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ドルトムントが昔から強かったと言うような風潮

香川の活躍ですっかりドルトムントの知名度があがり、最近ではまるでドルトムントが昔から大変強いチームで香川は強いチームに行ったから勝てた見たいな風潮があるが、実際には香川の加入する前は中堅でそこまで強いチームではなかった。だから、今の日本人選手がブンデスに移籍する時に中堅に移籍したら望みがないみたいな話は、まったくおかしくて、ましてそこに香川を持ち出すのは全く矛盾していると思うんだけど、そういう風潮があるなぁとおもったのでここ10年のドルトムントの順位を調べて乗せてみる。

■10年のドルトムント

2004-05:リーグ7位
2005-06:リーグ7位
2006-07:リーグ9位
2007-08:リーグ13位
2008-09:リーグ6位
2009-10:リーグ5位
2011-12:リーグ優勝 ※香川在籍
2011-12:リーグ優勝、ドイツ杯優勝 ※香川在籍
2012-13:リーグ2位、欧州CL準優勝
2013-14:リーグ2位、欧州CL8強

ボルシア・ドルトムント – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%88

保持タイトル

8回 ドイツ – ブンデスリーガ

  • 2012 香川在籍
  • 2011 香川在籍
  • 2002
  • 1996
  • 1995
  • 1963
  • 1957
  • 1956

5回 Super Cup

  • 2014
  • 2013
  • 1997
  • 1996
  • 1990

3回 ドイツ- DFBカップ

  • 2012 香川在籍
  • 1989
  • 1965

1回 UEFAチャンピオンズリーグ

  • 1997

見て分かるように香川が在籍時以前の10年はリーグでの順位は中堅程度でそれ以外のタイトルもほとんど取っていない。だから中堅だから日本人が移籍しても可能性がないとは限らないとは思う。クロップが着てから目に見えて強くなっていたのでむしろ順位よりも監督やチームの体制の方が影響が大きいように思う。

http://www.goal.com/jp/teams/germany/bundesliga/9/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%88/964/honours?ICID=TP_TT_2

コートジボワール戦で日本は何故失点したのか

特に見てなかったのだけど、ギリシャ戦を前にニュースをみたら Yahoo のコメント欄に香川叩きが多くて驚いた。特に失点に関しての話が多い。コメント欄だけではなく、例えばサッカーファンには毎度おなじみの杉山さんとかも猛烈な香川批判。ただ、この人の場合はあえて突っ込み待ちみたいな気がする。まあ、香川はエースなんだからしっかりして欲しいという意味では言いたい意味は分かるけど。

どう分析されているか

前置きはこのくらいで肝心の失点がどのように分析されているか

香川真司 3.5

選手の中では最大の戦犯。本田が満足な状態になければ、次にチームをリードするのは香川であるはず。2人は日本の両エースであるはずだが、香川にはその自覚がないようだ。何よりプレイにひたむきさがない。で、肝心なところで大きなミスを犯す。同点ゴールを奪われたのは香川のミスの直後。彼の軽率なプレイが、相手を勢いづかせる結果になった。奪われたら即、追いかける。この基本ができていない選手がピッチに立っていると、見る側の応援精神は失せるのだ。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/sugiyamashigeki/20140618-00036512/

まずは、一番の突込み所としては、”同点ゴールを奪われたのは香川のミスの直後”というコメント。では実際の1点目の失点シーンを見てみよう。
https://www.youtube.com/watch?v=3oioKMoRfvI
まず出てくるのは何故か本田なんだけど、基本的な流れは

  • 香川→本田→ロスト

おや?と思うのが、まずこれは香川のミスなのか?という所。そう、どちらかといえば本田のミスに見える。ちなみに明確な香川のミスのシーンもあるのだけど、それは失点のシーンではなく、その少し前の時間におきている。それも似たような形でロストしたあとクロスが上がりゴール前まで行くが失点にはなってない。試合動画をスキップしながらみてて、このシーンと失点シーンを間違えでもしたのではないか。

1失点目の問題は何だったのか

では本当の失点シーンは何が問題だったのか。この1失点目は本田が奪われた後も本田がチェイスし香川も寄せてカウンターを遅らせている。そこで右にだされているので裏に居る選手には遠藤か長友がよるしかないが、長友はもう1人上がっている選手についているので、遠藤かFWであまっていた大迫がカバーに回るしかない。遠藤は後半出場でまだ走れる時間だったし、中央は山口が抑えていた事を考えると回されたらダッシュで寄せなければいけないシーンだったが、遠藤の守備はいつもスピードが出ない感じで何度も裏の長友の所までいってしまう事を考えれば今更という話かもしれないが。

大迫の交代のタイミング

そして次に問題なのがFWの大迫。前からのプレスが必須の日本ではFWのプレスが大事だが、取りに行くタイミングが合わずにスタミナがなくなってしまっていた。この3分後に大迫は交代するが、ザックは既に大久保の準備をしていたので、このタイミングがもう少し速ければフレッシュな大久保が守備に回れた可能性もあり、こういう細かい所は明確にザックの采配ミスといっていいんじゃないかと思う。ただ、大きい流れはザッケローニは読めていたからこそ大久保を準備していたわけで、本当に一瞬のタイミングの差ではある。

