国際親善試合 日本 vs ウルグアイ

日本 4 – 3 ウルグアイ
南野 拓実 前半10分
大迫 勇也 前半36分
堂安 律 後半14分
南野 拓実 後半21分
得点 ガストン ペレイロ 前半28分
エディンソン カバーニ 後半12分
ホナタン ロドリゲス 後半30分
警告 後半7分 警告:マルセロ サラッキ

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 1 東口 順昭 6.5 失点はしたものの、前半17分に素晴らしいセーブ。46分にもヘディングをセーブしてみせ決定的な仕事をした
DF 2 三浦 弦太 4.5 カバーニ相手に若手DFとしては十分に期待には答えたが、一瞬の隙で失点につながるバックパス。浮足立ったあのシーンだけは明らかに悔いが残る
DF 5 長友 佑都 6.0 中島との連動はぎこちなかったが従来どおり攻撃参加の持ち味は十分で、守備面でも後半の苦しい時間に守備で決定的なシーンを抑え経験値を見せた。上がるタイミングなどは以前よりも明らかにバランスが取れていたが、クロスの精度にはやや欠けた
DF 19 酒井 宏樹 5.5 上手く堂安とも連携し右サイドが攻撃の起点になっていた。攻守にフィジカルの強さも見せた。守備ではフィジカル面でも競り負けず相手を封殺した
DF 22 吉田 麻也 5.5 基本的には安定した守備をしたが、1失点目につながる不用意なファールもしてしまった
MF 6 遠藤 航 6.0 ダイレクトでボールを上手く前線に供給し中盤の優位を作り守備でもフィジカルの強さを見せた。若手が中心となったことで連携面も一段と良くなった。今までのイメージを打ち破り守備面での役割だけでなく攻撃面でも素晴らしいパスを供給してみせた
MF 7 柴崎 岳 5.5 後半29分交代 ややフィジカルで押される場面もあったが、激しい当たりから逃げずに戦う姿勢を見せハードワークした
MF 9 南野 拓実 7.5 試合の流れを決める大事な先制点を決め、これで代表戦3試合連続で得点。更に後半も相手を突き放す決定的な得点で2点目。守備でも上手く囲む動きを見せており守備の不安も感じさせなかった
MF 10 中島 翔哉 7.0 後半42分交代 前半は縦への攻撃を抑え込まれたが持ち味の思い切ったミドルが大迫の得点につながった。後半になるにつれじわじわと持久力の差を活かしドリブルが効きいていい形を作った。最後の所で自分の得点に繋げれなかったがやや惜しい
MF 21 堂安 律 8.0 追いつかれた苦しいシーンで自分で奪いドリブルから得点。得点した場面も時間帯も精神的に相手に押されなかった点でも素晴らしい。縦へのドリブルはやや封じられたが足元の技術で封じられたときの選択肢の多さを見せた。守備面でも献身的な戻りをみせた
FW 15 大迫 勇也 7.5 中島のミドルを弾いた所につめて1得点。他にもなんども決定的なシーンをみせた。攻撃では後ろに下がったりハイボールにポストプレーで効果的な崩しを見せた
交代
MF 17 青山 敏弘 5.0 交代:後半29分 疲れてきていた柴崎に変わり2点リードした状態を維持したかったが交代の隙で一瞬緩んだところが失点につながってしまっておりやや残念な交代となった
MF 8 原口 元気 交代:後半42分 プレー時間が短いなかしっかりとリードを維持する働きをした。採点は時間が短すぎたのでしない
監督 森保一 7.0 親善試合とはいえ本当の強豪のベストメンバーに近い相手に十分な内容の試合で、若手とベテランの分離もみられず見事にチームを融合してみせた。守備面にはやや課題も残った
試合後、森安監督のコメント

「選手たちが今回の招集から練習、パナマ戦、ウルグアイ戦と意識を共有し、続けてくれたと思います」
「今後に向けて自信になったと思います。しかしアジアカップでは違った戦いになってくると思うので、気を引き締めてやっていきたいと思います」
「埼玉スタジアムやテレビの前で応援してくれた皆さんに感謝したい。喜んでもらえる結果が出せて嬉しいです」

