメントから気になった所だけ

――満足できるのは勝てたことと勝ち点3を取れたことということだが、攻撃面での連携についてはどうか?(田村修一/フリーランス)

アギーレ 今日のパレスチナはしっかりと守備ができていたと思う。時間帯によって、形がまったく崩れずにプレッシャーをかけながら守ることができていた。インテンシティー(プレー強度)のある、戦えるチームだった。われわれに欠けていたのは、前半はスピードだったかもしれない。後半はミドルシュートだった。1本、2本、アンラッキーなミドルがあったが、そういったところももう少しトレーニングしないといけない。

これは個人的にも思ったけど、パレスチナの守備はけして悪くはなかった。1点目は立ち上がりの隙を突く狡猾なゴールで、2点目は運もあったし、3点目はPKとならなくてもおかしくはなかった。4点目は綺麗なゴールだったが、既に3失点しているパレスチナにどこまで意欲が残っていたかというと怪しい。それにもかかわらず10人になってからも守備をし続けた気持ちの強いチームだという印象。

アギーレ 日本とパレスチナの間に差があったように思われるかもしれないが、難しいゲームだった。彼らは中国やウズベキスタンと親善試合をしているが、中国には引き分け(2014年12月21日、0−0)、ウズベキスタンには1失点しか与えなかった(14年12月13日、0−1)。決して弱いチームではない相手に、これだけのスコアを挙げるのは簡単ではない。

これも日本では勘違いされてそうな点を言及している。備考として最近のパレスチナの試合の結果を調べてみた。FIFAのページの情報では下のように、サウジに0-2、中国に0-0、ウズベキスタンに0-1と最近はそれなりの試合をしている。実はそこまでの弱小国ではない。

パレスチナの最近の試合
パレスチナ 0-2 サウジ
パレスチナ 0-1 ウズベキスタン
パレスチナ 0-0 中国

Palestine- Fixtures and Results - FIFA.com
http://www.fifa.com/associations/association=ple/fixturesresults/gender=m/index.html

日本代表の印象

主に遠藤の経験値に頼った試合展開だったと言う点で遠藤を交代した後半のチーム構成に問題点を感じた。厳しいマークが予想された香川は意外と普通にプレーできており、特に香川はタッチ数も多く攻守に渡り決定的な仕事をし3ゴールに絡むなど違いを見せたが、後半に相手チームが一人退場し数的に有利な場面でも遠藤が交代してしまうとチームが機能しなくなったのは注目に値する。遠藤が抜けると、香川、本田、長谷部、清武などのゲームを作れる選手がいる状態でも試合の流れをどうするかという全体像が失われてしまい無駄に攻め急いだり、攻撃できそうな場面でも溜めてしまうなど、試合の流れとしては悪くなってしまっていた。ここは遠藤の年齢を考えると大きな課題といわざるを得ない。

試合の総評

開始直後の相手チームの運動量を安定したプレーでいなし、ベテランの遠藤が上手く機能し先制点を上げるなどチームの経験値での違いを見せた。メンバーを上手く温存する形で交代している点も今後の体調面では有利に働きそうな試合の流れにする事ができた。ほぼ日本のプランどおりの展開だったのではないだろうか。

スタッツを一つ二つ

今回はAFCアジア杯の公式ページがあるので詳しくスタッツを見る事ができる。まずは試合全体のスタッツを適当に

Sports Centre  OptaSports Centre  Opta(1)Sports Centre  Opta(2)Sports Centre  Opta(3)

特に個人的に興味を引かれたスタッツ

いつもの遠藤ではなく酒井と長谷部のタッチ数が多く、右サイドによる組み立てで試合を作っており、更に前の選手では香川が多く、遠藤が意外と触っていないと言う点はかなり試合を見た直感とは違う数値なのではないだろうか。確かにいつもは遠藤のタッチ数が多いのだがこの試合では少ない。にも拘らず後半遠藤が抜けるとゲーム展開が変わったと言うのは興味深い点だと思う。遠藤の試合コントロールというのは必ずしもボールに触る事だけではなく、オフザボールの動きコミュニケーション、メンタル的なものが相当にあるようだ。

アジア杯:日本 – パレスチナ 戦 の日本代表タッチ数
選手 タッチ数
酒井 101
長谷部 101
香川 86
本田 71
長友 63
遠藤 46
清武 46
29

http://www.afcasiancup.com/match-centre/en/

アジア杯2015の日本代表メンバー23人

AFCアジアカップ2015日本代表メンバー23人

■GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
東口順昭(G大阪)
西川周作(浦和)

