イラン | 1-1 | 日本 |
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デジャガ(前半47分) | 得点 | 武藤嘉紀(後半3分) |
アズムン(後半36分) | 警告 | 吉田麻也(前半32分) |
採点
選手名 | 採点 | 寸評 | |
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GK | 西川周作 | 6.5 | 流れの中からは無失点。PKも一度はじいて止めるなど最低限の仕事はした |
DF | 森重真人 | 6.0 | 不安定になったMFを後ろから支えた |
DF | 米倉恒貴 | 5.5 | 左サイドでは宇佐美、長谷部と連携しそれなりの崩しを見せた |
DF | 吉田麻也 | 4.5 | ほとんどの場面で安定していたが、不必要なファールでPKを招くなど課題を残した |
DF | 酒井高徳 | 5.0 | 酒井の裏を何度が狙われたが、攻撃では見せ場も作った |
MF | 長谷部誠 | 6.5 | MFのボール回しの核として機能した |
MF | 香川真司 | 5.0 | 前半で交代し香川の所にまでほとんどボールが運ばれる事はなかった、また消えている時間が長く戻ってボールをもらいに行くシーンも見られなかった |
MF | 柴崎岳 | 4.0 | 守備での問題点が露見し、さらに縦へ攻め急ぐあまり攻撃のかなりの部分をロストしていた。結果長谷部を経由しないと攻めが続かない状態に。怪我明けという情報もあったのでコンディション面に問題があったのかもしれない |
FW | 本田圭佑 | 6.5 | 縦へのボールで求められたポストプレーは上手く行かなかったが、高い精度のクロスでアシストした。FKは相変わらず結果が出てないので、キッカーの選択は考えるべきだと思う |
FW | 宇佐美貴史 | 5.5 | 過去のないほど高い守備意識をみせ守備では貢献したが、後半のスタミナに課題を残した |
FW | 武藤嘉紀 | 7.0 | 前線にボールが来る回数が少なく、抜け出した決定機でのドリブルミスなどもあったが、1得点と結果は残した(補足:採点は得点で+1、その1点が勝敗を決めたので更に+0.5。プレー自体は5.5。原口や宇佐美との差は点を決めたか決めていないか) |
MF | 清武弘嗣 | 5.5 | つなぐプレーやセットプレーでの高い精度をみせ強みはみせたが、決定的な違いとはならなかった |
FW | 岡崎慎司 | 6.0 | 得点にはならなかったが何度かシュートシーンを作り攻撃陣の中では明らかな違いをみせた |
FW | 原口元気 | 5.5 | 守備での戻りとドリブルでの体の強さなど局面では良さも光ったが、総合的に見ると得点やチャンスには繋がらず結果が出なかった |
MF | 柏木陽介 | 5.5 | 柴崎と交代して攻撃面での瞬間的な切り替え速度で違いを見せた反面、出し所が少ない時の不安定さもあった |
DF | 丹羽大輝 | 6.0 | 危険なシーンを何度も押さえるえ、DFの控えとして十分な存在感をみせた |
FW | 南野拓実 | – | A代表デビューも、出場時間が短すぎて採点不能 |
監督 | ハリル | 3.5 | 縦に急ぐ事でボール回しがほとんど出来なくなっており、バランスをとって縦に急がない長谷部を経由しないとほとんど攻撃がくみたてることができなかった。また同様に柴崎が機能しなかった点も相当に戦術的な問題を感じた。セットプレー対策もほとんどなく、相変わらず高さに弱いまま変化は見られなかった。また交代策では清武を入れておいて何故かFKを本田がけるなど交代策との一貫性を感じられなかった。 |
1日置いてハイライトを眺めなおして、ちょっと考えが変わったので一部修正した。
試合前のハリルホジッチ監督のコメント
──イラン戦に向けて。
われわれにとって良いテストになる。FIFA(国際サッカー連盟)ランキングはわれわれよりも高い位置にあるからだ(日本が55位に対し、イランは39位)。私が日本代表監督になって最も難しい試合になる。われわれがあるレベルを超えるためには、野心を持たなければならない。親善試合であっても勝つトライをしなければならない。特にシリア戦の前半よりも、さらに良いプレーをする必要がある。(そのために)何人かの選手を替えることになる。私にとっては、何人かの選手の可能性を探るためにも、この試合を有効活用したい。その選手には、表現をしてもらう必要がある。まだ若い、経験を積んでいない選手が、どんなプレーをするのか見てみたい。少しリスクはあるが、親善試合なのでぜひそれを実行したい。選手は素晴らしい行動をしてくれているし、しっかりトレーニングしてくれている。こっちにきてきちんと休んでいるし、1日から2日、ジョギングもしている。気候にも慣れてきたので、イラン戦は良い試合になることを期待している。
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201510130005-spnavi
試合後のハリルホジッチ監督のコメント
良い親善試合だった。戦うシーンもあったが、前半はまったく満足していない。まったくゲームをコントロールできず、相手がフィジカルでわれわれを支配してきた。ビッグチャンスは作らせなかったが、PKを与えたのは集中が足りていなかった。後半はずいぶん良くなって同点に追いつき、さらに2点目、3点目を決めるチャンスもあった。ただしイランも空中戦に強いチームだったので、やはり2点目、3点目を決めるチャンスはあった。結果としては妥当なものだったと思う。