日本代表の印象

 W杯以来の本物の強豪といっていいウルグアイ相手に若手が躍動しベテランと上手く融合して理想的な試合展開を作った。特に両サイドは途中から縦へのドリブルがかなり警戒さていたが堂安は足元の技術と中へのドリブルで得点につなげ、中島は徐々に持久力と持ち味のミドルで崩しの形を作り続けた。一度通用しなくても違う形で勝負を仕掛けれており、それも両サイドからそういう複数の攻撃パターンをみせた。中央も大迫がポストプレーができ、南野の決定力も無視できるほど小さくないと攻撃面では非常に強力。しかも大迫、堂安などは守備にも献身的に戻っており攻撃一辺倒にもならずにすんでいた。また追いつかれて苦しくなった時間でも、中島、堂安、南野と気が強い3人がかえって攻撃を活性化させ、追いつかれても突き放すメンタル的な強さも見えた。
 失点が多く守備やセットプレーにはやや不安を残したものの、まだ控えに若手の冨安や昌子などのCB、GKにサブの権田、サイドには伊東や乾、武藤、トップ下には香川もカードとして残っている。チームは相当な層の厚みを見せており、相手に応じて試合に応じてこれらが使い分けれるとするならば、日本は本当に実力で強豪と張り合い更に選手のカードで相手に応じた戦術をとって常に日本に優位な形で戦いを進めることが出来るかもしれない。
 今までは戦術といっても弱者の戦術で取れる幅は狭かったが、選手の層が厚くなることで様々なカードを使い分けて本当に戦略の勝負が出来るようになろうとしている。これは凄いことだと思う。

スタッツ

日本 ウルグアイ
17 シュート 10
19 直接FK 10
1 間接FK 0
6 CK 4
0 PK 0
7 GK 7
1 オフサイド 0

個人的な感想追記

 追記:この試合の後、中島堂安南野の3人の活躍が目を引いたのか普通のサッカーファン以外の人まで謎の加熱を見せている。しかし、それには個人的には言いたい事がある。サッカーファンとしては言わなければならい。それはマスコミやプロには十分予想された当然の結果ではなかったかと。ましてここでは書かなかったがコスタリカ戦を経た後ではあまりに順当な結果だったように思う。それはここでも森保ジャパンの初のスタメンを選抜したときにも書いた。

今まで期待されつつも中々A代表でチャンスがなかった堂安、中島、伊藤、南野、伊東、車屋、室屋、権田とみんなが気になっていただろう期待の若手がコレでもかと入っている。次は親善試合なので既に実力が分かっている今までのスタメンではなく、新しい若手を見出す機会にしていくのだと思う。

http://football.ologies.net/2018/08/30/moriyasu-japan/

 ウルグアイ戦では出場しなかった伊藤、伊東、権田、室屋なども相当可能性を秘めた選手だし、現時点でもベテラン陣よりやや利点の方が大きいのではないかという選手たちだ。その選手ははじめからある程度の成果は期待できる選手だったはずだ。これではまだ表現が軽いと思うのでもう一歩踏み込んで言うと、これは別にスタメン選抜について書いた時期に判明していた程度の話ではない。ここではW杯の西野ジャパンの選抜の時にも全く同様の事を書いた覚えがある。西野ジャパンの選抜メンバーの問題点として当時私が書いていたのが下のような内容だ。

若手が排除されている点

 今の欧州にいる日本人の若手で結果がでているといえるのは、中島翔哉、堂安律、伊藤達哉、この3人。

 ・中島翔哉
 ・堂安律
 ・伊藤達哉

しかし、この3人は全て代表から外れている。上に書いたようにポジションもプレーも重複する選手を登録しているが、明らかに期待が集まる可能性は全て無しで、ベテランと中堅でガチガチに固めたメンバーになっている。

http://football.ologies.net/2018/05/18/wcup2018japn/

こういう感じの話。つまり堂安も中島も森保ジャパン以前の話なのだ。西野ジャパンの選抜の時点で若手が抜けていたのは明らかな問題点だったと思う。この時点で既に中島堂安は明らかに突出していたし伊藤の活躍もかなり目立っていたのでテストして当然のメンバーだったように思う。そういう意味ではロシア大会前から実際は一番重要だったのが両サイドの二人を含めた若手だったと思う。若手が入ればポーランド戦でのターンオーバーが出来たからだ。だからW杯直後の総評に私はベルギー戦終了した直後に、こう書いた。

