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日本人のストロングポイントとは一体何なのか?

最近読んだ日本代表に関する分析の話の一言が、個人的に非常に刺激されるものが合ったので、それを紹介してみたい。

日本人選手の特性に関する興味深い分析

 20~30メートルの日本選手のスプリント能力は高く、「縦に速い攻撃」の効果がよく出ていた。

 相手のディフェンスライン背後のスペースが20メートル以下になる前に仕掛けること。そうすれば日本のスプリント能力を生かすことができる。これは間違いなく日本が強くなるためのテーマの1つだ。しかし、「常に」それを狙うのは正しくない。

 いくらラインの背後が空いているといっても、精度の低いパスではチャンスにはならない。また、日本選手が速いのは20~30メートルだけで、それ以上走ってもさほど速くないし、プレーの精度も落ちる(もちろん個人差はあるが)。むやみに縦に急ぐだけでは当然上手くいかない。

 得点シーンは後方のポゼッションから生まれていて、カウンターアタックではない。スピードを生かす攻め方=カウンターとは限らないわけだ。縦に速いが雑な攻撃を繰り返した今大会の最後に良い形で得点できた。

http://www.footballchannel.jp/2015/08/10/post101153/

当初の狙いだったであろうカウンターは3試合ともあまり上手くいっていない。前線のターゲットにボールが収まらなかった。収められる人材がいないなら、ロンドン五輪のように永井の走力を生かしたほうが良かったかもしれない。

 ポゼッションして「間」をとり、奪われたら前線からプレス。それで中国に対して優勢だったことはとくに収穫とはいえない。低い位置に引き込んでカウンターという実験は失敗に終わっていて、このままではザッケローニ前監督時代の3-4-3と同様にフェードアウトの危険すらありそうである。

http://www.footballchannel.jp/2015/08/10/post101153/2/

「20~30メートルの日本選手のスプリント能力は高い」という一言から広がる戦術

 この記事には個人的には、物凄くワクワクする部分があった。

「20~30メートルの日本選手のスプリント能力は高い」

 その距離での速度の優位性が決定的ならば、それから必然的に決まる詳細な戦術だってあるのではないかと。そして、この記事を読んだらサッカーファンなら、思わず頭をよぎる戦術があるのではないだろうか。すっかり日本でもおなじみとなったドルトムントの戦術だ。思わず少し考えずにはいられなかった。

theThinker

ポゼッションの高さとDFラインの高さの関係性

 日本で注目されている戦術といえば、今もまだ少し前のバルサのようなポゼッションを重視する戦術だろう。ボールをつないでポゼッションを高め、パスワークによって相手を崩す。日本ではパスサッカーといわれるものだ。ドルトムントの戦術はそこから見ると少し分りにくい。まずポゼッションが高い方が負けやすいという不思議な傾向がある。少し混乱する事実だが、一般的に思われているのと少し違ってポゼッションが高ければ勝つというチームとポゼッションが高くても勝てないチームがある。つまり、ポゼッションは勝敗との決定的な相関関係があるわけではなく、チームが選択する戦術によって有利なポゼッションの数値が変化している。

 ドルトムントの場合は、ポゼッションが高くなっても相手に引かれると苦戦する。DF ラインの後ろにスペースがないと得意の攻撃パターンが作りにくいからだ。だから裏のスペースを意図的に発生させる戦術を取っている。あえて相手にボールを持たせ、DF ラインが崩れながら上がった所を狙いプレスを仕掛けショートカウンターを仕掛ける。このショートカウンターの威力でドルトムントが一気に注目されるチームになったといっても過言ではない。
 そのボールを奪う工夫の一つにゲーゲンプレスがある。相手にボールを持たせても奪えないのでは一方的に攻められるだけになってしまうので、そこに工夫をしていて、奪った時のポジティブトランジションの意識が異常に高い。極めて攻撃的な、攻撃をする為の守備になっている。川崎vsドルトムントの親善試合が少し前に日本で行われて 6-0 という結果だったが、これは川崎のポゼッションサッカーとドルトムントがボールを保持させてからの攻撃を得意とする戦術的な相性とも無関係ではないだろう。

