日本 | 4 – 0 | パレスチナ |
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遠藤保仁(前半8分) 岡崎慎司(前半25分) 本田圭佑(前半44分) 吉田麻也(後半4分) |
得点 | |
警告 | マハジナー(前半46分、後半28分) アラモール(後半15分) アル・バハダリ(後半24分) |
採点
GK | 川島永嗣 | 6.0 | 日本の攻撃が多く見せ場は少なかったが、素晴らしい飛び出しでカウンターを防ぐなど無失点に抑えた |
DF | 長友佑都 | 6.0 | 攻撃は物足りなかったが、しっかりと戻り最近の代表の試合ではベストに近い守備を見せた |
DF | 森重真人 | 5.5 | 安定した守備を見せた |
DF | 酒井高徳 | 6.0 | DFラインで一番のタッチ数。DFからの攻撃の組み立てに貢献したが、一部不用意なミスもあった |
DF | 吉田麻也 | 7.0 | 素晴らしいヘッドで1ゴール。更に守備ではクリーンシートに貢献した |
MF | 遠藤保仁 | 7.5 | 試合の流れを作る先制点を含め完全に試合をコントロールした |
MF | 香川真司 | 8.0 | 2アシストとPKになるファールを取るなど3得点に絡み、決定機をほぼ全て演出した |
MF | 長谷部誠 | 7.0 | マークの厳しい主要メンバーの間を縫うようにボールをもらいチームNo1のタッチ数を記録、酒井とともにボールを運ぶ裏方を見事にこなした。守備でもカウンターを防ぐ素晴らしい守備と安定したプレーを見せた |
FW | 本田圭佑 | 6.5 | PKで1ゴール。それ以外も安定したプレーをしたが、本来の本田からすればコンディションは完璧とは言い難い状態だった |
FW | 岡崎慎司 | 7.0 | 素晴らしい反応で1ゴール。前線でボールをロストしにくく攻守にわたってチームを安定させた |
FW | 乾 貴士 | 6.5 | 1点目の遠藤への素晴らしいパスで先制点を演出した |
途中出場 | |||
FW | 武藤嘉紀 | 5.5 | 持ち味のドリブルや強引なシュートなどが影を潜めていた |
FW | 豊田陽平 | 5.0 | 交代して入った頃には相手ボールの時間も増えており不運な面もあったがチャンスを生かせなかった |
FW | 清武弘嗣 | 5.0 | 遠藤の代わりとなる事はできなかった。 |
監督 | アギーレ | 6.5 | 大事な初戦で安定したゲームを展開し勝利をもたらした。後半にメンバーを交代させた所まではほぼ完璧な試合展開を見せたが、相手に退場者が出て数的有利を作った後の日本代表はあまり機能しておらず交代メンバーで構成するチームに不安要素を残した。 |
試合後、アギーレ監督のコメントから気になった所だけ
――満足できるのは勝てたことと勝ち点3を取れたことということだが、攻撃面での連携についてはどうか?(田村修一/フリーランス)
アギーレ 今日のパレスチナはしっかりと守備ができていたと思う。時間帯によって、形がまったく崩れずにプレッシャーをかけながら守ることができていた。インテンシティー(プレー強度)のある、戦えるチームだった。われわれに欠けていたのは、前半はスピードだったかもしれない。後半はミドルシュートだった。1本、2本、アンラッキーなミドルがあったが、そういったところももう少しトレーニングしないといけない。
これは個人的にも思ったけど、パレスチナの守備はけして悪くはなかった。1点目は立ち上がりの隙を突く狡猾なゴールで、2点目は運もあったし、3点目はPKとならなくてもおかしくはなかった。4点目は綺麗なゴールだったが、既に3失点しているパレスチナにどこまで意欲が残っていたかというと怪しい。それにもかかわらず10人になってからも守備をし続けた気持ちの強いチームだという印象。
アギーレ 日本とパレスチナの間に差があったように思われるかもしれないが、難しいゲームだった。彼らは中国やウズベキスタンと親善試合をしているが、中国には引き分け(2014年12月21日、0−0)、ウズベキスタンには1失点しか与えなかった(14年12月13日、0−1)。決して弱いチームではない相手に、これだけのスコアを挙げるのは簡単ではない。
これも日本では勘違いされてそうな点を言及している。備考として最近のパレスチナの試合の結果を調べてみた。FIFAのページの情報では下のように、サウジに0-2、中国に0-0、ウズベキスタンに0-1と最近はそれなりの試合をしている。実はそこまでの弱小国ではない。
パレスチナ | 0-2 | サウジ |
パレスチナ | 0-1 | ウズベキスタン |
パレスチナ | 0-0 | 中国 |
http://www.fifa.com/associations/association=ple/fixturesresults/gender=m/index.html
日本代表の印象
主に遠藤の経験値に頼った試合展開だったと言う点で遠藤を交代した後半のチーム構成に問題点を感じた。厳しいマークが予想された香川は意外と普通にプレーできており、特に香川はタッチ数も多く攻守に渡り決定的な仕事をし3ゴールに絡むなど違いを見せたが、後半に相手チームが一人退場し数的に有利な場面でも遠藤が交代してしまうとチームが機能しなくなったのは注目に値する。遠藤が抜けると、香川、本田、長谷部、清武などのゲームを作れる選手がいる状態でも試合の流れをどうするかという全体像が失われてしまい無駄に攻め急いだり、攻撃できそうな場面でも溜めてしまうなど、試合の流れとしては悪くなってしまっていた。ここは遠藤の年齢を考えると大きな課題といわざるを得ない。
試合の総評
開始直後の相手チームの運動量を安定したプレーでいなし、ベテランの遠藤が上手く機能し先制点を上げるなどチームの経験値での違いを見せた。メンバーを上手く温存する形で交代している点も今後の体調面では有利に働きそうな試合の流れにする事ができた。ほぼ日本のプランどおりの展開だったのではないだろうか。
スタッツを一つ二つ
今回はAFCアジア杯の公式ページがあるので詳しくスタッツを見る事ができる。まずは試合全体のスタッツを適当に
特に個人的に興味を引かれたスタッツ
いつもの遠藤ではなく酒井と長谷部のタッチ数が多く、右サイドによる組み立てで試合を作っており、更に前の選手では香川が多く、遠藤が意外と触っていないと言う点はかなり試合を見た直感とは違う数値なのではないだろうか。確かにいつもは遠藤のタッチ数が多いのだがこの試合では少ない。にも拘らず後半遠藤が抜けるとゲーム展開が変わったと言うのは興味深い点だと思う。遠藤の試合コントロールというのは必ずしもボールに触る事だけではなく、オフザボールの動きコミュニケーション、メンタル的なものが相当にあるようだ。
アジア杯:日本 – パレスチナ 戦 の日本代表タッチ数
選手 | タッチ数 |
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酒井 | 101 |
長谷部 | 101 |
香川 | 86 |
本田 | 71 |
長友 | 63 |
遠藤 | 46 |
清武 | 46 |
乾 | 29 |
http://www.afcasiancup.com/match-centre/en/