W杯予選 タイ VS 日本 0-2

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タイ 0 – 2 日本
得点 前半18分 原口 元気
後半30分 浅野 拓磨
後半40分 プラキット ディープロム
後半44分 プラキット ディープロム
警告 前半28分 森重 真人
後半38分 西川 周作
Pos 番号 選手名 採点 寸評
GK 12 西川 周作 5.5 日本が一方的に攻めた為あまり活躍の場がなかったが、1対1のシーンはしっかり押さえた。カードは余計だった。
DF 6 森重 真人 5.5 無失点に抑え守備では貢献したが、不用意に手でボールを掴みカードをもらったのはよくなかった。
DF 19 酒井 宏樹 6.5 日本が一方的に攻めた事もあるが、あがっての攻撃参加がいい意味で目立った。原口の1点目を良いクロスでアシストした。
DF 21 酒井 高徳 6.0 攻守にわたりサイドの相手の選手と個の力の違いが見えた。
DF 22 吉田 麻也 6.0 安定した守備で確実に抑えた。
MF 4 本田 圭佑 5.0 チャンスは何度もあったが点にはつながらず、本田の能力とタイ相手という事を考えるとやや物足りない試合だった。
MF 10 香川 真司 4.5 前回のUAE戦に続きあまりパフォーマンスはよくなく、明らかに調子を落としている。コンディション面などの問題が気になる所。
MF 16 山口 蛍 6.0 強豪との対戦でミスが目立ち代表から遠ざかっていたが、アジアレベルでは十分に機能することを見せ付けた。
MF 17 長谷部 誠 5.5 中盤を抑えて、日本が一方的に攻撃する流れを作った。
FW 8 原口 元気 7.0 先発で出場し18分に酒井のクロスに合わせて1点目を決め、決め切れなかった試合の流れを作った。
FW 18 浅野 拓磨 6.5 岡崎の代役として入り、裏へのボールから1ゴール。望まれた裏のスペースを突く役割で、しっかり結果を出した。
FW 11 宇佐美 貴史 時間が短すぎて採点不可
FW 14 小林 悠 時間が短すぎて採点不可
FW 20 武藤 嘉紀 5.5 時間はあったが、試合がほぼ決まった状態であったため、FWとしては違いを見せる事はなかったが、武藤が怪我から復帰しただけでも日本代表としてはFWの選択肢が広がったと思う。
監督 ハリルホジッチ 6.0 前回の敗戦から持ち直し勝利を手に入れた。交代や選手選考は前回のUAE戦を踏まえると妥当なもので、スタメン起用した原口、浅野がそれぞれ得点を決めた。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

 みなさん、コンバンワ。簡単ではなかったが、非常に重要な勝利だった。このチームがどのような心理状況で試合に臨むのか不安もあったが、この試合に本当に勝ちたいという気持ちで臨んだ。またしてもたくさんの決定機を作ったが、(ゴールにならなかったのは)集中力の欠如からなのか。それでも良い試合だったと思う。グラウンドは難しい状況だったし、最後にプレゼントをひとつふたつ与えてしまったかもしれないが、そういう状況に陥るのは心理面でまだまだ問題があるのかもしれない。

 選手を祝福したい。ここから日本がより強くなってくれると思う。合宿中はけが人や疲労など、さまざまな問題もあった。しかしメディカルやアドミニ含めて、すべてのスタッフと選手が良い準備をしてくれた。それから、素晴らしい戦いをしたタイ代表も祝福したい。タイと対戦する多くの国は困難に直面することだろう。

──UAE戦から3選手を替えた意図と選手への評価は?

 先ほど試合後のインタビューでも言ったが、少し競争を見たかった。と同時に、何人かの選手が疲労を抱えていたし、けがもあったので、若い浅野をはじめ新しい選手を試した。経験のある選手と若い選手を競争させたかった。

 出場した選手は良いプレーをしてくれた。そして偶然というか、彼らがゴールを決めてくれたおかげでチームに良い雰囲気をもたらしてくれた。選手を替えたのは、(外れた)彼らが悪かったからではない。UAE戦もまったく良い試合でなかったわけではなかった。ただ、このチームにフレッシュさをもたらしたい意図があった。

 われわれは(タイに)プレッシャーをかなりかけたと思う。(それによって)相手はオフェンスの組み立てで、何ももたらすことができなかった。この2試合で、われわれにも変化をもたらすことができることを見せたかった。また、国内でパフォーマンスの良い選手、アウェーで良い選手がいることも理解できたと思う。そうはいっても、プレーしなかった選手が悪かったというわけではない。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201609060014-spnavi