 そしてもう一つ。日本代表と比較して「縦に速い」という言葉の意味が少し違う所がある。ドルトムントの場合、相手の裏のスペースを使う為に、結果的に攻撃が早くなる。ゆっくりとした攻撃では相手の DF が引いてしまうので、守備の隙間、スペースをどうやって作るかという空間をコントロールする為の早さといっていい。縦に速かったから結果的にスペースがあったのではなく、むしろ先にスペースがあり、そこを狙うために縦に速い。その辺も戦術の発想が違うと思う。だからスペースがなければ速い攻撃をするわけでもない。「速い攻撃」という発想が先に来てしまうと、いつでも速くなるが、相手がこちらの得意パターンにハマっている時だけ縦に速いわけだから、攻撃をいつ遅くしようとかいつ速くしようという発想自体がマズ生まれないと思う。チャンスだから急いで攻めるのであってチャンスじゃなければ焦って攻めないだけの話に集約される。

ラインコントロールを巡る戦い

 では次はその対策の話。特にブンデスでは色々なドルトムント対策がされている。一般的に日本では守備というと、ラインを高く保つ為に直ぐラインを押し上げ中盤を厚くし裏はオフサイドを狙うのが定番だが、最近のブンデスの戦略をみるとラインコントロールはそう単純ではないなと思う部分がある。例えば、守備の時にラインを下げてしまい裏のスペースをあまり作らないドン引き守備をしたりする。しかもこれがドルトムントに意外と効いてる。少し前の日本vsシンガポールのような構図だ。こういう場合は高い位置からハイプレスで支配するのではなく MF はあくまで攻撃を遅らせる事を目的にしていて一定のラインまで安全に後退しスペースがなくなった所でボールを奪う守備に切り替わる。結果的に逆にラインが高く足がそれほど速くないドルトムントの DF にカウンターを仕掛ける動きをしている。
 他にも、GK にラインの裏をカバーさせたりする工夫もある。バイエルンのようなチームの場合はラインはドン引きしないで、裏へのボールのかなりの部分を GK のノイアーが処理し事実上スペースを埋めている。これはブンデスでも強力な GK をもついくつかのチームが実践しているが、こうすることでラインも高くなり MF と DF の間の空間もないため選手の密度が高く中盤の守備力も高かまる。そしてハイプレスを高い位置から行い、基本的にMFでボールを取られないようにするため、ドルトムントが出来るカウンターの回数自体が極端に少なくなる。ノイアーが前に飛び出て守備しているのはノイアーの趣味ではなく、バイエルンのチーム戦術の一環だろう。
 ただし、逆にドルトムントから見た場合は、実は相手が高い DF ラインでボールをつなぐ状態というのはドルトムントの攻撃のための理想系の一つでもある。相手のボールはまだ最終ラインにあり、こちらのゴールからは遠い。自陣にはスピードが不足しても高さに対しては十分強い CB をそろえてハイボールの放り込みには強い。フィジカルは弱くても運動量が多くチェイスが上手い MF がそろっているのでフリーで放り込みをさせない。ドルトムントにとっては相手の最終ラインからの攻撃がいきなりハイリスクにならない自信がある。逆に相手 DF ラインの後ろにはスペースしかなくボールとゴールを挟むのは GK だけ。もしボールが奪えれば一瞬で優位に変化でき、相手側からボールをゴールに近づけるには時間がかかる。ドルトムント側のリスクは少なく相手側の攻撃リスクだけが一方的に高い。そういう状態が相手の DF ラインでボールをまわしている状態になる。

 あえて昨シーズンのドルトムントの難点を言えば、ハイボールでも下がりながら CB に処理させるとスピード負けして裏を利用されていたという点があった。ヴァイデンフェラーはノイアーのような守備範囲はないのでほぼ CB がハイボールを防ぐのだが、アーリークロスのように早めに裏に出されると純粋な足を止めての高さ勝負でなくなり守備ラインが崩壊していた印象がある。まあ、そもそも選手個人には動きを教えて戦術的な理解は本人に任せているのではないかなという気もするので、それぞれ違う意図でプレーしているかもしれないが全体としてはそういう風に見える。

スタッツから読み解かれていない日本人の強みを掘り起こせるのではないか

 ほとんどドルトムントの話になってしまったが、日本代表に戻すと。よく日本代表の走行距離などが表示されいるが、あまりスタッツが生かされていたとも思えない。一体日本人のサッカーの傾向としてどこに強みがあるのだろうか。小さな強みから手繰り寄せるように、圧倒的強みを構築していく欧州のチームの戦術と比べて、日本はまずどこに強みがあるかもよく分らないが、とりあえず海外で流行っているサッカーを真似てみたという感じが凄く強い。その点に関してはザッケローニは自分の戦術に固執せずに日本人に合わせた柔軟性のある戦術を提示していたし、十分面白かったと思う。ただ、長期にわたる選手の管理という面で、クラブチームと違い代表では選手が監督の手の届かない所にいるという点が失敗だったように思う。そしてコンディション管理に関して、日本代表のメディカルスタッフや興行的な日程を組むサッカー協会は信用できない。代表の試合後の怪我の多さは酷いものがある。

