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2014年と2011年の香川は何が変化したのか

ドルトムントに戻ってからも香川はゴールやアシストと言う面では、いまいち調子を取り戻していない面がある。そこで、以前のゴールを量産した時期と今の香川は何が違うかを www.whoscored.com でスタッツから調べてみた。特に差があると思った数値を下の表にしてみる。

年度 ゴール数 1試合当たりのシュート数 1試合当たりのドリブル回数 ディスポゼッション ボールコントロールミス
2014/2015 1 1.6 1.3 1.4 1.4
2011/2012 13 2 2 2.1 1.7

シュートが減りドリブルが少なくリスクをとらない

まず分かりやすく言うと、凄く守備的なプレーになっているといえると思う。まず、以前よりドリブルを仕掛けない、シュートを打たない。代わりにボールロストをさけコントロールミスが少ない。ただしここで大事な事はただシュートが減っているという単純な問題ではないという点だ。つまりシュート数が 1.6/2 に減ったとしても、それは 0.8 倍になったというだけに過ぎないからだ。13 ゴールに 0.8 倍しても 1 ゴールにはならない。それだけ最近の香川は決まらないシュートを打っているという事にもなる。何故決まらないのか、という問題にスタッツで答えるのは難しいが、大きく違う数値にドリブルがある。シュート回数の減少と決定率の低下は、決定的なシーンで香川がドリブルで仕掛けて成功しているかどうかや、決定的なシーンで香川にボールが来るかという問題と無関係ではないように思う。勿論コンディションや走力の低下、怪我などという問題もあるとは思う。

結果的にチャレンジしない代わりにポゼッションを高める効果は高いというような選手になっている。正直これはドルトムント専用機としての香川の価値としては落ちているといわざるを得ない。理由はドルトムントはポゼッションが高い時に負けやすい傾向にあり、ポゼッションを高く保つ前提を戦術に取り入れていないため、その中で香川がポゼッションを高めてチャレンジしない=カウンターの切れ味が落ちるという良くない効果が見える。バイヤンだったらこれも違う意味があったかもしれない。怪我人が多かった最近のドルでは意図的に守備の肩代わりをしている可能性もあるが、メンバーが揃って以後もこのプレーだった場合は、問題が出てくるだろう。

パスの変化「クロスが増えた」

1試合当たりで比較すると、実はパスはそれ程変化していない。キーパス、パス成功率、パス回数はほとんど変化しておらず違いは見られない。あえて言うならロングボールが若干増えてクロス回数が4倍になったが、元の数が少ないのでそれ程決定的な違いではない。

守備の変化「より堅実な守備に」

ドリブルで抜かれる回数は劇的に減っており、2014年の香川は、トップ下に配置されているが、ほとんどボランチのようなプレーをしているといえるだろう。

ドルトムントを悪夢へ引きずり込む清武のFK

普段ゴールしないのに、よりによってここで素晴らしいFKでゴールを決めた清武。今シーズンのハノーファーにとって初のアウェーゴール。今シーズンアウェー初勝利をもたらした。

香川は後半の失点後に途中出場も、違いは作れなかった。これでドルトムンとはリーグで4連敗。

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1- 7 「歴史を作る魔法のスコア」

ローマ 7 – 1 バイエルン
Y. ジェルヴィーニョ 66′ A. ロッベン 8′, 30′,
M. ゲッツェ 23′,
R. レヴァンドフスキ 25′,
T. ミュラー 36′,
F. リベリー 78′,
X. シャチリ 80′

CL グループE第3節、ローマ vs バイエルンの一戦。アウェーのバイエルンが7-1でローマを粉々に粉砕。相変わらずバイエルンは恐ろしい強さを誇ってはいるが、流石に 7-1 というスコアを予想した人は少なかったのではないだろうか。同時にこの結果は、ローマがセリエでかなり好調であったという点からも、イタリアの落日とドイツの台頭を象徴する一戦になったとも言えそうだ。

試合のハイライト動画


http://www.nicovideo.jp/watch/sm24744600

これで現時点でCLの勝敗は

  • リーガ  10戦5勝1分4敗
  • プレミア 10勝4勝3分3敗
  • ブンデス 10戦7勝2分1敗
  • セリエ   5戦2勝1分2敗

となっており、相変わらず強いリーガと、ブンデスの全体的な底上げが明確になっており、プレミア勢は明らかに伸び悩んでおり、セリエは勝てなくなっているのがはっきりと数字に出ている。

また、7-1 というスコアは大量得点にも拘らずCLやW杯などの歴史的な試合で定期的に現れる興味深いスコアだと思う。以下過去の7-1を適当に並べてみるが、非常に面白い気がする。

  • 2007: マンチェスターユナイテッド vs ローマ 7-1
  • 2012: バルセロナvsレバークーゼン 7-1
  • 2014: ドイツvsブラジル 7-1