日本代表の2018W杯総評

 人材だけ見れば海外で活躍した香川岡崎世代が年齢的にピークを迎え。長谷部や本田などのベテランもまだ現役で代表に残っているとという、代表史上もっとも海外で活躍する選手の層の分厚い日本代表だったように思う。更に本来は中島や堂安など若手も選ぶ幅があり、若年層も含めれば非常に幅の広い選択が可能だったW杯だったように思う。サブが強く総合力で見れば恐らくこのメンバーはこれまでの日本代表史上でも頭ひとつ抜けて最強ではないかと。勿論ザックジャパンよりも強いと思う。チームがメンタル的にまとまりきれずに直前のハリル監督解任や西野監督の就任などで育成年代からコツコツ育てた人材が花開くチャンスを無駄にしたという印象が強く残った。

http://football.ologies.net/2018/07/03/belgium-vs-japan/

 この時点ではサッカーが好きな人以外には中島?堂安?みたいな話ではあったかもしれない。しかしおそらく私と同じように考えていたサッカーファンは一人や二人ではなかったはず。そして、本当の事を言えば、それもロシアのW杯や半年やそこらの話ではない。数年単位で問題を含んでいた。実はこの主要なメンバーがリオのオリンピックで試合を予選からやっており、その時に攻撃陣は既に今とほぼ同じようなメンバー(中島、遠藤、南野などの攻撃陣)がいる状態で試合をしている。その試合結果についても数試合分はここで試合後の感想とかを書いた。3-0で日本が快勝したので気分が良くなって当時書いたモノには忘れてたけど自分はこう書いている。

 個人的なMoMは室屋。A代表でも試してみてほしいと思った。右SBは内田が怪我でいないし、サブの酒井が攻撃的強みを持つタイプなので守備堅く抑えてプレーするじっくりタイプというのも種類的には悪くないと思う。後は得点で別人のように変化して圧倒的な存在感があった中島。若いので安定しないのかもしれないが調子の良い動きで安定したら本人の思っている小柄ドリブラータイプ(乾や斎藤学やメッシみたいな)のではなくロッベンみたいなドリブルはあくまでシュートコースを切り開くためだけで、実際はシュートが武器というタイプのドリブラーになれるのではないだろうか。

http://football.ologies.net/2016/01/23/%e6%97%a5%e6%9c%ac-vs-%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%83%b3-%e3%82%aa%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%83%94%e3%83%83%e3%82%af%e4%bb%a3%e8%a1%a8/

 この試合では室屋が大変良かった。そして2ゴールを決めた中島について当時はロッベンみたいな選手になれるなと思ったことが書かれている。この試合の後アンダーの代表で堂安がものすごいゴールをしたので個人的な興味が堂安の方にややうつってしまっていたものの(当時マスコミ持て囃されていた久保君も同じ代表に居たが堂安がすごかったので)中島も2年前の時点で既にA代表に選ぶべき選手になっていたという認識がある。なぜか何もせずに放置されていたが、既に当時から非常に可能性がある選手だったのだ。そして年単位で時間があったのになぜ放置していたのかという問題は常に引っかかっていた。
 しかも、この問題が根深いのはこのブログを書く前のW杯南ア大会の時には既に類似の問題があったという点だ。その時はなんと香川を放置していたのだ。明らかに結果が出ていたし注目すべき活躍をしていたはずなのになぜか南アには連れて行かなかった。この手の結果を出した選手を無視する傾向は、昨日今日始まった問題ではないと思う。代表見ている程度のサッカーファンからしても実際の所、疑問しかないのである。

 個人的にこの問題は大いに疑問を持っているので事ある毎にここでも書いている。気になる人はサッカー選手の年齢について見て欲しい気がする。

 似たようなのに昔私が書いた南野評もある。

 「ゆっくりとしかし着実に南野拓実

 内容は南野は若いので当時騒がれていた武藤と違って時間があると言うような事を書いている。自画自賛になるが今読んでみてもそこそこ面白い話を書いているのではないだろうか。当時私は年5点しか取れない選手だと辛いと書いているが彼は見事に年10点は取れる選手になった。そして今、南野拓実はあれを書いた当時の騒がれていた武藤の年齢とちょうど同じ23歳になっている。彼は今らかもう一回武藤と同じ月日がチャンスとして残されているのだ。ゆっくりとしかし着実に。
 

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