相変わらず監督のいう事を聞いてない日本代表

ハリル

選手が監督の言うことを聞いているとは限らない

 4-5-1のブロックを築くシンガポールに対し、ハリルホジッチ監督が準備した対策は「逆サイドへの斜めのパスで揺さぶり、そこからクロスを入れる」攻撃だったという。左SBに太田宏介を起用したのもサイドから正確なクロスが必要だったためで「きょうはキミの試合だよ」と送り出したという。

 ところが指揮官の意に反して攻撃は中央に偏った。
「中央から崩すなら、もっとフリックを使ったり、2~3本のダイレクトパスを入れたりしなければ、フィニッシュは難しくなる」

 だが香川真司と本田圭佑が共存すれば、互いに距離を詰めショートパスを駆使して中央突破に傾くのは、今に始まったわけではない。もしサイドチェンジからのクロスに活路を求めるなら、最初から2トップにしてエリア内のターゲットを確保した方が効率的だったはずだ。またボールを動かしゴールへの道筋を切り拓くためには、運ぶタイプを増やすより、柴崎岳を起点として残しておくべきだったかもしれない。

http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=9703

他の記事でも言及されており大体まとめるハリルの攻略イメージは

  • SBのクロス
  • 斜めの動き
  • 中央から行くならフリックとダイレクトパス
  • カットインしたりドリブルで中央攻めるなら、せめてファールを取れ。きれいに攻めすぎ

日本代表の方が身長で有利になる珍しい相手だったことを考えると、クロス精度が高い太田を選んだ理由も明快。実際は、中央でこねたりカットインしたり、ドリブル突破を狙ったり裏へのパスを狙うシーンが非常に多く、色々試してダメだった時に戻して初めてSBがボールに触る流れが目立った。相手DFをゴール前に並べた後SBがクロスをあげているようなことに。

それも最近始まった事ではない

例えばザッケローニ時代も

 これまでにもFWハーフナー・マイクやFW豊田陽平ら高さのある選手を試してきたが、チーム戦術のオプションにならなかったことにも言及した。「時にヘディングの強い選手を終盤に入れて試してきたが、そういう選手が入ってもグラウンダーでつなぐサッカーをし、戦い方を変えなかった。子供のころからの慣れなのかなと思う」

 そしてたどりついた結論は「だから、5分以上はパワープレーはできないということは分かっている」ということ。

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?141609-141609-fl

最終的にも、メンバー選考にマイクや豊田は選ばれなかった。ここでもその辺の話は何度も書いてるので気になる人はどうぞ

酷い場合いは勝手な采配をしている

それも1回や2回ではない

日本代表が0対1で敗れたベラルーシ代表戦を見ていて、非常に気になるシーンがあった。
 FWハーフナー・マイク(フィテッセ)が投入された後半40分以降、アルベルト・ザッケローニ監督がタッチライン際で何度も大きなゼスチャーを見せていた点だ。派手なボディーランゲージから伝わってくる選手たちへの指示は明確だった。
 「ハーフナーへクロスを上げろ」

 しかし、身長194cmのハーフナーの高さは、最後まで生きることはなかった。というよりも、あえて生かそうとしない周囲の選手たちがいたと表現したほうがいいかもしれない。
 ピッチ上の選手たちのプレーを見ていれば、彼らが何を狙っているのかはテレビ越しでもよく分かった。前線で孤立してしまったハーフナーが気の毒でならない。

ザックと選手の意図が大きくずれている

 ハーフナーの高さを生かそうとしない点だけではない。FW柿谷曜一朗(セレッソ大阪)の相手の裏に抜ける能力が生かされない点も、ザッケローニ監督と選手たちの意図が大きくずれていることを物語っているように思えてならない。

 ベラルーシ戦後には、セレッソのチームメイトであるMF山口螢がこんなコメントを残している。
 「ボランチの選手がボールを持ったときに、曜一朗君は背後を取るような動き出しを何度もしている」
 一方でMF遠藤保仁(ガンバ大阪)は「裏を取れない」と言っている。原因は何なのか。ただ単に前を見ていないのか。見ているけどタイミングが合わなくて縦パスを出せなかったのか。あるいは、タテ一発で素速く崩すサッカーを志向していないのか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131019-00000003-wordleafs-socc&p=2