それぞれの時代ごとに強さを見せていたチームが7-1というスコアの試合をしているのは、非常に象徴的だと思う。

ルールダービー:シャルケがホームでドルトムントに2-1で勝利

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https://twitter.com/s04_jp/status/516234545746567168

ダービー制した内田「ドルトムントらしくない」

「お互い勝ち点がそれほど拾えていない中での試合だったので、勢い付くという意味では大事な試合だった」。今季初勝利を飾ったブレーメン戦に続く連勝。「押し込まれると(相手に)勢いが付くし、極力、前に相手を押し込みたいなという気持ちもあった」と、内田自身、立ち上がりから積極的にプレーし、チームも前半10分、23分とセットプレーから2点を奪った。

「ラッキーと言ったらあれですけど、ドルトムントらしくないというか。強いチームはセットプレーでやられない雰囲気はありますけどね」

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?148206-148206-fl

うっちータッチ集 VSしんちゃんダービー 試合の動画

スタッツ

ドル シャルケ
シュート数 17 11
枠内シュート数 6 8
ポゼッション 54.09% 45.91% 
ラン 12.25 km 10 km
チーム走行距離 123.4 km 118.2 km

試合の感想とスタッツから見える戦術

ドルトムントは珍しくボールのポゼッションが高い。実は日本人の感覚からすると以外かもしれないがドルトムントは調子がいい時はそれほどポゼッションが高くなるチームではない。欧州のチームには偶にあるパターンなのだけど、むしろ相手にボールを持たせる事で前に選手を引き出し裏に空いたスペースに高速でカウンターを仕掛けるというスタイルをとっている。その点で言えばこの試合のシャルケは逆に上手くドルトムントにボールを持たせることでカウンターをされにくくしているともいえるだろう。それはシュート数と枠内シュートの数に如実に表れていて、ボールを持った状態で相手に引かれた時に相手を引き出す為にドルはミドルシュートが増える。その結果シュート数が増えるものの遠くから打つのでコースが限定され枠内に飛びにくくなる。

勿論、バルサのようにポゼッションを高める事で勝ちに行くというスタイルも存在しているのでポゼッションが高い事自体が問題ではないけど、それぞれのチームが目指すスタイルがあり、チームが得意としないスタイルを相手に押し付けたという点で、シャルケの作戦勝ち的な部分も感じる。そして今のドルのメンバーの場合、対抗策といっても怪我人が多く引いた相手に対抗できる選手が比較的クロスも上手い香川くらいしかいないという問題もあったと思う。特に今主力となっているオーバメヤンやラモスは圧倒的なスピードを生かした攻撃を好む選手でスペースがない場合には空気になりやすい。連携を得意としている選手はほとんどが怪我をしているという影響は大きいだろう。

シャルケでの内田の立ち位置

#内田 選手が強くなってフェルティンス・アレーナに戻ってきた! ドルトムントとのダービー #S04BVB、1対1を18度も制し(全選手中最多)、ボールタッチ数(64)でも1位を記録!#S04

https://twitter.com/s04_jp/status/516253604483584000

この試合で内田は怪我から復帰したのだが、全選手中最多のボールタッチ数を記録している。実は内田は以前からシャルケではボールタッチが非常に多く、シャルケの右サイドの攻撃の核は明らかに内田に依存していた。特にドラクスラーが来る以前は本当に内田とファルファンに依存した組み立てをしいて、この試合でもドラクスラーが出場していなかった為また以前のような内田による組み立てをするチームとなっていた。SBのボールタッチ数が多いことは若干不思議に思う人もいるかもしれないけど、欧州のチームでは比較的よくある事で、日本代表で言うトップ下的な攻撃の組み立てをSB(例えばラームやマイコンような)やDMF(例えばピルロやジェラードのような)が中心になって行うチームが実は多数派だったりする。その為タッチ数も一番多くなるのは司令塔となるDMFで、次がSBのタッチ数が一番多くなりやすい。場合によってはCBがタッチ数最多というチームというパターンもある。日本代表の場合攻撃の組み立てをトップ下に依存するという、昔のイタリアなどであったファンタジスタ的なサッカーを主体としているので若干違和感がある人もいるかもしれない。

ブンデスとセリエの両リーグで得点ランキング1位が日本人になった日

以前紹介したように現在のブンデスリーガの得点ランキングで岡崎が1位になっている。更に今節もゴールを得点し現在は2位に2得点差をつけた単独1位に。

Player Stats - Bundesliga - official website

また、先ほど紹介したように本田も現在セリエAの得点ランキングで1位タイになっている。

Marcatori - legaseriea.it

ブンデスリーガとセリエAの両リーグでの現在の得点ランキング1位が共に日本人になると言う信じられない状態になっている。

Shinji vs Shinji

shinji

ジンジ対決。岡崎がゴールを決めて勝利。

気になった所

岡崎は得点を決めブンデス得点ランキングでトップに立ったが、香川に関してはドル「ドル復帰試合」同様に内容的には不安を残す出来となった。前回はドルへ帰還したことと得点したことでお祭り騒ぎとなっていたが香川個人の示すスタッツ内容はけしてよくなかった。今回も類似点を感じる。