■DF
長友佑都(インテル)
森重真人(F東京)
太田宏介(F東京)
内田篤人(シャルケ)
吉田麻也(サウサンプトン)
塩谷司(広島)
酒井高徳(シュツットガルト)
昌子源(鹿島)

■MF
遠藤保仁(G大阪)
今野泰幸(G大阪)
長谷部誠(フランクフルト)
香川真司(ドルトムント)
清武弘嗣(ハノーファー)
柴崎岳(鹿島)

■FW
豊田陽平(鳥栖)
岡崎慎司(マインツ)
本田圭佑(ミラン)
小林悠(川崎F)
乾貴士(フランクフルト)
武藤嘉紀(F東京)

どうしても気になる宇佐美が選ばれない謎

一体、宇佐美がサッカー協会に対して何をしたのかは分からないが、何故か日本代表に選ばれない。どうしょうもなく選ばれない。FWの中で見ても、小林や豊田、武藤あたりと宇佐美は十分張り合える成績と能力があると思われるが、何故か選ばれない。FWの選考をみると、今までの実績からして本田や岡崎が選ばれるのは分かる。また豊田はポストプレーや高さ対策を考えると他に対抗できそうなのが今リーグでは不調と思われるハーフナーマイクくらいしかいないので割りと分かりやすい。リーグでも割と好調でドリブル枠で選ばれる乾も分かりやすいが、乾ですら乾の代わりに宇佐美が選ばれたとしても全く違和感はない程度には宇佐美の安定感がある事も事実。武藤が若手&スポンサー枠だとして、小林は一体・・・若手枠でもないという。

アジア杯の日本代表戦日程

NHK BS1の放送日程

1月12日(月・祝)03:00 日本×パレスチナ/BS1
※テレビ朝日系列の放送開始時間は未定
1月16日(金)05:00 日本×イラク/BS1
※テレビ朝日系列の放送開始時間は未定
1月20日(火)05:00 日本×ヨルダン/BS1
※テレビ朝日系列の放送開始時間は未定

1月22日(木)04:15 準々決勝(A組1位×B組2位)/BS1
1月22日(木)07:15 準々決勝(B組1位×A組2位)/BS1
1月23日(金)03:15 準々決勝(C組1位×D組2位)/BS1
1月23日(金)06:15 準々決勝(D組1位×C組2位)/BS1
1月26日(月)05:45 準決勝/BS1
1月27日(火)05:45 準決勝/BS1
1月30日(金)05:45 3位決定戦/BS1
1月31日(土)05:30 決勝/BS1

参考

NHKがアジア杯の放送スケジュールを発表…BS1で20試合を生中継 – サッカーキング
http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20141227/262434.html

日本代表監督のアギーレが職務停止処分になる可能性

週末の岡崎の得点と、本田のPKでもりあがり、香川はドルトムントが最下位で降格の危機をむかえ色んな意味で盛り上がっているが、実は一番大変な事になってるのは日本代表なのではないだろうか。現日本代表監督のアギーレ監督が八百長問題で訴えられている話がいよいよ大変な雰囲気になってきている。もし有罪になった場合、日本代表の監督はどうなるのだろうか

検察は1日か2日にバレンシア裁判所に起訴を行う方針で、関係者によれば「有罪判決に導くための十分な結論を手にしている」とのこと。また実際に裁判となった場合には、この試合を告発したスペインプロリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス会長のほか、同シーズンに降格となったデポルティボも裁判に出廷し、補償などを求める見込みとされている。

『マルカ』が専門家に聞いたところ、八百長行為には1〜4年の懲役刑を科せられるが、現実的には1〜6年の職務停止処分になる可能性が高いそうだ。それでも最終的な判決が下るのは1〜2年先の話のようで、ベテラン選手はそれほど影響を受けないと見られる。マンチェスター・ユナイテッドに所属するエレーラなど、当時若く、現在20代半ばの選手たちはキャリアの大事な時期を棒に振ることになるかもしれない。

『マルカ』はまた、「有罪判決の場合、大きな影響を受けるほかの人物は、現日本代表監督のハビエル・アギーレだ。監督職のキャリアは長く、まだ定年となる年齢ではない」と記している。

http://www.goal.com/jp/news/2320/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8/2014/11/29/6604101/%E3%82%A2%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%AC%E5%85%AB%E7%99%BE%E9%95%B7%E7%96%91%E6%83%91%E3%81%A7%E5%91%8A%E8%A8%B4%E3%81%B8