本田や遠藤くらいの影響力を持っていると、遠藤が入ったらピッチの監督は遠藤になるという事。だから、ザックもザックジャパン終盤には遠藤を後半から投入する事でサッカーのスタイルを2つ持つことが出来るという別の強みで勝負していた。これは皮肉な話でもある。書いているのは「水沼貴史」。最近見ないけど割と本音だと思う。何しろ私が見ても何でかなと思うほど食い違う戦術と選手交代が何度もあったからだ。

遠藤がいなくなった今

遠藤がいなくなり、大幅にメンバーが入れ替わった現在、このような影響力が残っていそうなのは実は本田、香川くらいだと思う。長友はスタメンではなく、内田も怪我、そして何より内田と長谷部はザック引退時にわざわざ空港まで見おくりに言っていた点を考えてもそれほど監督と合わなかったとは思えない。逆に本田は自分たちのスタイルというものに明らかにこだわりがあるようなので、その影響力は良い意味でも悪い意味でも無視できないのではないだろうか。

日本代表がシンガポールに敗れた日に思った事

シンガポールに負けたので、日本代表の攻撃に関係してそうな事を知ってる事を簡単に

日本代表がシンガポールに負けて、あまりになんともいえない気分がしたので、日本代表について関係してそうな事を知ってる限り簡単に

シンガポール

日本代表の課題

以前からそうだが、日本代表は常に決定力不足といわれていた。確実に計算できるFWが少ない。今は岡崎しかいない。その岡崎は裏に飛び出すのが一番の武器だ。岡崎以外も裏に抜け出す強みのFWが多い。そして苦戦するのは、裏にスペースを作らない低いラインの相手。日本代表はミドルがある選手があまりいないし、高さのあるCFも多くはないし何故かまず選ばれない。

ジーコ監督はどうしていたか

昔も同じ問題が付きまとっていて、常々決定力不足といわれていて、そこで攻撃陣以外にSBや2列目の攻撃参加によって決定力不足を解消するという崩す方法が多用されだしていた。2列目のMFに中村や中田など才能が溢れていたこともある。また当時はカフーやロベルトカルロスなどが攻撃参加して異常な攻撃力を見せていたブラジルが最強だったので、ブラジル人のジーコもSBに攻撃的役目を要求しても何の不思議もない。まあ何故か代表のSBには不思議と都並、相馬、名良橋、アレックス、駒野、長友、内田と良いメンバーがそろっていたという幸運も関係していると思う。

しかしセットプレーでCBの中沢などが参加しない限りクロスではあまり勝てなかったのは同じで、それにも拘らずひたすらクロスをあげてロストした後にカウンターというやられ方が頻発していた。今と違うのは昔はそこに中村や中田、遠藤のFKという武器があって、こねている内にファールを取って一発勝負が出来た点。特にアジアレベルの相手にはセットプレーとMFの攻撃だけでも勝ててしまう程度には。

岡田監督はどうしていたか

南ア大会では万全の強豪を相手にしたとき、そもそも崩しきれないという前提が既に岡田監督にはあったと思う。だから南アでは普通に攻めるのを諦め、中村俊介など攻撃的な選手を外し、まず守備を固めて負けない形を取った。結果的に攻撃はカウンターをすることになり、それが機能した。しかも元々SBによる猛烈な駆け上がりと、それに合わせる攻撃を前の時代から頻繁にしていたため、カウンターでも無尽蔵なスタミナでSBが追随できた。恐らく偶然に。そして本田のパス能力を潰してまでシュートは上手かった本田をCFにし、さらに裏に抜け出しが上手い岡崎と、ドリブル突破が上手い松井を並べるという作戦。攻撃参加人数が少なくてカウンター攻撃ならばスペースがあり、突破力のある松井や裏への抜け出しが上手い岡崎が生きたし、本田もFWに並んでいる事でハブとしてボールを集めるとパスが機能した。

ザッケローニ監督はどうしていたか

ザック時代は少し違った。まず、あまりクロスをあげない。監督の支持でCFに豊田やマイクハーフナーを置いても、まったくクロスもあげないしパワープレーもしないという極端な傾向があった。交代メンバー的にいって矛盾しているので、それはザックの指示というより選手の判断だろう。代わりに打開するために使われていたのは、長友であり内田というSBだった。それでも崩せないならと遠藤や今野まで攻撃に参加した。以前スペイン人コーチの日本代表評を紹介した事があるが、個人的にはなぜ日本代表が守備を放棄してSBやボランチが攻撃参加していたのかは、部分的には代表を擁護できる所もある。それは長年日本代表が歩んできた攻撃のスタイルと無関係ではないし、決定力不足に悩んでいたからだと思う。だからSBやボランチが攻撃参加するリスクをとって数を投入して崩すというやり方を選んでいた。その為の突破力のある長友であり、崩しや組み立ての上手い内田だった。

