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東アジア杯2017 日本vs韓国

韓国* 4 – 1 日本
前半13分 キム シヌク
前半23分 チョン ウヨン
前半35分 キム シヌク
後半24分 ヨム ギフン
得点 前半3分 小林 悠
前半2分 チャン ヒョンス
前半5分 コ ヨハン
警告 前半21分 車屋 紳太郎

*中継があったテレビの表記が何故か韓国-日本の表記だったので合わせたが、本来左側にホームのチームを書くべきなので順番がおかしい。放送はフジテレビ。解説はラモス。小野。山口。後半になったら何故か「日本-韓国」に表記が変わっており前半後半で表記が変わる前代未聞の謎のシステムとなっていた。

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 12 中村 航輔 6.5 失点はしたものの前回に続き素晴しいセービングを見せた
DF 3 昌子 源 4.0 今までの試合と違いハイボールで放り込まれる形が何度も見られハイボールに対する対処がよく分かる試合だった。主に対応していた昌子が高さで何度もせり負け少し強い相手ではハイボールでの勝負に不安が残る結果になった
DF 5 車屋 紳太郎 3.5 上がるタイミングが悪く基本的な守備ができていなかった。昌子がカバーする形で引っ張り出されて中があくという危ない形になんどもなった。出場した2試合続けてかなり問題があり代表レベルにはないように感じた
DF 6 三浦 弦太 4.5 競り合いにかてず韓国が中にロングボールを放り込むだけで日本を崩せてしまう形になっていた。高さでの勝負以外も守備の連携も課題が残った
DF 22 植田 直通 5.0 日本のDFラインはロングボールだけでボロボロになっていた状態で、DFが毎回一枚足りず右か左で誰かがフリーになる形を繰り返した。攻撃参加とクロス精度は相変わらず素晴しいモノがあった
MF 2 井手口 陽介 4.5 後半21分OUT 積極性は見せたがボールを上手くつなげずロストを繰り返し、相手に中盤を支配された
MF 13 土居 聖真 5.0 体の強さやポストプレーでは持ち味を見せたが連携が上手くいかずボールをつなげなかった
MF 17 今野 泰幸 4.0 守備ではいいプレーも見せたが、相手の荒さがあったとはいえ堅実なプレーが求められるベテランとは思えない浮き足立ったプレーが目立ちボールをロストする流れを繰り返した
FW 7 倉田 秋 4.0 後半36分OUT 序盤ボールがつなげず持ち味の運動量も有効ではなかった。中盤で流れを作ることが出来なかった
FW 11 小林 悠 4.5 ボールが前まで運ばれないので仕事が出来なかった。PKで1得点はしたが1点オウンゴールもした。オウンゴールがなければプレー自体は悪くはなかった
FW 14 伊東 純也 4.5 後半24分OUT 縦への突破は悪くないプレーがあったがあまりにも簡単にボールを失いすぎた
交代
MF 16 三竿 健斗 4.5 後半21分IN 交代で入ったが違いを見せることは出来なかった。まだ
FW 9 川又 堅碁 5.0 後半24分IN 体の強さは見せたが点にはつながらなかった
FW 18 阿部 浩之 5.5 後半36分IN 短い時間ではあったが相手のラインの裏へ抜ける動きが効果的に機能し攻撃を活性化させた
監督 ハリルホジッチ 5.5 選手のテストという目的は果たしたが結果は出なかった。辛抱強く若手を使った点は評価したいが韓国の戦術に対応できていなかった。日本の守備のについては韓国が良く分析していた。こういう日本のやり方をよく分かっている相手、よく分析してきている相手にどう戦うかは課題。試合中の戦術に関してはHTでの修正には失敗しており、選手交代も遅く判断に迷いを感じた。また高さを持ち味とする相手にロングボールを指示したため身長勝負になった。

試合後のコメント

DF昌子主将「いい時間帯に点が入って勢いを見せることができたと思う。そこから、監督にも『少し全員プレーするのを怖がっている』と言われたように、そういう風にとられてもおかしくないプレーだった。僕自身も相手の得意なプレーでやられた。反省するところが多い試合だった。攻守の切り替えが韓国の方が早かった。僕らが組み立てなくても真ん中を閉じているので隙を作れなかった。個人としては韓国、中国、北朝鮮は全部初めて。ACLを除いてこういう大会は初めて。アジアのレベルを肌で感じられた。監督から主将を命じられて、主将としても未熟なこの3試合だった」

 FW小林「後ろが“重たかった”。下がり過ぎたと思う。後ろで守備の時も余ってる選手もいたし、後ろからはめていって前に押し出せればよかったと思うが、少し重たかったかな…。後ろの3枚(の相手DF)を自分一人で追っている感じだった。もうちょっとうまく前に押し出して守備できれば、もうちょといい攻撃につなげられたかなと思う」。

 ハリルホジッチ監督「このチームが日本より強いことは試合前から分かっていた。レベルに差があった。韓国は勝利に値していたと。しっかり結果を残すことを望んでいたが、1点目を決めたあと、プレーを止めてしまった。なぜだかはわからない。相手がその状況をうまく利用して2得点。そこで我々のバランスが崩れた。韓国の方が格上だったと思う」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171216-00000172-sph-socc

