キリンチャレンジカップ 2017 日本vsハイチ 3-3

日本 3 – 3 ハイチ
倉田 秋 前半7分
杉本 健勇 前半17分
香川 真司 後半47分
得点 ケビン ラフランス 前半28分
デュカン ナゾン 後半8分
デュカン ナゾン 後半33分
警告 ザカリー エリボー後半43分
アンドリュー ジャンバプティステ後半45分
Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 東口 順昭 4.5 久しぶりの出場機会だったが3失点
DF 3 昌子 源 4.5 吉田が抜けた守備ラインをまとめる事はできなかった
DF 5 長友 佑都 6.0 攻守に活躍し倉田のゴールをアシスト。前半の日本の流れを作った OUT:後半0分
DF 20 槙野 智章 4.0 相変わらず守備の軽さが気になる。1失点目は槙野と昌子の間に走りこむ選手から、2失点目は槙野 の足をすり抜けたクロスをボレーと割りともう少し何か違ったらという惜しい感じもある
DF 21 酒井 高徳 6.0 シュートチャンスもあり、攻撃では見せ場もあった。3点目は実質酒井のシュートといっても良いアシスト。守備もほとんど右サイドを突破される事はなかった。
MF 6 遠藤 航 4.5 前半に何度か良いパスで攻撃を組み立てたが、相手が攻撃しだすと守備での脆さがあった。DFMとしては特に不用意なスライディングをしたり、後ろからバイタルエリアに走りこんできた相手への対応に課題が残った。守備に関しては小林の対応の問題もあるので一概に遠藤だけが悪いわけではない事は細くしておく必要もあるだろう
MF 7 倉田 秋 6.5 1点目の得点により二試合連続のゴール。また2点目の追加点もシュートにいったのは倉田で、2点目にも絡んだOMFとしては十分な活躍。守備はやや気になったが戻る姿勢は見せていた OUT:後半14分
MF 17 小林 祐希 4.0 要所で鋭いパスを見せ攻撃参加で貢献したがチームの失点も多く不安も残した。特に1失点目は後ろから上がる選手にMFの小林が対応できておらず昌子が相手選手二人をケアする状態になっていたために失点しているし2失点も相手の攻撃にカウンターをしようと欲を出している所にボールが入って失点とバイタルに入り込んだ相手への守備の場面で常に攻撃的なポジショニングが目立った OUT:後半11分
FW 13 杉本 健勇 5.5 倉田のシュートのこぼれ玉を広い1得点は決めたがスタメン出場し時間がある中、チャンスの回数に対してみると物足りない結果でもあった OUT:後半19分
FW 14 乾 貴士 4.5 前半は長友と連動してサイドをえぐったが後半は長友がいなくなり、香川とはお友達プレーで遠慮しあった形で返って崩しが悪くなった。守備に関しては元々余り期待できない選手でそれ相応の出来 OUT:後半35分
FW 18 浅野 拓磨 5.0 何度も裏への動きを見せたが点にはつながらなかった。前半だけの出場ではあったももの攻撃は出来ていたので得点が欲しかった OUT:後半0分
DF 24 車屋 紳太郎 5.5 後半初めからサイドから何度も上がるがボールが来ないシーンが目立った。試合終盤の3得点めではサイドで良い突破を見せたが、存在感をもっとアピールしないとボールが回ってこないので長友と比べるとやや見劣りしてしまった。守備では3失点目のシーンで右サイドを乾だけの守備になる場面からクロスを入れられて失点。中の守備の問題の方が気になるがサイドも全く無関係とも言えず乾が守備をあまり出来ない分をどうカバーするかなども仲間を知って仲間みた対応も必要に思えた IN:後半0分
MF 2 井手口 陽介 5.0 ミドルや攻撃では見るべき場面も作ったが、相手にも攻撃チャンスを与えており中盤を支配するという感じにはならなかった IN:後半11分
MF 10 香川 真司 5.5 ポゼッションを高め攻撃チャンスは増えたが、ショートパスの中央突破に拘っておりシュートチャンスも躊躇してややシュートへの積極性に欠けた。後半14分の投入で30分の時間で1得点は数字としてはいいがプレーの印象は少し違った IN:後半14分
FW 8 原口 元気 5.0 交代後やや躊躇している時間もあったが、リードされてからは持ち味の強引なドリブルで突破するプレーをみせ譲り合う攻撃陣の中で積極性を見せた。強い気持ちの出る場面との差を感じた IN:後半0分
FW 9 武藤 嘉紀 残り少ない時間で投入され、まずボールに触る回数自体が少なかった。他の選手からボールをもらうための関係性構築が必要に感じた IN:後半35分
FW 15 大迫 勇也 5.0 追加点を期待される場面での投入だったが結果にはつながらなかった。いいポストプレーを見せたが香川乾の遅いリズムの攻撃と、大迫のリズムが余りあっていなかったようにも見えた IN:後半19分
監督 ハリルホジッチ 5.5 若手戦力の育成機会としてはやや積極性にかけるスタメンだったももの交代をちゃんと使い切りサブのメンバーの状態を確認できた点で価値があったように思う。試合内容に関してはCBとDMFの守備の組み合わせと守備の対応に関してはもう少し対策が必要だった。また後半になっても失点が増えたのはハーフタイムでの対応ができていなかった部分があるように思う
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「最もよくない試合のひとつ。得点を取ったあとすべて止まった。今日はこれまでプレーしない人にかなりのチャンス与えた。それぞれ候補に入りたくて見せてくれたと思うが、長年監督続けたがこんな内容のよくない試合見たことない」。

 「今夜のこのような試合のあとにW杯の試合の話すると愚かな人間だと思われていまう。サポーターに謝罪したい。このような試合すると説明がつかない。これは私の責任です。いろんな面でレベルの低いものを見せた」