日本代表の印象

UAE戦とタイ戦では起用された選手に明暗が分かれた。相手がタイでUAEよりやや弱かった気がするが、トップは交代で入った浅野がしっかりと結果を出た。UAE戦でやや不調だった岡崎のバックアップとしては十分にアピールできたのではないだろうか。サイドも原口、清武は結果を出しており選手の層が厚くなっている。ただし、柏木の怪我だけでUAE戦のような問題が起きてしまうとすると、DMFは気になる。年齢や手術した事などを考えると長谷部が試合に出れなかった場合の対策も課題として残っている。また、もし香川が出れなかった場合の戦術の選択も気になる所。

試合の総評

この試合もタイのホームということで、タイにアドバンテージがあったが、UAE戦とは違いクリーンな試合で実力どおりの結果だった。試合は日本が一方的に押し込む展開となり、原口が1点目を決めると以降は流れが変わる事はなかった。タイは守備を固めてからのカウンターをする形となっていたが機能してなかったように思う。特にフィジカル面で空中戦と、スピードへの対応には問題があり、そこから日本の得点につながった。また、同じ理由からカウンターでロングボールを出しても競り合いをしてもセカンドボールが拾えないため、攻撃面も機能していなかった。もしタイと同じ戦術を取られたとして、もう少しフィジカルの強い国だった場合にはやや違った結果になったかもしれない。ただし、選手個人でみるとタイの実力は以前代表戦で戦った時より確実にあがっており、タイのサッカーが成長している感じは受けた。

スタッツを一つ二つ

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試合のハイライト動画

W杯予選 日本 vs UAE 2-1

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日本 1 – 2 UAE
本田 圭佑 前半11分 得点 アハメド ハリル 前半20分
アハメド ハリル 後半9分 PK
酒井 宏樹
吉田 麻也
警告 モハナド サレム
ワリド アッバス

採点

Pos 背番号 選手名 採点 寸評
GK 12 西川 周作 4.5 セットプレーからの失点は止めれた可能性もあるだけにGKの能力が問われてしまったと思う。
DF 6 森重 真人 5.0 守備では致命的なミスではないが、結果的に2失点につながってしまうプレーもあり、攻撃面でも見せ場はほとんどなかった。
DF 19 酒井 宏樹 5.0 本田のポジショニングとの関係もあるが、あがっての攻撃はあまり機能していなかった。
DF 21 酒井 高徳 5.5 左サイドからの崩しは成功していたが、得点にはつながっていなかった。
DF 22 吉田 麻也 5.5 失点につながるPKを与えてしまったが、その手前のプレーにからの流れを考えればファール自体は抜かれるよりはマシだったのでそこまで重要な問題ではなかったと思う。総合的には悪くはなかった。
MF 4 本田 圭佑 6.5 セットプレーから頭で1得点。前線に高い選手が少ないため、本田のハイボールへの強さが生きた。
MF 7 大島 僚太 3.5 PKを与えるファールは取られても仕方がない面があり、単純に審判を責めることは出来ない。攻撃面でも一部の縦パスを除くとパススピードの遅さや展開の遅さが目立った。守備面でも戻りが遅く長谷部の影に隠れていた
MF 10 香川 真司 5.5 守備面では貢献したが、攻撃でも決定的なチャンスもあったが決める事が出来なかった。大島が入る事で中盤の流れが若干違ったのかもしれないが、香川の本来の能力から考えればいい出来とはいえない
MF 13 清武 弘嗣 6.0 セットプレーからの素晴しいボールで1アシスト。清武が入る事で、遠藤が抜けてから課題の残っていたプレースキッカーの問題を解消していた。
MF 17 長谷部 誠 5.5 中盤の問題を長谷部と香川がかなりカバーする展開だったが、流れの中から失点しなかったのは長谷部の貢献による所が大きかったと思う。
FW 9 岡崎 慎司 5.0 チャンスはあっただけに得点がほしかった
FW 8 原口 元気 5.0 ハリルになってから何故かFWではなくMFと交代で出場する事が何度かあり、今回も大島との交代で原口の本来のポジションとは少し違った動きを求めらていたのかもしれない。
FW 11 宇佐美 貴史 5.5 途中出場で一方的に日本が攻める流れにしたが、得点にはつながらなかった
FW 18 浅野 拓磨 6.0 途中出場で、ゴールも決めたが審判の判定で得点には至らなかった。
監督 ハリルホジッチ 5.0 審判の判定にミスがあったので、実際には引き分けだったと思うが、求められていたのは勝利だった事を考えれば十分ではなかった。ただし、柏木の怪我や選手のコンディションなどハリルの責任とはいえない部分で難しさもあったので、仕方がない所もあったと思う。
試合後、ハリルホジッチ監督のコメント

引き分けくらいが妥当だった

 この結果で、現時点でのわれわれの実力が示された。これを受け入れるしかない。このチームは期待されていたと思う。トレーニングも準備もしたが、皆さんが期待したとおりのプレーができなかった。ボールをより速く動かすように要求したが、残念ながらそれができなかった。われわれが望んだプレーが実行できなかった。相手の方がリアリストで、決定的な機会がいくつかあった。

──ボールを速く動かすサッカーができなかった要因は何か? 選手のコンディションなのか、それとも判定によるものか?

