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FIFA会長選挙にジーコが立候補したという話

ジーコへのインタビュー記事を見ていたらなんかおかしな話が出ていたので気になった。

――あなたが国際サッカー連盟(FIFA)会長選挙に立候補の意思を表明したというニュースを見たときは少し驚きました。あなたはいわゆる“サッカー政治”からは距離を置いた人間だと思っていたので。

ジーコ:(大きく手を広げて)そんなことはない。おかしなことがあれば昔から発言していた。ただ、今回立候補しようとしたのは、FIFAを変えるチャンスだったからだよ。一番の問題はW杯開催地を含めて、24人の理事がすべてを決めていることだ。そのうちの何人もが逮捕されている。これは異常なことだよ。W杯を始めとして、サッカーは大きなビジネスになっている。その世界を牛耳っているのは誰だ? サッカーのことはサッカーの人間が決めるべきではないのか?

――現会長のゼップ・ブラッター、前会長のジョアン・アベランジェ共にサッカー選手としてのキャリアはない。

ジーコ:私は今、62歳。サッカーの世界で40年仕事をしてきた。しかし、(前々会長スタンリー・ラウスを含めて)3人の会長しか知らない。ブラッターは何年FIFAの会長をやっているんだ? その前のアベランジェは? 権力の継続は腐敗の根源だ。ブラジルサッカー協会も同じだ。私はそれをずっと批判してきた。

――今回の選挙では、残念ながら立候補に必要な5つの協会の推薦を得ることができませんでした。日本協会の推薦は取れなかったんですか?

ジーコ:立候補に当たって10項目の改革案を記し、支持を求めるメールを全世界、200以上のすべての国

のサッカー協会に送った。中でもイタリア、日本、トルコ、ブラジル、ウズベキスタン、イラク、カタール……私が仕事をした国の協会には最初に送った。

――日本からすぐに連絡はありましたか?

ジーコ:(顔をしかめて)何もなかった。

――えっ? 返事がなかった?

ジーコ:ああ。今年の6月、解説の仕事でベルリンで行われたチャンピオンズリーグ決勝に行った。そのとき、田嶋(幸三・日本サッカー協会副会長)に会って、立候補の説明をした。メールを送ったのはその後、8月だった。返事がないので(日本代表監督時代に通訳だった)鈴木(國弘)に「田嶋とコンタクトをとってくれ」と頼んだ。メールは受け取ったようだが……。

――それ以上のリアクションは、なかった。

ジーコ:お前はインドに来るというメールをくれた。こちらは「まだスケジュールは決まっていない。それでも良ければオッケーだ」と返事した。それと同じで、どんな答えであれ、返事をするのは当然だと思うんだ。返事がないのは誠意がないと思わないか? ものすごく悲しかったよ。

――あなたは日本代表監督でしたからね……。

ジーコ:推薦を検討する、今はできない、幸運を祈る、どんな答えでもいい。推薦と投票は違うんだ。推薦をして、後から私の提案が投票に値するかどうか検討すればいい。私は日本のサッカーのために貢献してきたつもりだ。その私に返事を出さないというのは、(皮肉っぽく)私以上に日本のサッカーに貢献してきた会長の候補者がいたんだろうね。

◆日本代表は同じ過ちを犯していた

――日本代表の試合についてはご覧になっていますか?

ジーコ:最近の試合はきちんと見ていないんだ。最近だと……去年のW杯だな。非常にがっかりさせられた結果だった。私が監督をしていたときと同じ過ちを犯していた。

――同じ過ち?

ジーコ:日本の選手の悪い癖に、ゴールを奪われると意気消沈してしまうことがある。サッカーでは失点は試合の一部だ。ところが、点を取られると精神的に崩れてしまうんだ。例えば、グループリーグ3試合目、コロンビアとの試合。1点を先取された後、同点に追いついた。しかし、また1点取られるとパニックになり、失点を重ねた。

――結果は1対4。グループリーグ敗退でした。劣勢になったときに立て直すメンタルの強い選手がいない。

ジーコ:それを期待されたのは、香川と本田だったろう。彼らはチームの中で欠かすことのできない重要な存在だ。チームを背負う選手なんだ。率先して走り回り、戦い、手本とならなければならない。リーダーシップが要求されるんだ。香川は日本サッカーの顔のようなものだ。ブラジルにおけるネイマールだ。しかし、香川は何も違いを生み出すことはできなかった。

――現在の代表選手はかつてよりも国外でプレーしており、技術的にはレベルが高い。しかし、戦う姿勢が足りないような気もします。

ジーコ:代表である誇りは一番大切だ。一般的に日本人の選手は、規律も守るし、真面目だ。しかし、勝ちたいという気持ち、あと少し何かが欠けている。私が代表監督をやっているときでも、負けた後、冗談を言っている選手がいた。私はそういう選手を代表には選ばない。私が欲しかったのは、最後の1分まで戦う気持ちを持った選手だ。終了の笛が鳴るまで戦う選手を選んでいった。私が監督をしていたときの中心選手、中田(英寿)、中村(俊輔)、中澤、宮本たちは戦うスピリットを持っていた。今の代表にはそういう選手が足りないような気がする。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151115-00979158-sspa-soci

断るにしても、返事もないってのはすごい。もう少し上手く断ればいいと思うが、何か不可解。正直言って、これに限らず今の日本サッカー協会の対応は試合日程から選手の移動、対戦相手、コンディション管理やメディカルスタッフまで含めてかなり雑というか。確かに日本代表では選手や監督も問題はあるが、ブラジルW杯前後から今にかけての流れは単純な選手や監督の問題という以上に明らかにおかしい。それも上手くやるとかそういうレベルではなく普通の常識として見ておかしい。サッカー抜きにしてもサッカー協会自体の対応のまずさが、このジーコの件以外もいくつも表に出ている。これはよくない。