コメントを見た感じ、一番客観的に試合を見ているのは小林ではないかと思った。ハリルは言い訳を言うのを良しとしていないようだし、昌子は冷静さを欠いているようだった。明らかに高さとフィジカルでCBが負けていた部分が大きかったと思う。勿論、小林も自分のオウンゴールがあったりと後ろばかりの問題ではなかったと思うが全体としてはDFのラインの高さやDMFのシステム的な問題が個人の能力異常に大きく影響していたように思う。

日本代表の印象

この試合はある意味沢山の見所がある試合だったし日本代表の課題が見えたいい強化試合となったので気になった所を書いてみる。

守備の話

 守備に関しては、相手のCFが少し強い場合、単純にクロスを上げられるとCBの二人が跳ね返すことが出来ないことが判明した。このCBコンビでは単純にロングボールをCFの場所に放り込むだけで何度かやれば崩せてしまう。まだ比較的経験があるはずの昌子も完全に抑えることが出来ておらず、いいボールがくれば失点は時間の問題だったといえるだろう。また相手のクロスやCFを警戒してラインが上げれずMFが浮いてしまいプレスが機能しなくなりボールを奪われやすくなっていた。
 韓国のサイドからの突破にもクロスされるとDFが真ん中で競り負けてしまう為に、SBが毎回付いていってマークする形になった。そこで日本のSBとCBのマークの受け渡しに問題があり、マークがずれて相手が一人フリーになる形が何度も見られた。逆サイドに毎回一人空く形。特にこの試合SBでは車屋、CBでは二人ともは不安が残った。

 GKの中村はすばらしくこの東アジア杯で代表でも通用すると発掘された素晴しい人材なのではないだろうか。

攻撃の話

 攻撃ではロングボールで速く攻撃しようとしたが前線でもフィジカルや高さ勝負になってしまいフィジカルを持ち味とする韓国相手に不利な戦いとなった。これは同じようにロングボールを使っても違う形も考えられた。例えば浅野のような速い選手が前にいる場合ならばスペースへボールを出してスピード勝負という形は考えられたし、裏に抜ける動きを得意とする選手を選べばで韓国のDFラインの裏へボールを出して抜け出るという形も考えられた。しかしこの試合では選手に合わせてボールを出す形になり、日本のFWはポストプレーをメインとしたので、相性的にも良くなかったように思う。

戦術と分析の問題

 代表全体に関しては選手交代による戦術対応がなく、ソレも遅くなっていた。これに関しては監督というより日本代表のコーチ陣全体に能力の低さを感じた。なぜかというとそもそも韓国という相手がフィジカルを武器としてくるは分かっていた事であり何度も戦ってきた相手である。オーストラリアや韓国ならこういう戦い方をする傾向があることは分かっていたはずであり、相手が取ってくる戦術に対して全く対応策が考えられてなかった。そればかりか逆に日本のDFを研究されておりそこを付かれていた。本来は日本が分析するべきであり相手の分析やこちらの対策という面で明らかに韓国に遅れをとっていたこれは選手の問題ではない。選手は若い選手が多く初めてこういうフィジカルタイプの相手と戦った可能性もあるわけで、あらかじめ戦術で対応すべき問題であったと思う。
 そして初めのプランが上手くいかなかったときの対応能力にも疑問を感じた。上手くいかなかった場合を想定していなかったように思えた。

試合の総評

 韓国のプレーのレベルも高いとはいえず、戦術も単純にロングボールを放り込む形でキックアンドラッシュをお互いに繰り返すような原始的な試合となった。ただしCBとCFの質で韓国が有利に試合を進めた。
 韓国の攻撃は、後ろからのロングボールか、サイドの突破というEPLでよくみるシンプルな形であったが、Jリーグでこういう放り込みサッカーをするチームがあまりないのでJの選手は対応しにくかった。中盤をなくして高さ勝負をして特にCBのハイボールを弾くの能力の勝負になった場合、日本のCBはハイボールに強いとは言い難いので韓国よりももっと弱いチームにも同じ方法で負けるのではないかと思う。
 日本はPKで1点取ったもののその後は失点を繰り返し、後半に入ってもオウンゴールで失点しHTでも対応できなかった。

スタッツを一つ二つ

日本 韓国
8 シュート 17
9 直接FK 20
2 間接FK 0
3 CK 7
1 PK 0
11 GK 4
2 オフサイド 0

東アジア杯 2018 日本 vs 中国

2 – 1
小林 悠 後半39分
昌子 源 後半43分
得点 ユー ダーバオ 後半49分
警告 前半15分 警告:リュウ イーミン
後半18分 警告:ユー ダーバオ
後半47分 警告:ヘー チャオ