 疲労は考えられる。そして何人かの選手は、(勝つための)プレーを実行するだけのフィジカルコンディションではなく、何人かの選手はほとんどプレーができなかった。なぜこの選手を選んでしまったのかと私も自分自身への疑問もある。ただ、その選手以外に良い選手がいなかった。代表監督は責任があるわけで、相手の方がパフォーマンスが良かった。デュエル(1対1の競り合い)に勝てなかった。4回、5回のうち1回は勝つ必要があった。相手の方がしっかりオーガナイズされていたし、2〜3人はハイレベルな選手をそろえていた。素晴らしい選手たちだったと思う。

 われわれにとって、この試合は少し早すぎたのかもしれない。フィジカル的なレベルで言えば、引き分けくらいが妥当だったと思うが、まだ9試合残っている。試合を負けたことは受け入れがたいが、これが現実だ。何人かの選手はこの試合で失敗したと思うし、恥ずかしさも出してしまった。勇気と勇敢さが足りていなかった。観客の皆さんが素晴らしい雰囲気を作ってくれただけに申しわけなく思う。

──大島僚太を送り出すにあたって期待したことと評価は?

 もう少し期待はしていた。(大島は)けがをした柏木(陽介)と競争していて、若い選手を決断した。まだ少し、このような試合で恥ずかしさを見せる面はあったが、そのようなチョイスをしたのは私の責任だ。

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201609010006-spnavi

大島の問題については至って冷静に分析しており、責任は選んだ自分にあるといっている点も真摯な姿勢といえると思う。もし変な事を言っていたらハリルの問題点について書こうかと思っていたけど試合後のコメントは至ってまともだったので次回のリカバリーに期待したい所。大島の問題は柏木が怪我だった事で、若い世代のテストの意味もあったのだろう。次善の策としてのチョイスだったと思えば仕方がない面もあると思う。ただし、どのポジションも控えのメンバーをある程度想定しておくべきだとは思う。

遠藤が抜けてからの代わりの候補としては、過去に、遠藤航、柴崎、森重(アギーレ時代)、柏木、青島、山口などが試されたが定着した選手はいないと思う。攻撃面では柴崎、柏木が目立ったが、守備面での課題が大きかった。逆に、遠藤航では今度は攻撃面で物足りなさがあったし守備も最高とはいえなかった。アギーレがアンカーにCBの森重を選んだのはその辺を割り切った考えだったのかもしれない。
このポジションは浮いたボールを処理する事も多くCBのようにある程度の高さやフィジカルも守備で必要というところが毎回問題となっている気がする。日本人は小柄+ハイボールに弱いMFの選手が多く、判断が早く攻撃に魅力がある選手がいたとしても、守備面や安定したボールキープで考えると問題が出てきてしまったりする。

日本代表の印象

柏木の怪我などで選手選考が難しかった。また選手のコンディションもあまり良いとは思えなかった。ただし、負ける理由もなく、決めてもいいシーンが何度もあった。惜しいシーンでしっかりと得点していれば、普通に勝てる試合だったように思う。UAEが凄く強かったとも思えなかったので、審判の問題があっても日本側の今の実力を考えれば十分勝てる相手だったように思う。

一方で、攻撃陣は一応実質2得点を挙げており、0点で全く機能しなかったわけではない。また、守備面も流れの中からは失点しておらず、全く機能しなかったわけではない。実質的には引き分けか2-1くらいで競り勝てるプレー内容だったともいえる。しかし色々な条件を考えれば3-0くらいで勝てるプレーが求められていたと思う。たとえばFKとPKは西川がどちらか一本は止めてもおかしくはなかったし、PA内で大島がファールをしなくてもよかったし。吉田のファールも前で森重と上手く止めてもよかった。攻撃でも香川も、岡崎も、清武も、宇佐美も1点取れそうなシーンもあったわけで決めていてもよかった。例え審判の問題があったとしても、そういう小さな積み重ねが審判の判定と合わさって1-2という結果になっている気がする。

試合の総評

審判が凄く目立つ試合でUAEよりの判定を繰り返した。失点シーンはファールやPKを取られても仕方がないシーンではあったが、取らなくてもおかしくはなかったし、日本の得点とならなかった浅野のシュートも得点と判定されてもおかしくはないものだった。またUAEの選手が怪我のフリをして何度も倒れこんだり、倒れこんだ時にボールを外に出さなかった事に対して日本選手に講義をして時間を使ったり、いつもの「中東」を繰り返したが、延長時間は4分と何故か短かったように思う。

試合のハイライト動画