──前半は相手のフィジカルとサイド攻撃が迫力があった。後半に向けてどういう指示を出したのか?(田村修一/フリーランス)
まず(相手の)アーリークロスでも防ぎにいくこと、無駄なファウルをしないこと。そして彼らのセンタリングのあとにかなりファウルを誘ってくるので、そこを考えながら相手にしっかり付いて守備をしようという話をした。それから21番(アシュカン・デジャガ)と10番(バヒド・アミリ)はクオリティーの高い選手で、個人的なアクションをしてくるだろうから気をつけるように伝えた。向こうは4人から5人くらいの選手が190センチ台だったので、CKとスローインが危険だった。非常に難しかったが、空中戦でもかなり勝ってくれていた。
──アフガニスタン戦を前に日本は「どのチームにも勝てる」と発言していたが、この試合にも勝ちに来たのか、それとも他のプランがあったのか?(イラン人記者)
勝ちに来た。イランがアジアで最も強いという情報はあったが、私は野心を持って日本に来たし、勝つつもりでここに来ている。日本はまだ向上するし、私は自分のチームの短所も長所も理解している。われわれはワールドカップ(W杯)予選を戦っているが、そのために(今は)たくさんの選手をトライしたい。次のシーズンは代表的なチームを作り、そしてトレーニングを続けていく。今日は勝つ可能性も負ける可能性もあったが、この道を続けるしかない。このようなタイプの試合は、運や経験などちょっとしたことが勝敗を分ける。この試合は経験を積むという意味で、とても良いテストになった。われわれのチームが向上するためには、このような試合が必要だった。
私はブラジルやアルゼンチン、フランスと対戦する場合でも、いつも勝利という言葉を口にする。それで負けてしまえば確かに負けだが、私のスピリッツとして負ける準備はしない。そのことについて私には少し経験があって、(アルジェリア代表を率いていた)W杯ブラジル大会の時も世界最強の優勝チーム(ドイツ)と対戦したが、勝つためのトライをしようという話をした。少し(言葉の意味を)理解できない選手もいたが、試合が終わってみると「われわれは勝てたんだ」という目をしていた。しかし、結果としてそれは遅過ぎた。
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201510140001-spnavi
ブラジルやアルゼンチンを持ち出すというのは少しイランを過大評価しすぎなのではないか。確かにイランは弱いチームではないが、アジアにおいては日本も弱いチームではないのだから。
日本代表の印象
全体に攻撃の緩急が使い分けできておらず前に長いボールを入れてロストするという攻撃を繰り返してしまった。また短いパスでの崩しをするのか、一発で裏を狙うのか、その辺の意思統一に問題点を感じた。簡単なパスミスも多く連携の面でも連動性が見られなかった。得点は結局相手が浮き足立った所を付いた本田の個人技に頼っており、チームとしては物足りない。
香川、本田、岡崎の3人をそれぞれ交代した。親善試合で主軸を温存する形になり、問題点も目についたが、必ずしも悪い点ばかりではなかった。最終予選に向けて親善試合を生かして主軸となる3人がそろわない状態でのチームのレベルを確認できた。不安定だったり時間は短かったりしたが、南野、柴崎、清武などに出場機会を与え現状を確認できた事も大きい。これが公式の予選だった場合、予選敗退というリスクを伴う事を考えれば、このメンバーだとどうなるかを理解できたのは大きい。
試合の総評
攻守が入れ替わりイランはPKから1点、日本は本田のクロスから武藤が1点と、ほぼ互角の戦いとなった。後半には清武がイランの20歳の若手選手と小競り合いをするなど親善試合としては気持ちの入った試合となっていた。
その他特筆すべきコメント
いつもどおりスタッツを探そうと思ったが、試合後の選手のコメントが面白かったので、一部引用しておく
「考え方として、日本が急激にサッカーのレベルをここ20年で上げてきて、上げてくればくるほど、経済と一緒で伸びにくくなる。例えば、中国みたいなもの。ごくごく当たり前に起こり得ること。練習試合ではオランダ、ベルギーと良い勝負をできるところまできた。伸び率は下がりつつも、少しずつでもいいから、中期計画、中長期計画は日本のサッカー全体に確かに求められている。いろいろなことをマネしてレベルが高まってきたけど、日本が周りにマネされるような。それがどういうことなのかと、今までと考え方やアプローチを変えていかないといけないところまできている」
「一番いいのは、こういう環境に自分自身で身を置くことで慣れていく。スタンダードに、選手それぞれの感覚になっていくのがいい。もっと若い選手は海外に出て行くべきだと。ただ、誤解してもらって困るのは、Jリーグが力をつけているし、Jリーグがさらに力をつけていかないといけない。若い選手とJリーグが力をつけることの両方が必要。柴崎が苦しんでいたと質問がありましたけど、岳には岳にしかない特徴がある。それをもっと出す形を、このレベルで慣れていかないといけない。別に岳がパワーをつける必要はない。例えば(アンドレス・)イニエスタは球際に強くない。ただ、そうならない強さがある。このプレッシャーをいなせる形を普段の公式戦から身につければいい」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151014-00010018-soccermzw-socc