採点

Pos No. 選手名 採点 寸評
GK 1 東口 順昭 5.0 危機が多かったわけではないが、安定したプレーは見せた。失点はPKであり仕方がない面はあった
DF 3 昌子 源 6.5 手堅い守備でDFラインを支えた。また後半追加点が欲しい時間に浮き足立つ相手をみてロングシュートで1得点。予想外の点への嗅覚と試合の流れを読むプレーを見せた
DF 6 三浦 弦太 4.5 何度か危ないシーンがあり中国の選手のプレーの質が低く助かる形があった。強豪相手で同じプレーをしたらと考えるとCBとしてはやや不安が残った
DF 21 山本 脩斗 4.0 1vs1の守備は見るべき点があったが相手が縦に突破してくる所を抑えきることができなかった。連携した守備にも課題があった。また攻撃参加したときのプレーの質が低く、クロス精度も代表レベルにはなかった。攻撃が得意ではないのなら縦への突破を味方に任せる選択もあったがロストが目立った。これを書いていたらPKまで与えてしまったのでさらに減点
DF 22 植田 直通 6.0 やや安全志向過ぎるクリアもあったがピンチを招かないという意味では安定したプレーだった。また攻撃参加では素晴しいクロスを再三見せチームでも屈指のチャンスメーカーとなっていた。クロス精度は素晴しいものがあった
MF 10 大島 僚太 5.5 前半30分OUT 攻撃面でかなり主導権を握っておりプレーは悪くなかったが、前半にシュートしたタイミングで左足太もものの筋肉を負傷してしまった
MF 13 土居 聖真 5.0 後半37分OUT 山本の攻撃精度がやや問題があったため左サイドは課題が残ったが、土居のプレー自体はそこまで悪くはなかった。ただしスタミナ面、ハイボールの扱やクロスやシュートへの積極性などの課題はあった
MF 17 今野 泰幸 6.0 中盤でボールを回収するいいプレーを何度も見せた。後半になってもスタミナが落ちず年齢を感じさせない動きだった
FW 7 倉田 秋 5.5 攻守で安定したレベルでプレーしており、豊富な運動量と積極的なプレーで質の部分を補った。倉田の攻守の積極性はプレーの質を頭と運動量で補えるといういい実例なのではないかと思った
FW 11 小林 悠 6.5 試合終盤で重要な得点。FWとしては決定的な仕事をした。この試合ではいつもと違い何度もクロスが小林の所へ放り込まれて、チャンスが多かっただけに頭でも決めたかった
FW 14 伊東 純也 5.0 右サイドは何度も攻撃に成功しており植田との連携にはやや伊東のプレーに問題を感じた。ドリブルでの縦への突破などは見るべき点があったが、判断にやや迷いがあり持っている能力を生かしきれている感じではなかった。試合感覚が短いのでコンディション面も気になる所
交代
MF 2 井手口 陽介 6.0 前半30分IN 中盤でのプレーだけでなく得点への意識が高くMFとは思えない脅威を与えるシーンが多かった。また勝負が決まりそうな時間帯になると今野と並んで顔を出しベテラン選手のような嗅覚を見せた
FW 9 川又 堅碁 5.5 後半30分IN 時間が短い中、交代で入った後にいいポストプレーを何度か見せ日本の攻める流れを作った
FW 18 阿部 浩之 後半37分IN 時間が短すぎて採点不能
監督 ハリルホジッチ 6.0 新しい選手のテストに成功しながら2連勝は十分な結果。内容には課題もあったが、新しい選手のテストや若手の経験値を積ませることには成功した

試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

「すごく美しい勝利。素晴らしいフットボールをした選手を称えたい」
「3、4分悪い時間はあったが、多くのチャンスを作った」
「もう少し点を取れた」
「このトーナメントで一番強いのは韓国だと思っている。しっかりと準備したい」

日本代表の印象

スタメンの選手は個人的にはやや不満もあった。前回の試合でGKの中村がよかったがなぜかこの試合のGKは東口。個人的な印象では折角結果も出ていた若い中村に経験を積ませて欲しかった。SBも前回の車屋、室谷ではなく山本と植田。確かに車屋は問題があったが室谷はもっと試して経験をつませればよかったのではないかと思った。
攻撃陣は前回代表戦に出たときは酷い出来だった大島がそれなりにいいプレーも見せたが前半で怪我。FWは何度も決定的なチャンスがあったが中々決めることができなかった。この試合に関しては小林は何度もクロスが着ており、頭でも1点は取りたかったところではあったが、試合を決める時間で重要な1点を取り結果を出した。本当はもう1点2点取れるチャンスはあったが小林はこれで首の皮一枚でギリギリ代表争いに残ったのではないだろうか。全体でみると井手口に続き植田、昌子なども代表選考に入り込んだのではないだろうか。

試合の総評

膠着した試合展開ではあったが日本がミスをしても中国の最後のシュートの精度が低くミスの割には失点はせず、逆に日本の側もチャンスの割には点につながらない時間が長かった。後半の相手の集中力が切れた時間に日本が的確に攻め立てて先制点。浮き足立った中国に対して直ぐに追加点。相手の個人技とPKで1失点はしたももの戦略的には完全に中国を押さえ込んだ形になった。

スタッツを一つ二つ

日本 中国
18 シュート 7
18 直接FK 16
1 間接FK 5
4 CK 3
0 PK 1
7 GK 11
1 オフサイド 6