最近の投稿で清武の課題とかについて結構書いたので、逆に良い所や清武の生きる戦術とかについても少し言及したい。まず下の少し前のニュース記事を見て欲しい。
イギリスメディア『Who Scored.com』が「ヨーロッパでのトップクロッサーは?」という特集を組み、ニュルンベルク所属の日本代表MF清武弘嗣が見事ナンバーワンに選ばれた。
同メディアでは、今シーズンの欧州トップリーグ所属の選手を対象に調査。今シーズン7試合以上のリーグ戦に出場し、1試合あたり2本以上のクロスを試みた選手24名をピックアップし、さらにクロスのチャレンジ回数と成功率がともに全体平均を上回っている選手を選出した。
清武、エヴァートンのイングランド代表DFレイトン・ベインズ、ハノーファーの元ハンガリー代表MFサボルチュ・フスティ、マラガの元スペイン代表MFホアキン・サンチェス、レディングの元イングランド代表DFニッキー・ショーリーの5名が選ばれ、頻度と精度が突出していたのが清武とベインズの2選手。そしてクロスからのアシストが1本のベインズに対し、清武が5本を記録しているため、清武がトップクロッサーに選ばれた。
http://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20121127/83169.html
そう、少し前のことだが欧州のトップクロッサーとして実は清武がナンバーワンに選ばれている。欧州で最高という所がポイントで、多少過剰な評価と見る人もいるかもしれないが、ナンバーワンといわなくても清武のクロスは世界で見ても上位争いを出来るレベルにある事は誰も否定しないだろう。日本は中でクロスにあわせるプレーは少ないが、実はFWにタワーをそろえさえすれば清武による放り込み戦術を採用しても恐らくアジアならそれなりに戦えるチームにはなれると思う。今より強いかと言うと弱いかもしれないがオプションの一つとしては十分な候補になりえるだろう。例えば今いるメンバーでも豊田を使って守備的な戦術からの少数でのカウンターでの放り込みやポストプレーなんかをやらせても今の代表とは全く違う方向性だがパワープレーのような事ができるだろう。事実清武はブンデスでそういうクロス要員として、この記事は2012年だがその後の2013年頃にはブンデスのアシストランクでトップだった事もあるなど、ハイボールやセットプレーからのアシスト数はブンデスでも屈指の選手になっている。
- Player Focus: Special Delivery – Europe’s Top Crossers
- http://www.whoscored.com/Articles/keu5a1w86uk8pgay-ep0jw
日本代表に求められる戦術の幅
今の日本代表は実際いい選手は沢山いる。ただ、それぞれの選手が得意としている戦術が必ずしも同じではない。例えば今書いたように清武はクロスが上手いが、代表選考で闘莉王、栗原など攻守に空中戦に強いメンバーは選ばれていない。居るのはサブの豊田くらいだろう。仮に栗原をサブで入れておいてセットプレーで利用するとか、限定的な状況下では欲しくなる引き出しが今の日本は少ない気がする。
現状の日本代表の場合、左サイドは後ろからあがってくる長友のクロスが武器で、SBをつかってクロスをあげる形を多用する。長友の上がりを待つのか、清武のクロスにするのか、それとも乾や香川のようにドリブルやショートパスで崩すのか、どの選択もあるはずだが長く日本代表ではSBを待ってサイドの裏にボールを出して長友が上げる形をほんとの場合に選んでいる。長友も苦しいのは毎回同じパターンで長友が使われれば相手も対策してくるし成功率が落ちてくる。選択肢の一つになるならば十分驚異的な攻撃なのだが毎回やっては読まれてしまう。もっと悪いのはクロスを上げても中にいる香川はヘッドが下手だし、本田も特別ヘッドが強いわけでもない。もし長友が上がった所で清武がクロスをあげた場合、今度は長友の強みも消えてしまう。しかも SB が上がった所でロストしたら裏が危ない。その状態で勝率の低い選手が中にいる所にクロスをあげるわけだ。だから清武もクロスが上げにくいのは間違いない。酷いときには清武はショートパスばかり崩そうとして、頑なにクロスを入れない。欧州屈指のクロスが得意な選手なのにだ!ザッケローニ時代から同じ事が続いているが、正直に言って選手の個性がかみ合っているとは言い難い。日本代表が相手に応じてうまく戦術を微調整できるレベルになればそれぞれの選手の強みが生きるのではないかと。日本代表は現在のメンバーでも戦術を使い分けれる個性は十分に備えている。