一例を挙げると走行距離だが

走行距離 [km]
香川(復帰戦) 8.35
香川(マインツ戦) 8.48
オーバメヤン(マインツ戦) 10.87
ラモス(マインツ戦) 7.39

香川も含めて前線の走行距離がドルにしては少ない。香川は途中交代なので少なめになるとしても、香川の能力的には以前と比較して少ない。しかも香川は復帰戦で足を釣っているように明らかにフィジカル的に限界まで走っての数値なのでスタミナが以前より落ちていると言わざるを得ないだろう。マンUに行く事でフィジカルが強くなったという説も言われていたが、スタッツで見ると香川は走行距離が減っているので体の押し合いには強くなってもスピード、スタミナの面では持久力が低下しており一概にフィジカルが強くなったのかどうかなんとも言い難いと思う。

これとは別に連携面の問題もある。香川は今回のマインツ戦でも出場した選手の中では途中交代で出場した選手やGKを除くとボールをもらっている回数が最下位という点だ。実はドル復帰戦もパスをくれたのは昔からの仲間の「グロクロ」や「スポディッチ」、「ピシュチェク」などで、例外としてはムヒなどもパス数が多かったが変わりに香川が抜けた後チームの中心と言われていたケールは殆ど香川にパスをしておらず、一度出て行った香川に対する連携が修復できていないのではないかと思うところも

フライブルク戦の香川のパスとケールのパス

kagawa ケール

見ると分かるようにケールはある意味堅実だが実に保守的なパスで新人や出戻りへのパスが極端に少ない。

マインツ戦の香川と岡崎のパス

Borussia Dortmund  Results - Bundesliga - official website

この試合では復帰戦でパスが着ていたムヒやスポディッチがいなくなることでパスをもらう相手がかなり限定されており。「オーバメヤン」が横に全くパスをしない。自分でシュート打つかクロスという選択肢が多いのだと思う。その為右からの供給源はピシュチェクが上がった時のみになっている。ボールタッチが多くないというだけではなくボールをもらうコースまで相当に限定されてしまっているといって良いだろう。

岡崎がまた歴史に名を刻む

この画像をよく見てもらいたい。ひょっとしたら歴史的な画像なんじゃないかと言う気がする。香川の衝撃的な復帰と復帰直後のゴールに隠れてしまったが、これは結構凄い事だと思ったので紹介してみる。下の画像はブンデスリーガ公式サイトのプレイヤーランキングなのだが・・・

Player Stats - Bundesliga - official website

お分かりいただけただろうか?これはブンデスリーがのゴールランキングで、現在の1位は岡崎なのだ。日本人が一時的にでもブンデスリーガの得点王になっているという事がどれだけ凄い事なのかよく分からないけど。多分すごいことなんだと思って記念にスクリーンショットを撮ってみた。

ドルトムントが昔から強かったと言うような風潮

香川の活躍ですっかりドルトムントの知名度があがり、最近ではまるでドルトムントが昔から大変強いチームで香川は強いチームに行ったから勝てた見たいな風潮があるが、実際には香川の加入する前は中堅でそこまで強いチームではなかった。だから、今の日本人選手がブンデスに移籍する時に中堅に移籍したら望みがないみたいな話は、まったくおかしくて、ましてそこに香川を持ち出すのは全く矛盾していると思うんだけど、そういう風潮があるなぁとおもったのでここ10年のドルトムントの順位を調べて乗せてみる。

■10年のドルトムント

2004-05:リーグ7位
2005-06:リーグ7位
2006-07:リーグ9位
2007-08:リーグ13位
2008-09:リーグ6位
2009-10:リーグ5位
2011-12:リーグ優勝 ※香川在籍
2011-12:リーグ優勝、ドイツ杯優勝 ※香川在籍
2012-13:リーグ2位、欧州CL準優勝
2013-14:リーグ2位、欧州CL8強

ボルシア・ドルトムント – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%88

保持タイトル

8回 ドイツ – ブンデスリーガ

  • 2012 香川在籍
  • 2011 香川在籍
  • 2002
  • 1996
  • 1995
  • 1963
  • 1957
  • 1956

5回 Super Cup

  • 2014
  • 2013
  • 1997
  • 1996
  • 1990

3回 ドイツ- DFBカップ

  • 2012 香川在籍
  • 1989
  • 1965

1回 UEFAチャンピオンズリーグ

  • 1997

見て分かるように香川が在籍時以前の10年はリーグでの順位は中堅程度でそれ以外のタイトルもほとんど取っていない。だから中堅だから日本人が移籍しても可能性がないとは限らないとは思う。クロップが着てから目に見えて強くなっていたのでむしろ順位よりも監督やチームの体制の方が影響が大きいように思う。

http://www.goal.com/jp/teams/germany/bundesliga/9/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%88/964/honours?ICID=TP_TT_2