 「就任からこんなに悪い試合を見たことない。怒りと理解しがたいことで説明がつかない。心理面で何人か弱い。もろい。やるべきことはたくさんある」

 「次の対戦相手はもっと障がいが大きい。我々の幻想が砕かれる。11月の試合の話です。世界でも有数な2か国とやる。まったく違う対戦相手ですね。本当にこのような試合を繰り返すとひどい状況になる」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171010-00000236-sph-socc

 普段控えの選手が多くプレーしたが沢山の課題が見つかった。攻撃面では控えの選手を中心に前半で2得点と見るべき点もあったが守備陣は課題が残った。一部の選手が実戦で使うのが難しいというのが分かったという意味ではかなり意味がある試合だったと思う。DFやDMFが怪我などをした時にどうするかという課題については別に検討する余地があるように思う。
 また、現時点でのベストメンバーという意味ではなく、将来の育成という意味でもっと若手に機会を与えるべきだという方向性はこの試合でより重要性が増したように思う。もしこの状態で今の戦える年齢層以外の選手が育成できなかった場合どうなるのかという問題の深刻さがよく分かる試合だった。こういう親善試合では現時点でベストなプレーヤーを選ぶ事よりも、現時点ではベストとはいえなくても将来良い選手になる可能性がある若い選手をサブのグループに振り分ける意味があると改めて示した形になったのではないかと思う。
 少なくともこの試合があったことで、主力が怪我をして誰かサブの選手を使うとなった場合にこのハイチ戦のように困った事になるという事態を事前に防げたのだから。相当に意味はあったと思う。

日本代表の印象

 日本の失点場面は相手が中央を抜けてゴール前のバイタルエリアに2列目が走りこむ事で失点しており、真ん中のバイタル周りでのMFとCBの守備がほぼ機能してない状態になっていた気がする。DMFに長谷部、CBに吉田がいない状態の危険性と控えの選手の問題が残った。サイドの守備は逆に安定しておりSBは高徳も十分活躍して、長友、酒井ともに十分機能した。また車屋も事実上アシストしており連携面の確認をしっかりすれば機能する可能性を残した。
 攻撃面ではサブの倉田が安定して得点をしており、主力の交代カードとしての重要性を見せた。また井手口や山口のMFとしての価値も再評価できた気がする。代わりに浅野原口乾は攻撃チャンスに対して決定力という意味で少し気になる点もあった。

試合の総評

 開始直後の緩い流れから日本が2得点をして、サブのメンバーでほぼ終えた前半だけ見ると2-1とサブのメンバーも失点を除けば見所は会った。後半も中央から崩されて失点を繰り返した。その後主力を次々に投入し、日本が3点目をとり引き分けの形に出来たが、日本代表としてはあまり良い試合内容とはいえない結果になった。
 ハイチの3点目はゴラッソで初見であの位置からのあのシュートを予測し防ぐのは難しかったかもしれないが2失点目は重大な弱点を露呈していた。後半だけ見ると1-2でハイチの方が上手く試合を進めておりハーフタイムでの対策や切り替えなどにやや疑問が残る部分あった。試合はお互い緩い守備で点の取り合いで、玉際はそれほど激しい試合ではなかった。

スタッツを一つ二つ

18 シュート 12
13 直接FK 4
0 間接FK 2
7 CK 3
0 PK 0
5 GK 15
0 オフサイド 2

個人的な控え選手に望むもの

 個人的に強く思っている事として、特に親善試合においては勝敗は関係がないので若い選手を試すべきだというのがある。何度かここでも書いているけどサッカー選手の選手生命はそれほど長くはない。ピークは遅くても30前後だ。25とかは若手ではなく丁度真ん中。若くない選手を選んだ場合、失敗したときには次はない絶望的な選考であり、同時に他の若い選手のチャンスを潰し、そのチャンスを潰された若手選手も次にチャンスが与えられるのは後がない絶望的な状況下でとなる。こんな不幸の連鎖のような選び方はよくない。

 例えば今回の試合で「小林祐希」は恐らく私以外も相当に酷い評価をするだろう、しかし彼には年齢的にいってもうほとんど次がない。では小林は若い時にこの試合で起きた課題に気づけるチャンスがあったかというと私が認識する限りなかった。調べてみると2016年6月7日ボスニア・ヘルツェゴビナ戦しかない。

東京V下部組織出身。11年にトップチームに昇格すると、翌12年から背番号10に変更し、クラブ史上最年少となる19歳で主将就任が発表された。12年7月に磐田へレンタル移籍すると、翌13年に完全移籍。磐田の司令塔として活躍すると、16年5月に初招集され、6月7日のボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦でA代表デビューを飾った。左利きや個性的な髪型、強気なコメントなどの共通点からMF本田圭佑と比較されることが多い。16年8月にエールディビジのヘーレンフェーンに完全移籍することが発表された。

https://web.gekisaka.jp/player/?24592-24592-eup

 なんて不幸な選抜。最年少で首相就任し磐田の司令塔なった時点で召集ならわかる。しかしそれは4年前だ。このときに気づいていたら今は別の選手かもしれない。それに例え今過剰に彼を擁護して評価しても見てるファンは恐らく彼を若手だといって許す事はない。
 現在の日本代表にも中島翔哉や堂安など若い可能性がある選手が次々と海外に移籍しているが、代表には呼ばれない。そして私が予想するに呼ばれるのは後がない年齢になってから。よくてあと2年後ほどの25歳頃、悪ければ20代後半に一度だけ呼ばれるパターンだろう。斉藤学とか小林悠とかもそのパターンだった。なぜそんな絶望的なテストするのか疑問がある。

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