「天井効果」とは

サッカーでよく言われる「天井効果」とは

 サッカーの育成年代では「天井効果」という言葉がよく使われる。周囲と比較して突出した才能を持つと思われる中学生の選手を、中学生年代のジュニアユースチームでプレーさせていては刺激が少なくなり、マンネリ感を覚え、やがては伸び悩んでしまう。あるいは、いわゆる「お山の大将」になることもあるだろう。

 要は「天井」に背が届いてしまっている子どもの才能を、可能な限り早く開放させるにはどうしたらいいのか。答えは単純明快。天井の高さをより上げればいい。中学生だからという固定概念にとらわれることなく、高校生年代のユースチームへ「飛び級」で昇格させてプレーさせる。

 いわゆる「天井効果を排除する」作業を、スペインの名門FCバルセロナの下部組織を退団・帰国する道を選び、2015年5月に傘下の育成組織に加入した逸材・久保建英に対して、FC東京は状況を見極め、周到な計画を練りながら推し進めてきた。

https://victorysportsnews.com/articles/1720/original

というような説明をされている事が多いけど、個人的にはコレは日本のサッカー育成における特有の解釈で、一般的に言われている「天井効果」とは少し違う気はする。

よく使われる意味の「天井効果」

よく使われている「天井効果」は統計で用いられる “ceiling effect” の事を指している気がする。心理学的な要素ではなくよくある統計的な問題。例えば学力調査のためにテストをした時、誰もが満点近くを取れてしまうようなテストでは能力差を測定する事が出来なくなるというような問題だ。例えば高校生の数学テストで足し算や引き算の問題でテストをしても誰が数学が得意なのかを知るのは難しい。高校生の数学力をチェックするには高校生に応じた問題を出題しないと能力を調べる事ができなくなってしまう。逆にあまりに難しい問題でも同様な事が起きる。小学生に高校生の数学のテストをやらせてもほとんどの子供は1問も解けないので数学が得意な子を見つける事は出来ない。こちらは「床効果」という。

サッカーの場合でも、集団の中の能力を統計的にチェックしていくパターンと、特定の選手個人を複数回にわたってチェックしていきその結果を統計的に扱うパターンがありえるので、突出した個人の能力を測る時に簡単な課題ばかりで全てクリアしてしまうと成長しているのか分からなくなるという天井効果はありえるので、そのため育成が難しいというのはあるのかもしれない。

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