2失点目の問題は何だったのか

2失点目は、ロングボールのボールを拾い、そこから中に楔でいれてから外にはたくという、かなり綺麗なボールを回しをコートジボワールが見せる。一度くさびで中に入れてから外にはたいた為マークが遅れた。ここは確かに香川の守備だ。さらに中にコートジボワールが4人も走りこんでおり守備の数でも有利ではなかった。問題はやはりロングボールを日本が競り勝ったにもかかわらず、遠藤長友はセカンドボールが拾えず、その後寄せた遠藤が軽く交わされ、釣られていた香川もクロスに寄せきれずにあげられる。そして中に低目のボールで入ってきた所で長友がニアの選手をフリーにしており失点。致命的なミスが3つも続いた形での失点といえると思う。

失点シーンを上から見れる動画

2失点目で一番直接的な問題は時間的猶予があったのに中で相手をフリーにしていた長友かCBだと思う。次がボランチで守備ができない遠藤と、振り切られている香川。香川の守備を問題視するなら1失点目ではなく、むしろこの2失点目ではないだろうか。ただ、アベレージで見た時に香川の守備は突出して良い数字を残しているので本質的な能力不足だとは思わない。一瞬の油断だろう。遠藤の方は選手として守備がそれほど上手くないので遠藤を入れる以上、この問題は常に付きまとうと考えなければいけない。

全体のハイライト


http://www.nicovideo.jp/watch/sm23798175

香川真司のボールロスト率の話

香川真司のボールロスト率の話が2chに出てて謎の主張がされてたので軽く、客観的な数字を出して見る事に。

香川真司のボールロスト率が異常 モイーズの起用法はやはり妥当
2013年12月31日8件
マンチェスター・ユナイテッド

633: 名無しに人種はない@実況はサッカーch 2013/12/30(月) 11:42:31.82 ID:V+oNWPrG0
香川のライバルはアザールでもヤヌザイではなく、ましてやルーニーやエジルはもってのほか
真のライバルはヤングです、そのヤングに対しても現在若干不利な状況
よってモイーズの起用は香川に関しては極めて妥当です

Sinji Kagawa
出場試合7 0G0A シュート0.6(4) ドリブル0.9(6) キーパス0.6(4) 平均パス数35.3(247)
パス成功率87.9% クロス成功数0(0/8) ロングパス成功数2(14/17) ボールロスト2.7(19)

Eden Hazard
出場試合17 7G4A シュート1.9(34) ドリブル3.6(65) キーパス2.6(46) 平均パス数43.6(818)
パス成功率83.4% クロス成功数0.5(9/37) ロングパス成功数1.5(27/38) ボールロスト2.2(40)

Adnan Januzaj
出場試合13 3G1A シュート2.0(26) ドリブル1.8(24) キーパス0.8(10) 平均パス数21.4(278)
パス成功率81.3% クロス成功数0.2(2/25) ロングパス成功数0.9(12/17) ボールロスト2.3(30)

Mesut Ozil
出場試合15 4G7A シュート1.3(20) ドリブル1.7(25) キーパス3.0(45) 平均パス数62.7(941)
パス成功率87.1% クロス成功数1.7(25/66) ロングパス成功数1.7(26/34) ボールロスト1.4(32)

Wayne Rooney
出場試合16 9G9A シュート3.2(51) ドリブル1.6(25) キーパス2.4(38) 平均パス数46.6(746)
パス成功率79.9% クロス成功数1.3(21/104) ロングパス成功数5.3(84/108) ボールロスト2.4(39)

Ashley Young
出場試合9 1G0A シュート0.7(6) ドリブル0.7(6) キーパス0.9(8) 平均パス数20.6(185)
パス成功率77.3% クロス成功数0.7(6/38) ロングパス成功数1.1(10/16) ボールロスト0.8(7)

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/football/1388275511/

 例によってこの後謎の香川罵倒と擁護が始まるのだけど、香川関係の話はいつも香川云々以前に数字の読み方がおかしい気がする。何でこういう不思議な読み方が出来るのか謎だけど・・その辺をまともな形でだすと。普通のスタッツとして読むには

 1.横についてるカッコの中の数字を比べる
 2.そしてそれをタッチ数で割る

 すると何回のタッチに対して何回ロストしているのか分かるから、多少は意味のある数字になる。基本的にボールタッチが少ない選手の場合は1試合辺りのボールロストが勝手に減るからね。今提示した計算の香川の数字が良くなるか悪くなるかは知らないけど。ただ少なくとも正しく読むにはそうしないと話にならない。試しにここに出てる数字で一番近い数値をだすと

香川 8%(19/247)
アザール4%(40/818)
ヤヌザイ 11%(30/278)
エジル 3%(32/941)
ルーニー 5%(39/746)
ヤング 4%(7/185)

大体こんな感じ。まあタッチ数とパス回数が比例傾向にはあるけど厳密ではないし、さらにロスト回数の計測がどの範囲でロスト読み込むかで結構違いがありそうなので、何ともいえない数字には違いないが。それでも、あそこに出されてる数字よりは、ロスト率としてまだ意味のある数字だとは思う。スタッツの話は実はこういう何回触ったのに対して何回何かが起こったという率を出すスタッツと、そもそもゴール数のように順数に数字が多ければ多いほどいいという絶対値に意味があるスタッツがある。得点に絡まないポジションや出場時間が少ない選手の個人のパフォーマンスを見る場合はほとんど率で見るしかない。したがって試合数とタッチ数あたりはめちゃくちゃ大事な母数で、ほとんどのスタッツを読むにはコレで割らないと意味がない数字になると思う