更に、それが故に起きる長友のスタッツから見える苦悩についても、ここでも書いたが、だからといって長友だけがダメだとはいえなかった理由もここにあると思う。長友は上がりすぎてはいたが、長友がいないと崩せないという現実もあった。

そしてハリル監督になってのシンガポール戦である

歴史は繰り返すというか、ぶり返すというか、なんか同じものを感じた。ここで得点不足を解消するためにボランチやSBがやたらと攻撃参加しだしたら大体本当に同じ経緯をたどることに。

補足:一方オシム監督はどうしていたか

W杯には出ていなかったが、オシムの話も凄く興味深いと思う。オシムのインタビューが面白いので引用しておく

――4年前のあなたのチームには欠けていたものでしょうか?

「勇気が? それとも運が?」

――両方です。

「どうだか……。岡崎(慎司)はまるで矢のように動く。しかも斜めに走り込むスプリントだ。李も同じで、よく前に出て行く。ふたりとも、機会があるごとにボールに向かって飛び込んでいく。だが巻(誠一郎)と矢野(貴章)は……、彼らもどうしたらいいかは分かっていた。私はアグレッシブにプレーするようにと常に語っていた。『君らは日本で最も大きなサイズの選手で、それだけの身体があれば相手にショックを与えることができる。チームメイトも恩恵にあずかれる』と。だが彼らは、私が望んだ通りにはプレーしなかった。加地(亮)や駒野(友一)も、内田(篤人)や長友(佑都)に劣らない知性とフィジカルがあった。しかし彼らにしても、自分が何をするべきかを、恐らくは正確に理解していなかった」

凄く言いたいことはわかる。しかもJリーグで監督をしていれば、あえて体が大きい巻や矢野を選んだ事もよくわかる

――あなたのチームは、そこまでは行かなかった。

「私がやろうとしたのは、シンプルなことばかりだった。遠藤(保仁)と(中村)俊輔、(中村)憲剛。優れた選手で優れたプレーができる優れたチームを作る。彼らが走れず、フィジカルが十分でないのもわかっていたが、周囲の選手たちが彼らに走る必要を感じさせなかった。ところがザッケローニのチームは、岡崎、香川(真司)、内田、長友、本田(圭佑)など、若い選手たちが欠点を補った。彼らはいずれもポリバレントで、攻撃もできるうえ戻ってよく守備もする。そんな選手たちがいれば、遠藤もプレーはずっと容易だ。彼らの中に入って、同じように動けばいいのだから。若い選手たちが走るから、彼も必然的に走らざるを得ない。それが私のチームとの大きな違いだった」

http://number.bunshun.jp/articles/-/811574?page=2

そして、今はその時の若手が今やベテランとなって走力不足に苦しんでいる気がする。特に怪我の本田、長友、内田などは、同じく怪我だった中村や、走れなかった遠藤と同じような問題に苦しんでいる気がする。それ所か守備の課題まで・・・

――その通りではありますが……。

「(2007年アジアカップ準決勝の)サウジアラビア戦でも、2点目のゴールを許すことはなかったはずだ。阿部(勇樹)がうまく対応できずにヘディングシュートを決められたが、その前のシーンでは遠藤が左サイドの守備に入っていた。試合前に私は、駒野に守備で遠藤を助けるように言っていた。相手のサイドバックが攻め上がったときはカバーして、2対1の状況を作れと。だが遠藤は抜かれ、クロスを上げられて失点した。普通ではあり得ないことだ。私は駒野を怒った。彼はしょんぼりしていた。さらに、3点目もミスから生まれたゴールだ」

http://number.bunshun.jp/articles/-/811574?page=4

まったく同じ話で面白い。ザッケローニ時代でも同様に駒野の変わりに長友が遠藤のカバーをしていたが、攻撃参加で上がった裏を付かれ遠藤は追いつけずに失点するというシーンが何度もあった。今は柴崎が別の意味でロストしやすい。色々な監督が海外から着て日本を指導するが、面白いように似たような問題に取り組んでいる。

関連項目

イビチャ・オシムが何故持ち上げられるのか footballologies