日本は前から決定率が低くパスが得意だったのか?

アジア杯で日本代表がベスト8で敗退した事で、特にUAE戦のスタッツをみてシュート決定率が低い事で日本代表は何時まで決定率が低いのかと言う問題提起がされている。特に岡田元日本代表監督がNHKの解説で「いつまで決定力不足とか言ってんだよ。もう10年近く言ってる」と言うような事を話していたのが印象的だった。

だが、しかし決定率は本当に日本の長年の問題だったのだろうか。そもそもの問題として、決定率が個の能力で決まると言うのは神話なのではないか?という事を最近日本代表のスタッツをみていて思ったでのでそれ付いて書いてみる。

南アフリカ大会の日本代表のパス成功率

ベスト16のみならず出場32か国で最下位だったのが「パス成功率」だ。60%という(1477本中890本)という成功率は、FIFAランキングでも日本より大きく劣る北朝鮮(65%)や、ニュージーランド(61%)よりも低かった。ちなみにパス成功率のベスト3は1位スペイン(81%)、2位ブラジル(80%)、3位アルゼンチン(77%)だった。そういうサッカー大国とはまったく質の違うサッカーを、日本はしていたということになる。

http://news.livedoor.com/article/detail/4945949/

ちなみに、具体的なパス成功率ランキングでは

1位 80% スペイン
2位 79% ブラジル
3位 76% アルゼンチン
3位 76% コートジボワール
5位 75% メキシコ

30位 61% ウルグアイ
31位 60% ニュージーランド
32位 59% 日本

という事で、出場国中で日本が最下位という、あまりうれしくない数字を残している。にも関わらず決勝に進出できたのは、”「枠内シュート率」において、驚くことに日本はベスト16のチーム中トップだった(59%)”という事実があるから。前回の南アフリカ大会は世界中がバルサに席捲されパスサッカーが一世を風靡していた時期だが、日本は居合い切りの如く、シュートも少なくパスもあまりつなげないが、ボールを奪ってからのカウンターで相手を一閃する。カウンターサッカーを採用していた。ちなみにカウンターサッカーも世界を席捲していた時期もあるので、けして弱いサッカーというわけではないとは思う。ただ、こういう数字をみると、今の日本代表は前回から日本は随分とサッカーの中身を替えてパスサッカーへと変貌している事がよく分かる。今回は世界が対バルサ戦略を構築してきてちょっと違うもう少しスピード感のあるサッカーが注目され始めている時に、日本はパスサッカーを選ぶという若干世界の果ての島国なためか時流とは少しズレもあるサッカーだとは思う。

メンバーはほぼ同じでもシステムが違えば決定力が変わる

そしてこれが特に個人的には言いたい事だが、南ア大会も本田を中心しとしたチーム。岡崎がストライカーで、遠藤で組み立て吉田や長谷部で守ると言う基本的に今いるメンバーと主軸とほぼ違いはない。あえていうなら香川が増えている程度。しかし枠内シュート率が高い。一体これはどういう事なのか考えてみる必要がある。特に岡崎や本田など現在も主要メンバー出る事を考えると、メンバーの選定によって決定率が決まるのではなく、システムの選定によって決定率が決まるのではないかという疑惑が出てくる。これはもっと多くの事例を検討してみるべき価値があるだろう。実際に比較した時、日本代表の決定率が低いという事が本当に言えるのだろうか。あまり調べもせずにマスコミなどは日本の決定力不足と直ぐ嘆く記事を書いているが、それは戦術面の出来の悪さを選手の個の問題に押し付けてそれで終りとしてしまっている可能性もあるのではないかと。

本田や香川のシュートに関する問題もマスコミでよく言われる問題提起と実際のスタッツには整合性がないと思っているので、それについてもまたいずれ書きたいと思う。

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